上尾市議会選挙の審美眼_敵を間違えないこと
1指定席 2投票率式 3ピンキリ 4新人今昔 5NHK(本稿) 6定数 7未定
経歴もプロフィールも無い候補者が二人もいた
参院選埼玉選挙区の選挙公報が来た。「NHKから国民を守る党」は予想通りだったが「安楽死」候補の方まで経歴やプロフィールの無い人物だった。選挙段階から劣化しており、いくら何でもこれは無い。
就活のエントリーシートに、抱負だけ書けばよいという会社ってどんな所かな(笑)。
ところで、昭和の頃の政見放送はそれなりに面白かった。落選間違いなしでも全国放送で言いたい放題、トンデモナイないことを平気でまくしたてる奇人変人がいた。NHKアナウンサーの声と共に現れ、画面の外側にいるカメラマンらの仕事ぶりを想像しながら、ブラウン管の中の人は超シュールだった。
赤尾敏や東郷ケンとかが有名人だが、そんなもんじゃなくて無名の変人がいた。しゃべる事すらままならない候補者だが、家族はよく止めなかったな、と余計な心配をしながら、笑い転げたり、気持ち悪くなることすらあった。世間の広さを感じる数少ない「番組」だった。
●参考 この党首による史上最も程度の低い政見放送(ツイッター)
さて、N党が市議選に来ると予想したのは、3月の統一地方選で数十議席を獲得した時だった。今のアゲオは乱れており不安定だから、年内というタイミングもあって狙われると思った。
参議院選挙の埼玉県区から出る女の候補者は、ツイッターでは上尾市議選に出ると宣言済み。参院選により県内選挙区での得票数のリサーチもできるからテストマーケティングである。
明日の上尾夏祭りは悪天候だが、一年で最大の人が集まるイベントだから各党候補者は上尾駅頭にくるだろう。『その人』の政見放送を見逃した人は7/13朝NHK、7/20夜テレビ埼玉で録画予約しておくと良い。原稿見ながらの演説時間が余って「NHKをぶっ壊す」と繰り返す。リテラシーの高い人は相手にしないが、実は侮れないのが今のポピュリズム時代である。
一般論としてはNHK受信料への不満は広くある。ウチは衛星放送込みで年25,000円だった。スクランブルにして有料配信にしろとか、NHKの映らないテレビを作ればよいという「選択の自由」は当然あり得る。しかし、政権が役員人事を左右し、忖度するニュース報道と相まって既得権益しておりムリだ。せめて値下げくらいだろうが、当のNHKの決算は絶好調である。
朝日新聞 5/14 より
NHKは14日、2018年度決算(単体、速報値)を発表した。受信料収入は前年度より209億円増の7122億円。5年連続で過去最高となり、初めて7千億円を超えた。受信料制度を合憲とした17年12月の最高裁判決が出たことや、営業体制の改革が進んだことが要因としている。
受信料の支払率は前年度より2ポイント増えて82%となり過去最高だった。一般企業の売上高にあたる事業収入(受信料収入を含む)は7332億円。事業収入から事業支出を差し引いた事業収支差金は271億円で、当初予算で見込んでいた40億円を大きく上回った。
若い人のテレビ離れが激しく、民放が苦しむ中での一人勝ち。しかし、NHK問題は地方議会で扱うテーマではないことは素人でも分かるのに、経歴不詳の人物が当選するのは、社会に広まる不平不満の捨て鉢の現れだと思う。また、やたらと正義感を口にしたり、弱い者の味方を過剰に訴える人にも気をつけた方が良い。
彼らの存在を知ったのは2016/12の朝霞市議選の「ワンイシューで当選」というニュースだった。たった一つの政策という意味で深い意味は無いが、選挙公約は政策と名前だけで経歴とプロフィールはない(他市からきたトラック運転手だと下の記事にあった)。
1278票で中位当選、3.5%の得票率、有権者数比は1.2%。つまり1%でも当選できるのだ。
朝日新聞の分析はこうだ。
狙うのは、東京や大阪のベッドタウンで住民の流入・流出が激しい地域。一人暮らしの学生や社会人が多そうな街。過去の「みんなの党」(14年に解党)の議席とも書いてあり、既成政党を嫌う浮動票狙いだ。しかし一番の要因は、低投票率による当選ラインの低下だという。
なお、この市議は任期途中で辞めて参議院東京区に出た(その後は他市区へ移るらしい)。
参考 朝霞・黒川市議のブログ…N国党のO議員が辞職
●上尾市議会選挙では1%は1850票、得票率3%は2000票である(前回の最下位は1369票)。
首都圏の市議選では、数十人いる固定給議員らが『専従活動家』みたいに集まり、集中的に選挙応援をする戦術かもしれない。駅頭ジャックと呼ぶらしい。党の認知度は低いものの、低投票率下では有権者の1%の支持率があれば議員になれる時代の「確率の党」なのだ。
だから議員に成りたい人も集まる(再選した人はまだ不明)。彼らはトランプみたいにツイッターで発信するが、驚くような発言が多い。だから反N国党のアカウントも多くあるが、むしろ、ネットのできない層が投票しているのではと思う。
言うまでも無く、上尾市民の敵はNHKではない。利権政治屋・給料泥棒議員・背信公務員から、収めた税金を守ってほしいのである。4年に一度しかないチャンスに、急に現れて問題をすり替える人にはできない。
最後に注意すべきこととして、上の市議ブログではN党議員が当選後に最大会派に入ったと歎いている。そこまでは考えて投票していないだろう。民度が試される。
今回の国政進出で得票率2%等が取れると政党助成金(総務省)がゲットできる。
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コメント
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おはようございます。
ミニ政党の乱立時代、懐かしいです。
大学1年時、部室でいろいろ話題になりました。
スポーツ平和党の猪木議員が一番人気でした。
UFO党とか雑民(東郷健)とかはもう出ない思ったら、Nl国党、ひさしぶりーって感じ。
ところで、一昨年?、都議選ではマック赤坂氏(スマイル党党首)がついに当選。
笑いは気力回復に必要です。暗い世情にマック氏のパフォーマンスは清涼剤?
都内勤務の方しかわからないでしょうが。
ハタ坊のニコニコ挨拶を想起させましたが、マック氏に失礼です。
見せかけのニコニコ野郎は腹黒い。マック氏の学歴調べたら凄い。
次いでに、もう一つ政党名を挙げます。
大学2年時にキャンパスで踊る集団が学生を誘ってました。
真理党です。夏合宿の新人芸が、例の儀式した。
だれもがこうなるとは思いもしない若い時代の出来事です。
投稿: 本好き | 2019年7月14日 (日) 10時55分
マック赤坂氏は、港区議会議院に当選が正解でした。
それでもすごいです。
投稿: 本好き | 2019年7月14日 (日) 11時05分
勉強になりました。ありがとうございます。
いつも冷静に書いてると思うと同時に、62%の無投票者には伝わってないのだろうと残念になります。
もっと簡単になれば、わかる人もいると思うのですが・・・残念です。
投稿: たぬき | 2019年7月25日 (木) 17時11分