住民監査請求は勧告を得た…上尾市政初である
金額は小さくても、正した影響は大きい。
8/28水の夕方、我々が提出した不正なブロック塀工事への住民監査請求の結果を受理した。即日に、その内容は畠山市長へも伝えられた。10ページに渡る報告書は後に全文公開するが、監査結果の結論と意見のみは以下の通りである。市サイトでの公開は来週となるだろう。
請求棄却が当たり前の世界で、上尾市政初の勧告を得た。
第一 監査の受理
第二 監査の実施
第三 監査の結果
1 事実関係の確認
2 判断
3 結論
以上のことから、請求人の主張の一部に理由があると認め、市長に対し、地方自治法第242条第4項の規定により、次のとおり勧告する。
(1)市長及び関係職員に対して、市が本件工事費用を支出した日から地権者が工事費用相当額として市に納付した日までの間に生じた遅延損害金69,810円を市に返還するよう措置を講ずること。
(2)勧告の日から1か月以内に措置を講ずるとともに、地方自治法第242条第9項に定めるところにより、その措置について監査委員に通知されたい。
解説 住民監査請求は市財産を毀損した時の賠償を求めるという限定的なものである。本件では我々の監査請求が公開されてから、地権者が全額(6,933,600円)を払ったため請求原因は消滅したかにみえたが、金利相当分(民法で5%)は埋められておらず、それを市長らで払えと言う勧告になった。 上の(2)はそれを一か月以内に行いなさいというもので、その結果は監査委員から我々に報告される。たぶん市長・副市長で払うと想像する。
4 意見
住民監査請求としては結論のとおりであり、一部地権者の利益のために公費を支出することは認められない。
市は、損害の補填とともに、市が定めた契約手続を免れるための分割発注や本来の手続を逸脱した見積徴取など、早急に改めなければならない財務会計行為が行われていた事実を重く受け止める必要がある。
また、監査における事実関係の確認の段階において、市の意思決定に至る記録がなく、事情聴取ではそれぞれの主張が異なるといったことが散見されており、監査の実施のみならず、職員の責任の所在や市民への説明責任といった面において、憂慮すべき事態である。
市長が「公正な政治」・「公平な行政」を掲げ、職員倫理条例の制定に向けコンプライアンスの徹底への取り組みを推進する中で、今回のような違法な行為により市に損害を与えるような事態に至つたことは、市政の信頼を大きく損ねるものであり、非常に遺憾である。市長においても原因の究明やその対策など再発防止に向けた対応を早急に講じ、市民の信頼回復に向けて全力で取り組むことを求める。
解説 市長や職員等への人事的な処分は請求外であり、また事件の真相究明をする場でもないが、意見陳述での追加証拠物や批判的意見(提案含む)についても監査機能の限界の中で丁寧に取り上げていただいたことに感謝したい(報告書外の口頭説明を含む)。その結果が上の意見となっている。なお嶋田一考監査委員は事故のため参加していない(監査委員報酬は払われてない)。
遅延損害金69,810円は不正支出金693万円の丁度1/100と小さいものの、勝ち得た勧告結果を上尾市政に大きく影響させるべきだと考える。
そして我々の視野の先には、官製談合の立件可能性がある。
関連 かまちょ図書館 調査報告書-その2
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<住民監査請求に対する「勧告」は、上尾市政始まって以来のこと>
このことのもつ意味は、計り知れないくらい大きいものがあります。
今回の住民監査請求者の一人として、これが本当の意味で上尾の市政を変えていくことのひとつの契機になることを願っています。
あとは、こうした市民運動のことをきちんと市民に伝える人が出現することが待たれます。
投稿: 上尾オンブズマン | 2019年8月29日 (木) 18時54分
今回の監査請求を却下した場合、大手マスコミが動き、ハタ坊が早期退職(逃亡)しかねません。
その場合、市職員の責任回避したい(できないけど)から、勧告せざるを得なかったのでしょう。
投稿: 本好き | 2019年8月29日 (木) 22時23分
おめでとうございます。
監査委員会から市長への勧告が行われるに至ったことは、画期的な出来事でした。
請求人チームのみなさまのご尽力に敬意と感謝を申し上げます。
投稿: 大友弘巳 | 2019年8月31日 (土) 09時58分
市長になるんじゃなかった。とつぶやくことなく、小林を断罪せよ。
協力者の巣窟(市役所の悪習)をぶち壊せ。
空手の技を使っても可(嘘)
この場に至って、風呂敷販売や空手形の発行は禁止だよ。
投稿: 本好き | 2019年8月31日 (土) 20時16分
ありがとうございます。
人事元の市長に勧告をさぜる得ない、逃げられない案件でしたが、遅延金まで勧告したのは成果です。
市民にどれだけ届けられるかは、もっと難しいですね。
投稿: 私役所 | 2019年9月 1日 (日) 17時31分