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2020年1月26日 (日)

食事代よりも学力代

関連 1 無償化の是非 2 反対論 3 おかわり(本稿)

政治屋はコメ百俵より、百票か?

 前記事の、学校給食無償化問題コメントが寄せられていた。一般に、コメント欄は可読性が劣るため、短くキレがあるコメントが好まれ、長文は読まれにくい。特にスマホの人は殆ど見ないかも・・・

 書き込まれた「落首」という聞きなれない言葉にギョッとしながら調べたら、「江戸時代、人の集まりやすい辻や河原などに立て札を立て、世相を風刺した狂歌を匿名で公開する。」とある。昔のSNSみたいだが、当記事がそうだと言わんばかりに読めたので、ガクッと管理人の首が落ちた(笑)。

 その趣旨には二つ目のコメントが近いと思っていたら、教育行政に詳しいオンブズ氏もコメントを寄せた。内容は彼のブログに再掲なのでそちらの方が読みやすい。どうやら、もう少し書き添える必要があったようだ。

 まず、財源(2.9億円)は提案した人が説明すればよい。行政が提言したわけでは無いから『業務の見直し』からひねり出したり、『皆で納得するコスト削減』というのはムリ。削減を主導できるリーダーもいない。そして、前記事のように財政の数字を持ち出すのは、できない理由を数字で説くみたいに見えるので、文末に後回しにした。ざっくり言えば、上尾の資金繰りは赤字だ。

 ●実効性が不明な政策

 給食無償化とは子育て支援であり、転入促進にはなり得ないから混同してはいけない。
いきなり話はそれるが、上尾市には「子育て三世代同居」の転入促進策がある。新築や増改築と家族構成によって条件付きだが10~30万円もらえる。
しかし、転居や新築は大きな制約条件を突破して家族が決めること。この程度でインセンティブになるとは思えないが、固資税や住民税で5年もあれば回収できるのかもしれない。(他市並みに)やってます政策にみえるが、実績対応のコストなので害(損失)はないのが救いだ。元々同居を計画していた人にはラッキーだが、どれだけの実績があるのかは何も書いてない。インプットしたらアウトプットも書けよ、自慢できる数字は無い?(笑) 

「W逮捕やブロック塀問題」は市政に憂える人には重要ごとだが、一般市民には関心が薄い。まして市外の人には問題ではなく、転入の妨げにならない。だから、最近は転入超過である。

 ●支援に群がるより、自らコストを払ってでも住みたい街へ

 他市と似た支援策より、子供が通う学校の雰囲気や将来性(少子化エリアではないこと)、教育レベル(評判)を気にして、この街を選んでもらえか否かが重要だ。給料が上がらないと歎きながらも、私立高校への進学が増えるのは、ムリをしてでも”高い教育”や"その後の案心"を子供に得させたい親が多いためだろう。

無償化は10年で20~30億円かかるならば、『食事代よりも学力代』に投資すべき、というのが一番の反対理由だ。

では、「質の向上策は何?」と問われても専門ではないから答えようがないが、上尾の教育水準は高そうではないという認識では一致するだろう。そこから先は、問題意識を持つ人やまともな教員に学力向上策を出してもらえば良い。何期もやっている議員ならば、本当は提案できないとおかしいのだ。「指導主事事制度の縮小で管理部門から人とカネを現場に回す」とか「小中一貫校化」という玄人受けする提案を以前したように(蛇足ながら、上尾高校の中高一貫校化なんてのもイイと思う。駅近で人気ある進学校になれるはず)。

 というわけで、凡庸な市教育委員会が邪魔をしなければ、大宮の北にあるプチ文教都市という構想が欲しい。そして学力向上策が提案され、2.9億円をどちらに使うべきかと世間に問うたとき、給食費が選ばれるようでは衰退する。

●推進者は「義務教育はこれを無償とする」という憲法理念で迫るかもしれないが、やや矛盾を感じる。なぜなら、義務教育ではない高校授業料の無償化が、先に大々的に行われているから。今は年12万円を支援して公立高は実質無償、私立は年収制限付きで18~30万円、2020年度から私立の授業料平均値の40万円とかで、予算は約4200億円という。

●上尾市の決算収支の推移

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誰もが知りたい、決算の赤字・黒字を示す項目は四つもある。形式収支、実質収支、単年度収支、実質単年度収支と分析の深さが進む。これは累積値を区別しにくい単式簿記ならではの弊害と思うが、誰が見ても良く分からね(笑)。

それに乗じているわけでは無いだろうが、上尾市は実質収支までしか公開しない。実質収支は貯金の出し入れと言う決算操作で黒字化できる見かけの値であり、どの自治体も黒字である。その操作を除去して正味の一年間の差額を見るのが単年度収支である(グラフの赤)。H30年は▲1.5億円

所で、自治体は黒字(儲け)を出し続けることが目的ではないから、単年度収支は黒字と赤字を適当に繰り返すのが良い。しかし、上尾市は単年度収支が三年連続で赤字となり、さすがにこれは良くない。「給与と生活費のつり合いがとれない家計」である。
その不足に取り崩す貯金が財政調整基金なのだが、ここ三年、残高39億円のまま。手を付けていないのは、まだ
過去からの余剰金でやり繰りできる赤字幅だからかもしれない。

ここに手を出すようだと、高齢世帯が貯金を取り崩して生活するのと同じになるが、市長や議会の圧力が強いと、虎の子の財政調整基金を取り崩されやすい。

先ずは、そうなる前に身を切る改革を。

分かり易く言うと、濡れたタオルを絞れ。

 

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コメント

「授業料」の考え方によって、意見は異なるでしょうね。教育基本法第5条4項では、「義務教育については、授業料を徴収しない」とされているので、学校給食=食育=授業という図式の中では、当然給食費は無償という考えもあると思います。
義務教育とはいえ、保護者は、給食費だけでなく修学旅行費や教材費なども払う必要があります(就学援助の対象であれば、給食費・修学旅行費・学用品費は補助されますが)。
現在のような少子化の状況にあって、「子どもは社会全体で育てる」という意味で、<少なくとも小中学校ではお金の心配は無いようにする>というのもひとつの考えだと思います。

鋭い指摘。
「転入促進策」というのは便利な言葉だが、促進のインセンティブには壁が存在する。
いわゆるバラマキは転入促進までは至らず、実は政治家による公金を使った既住民の票獲得策でしかないという可能性を考えるべき

学校給食=食育=授業という考え方は理解できますが、だから無料というのは、本当にお金が困ってrいる家庭は別として無理があると思います。(元会計係、給食費を徴収してました)
食育ができる教諭がどれだけいますかね。

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