市民のための上尾市議会議員の評価 (3年間)
議員のリテラシーは、読み書き、スピーチ、ネット
前記事:会派別の評価 関連 改革の目次
追記 2/21 三年間ゼロの渡辺綱一議員が3月議会で初の一般質問。地元テーマは次改選への布石だろう。2/17 コメントのリクエストに応えて末尾に「回数の少ない人順」を追加。 1/31付で町田議員は辞職し県議選に集中(選挙用HPはここ)。
前記事は会派別の評価、本稿は2016年~2018/12月までの一般質問を中心に議員個人の評価。議員の話す力やリテラシー(読み書き能力)が見えるが、表は下から見た方が良いかもしれない。 以下敬称略。
表は三年間の実施回数と一回当たりの質疑分数(Max60分)の二つの条件で並べた(二要素の解説は前記事参照)。ここでは回数を最重要指標とみなす。定員30人だが今は変則的に29人議会なのだが、実態は見ての通り25人位に過ぎない。
●実施率
三年間で12回やれば実施率100%になる。戸口、海老原は2017年末からなので回数面で不利になるため実施率で評価する。
●話す比率
議事録の議員発言文字数÷総文字数で算出し、棒グラフの枠全体が100%を意味する。データは「かまちょ図書館」の議事録文字数分析の三年分を利用。例えば井上は59分中78%を一人でしゃべっている。最低は斎藤の50%となる。
登壇回数の多い議員は長く話す傾向があることが分かる(質問分数には比例しない)。以前も書いたが、長演説の人は主張を展開し、短時間の人はQ&Aの聞くだけ型が多い。この違いは、問題の掘り下げだけでなく、話す能力の差もあるだろう。
●レポートの頁数/頻度
ネット上で見られる議会レポート等の有無と一回当たりの頁数(ほぼA4)と発行頻度をみた。4頁とはA3版裏表も含む。1ページだけというのは形式的すぎるが、3か月に一回の議会報告をA4二枚と言うのも物足りず、読み応えよりも「やっています」と自己PR感満載の見栄え重視の作品もある(写真部分が大きいから見ればすぐ分かる)。
頻度とは一年間の発行回数を示し、低は年2回以下、中とは4回前後、高は6回以上とした。ここには議員の「書く能力」が現れてると思う。
なお空白の人は紙媒体のみの発行という可能性もあるが、実態は不明だ。HPやブログを持ちながら、議会レポートを公開しないケースは一般的にはあり得ない。なぜなら議会レポートは議員の「最高のコンテンツ」であり、Webサイトを持っていれば普通は公開したくなるものだ。
●ネットと最終更新日(2019/1月末時点の調査)
例えば表中の「2016.9」とは最終更新日を指す。日付の無い人は比較的更新をしている。この更新日により、選挙目当てか否かの姿勢がよく見える。報告書を出さない(年1回では出したうちに入らない)ような議員が多いため、酷いと感じる人もいるが、そもそも「ニーズが無い」からだと思う。右側の得票数で示す支持者達が特に求めてもいないから、書く必要が無いのだろう。
●前回得票数
2016/12月の選挙結果である。前々回比とは2012年の選挙時の票数との比較である。この解説は過去記事へ。
●住所
投票率が低く上尾市への帰属意識が低い原市に4人もおり、次回で原市地区の投票率を上げられるか否かで彼らの存在感が分かる。瓦葺・本町が3人と続く。市の人口集積地帯からの議員が少なく、議会は旧住民による地域代表に偏っているようにも見える。
●学歴/職歴
前回の選挙公報や議員HP等からの引用。履歴書が不要ですむ企業は限られるように、議員になる前にどんな経歴があるかは重要である。なお空白の人は不明ということで、無学/無職と勘違いしないで欲しい。
私見として: 「若さ」を売り物にしたり、「老人より若い人のが良い」と語る人もいるが、職業経験の希薄な人は議員に適さないと思う。問題意識や解決能力には職業的或いは社会的な経験が必要だから。
●世襲性 親族が元政治家は、田中、尾花、新井、深山、町田(父は桶川市議)。
●優先される政党人事
共産党と公明党の11人は党内人事で決めて票の地域割りがベースになると言われ、住所との関係性は分からない。他にも、国民民主党が政策フォーラムに3人いる。自民党議員(新政クラブ)もいるから、半数以上は政党人事が優先されているようなものだ。地方自治では国政問題を扱うわけでは無いのに、初めから対立の構図となってしまい、政党意識はコミュニティ形成の障害になるという指摘もある(文献より)。
つづく。
関連 選挙分析-前職当選内容は11勝13敗 、議会改革の目次メニュー
●追記 回数と分数の少ない順
氏 名 | 会派 | 3年間回数 | 実施率 | 平均分数 | 話す比率 | レポートの頁数/発行頻度 |
---|---|---|---|---|---|---|
渡辺 綱一 | 新政ク | 0 | 0% | 0 | 0 | |
新井 金作 | 新政ク | 1 | 8% | 54 | 54% | |
斎藤 哲雄 | 新政ク | 2 | 17% | 40 | 50% | |
野本 順一※ | 新政ク | 2 | 17% | 54 | 67% | 紙はある |
嶋田 一孝 | 新政ク | 2 | 17% | 57 | 58% | |
小林 守利 | 新政ク | 3 | 25% | 41 | 52% | |
海老原 直矢# | 政策フ | 4 | 80% | 48 | 77% | 2/高 |
戸口 佐一 # | 共産党 | 5 | 100% | 39 | 62% | 1/低 |
町田 皇介 | 政策フ | 5 | 42% | 53 | 59% | 2/低 |
大室 尚 | 新政ク | 6 | 50% | 49 | 55% | |
新道 龍一 | 新政ク | 6 | 50% | 50 | 54% | |
尾花 瑛仁 | 新政ク | 6 | 50% | 52 | 55% | 2~4/中 |
道下 文男 | 公明党 | 7 | 58% | 54 | 60% | 2/1件 |
長沢 純 | 公明党 | 8 | 67% | 46 | 56% | 2/低 |
田中 一崇 | 新政ク | 8 | 67% | 47 | 53% | |
小川 明仁 | 新政ク | 8 | 67% | 52 | 63% | |
橋北 富雄 | 公明党 | 11 | 92% | 39 | 54% | 2/低 |
深山 孝 ※ | 新政ク | 11 | 92% | 45 | 54% | 2/中 |
浦和 三郎 | 政策フ | 11 | 92% | 48 | 56% | |
池野 耕司 | 政策フ | 11 | 92% | 50 | 65% | 1/高 |
戸野部 直乃 | 公明党 | 12 | 100% | 44 | 68% | 2/低 |
前島 るり | 公明党 | 12 | 100% | 47 | 64% | 4/低 |
星野 良行 | 新政ク | 12 | 100% | 50 | 64% | |
新藤 孝子 | 共産党 | 12 | 100% | 51 | 75% | 2/高 |
平田 通子 | 共産党 | 12 | 100% | 56 | 71% | 2/低 |
池田 達生 | 共産党 | 12 | 100% | 56 | 71% | 2~4/中 |
糟谷 珠紀 | 共産党 | 12 | 100% | 58 | 71% | 2/高 |
秋山 もえ | 共産党 | 12 | 100% | 58 | 76% | 1~2/高 |
井上 茂 | 政策フ | 12 | 100% | 59 | 78% | 4/高 |
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