政治倫理条例案への上尾政策フォーラムの見解書
文書を入手したので公開。
要約
第三者委員会の報告書は「あの事件は個人に由来する犯行、との安易な考えを捨て、…同様の不祥事が再びされるとの危機感を持ち、信頼回復のため本提言を早く実現しなさい」と求め、議会に五項目からなる政治倫理条例の制定を求めている。我々フォーラムはそれが最低条件だと考え、詳細を議会改革特別委員会で作り上げ、6月議会では職員達への倫理条例と一体のものとして制定したい。
①政治倫理基準の明示、②資産公開制度、③政治倫理審査会の設置、④市民の審査請求権、⑤市民の問責権
第三者委員会の原文はこちら、5項目部分は本文p12にある。上に書いた「事件は個人に由来する・・・」という下りは、事件を矮小化したい勢力への批判である。ところで、議員条例の本丸はこの見解書からは伝わらない。それは、①の中に含まれる「議員の親族等の企業は公共事業等の請負を辞退せよ」という制限だろう。これは現議員に当てはまる人がいるからもめている。
今日、一人の愚かな行為や事故の後、対策として多くの人や社会に不便を強いる例はよくあるが、性悪説を受け入れて、ある意味迷惑なことだと思う。なお本見解書は五項目へのさらなる詳細案が無いのは物足りない。
詳しく知りたい人は委員会傍聴へ。以下は見解書の本文。
上尾市西貝塚環境センターの入札に関する第三者委員会調査報告書についての上尾政策フォーラムとしての見解
1.前市長、元議長の逮捕という前代未聞の事件の全体像が第三者委員会の調査報告書によって明らかにされた。
調査報告書によると「本判決で認定された罪となるべき事実に止まることなく、背景事情や至る経緯、さらには事件発生後の取り組み等も調査、検証し、問題点を抽出して、失われた市政に対する市民の信頼を取り戻すべく、再発防止にむけた実りある提言をすることとした。」と記述している。
2.この調査報告書では、①議会の代表であった元議長の明石産業㈱社長との癒着関係 ②元議長の職員人事等に対する不当な介入 ③議会の監視機能の欠如 ④元議長、前市長等の政治家の政治倫理、コンプライアンスの欠如など元議長と議会の問題点も大きな柱として取り上げられている。
3.そして今回の事件をより正確、多角的にとらえるため副市長及び現議長、前議長のヒヤリングが実施された。
議会側は、今回の事件を「個人の特質に由来する犯行である」ととらえていたと指摘している。
4.調査報告書は、「今回の事件が個人の特質に由来する犯行であるなどとの安易な考えを捨て、このままでは、同様の不祥事が再びされるのではないかとの危機感を持ち、市政の信頼回復のため本提言が早期に実現されること」を求めている。
5.具体的な対策として議会に提言されている項目は次のとおりである。
①政治倫理条例の制定
政治倫理条例に記述すべき事項として5項目をあげ、さらに具体的に内容を示している。
イ 政治倫理基準の明示
ロ 資産公開制度
ハ 政治倫理審査会の設置
二 市民の審査請求権
ホ 市民の問責権
②面会記録の作成の徹底
③コンプライアンスの徹底
④公用車の適正利用
⑤市民による監視の強化
⑥提言内容の定期的な評価
6.以上のように第三者委員会の調査報告書は、きわめて具体的な改善すべき点を提示している。
7.政治倫理条例についても具体的項目を立てて、条例案を示している。
このことを踏まえて、政治倫理条例案作成にあたっては、第三者委員会の提言を最低条件として考えなければならないことが基本であり、それから逸脱した条例案の検討は第三者委員会の調査報告書を否定、あるいは軽視していると指摘されても仕方がないと考える。
第三者委員会の条例案骨子に基づく条例作成を抜きにして、議会としての検討はありえないと考える。
よって議会改革特別委員会は、第三者委員会の調査報告書に提示された条例項目に基づく条例を作成し、6月議会前に全員協議会又は政策討論会を開催した後、6月定例会に上程し、市長、副市長、教育長、職員の倫理条例と一体のものとして議論、採決することが、市政に対する市民の信頼を回復する第一歩であると思う。
以上
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