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2019年7月24日 (水)

定数削減の請願-2 議員定数の合理性とは

安かろう悪かろうはダメ、しかし高かろう悪かろうはもっとダメ。

前記事の続き  ↑ は報酬と質のこと

(1) 委員会の議論

発言はよく分からないが概ねこんな感じ。詳しくは議事録を見て欲しい。

・共産、池田議員は反対理由として全国議長会の統計資料を加工して提示した(過去記事のこれと似る )。

 7/28記事に池田議員の寄稿あり

・新政クラブ議員らは事務局に下記の資料提出を求めてそれを利用していた。全国議長会HPに行けばだれでも手に入るのに、自分で用意できないのか?

・公明、前島議員は重く受け止めるが 、今は信頼回復について応えるべき、いま定数削減なのかは疑問、と体裁のよい反対。

●上尾市議会の定数推移

昭和31年の初の町議選は30人。
昭和47年から36人へ。人口12万人。
平成8年から32人へ。人口20万人突破。
平成20年から30人へ。

昔は人口段階別の法定数(上限定数)があったが、H23年に撤廃され今は議会で自由に決める。なお平成3年12月の選挙では候補者36人の無投票状態になり、減らすべきの意見が出て、四人減らしたという。

●全国統計(h29)

全国に814市区があり「20~30万人未満の市区」は46、平均定数は31.3人だ。また県内比較はここに書いた。つまり人口比較で7600人に議員一人であり、平均的であることが反対論のよりどころ。しかし定数は議会で決められるように、お隣と比較して30人で良いという理由にはならない。

しかも、こともあろうことか議員報酬が上尾は低いという話へ発展した。事務局が議員報酬の全国統計まで提出したのは、彼らの意向だろう。反対議員は、上尾は安いから若い人にはチャレンジできないと嘆いた。たんなる口実かもしれないが、世間知らずもほどがある。本社のある上場企業、ベルーナは37歳で年収513万円、スーパーバリューは42歳で515万円だ。上尾の中小企業で働く人から議員報酬は安くは見えない。まして30歳前後の議員には就職難関の一流企業並みである。

参考 市長、議員、職員等の報酬給与賞与の推定年収とラスパイレス指数

(2)請願者の考え方

 最初の起案は「議員定数の削減または定数増加を求める」というものだった。増やすことで、今より市民の参加チャンスを高めよう、という両論併記だった。地方議会で定数増の例はあまりないと思うが、4/24つまり統一地方選後の天声人語にこうある。

一つは、プロとしての責任を重くして報酬を上げる。もう一つは、首長を監視するアマチュアだと割り切り、兼業を大いに認め、報酬も日当程度にする。アマチュア議会を想像してみる。学校の先生が授業を終えて議場に駆けつける。Tシャツ姿の人が質問に立つ。託児施設がもうけられ・・・

それは、良識とボランティア精神の高い市民が多ければ可能だが、無関心が蔓延する街には絵空事である。

議員を削減したら報酬増を検討しても良いとも書いたが、本来は下げるべき。理由は単純明快。報酬とは活動行為に対して支払うもの、生活保障的な給料ではない。例えば、議会棟以外での働きぶりは(たぶん)少なく、その証明は不可能だ。

給料安ければ成り手がいないという理屈が出るが、今でも兼業可能だ。議員に成るくらいの能力があれば二毛作はできるだろう。今のレベルで報酬を上げたら、就活組が増えるだけと批判する人もいる。町村議会の成り手不足には給料上げ、相当額の他予算を削ればよいのに、それができないからダメなんだろう。

参考 市長は年300日稼働、議員は100日と仮定すると、市長年収1458万円÷3=議員486万円となる。副市長・教育長の三役平均を使うと422万円だ。この考え方は現実にある。そこへ責任の差まで加味したら更に低くなるだろう…

報酬を1割以上減らす代わりに定数を36人に増やした場合、悪貨は良貨を駆逐するかもしれない。この低投票率の街、市民運動もそこそこあるが、調べることを面倒くさがり、狭い知識で情緒的なことばかり述べるシニアが多い(一般人だから当然だが、そういう方ほど政治談議が好き)。そこから成りたい人が出るのか分からないが、「みらい創造市民会議」にみるように多数会員を擁する補助金団体からの代表市民を見れば、定数増は彼らの指定席と化し財政膨張をもたらすことを懸念する。

 結局、少数精鋭は人を鍛えるという考えをとる。

 ネットのおかげでポピュリズムが台頭しやすい時代、成りたい人やヘンな組織から守るためにも定数削減は良い。常任委員会は7~8人が良いとされ、4つだから定員28人となる。たった二名じゃインパクトが無い!もっと減らせと言われても1割減の27が適正限界だろう。5人も減らすと最低当選ラインが上がり過ぎ、政党支配が強まる、議員の固定化というデメリットがある。
 既成政党が
定数削減に反対するのは、ホンネは政党議員が政党活動を固定給でやれるためではないのかと思う。また誰かが、請願書の理由(2と4?)は議会への批判であり削減理由ではないようなことを述べたと思う。繰り返すが、定数は各自治体で決められ、自治体(かれらは風土と呼ぶかも)にあったもので良いのだから、「議員の質の低さ」は定数削減理由として合理的である。

(3)議員サポーター制度、もしくは入れ替え制度

 正規議員を減らし、減らした人件費分で議員サポーター制度を作る。十数名規模で、夜間や休日に議員を支える仕事をする。いわば、二軍あるいは議員養成機関である。当然、そこから次の選挙に出てきて現役を脅かす。この点は飯綱町議会(下記記事)に導入例がある。

 或いはサッカーのJ1・J2リーグ制と同じく、なんらかの勤務評価制度を設け、任期途中でも毎年、最下位議員を入れ替える形も緊張感があってよい。

 

つづく 共産党・池田議員の反対論とそれへの反論

 

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