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2019年2月15日 (金)

国保の上限限度額を請求された市民の審査請求-2

自分の老後のために工面したのに、支援金を請求されるとは?

前記事の続き

限度額650,000円を請求された人の審査請求がある。請求の趣旨を意訳したが、原文はこちら(h28/12)。

・上限=基礎課税51万円+後期高齢者支援金等課税14万円

・後期高齢者(75歳以上)は資産を持っていないという発想は間違っている。振り込め詐欺を見れば明らかだ。

・健康保険税を払うことが、いかに大変かという現実に直面し、生活費を切り詰めたのに、後期高齢者支援として14万円もの負担は高すぎる。

・健康保険税が11億円の黒字だから、徴収しすぎではないか。

・妻と2人世帯で「老老介護」の負担を避けるため、2人分の老人ホームの入所資金に充てようと土地を売り、昨年の所得が高くなった。

・所得税や市県民税は想定していたが、こんなに高いとは。今は年金収入のみで月〇〇万円。そこから国保税8万円超が徴収される(8×8回だと思う)

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昨年の一時的な所得に最高額が課されて年金暮らしだと、収支のタイムラグで資金繰りが大変になる。しかし事実の間違いがない限り"非情計算"されて、

主文 「本件審査請求を棄却する。」

調べて主張する態度は納税者として立派だと思う。なお、11億円の黒字は勘違いだろう(繰入金については前記事へ)。また75歳以上への支援金はサラリーマンの健保組合も負担していると思う。

だけど、老後に備えた売却益を他人の老人のために、市民税以外に払えと言われて納得いかないのも人情だ。その嘆きの心理はけっこう重く感じる。

 

以下は雑感・・・

人は「見返りとなる安心よりも、毎月の支払いの方を嫌う」「利益よりも損失回避を優先する」という行動経済学の解説の通りだと思う。そこに保険・支援金という美しい言葉で強制徴収するから、腑に落ちないのではないか。寄付は感謝されても、納税は誰からも感謝されない。 

 

保険とは「晴れの日に傘を差し出すこと」と言うけど、掛け金は人によって異なる。車なら事故を起こした人は高く、火災保険なら木造は高く、地震保険なら地域で異なるようにリスク度に比例する。
 ところが国保は負担の見返りに
(安く受診する)受給権があっても、その人の健康度ではなく所得に課すのだから税金そのもの。今は保険税と呼ぶが、社会連帯税と言う専門家もいる。

そして、必ずモラルハザードが云々されるが、医療経済学では違う捉え方をしていてビックリした。モラルハザードとは、保険で守られているため本当の価格を見ておらず、人々が本来必要なサービスよりも多く消費してしまう現象のこと、と言う。さらに、「モラル」という言葉があっても、モラルハザードには善悪の概念はない、と言う。アメリカは流石にクールだ。

でも、それらは無意識的な行動が前提なのだと思う。特権的な供給者による過剰検査・投薬は昔からある。数年前、町医者で「血管年齢」を測定させられた。あれは買った装置の稼働率向上だろう、と隣の薬局で愚痴ったら、「あのメーカーのは(値が)高く出るんですよ」とこともなげに言われた。


 製薬企業の利益率が異常に高いのは、新薬開発のコストがデカいからと言うが、それを負担しての利益率が高いのだ。そして薄利で喘いでいる製薬企業はあまり聞かない。

 

湿布薬がドラッグストアで買うよりも保険負担で手に入れた方が安いというような例は、患者の意図的な行動である。先日、郵便受けに「葬儀保険」と言うのが入っていた。この保険へのモラルハザードはどんな行動を取ることなのだろう・・・( ゚Д゚)

 

 

 

 

 

 

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コメント

示された上尾市の「裁決書」を見ると、市民側にとっては次のような問題点があります。

①処分庁が市役所で審査庁が市長であること(ズブズブの関係性)。
②違法か否かということばかり述べて、市民が審査請求に至った心情を推し量っていないこと。
③市民にとっては、違法性の有無よりも、当為性(こうあるべきである)のほうが問題であること。

ましてや、審査庁の上尾市長はといえば、逮捕前であり、この審査の時は既に懐に金を入れていた? と考えると、憤りが増してきます。

審査請求は、上尾市の「処分」に対して市民が「おかしいのではないか」と述べることができる手段ですが、残念ながら、棄却されてしまうことも多いのが実態です。
私も、情報公開請求したところ、求めた内容と異なる文書を示され、「公開処分」とされたことを不服として審査請求したところ、「門前払い」の扱いをされてしまった経験があります。

「悪代官」をのさばらせておくことを避けるためにも、市民が様々な立場から声を上げていく必要がありそうです。


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