元検事総長やOBらの格調高い意見書
追記5/18 検察長法案は今国会では断念へ。理由は不要不急法案だから
安倍氏はイデオロギー、取り巻きは保身主義
松尾邦弘元検事総長(77)ら検察OBが15日、検察庁法改正案に反対する意見書を法務省に提出した(毎日新聞より)。流石に格調高く分かりやすい意見だと思う。一部を下に引用したので、まだの方は「1」の所だけでもどうぞ。全文は朝日新聞サイトにある。
その前に・・・
金曜に、テレビでジャーナリストを名乗る田崎史郎氏の政権擁護の広報ぶりを見た。ムリな話法だった。ネットには彼を「安倍のイタコ」と称したのがあって笑った。しかし若い頃、三里塚闘争に参加したというのには驚いた。
似た例では、読売新聞の渡辺恒雄氏も保守の論客だが東大時代は共産党員だった。二年前に多摩川で入水自殺した西部邁氏も東大では全学連の活動家だったが、テレビでは保守派の評論家として活躍していた。
若い頃と社会に出てからの思想性が違うことは珍しくなく、右翼、左翼というイデオロギーでは喰えないとばかりに金翼(欲)に進む人がいても不思議は無い。
ところで、同じ日の「"桜"で全国の弁護士ら500人以上が首相らの告発状提出」というニュースの扱いが小さかった。上と関連しており、このままでは「黒川検事総長」が門前払いをして番犬総長になる。
一連のニュースを見ると、答える大臣もムリを承知で付き合っている姿がミエミエだ。大勢の中には賢明な与党議員もいるはずなのに目立った動きが無いのは、小選挙区での党推薦枠という人事を握られているためだろう。つまり、国会議員が何百人いてもたんに採決時の起立要員に過ぎない。国がそうなのだから、自治体や地方議会も情実人事で委縮した人ばかりが増えてしまう。保身的な振る舞いが幅をきかすのは、国や社会が衰退している症状だと思う。
意見書より引用
1 東京高検検事長黒川弘務氏は、本年2月8日に定年の63歳に達し退官の予定であったが、直前の1月31日、その定年を8月7日まで半年間延長する閣議決定が行われ、同氏は定年を過ぎて今なお現職に止まっている。
検察庁法によれば、定年は検事総長が65歳、その他の検察官は63歳とされており(同法22条)、定年延長を可能とする規定はない。従って検察官の定年を延長するためには検察庁法を改正するしかない。しかるに内閣は同法改正の手続きを経ずに閣議決定のみで黒川氏の定年延長を決定した。これは内閣が現検事総長稲田伸夫氏の後任として黒川氏を予定しており、そのために稲田氏を遅くとも総長の通例の在職期間である2年が終了する8月初旬までに勇退させてその後任に黒川氏を充てるための措置だというのがもっぱらの観測である。一説によると、本年4月20日に京都で開催される予定であった第4回国連犯罪防止刑事司法会議で開催国を代表して稲田氏が開会の演説を行うことを花道として稲田氏が勇退し黒川氏が引き継ぐという筋書きであったが、新型コロナウイルスの流行を理由に会議が中止されたためにこの筋書きは消えたとも言われている。
いずれにせよ、この閣議決定による黒川氏の定年延長は検察庁法に基づかないものであり、黒川氏の留任には法的根拠はない。この点については、日弁連会長以下全国35を超える弁護士会の会長が反対声明を出したが、内閣はこの閣議決定を撤回せず、黒川氏の定年を超えての留任という異常な状態が現在も続いている。
2 省略
3 本年2月13日衆議院本会議で、安倍晋三総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王政を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。
・・・・
« コロナ感染者数の移動平均線 | トップページ | 上尾市図書館はそろりと動き出す »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 一足先に、国立印刷局で新紙幣Fを拝んだ寂しさ(2024.01.20)
- 日航機と海保機の追突炎上に見る賞賛と原因の落差(2024.01.06)
- 35兆円借りて27兆円返す資金繰り予算(2023.12.26)
- 1 うさん臭い独立系候補の背景(2023.10.21)
- 田村琢実団長へ 過ちては改むるに憚ること勿れ(2023.10.12)
昔の三里塚闘争と、共産党(代々木)と、全学連とはそれぞれ”闘争”の目標も形態も全く違いますが、田崎氏が三里塚闘争にどの程度かかわっていたかは眉唾ものですね。一度か二度、集会に参加した程度ではないかと推測します。
ただ、過激に見える”闘争”ほど、最終的には当局に寝返ることも事実です(国鉄闘争の際の動労などが典型)。
そうした中で、西武の堤義明氏の異母兄の堤清二氏は共産党員でしたが、のちに作家(辻井喬)となりました。亡くなって何年も経ちますが、その人生は興味深いですね。
田崎氏は<リテラ>では「スシロー」のあだ名で、4コマ漫画でほとんど笑いものになっていますよね。
同氏は「アベポチ」のダントツ1位ですが、NHKの岩田記者も相当なものです。アベ首相の記者会見はいつも6時に始まりますが、フリーの記者が質問する時間になると、画面が切り替わり、いきなり岩田記者が、アベ擁護の「解説」をしゃべりだします。
5月15日のNHKもひどいものでした。国民の関心が高く、何百万件もツイッターが投稿された検察庁法改正の内閣委員会審議を中継せずに、どうでもよい再放送ばかり。
むしろ、芸能人や著名人まで同法に反対していることが明らかになりました。
「おかしいと思ったことには、声を上げていいんだ」 という点で「普通の人々=普通の市民」が声を上げたということが重要なのだと思います。
投稿: メイプル | 2020年5月17日 (日) 09時02分
こんにちは。
是々非々の議論ができない、勉強がたりない官邸に、キョンキョンも怒りのツイート。で
綾瀬はるかもそれに続いて欲しい・・・無理か。
専門家に最後は丸投げするだろうコロナ対策です。知見がないのに張り切る西村氏が気の毒。
尾身副座長は人間できてますね。アベなら切れてるだろう。NHKも公共放送が聞いてあきれる。
人事総務大臣の所管だから政権批判はしないよ。またN党に責められそうだ。
N党の浜田聡氏はTVを持たない方。専門は放射線科らしい。そのうち、自民が引き抜くだろう。
第2波は冬に確実に来る。
現政権は持たないと思う。
利権にまみれた副作用がモリカケのワクチンをだまされて撃たれないよう、気を付けたい。
ごはん論法の厚労大臣は曲者だ。昔はずかしい犯罪を犯したというデマは本当でしょうか。
また、地元産業とはいえ、鯖江の眼鏡に、網タイツ、ハイヒールで閲兵しちゃう人が元防衛大臣。
自分のとりまきにいいように扱われている裸の王様の末路は悲惨でしょう。
投稿: 本好き | 2020年5月17日 (日) 15時34分
「NHKの岩田記者も相当なものです」に同意。賢さそうなのになぜって感じですね。
遠い親戚なのかもしれません。意外な親戚・縁戚ってありますね。
スケート選手をマスコミが贔屓してると思って調べたら、松方正義の縁戚だったとか。
スケートはお金がかかるので平民は金に苦労します。高橋選手とか。
身分の再生産について、フランスの社会学者の論文を学生時代読みました。
日本は身分の再生産は一部と思われたが、年々、再生産社会になってきた。
公園のホームレスを見ればわかる。昭和時代はここまでひどくなかった。
受験をしない、就職活動しない、代議士なるのも親任せ、奥さんは森永のお嬢様
読書をする暇がないくせ、ゴルフはする。
こんな総理が国の舵取りをできるわけない。
受験と就活をしているので、ハタ坊の方が偉いかな?
投稿: 本好き | 2020年5月18日 (月) 09時13分
ちなみに、ここ1週間の「内閣総理大臣=アベ」の支持率(ネット投票)
支持 2.4%
不支持 97.6%
以上です。
投稿: 上尾オンブズマン | 2020年5月18日 (月) 17時47分