« 文春、黒川検事長のスクープ記事 | トップページ | 貧すれば鈍する安部内閣 »

2020年5月23日 (土)

コロナ不況と上尾市経済-4

近くと遠くの倒産、そして気になる丸広の決算

前記事-3のつづき 追記 市バス補助金

朝の高崎線は混むが、夜はまだ座って帰れるらしい。しかし、感染者数が一けた台になったことを織り込みつつ、信頼無き首相が何を語ろうが補償なき自粛は25日でお終い。手元資金は1~2月分しかないのだから、補償の対象にならない企業活動を羽交い絞めすることは誰にもできない。28日からは丸広上尾店が全館再開へ。

自粛中の食品スーパーは、「客が押し寄せないように」と特売チラシを自制し、「客が来ないように」と営業時間を短縮していた。再開しても「新しい生活」と称して、密集を避けるため四人席を二人席にするような稼働率を抑える商売が続く。

 あまり来ないで、などという商売なんてあり得ない・・・。

でもその前に潰れる会社も出てきた。倒産700件とか伝えるが、コロナは基礎疾患のある人に危険なように、会社も赤字体質の所から潰れていく。

時代は違うが、私の若い頃は月1500件がフツーだった。新規創業件数も多い時代だ。今年は久しぶりに年一万件を超すというが、むしろ廃業の方が圧倒的に増えるはず。倒産件数にはあまり意味が無いだろう。 

1.上尾市のけんちゃんバスが倒産 (埼玉新聞など)

1988年設立。上尾市などから受注を得て、上尾駅や蓮田駅などへの路線バス、観光バス、福祉タクシーを手掛けていた丸建自動車が倒産した。負債総額は約5億円。外出自粛により乗客が激減したのが一因といい、コロナによるバス会社の倒産は全国発として話題になってしまった。直近の売上高は3億円、前から経営不振が続き債務超過だった。今は運航を継続し半年以内にスポンサーを探し、事業再建を目指すという。

そのコメント欄には、「上尾から蓮田まで200円で便利」とあったが、補助金が入っているためではないのかな。赤字で運航できるのは乗客以外の「誰がカネを負担するのか」という問題にすぎない。上尾市が補助金の類を出していたのか、或いは事業委託だったのかを知りたい。スポンサーの一人であることは確かだから、HPで納税者に報告する義務はあるはずだ。

追記 本年予算書で検索したら次のように。
市内循環バス運行委託料 144百万円、市バス運行経費補助金 16百万円つくし学園通園バス運行委託料 22百万円、後ろ二つが丸建だろうか。路線バス事業には国か県のカネも投入されていると思うが、市は債権者の面もあるのだから、補助金倒れの可否について問われる前に説明責任を果たすべきだ。

2.ベルーナの4月は前年同月比▲12%

衣料品が前年を下回ったものの、家具・雑貨等が前年を上回った(同社HP)。

上尾市で勢いのある上場企業だ。上は比率だけのため金額は不明。通販が主体なので追い風と思っていたがマイナスとは驚いた。原因は実店舗分の落ち込みとある。休業したのだろう。

小売業では食品スーパーとドラッグ系が好調。衣類は外出機会が減ると買わないようだ。ところが、コジマ電気の4月度は前年比プラスと日経で報じた。都市部の駅前大型店が休業に追い込まれる中、郊外店には漁夫の利という立地の差がでた。

3.銀行も通帳も消える

三菱UFJ銀行は店舗数を2023年度末に300程度にする計画。40%減になるという。スマホアプリを充実させてネットバンキングの利用者を増やし、運営経費のかかる店舗を減らす。

 コロナ前から、通帳廃止すると1000円をくれるキャンペーンをしていた。普通口座を持つ先着10万人を対象だった。店も通帳も要らない時代になるわけだ。欲しい人には通帳発行が有料化され、サービスの有料化が進む。
 で、上のやつ、残高ゼロの古通帳をネットで申し込んだ記憶がある。振り込まれたか確認の記帳に行ってみよう。

4.丸広百貨店、3年ぶり黒字転換 販管費削減で (日経より)

2020/2月期は、売上高が3%減の463億円、最終損益は2億3100万円の黒字(前期7300万円の赤字)だった。チラシの見直しなど販管費を抑制し、営業利益は2倍の4億4800万円だった。電子商取引(EC)の販売は伸びたが、主力の衣料品が振るわなかった。暖冬により冬物商戦が苦戦した。今期の業績予想はコロナ禍で未定とした。食品フロアなどを除き4/8日から営業を自粛中。

三年ぶりの黒字転換にホッとするが営業利益率は0.5%と収益力が弱い。もちろんこの決算にコロナの影はない。関心は上尾店のこと。近年、出ていくテナントも多いが、外装工事などをしてニトリやりそな銀行が入居するなど不動産業化が進む。ショーサンプラザは既に全館再開なので、丸広が自粛を緩めない理由が分からない。

なお自粛中は、ショーサンや丸広やアリオ上尾さらにJR東のイーサイトは多くのテナントを休ませていた。対してPAPA北上尾は少し開いていたような印象を受けた。これは大家側が家賃を背負ったか否かの差なのだろうか、ちょっと興味がある。

先日、大手百貨店が発表した4月の売上速報は軒並み70~80%の大幅減だった。被害は、都心集中型の百貨店ほどひどく、三越伊勢丹が81%減と最大だった。コジマ電気の例のように同じ業態でも郊外と中心部で被害の差は違うが、郊外百貨店はコロナ以前から構造不況業種になりつつある。

その売り場の花であるアパレル業界はコロナ以前から苦しかった。先日はレナウン倒産が話題になった。詳しくはかまちょ図書館へ

かつて人気の高い企業だった。アランドロンを起用したダーバンはカッコ良かった。ユニクロなどのFF台頭により随分前から業績不振になっていたが、この倒産は中国資本への傘下入りが失敗の元のようだ。

ところで、二月頃、同じく百貨店の売り場に依存したオンワードが、全国から700店を撤退と決めた。決算では500億円の赤字となり今後は三千店を半分にするという。EC(ネット)へのシフトによるのだが、撤退はデパートや商業施設の空床を生む。

20200523-002326
丸広上尾店にもダーバンや23区・組曲があるから、もし当店からこうしたブランドが消えると百貨店らしさが色あせる。
と思うなら、「買えってか」!?

丸広上尾店については前向きな事を別途書きたい。

 

つづく UDトラックスの2019年決算へ

 

 

 

« 文春、黒川検事長のスクープ記事 | トップページ | 貧すれば鈍する安部内閣 »

コロナ」カテゴリの記事

上尾の経済」カテゴリの記事

コメント

レナウンよりオンワード世代です。
バブル期体育会クラブから何人がアメフト部に入った気がする。
オンワードが傾くといよいよ感がでてきます。
首都圏デパートの売り場を奪い、とどめを刺した魔女と言われる方の政策は、勤務先の企画部が使う言葉のオンパレードで耳障りです。
ロードマップの行き先が地獄でも、到着前に、本人は知事をやめています。だから無責任でも平気なのか?
都民も横文字好きのこの知事の能力に疑問を持った方がいいと思う。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 文春、黒川検事長のスクープ記事 | トップページ | 貧すれば鈍する安部内閣 »

無料ブログはココログ

上尾市政をみつめるサイト

  • 上尾オンブズマン
    市民的視座から上尾の教育行政&市政を考えよう。 (情報公開請求により市政に斬り込むサイト)
  • はるかさん_かまちょ図書館
    上尾市民として市政とりわけ図書館問題を熱く語っています。ぜひ飛んでください。 かまってちょうだいの意ね。