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2020年6月の14件の記事

2020年6月30日 (火)

補正で36%も膨れたコロナ太り予算-1

危機を食べて膨張し、連続性を失う姿へ 続きはこちら

上尾市は補正予算を4月に三回、5月に1回、6月に2回も組んだ(こちら)。これは3/23日に、コロナ問題が確実に予想される時でも「コロナが無い前提の予算」を可決したためでもある。機動的と言えばそれまでだが、その裏には変化に即応できない形式主義も見えてくる。

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グラフは、2018年のリーマンショック後から今日までの上尾市の歳入(収入)を主な項目で見たもの(クリック拡大)。金融危機や大震災、そしてコロナという危機が起きると家計や企業は引き締めを図るが、公会計は危機を食べて膨張する。

右端の2本は、2020年度予算の当初657億円と「10万円給付」を追加した補正後892億円の姿である。10万円の元となるピンク色の国庫支出金に235億円が加わり全体が36%増えた。もちろん、原資は赤字国債という国の借金である。

自治体の予算は歳出=歳入というバランスが前提であり、歳入-歳出=余剰を大きくする事を目指すわけではない。家庭は収入の範囲で支出をするが、自治体は逆に、歳出(支出)のために歳入(収入)を調達しているようにみえる。

今回は、歳出側の民生費が326億円+235で561億円に膨れた。もともと上尾市は民生費が多い所にきて、予算の63%になってしまった。なお民生費には職員人件費や管理費が含まれるため、それを除いて対象者に配るカネとして見たのが扶助費である。2020当初予算は丁度200億円である。参考までに2008年からの伸びを示しておく。

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■本稿では棒グラフが示す、過去数十年の連続性が大きく崩れたことを歳入面からみる。

まず自前のカネである地方税は頭打ちであることが分かる。

・地方税の中でも景気変動を受けずに安定する固定資産税は今年は減免政策を既にとっているから減るだろう。上尾市では毎年、1000~1200件の住宅建設(建替え含む)があり、税増収のアテになっていたが、どの程度が落ち込むのか分からない。コロナ移住と言う現象は東京のコロナ被害の少なさからは期待できないし、あったとしても(上尾のような)郊外を飛び越えて新幹線停車駅まで行ってしまうかもしれない。

市民税は前年所得に課しているため今年は納付率が気になる(通常99%)。そして、来年の税減収は避けられない。リーマンショック後の2009年には11億円(-7%)減ったが、来年はその比では無いだろう。

地方交付税は使い道が自由だが26億円しか配給されない。増えないのは国が抑制的だからだ。国庫支出金とは福祉や教育など国の政策使途が指定されたカネである(生活保護費など民生費が多い)。

地方債(借金)は49億円である。近年、大型公共事業を手控えているために多くはない。だから、小口案件にモラル無き業者がたかるのかもしれない。なお自治体は資金繰りのために借り入れをすることはできない。

そして、棒グラフの数年先の姿が気になるのだが、その点について上尾市財政課は「財政収支の見通し(~令和6年度)」というラフな試算を出している。職員人件費が聖域扱いされたシミュレーションである。この見通しについはまたの機会に・・・。

つづく 6月補正の内容へ

 

2020年6月27日 (土)

トランプを嗤えない17本のデマ

フェイクニュースを共有・拡散した人は二割もいる日本人

 総務省が5月に行なった「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査」がこちらにある。調査の要点の前に、17本のデマとそれを信じた人の比率を大きい順に紹介する。 さて、あなたは何個、信じそうになるだろうか!

  1. 死体を燃やした時に発生する二酸化硫黄(亜硫酸ガス)の濃度が武漢周辺で大量に検出された 32.8%
  2. 新型コロナウイルスについて、中国が「日本肺炎」という呼称を広めようとしている 28.8%
  3. こまめに水を飲むと新型コロナウイルス予防に効果がある 28.7%
  4. ビタミンDは新型コロナウイルス予防に効果がある 24.0%
  5. 武漢からの発熱症状のある旅客が、関西国際空港の検疫検査を振り切って逃げた 21.5%
  6. 新型コロナウイルスは、中国の研究所で作成された生物兵器である 21.0%
  7. 日赤病院が「コロナ病床が満床」「現場では医療崩壊のシナリオも想定」といった発表を行った 19.5%
  8. お茶/紅茶を飲むと新型コロナウイルス予防に効果がある 18.0%
  9. 日本で緊急事態宣言が発令されたら3週間ロックダウン(外出禁止) 15.5%
  10. ニンニクを食べると新型コロナウイルス予防に効果がある 14.8%
  11. 日本政府が4月1日に緊急事態宣言を出し、2日にロックダウン(外出禁止)を行なう 14.8%
  12. 納豆を食べると新型コロナウイルス予防に効果がある 9.6%
  13. 新型コロナウイルスは熱に弱く、お湯を飲むと予防に効果がある 8.1%
  14. トイレットペーパーは中国産が多いため、新型コロナウイルスの影響でトイレットペーパーが不足する 6.2%
  15. 新型コロナウイルスは5Gテクノロジーによって活性化される 4.4%
  16. 漂白剤を飲むとコロナウイルス予防に効果がある 3.1%
  17. 花崗岩(かこうがん)などの石はウイルスの分解に即効性がある 2.4%

対象者は、普段ネットを週1日以上利用している15歳~69歳の男女(学業や仕事で利用している場合を除く)。サンプル数2,000件、ウェブアンケート、期間は2020年5月13日(水)~14日(木)

主な要約

新型コロナウイルス感染症に関する情報源は、「民間放送」(71.6%)、「Yahoo!ニュース」(62.6%)、「NHK」(50.5%)の順であり、信頼できると思っているのは「NHK」(43.7%)、「政府」(40.1%)、「民間放送」(38.0%)の順である。

17のデマのうち、⼀つでも「正しいと思った・信じた」を選んだ⼈は29%、若い人ほど情報を信じた割合が⾼い(15-19歳は36%)。

4人中3人が新型コロナウイルス感染症に関する間違ったり誤解を招く情報に触れており、そのうち「正しい情報である」等と信じて共有・拡散した人は全ての人を母数とした割合で19.5%もいた。

あたかも真実又は真偽不明の情報として書かれているのを見かけたことがあると答えた人は、メディア別にみると、「Twitter」57.0%、「ブログやまとめサイト」36.5%だった。

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 若い人ほど間違うのは、知識や経験が浅いのだから当たり前である。問題は、彼らがスマホ世代であり、簡単に拡散してしまうことに抵抗が無いことだ。

 最近、名誉棄損となるツイートをリツーイトしただけで有罪になる判決がでた(橋本氏名誉棄損事件)。他人の投稿をリツイートしただけでも場合によっては責任が問われる、ということを「拡散」すべきだと思う。

 ペルーでは先日携帯電話の電波が感染を広めていると信じた住民が電波塔を壊したり、技術者を監禁する事件が起きた伝えられた。4月にはトランプ大統領が、「消毒液を注射すれば効果ある」との趣旨を会見で語った。騒動になって翌日にジョークだと否定したらしいが、会見時は本気に見えた。

そんなアメリカは経済活動を再開したから第二波に襲われているのではなく、第一波そのものが終わっていない。次は感染拡大の原因を大統領選挙用の陰謀論として流すかもしれない。

ジョンズホプキンス大学のグラフ

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2020年6月25日 (木)

上尾市の住みよさランキングは731位

埼玉県の40市中で上尾市は35位

『住めば都』のイミを考える…

 最近、東洋経済新報社は2020年の住みよさランキングを出したが、公開は限られた上位名だけであり、フツーの市町村は何位なのか分からない。そこでソースの2019年の都市データパックから埼玉県のみを引用した。これは1700頁以上と分厚く、  電話帳よりも重たく、そして2万円の高額本である (^-^;

 ちなみに、埼玉県は40市(町村含むと63)と自治体の数が日本で一番多い。大局的な政治家が現れないから合併が進まないのだが、行革余地は大きいと言える。最少の鳥取県は、鳥取市、倉吉市、米子市、境港市の4つだけ。

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 本統計は自治体別に数百の指標を示している。そのデータは当年度の値というよりも、統計の制約で4~5年前の値も使われている。そこから約20個の指標を使い、「安心度、利便度、快適度、富裕度」の4つに分けて平均値からの偏差値換算をし、総合順位を住みよさランキングとしている。人によっては、例えば「利便度」を最重視するという考えもあるが、4分類の間でのウェイトづけはないようだ(こちらの説明では不明)。

上尾市は、全812市区の中で731位(40人学級なら36位)、埼玉県内では35位/40市。

安心度721位、利便度597位、快適度516位、富裕度280位 

上尾市の人口は120位と大きい方だが、残念ながら上の各指標の順位はとても低い。なお、表の47.9という偏差値にはガッカリするが、大学入試のように70~40位まで広く分布したり、Fランク大学みたいに測定不能が存在するわけでも無く、一位54~最下位45という狭いレンジに密集している状態だ。
(平均値に集まり過ぎてきれいな正規分布ではないのでやや無理がある印象。一指標の微差で順位は大きく変わるかも)。
 ただし、上尾市は4つの個別順位よりも総合順位が低く出ているのは、特徴の弱さを示している。

●特に安心度が721位と低いのは、「一万人当たりの病床が62床/722位」と低いためだと思う。これは以前から埼玉県内で共通する問題点でありコロナ渦中でも指摘されてきたことだ(上の表を見れば他市も低い)。

参考 埼玉県 一万人当たり病床数88.7床、46位。一万人当たり医師数16.6人、47位。
蛇足だが、この改善を選挙公約の一番に挙げていた割には大野知事の初動はお粗末すぎた。こちら

富裕度が280位と高いのは、構成要素である「財政力指数0.9/122位」や「納税義務者一人当たり所得額337万円/151位」が寄与したためだろう。だが、要素ではない「人口一人当たりの地方税額は13.5万円、369位」をみれば軽々にリッチだなんて思わない方が良い。負担している人と全人口での違いに実態がでるためで、その点は過去記事で扱った

利便度の構成要素には「大店法の床面積」(148位)があるから、イオンモール上尾が竣工すると順位を押し上げるだろう。

 

 さて、人は順位を気にするものだが、ランキングを頼りに引っ越す人はいない。そもそも首都圏では地価と交通利便性のトレードオフで住宅取得を決める人が多い。しかし、アナログ過ぎて分かりにくい自治体のあり様をデジタル化によって可視化するのは意味がある。

2020年度版では「野々市市」という聞いたことない名前の5万人の街が全国1位になった。例年、上位に石川、富山、福井の北陸三県が来る理由の一つに住宅面積の広さがある。それが構成指標の偏りとなっているとしたら全国順位にはあまり意味はなく、同じ域内で比較する方が良いと思う。例えば、関東圏のワンツースリーが文京区、武蔵野市、渋谷区となるのを見ると、それなりに納得感がある。
ちなみに下位20位には大阪府と千葉県が多い。財政再生団体に指定されている夕張市は803位だった。

下位になった自治体は、こんな順位に意味はないと無視を決め込むが、上位になれば公式HPでわが街は「住みよさランキングの〇位です」とPRをするわけだ(例 野々市市へ)

よく昔から、『住めば都』という言い方があるが、本当にそうなら過疎地は生まれない。ホンネは、あきらめ、やせ我慢に近いものがあるだろう。

 

ポストコロナでどうなる?

安全度の一つに三密回避度を採用して、寒村を一位にすることは地方復興になる(^-^?)。そして増々、ポツンと一軒家の人気が高まる・・・

 

 

2020年6月21日 (日)

二つの選挙と暴露本

トランプと小池百合子

1.トランプ大統領 VS ボルトン前補佐官「それが起きた部屋―ホワイトハウス回想録」図は日経より

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二年ほど前に、マティス国防長官が「(理解力は)小学5、6年生並み」と言ったとかいう話を聞いたときは、ああやっぱりねだった。

「フィンランドはロシアの一部ではないのか」、「えっ、英国も核保有国なの?」 日経より

あの大統領は多くの高級官僚たちと仲たがいしてきたが、その原因は無知無能だけではなかった。「再選のためには国益も何も考えない。外交でも国家安全保障よりも自分の私利私欲を優先している」と怒りの場録本を出すのがタカ派のボルトン氏だから、日本から見ていればびっくりするわけだ。

トランプは駐留米軍を撤退させたいように、安全保障よりも利益を優先するために好戦的ではない、と見られているが、1月にイラン軍のソレイマニ司令官を殺害したように、実際は気まぐれだ。今の選挙戦の劣勢から抜けるためなら戦争を仕掛けることだってあり得ると思う。

 表向きは国家主義者を装っているけど、中身は私利私欲で危険な人だ。今度の再選のために中国と裏取引という話は、前回選挙でロシアに支援を求めた(民主党へのサイバー攻撃)が疑惑のまま闇に葬られたことからしてもあり得る話だ。

 今までも暴露本は書かれてきたが、この本の威力はさぞかし大きいだろうと予想したが、案外そうでもないらしい。あいつはそんな程度の人だとアメリカ人も分かっているから、という解釈なのだが、それはそれでまた驚く。

 翻って日本は、森友も加計もサクラもどんなに怪しくても役人は無理やり正当化し、ポストをもらったり、天下り先のためには私を優先し、平気で公を汚す。内部告発する人は現れない。暴露本よりもヨイショ本が出る。

●もっと凄い暴露本が登場する。

トランプ氏のめいで心理学者のメアリー・トランプさんが来月、大統領と過ごした過去や家族関係の内幕を描いた本を出すという。副題は「どのように世界で最も危険な男をつくり出してきたのか」。こっちの方がトランプの人間性に触れるだろうから大衆受けしそうだ。そして、言われるような彼のサイコパス性が確実になるのか気になる。

2.小池百合子都知事と「女帝 小池百合子」(石井妙子)

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 トランプと比べたらスケールは小さいが、タイムリーな暴露本だ。書き手もしっかりした人なので読みごたえがありそう。小池氏は昔、テレビ東京の23時からのワールドビジネスサテライトという番組のキャスターだった。当時は、経済専門ニュースが他にないから毎晩見ていた。だから日本新党から出馬と聞いて、「なんでこんな専門性も何もない人が」という印象しか残っていない。

 他の人(下にリンク)も書いているが、カイロ大学の学歴詐称は確度が高い。先日、卒業証書を公開していたが疑いはまるで消えない。選挙では深刻な違反らしいが、もっと怖いのは、彼女のようなマスコミ受けする言動だけの人を政治家としてもてはやす今の有権者の危うさである。その点はトランプと似ている。

簡単にとりこになってしまったという老人政治家達のスキは「女の子がそんなこと(野心)考えるはずない」と(笑)。政治家をとっかえひっかえ、上昇志向だけの人と評される。それって今日風には、宿主を替えながら寄生しては変異する、と読めてしまうわけだ( ゚Д゚)。

 まずは現代ビジネスの近藤 大介石井 妙子対談記事が面白い。

「学歴詐称疑惑」再燃の小池百合子…その「虚飾の物語」を検証する

「首席で卒業というのは、学生が一人だったから」
 40年前、私に学歴を「詐称」した小池都知事 2020.6.20 舛添 要一

 卒業証書を公開しても疑惑を払拭できない小池都知事
 黒木 亮 
エジプト軍事政権に握られた都知事の生殺与奪

小池百合子都知事「学歴詐称疑惑」に見る胡散臭さ 小林節 日刊ゲンダイ

2020年6月18日 (木)

気の毒な映画館とパラサイト

夜の客はスクリーンの数より少ないかも

 映画館でおしゃべりすることは無い。短いひそひそ話が関の山だ。

 映画館はコロナ以前から感染症対策として法に基づく換気システムが装備されている、と最近知った。つまり家庭や会議室よりも換気が良い。そして、多くの映画館はそんなに客が来ないから密になることもない。それなのに二か月位も休館し、開いたと想ったら、あの手この手の感染症対策で気の毒だ。病院の入り口で検温などしないのに、映画館に検温までさせるのは過剰対策だ。

そして、何でか知らないが、古い映画をやっていたりして、コロナ以前の上映スケジュールとは随分と違う

パラサイト 半地下の家族」をみた。

以下はネタばれあり。

予告編から想像していたのは、主役の貧乏家族が金持ち一家の地下室に、違法に棲みつく(寄生する)話しかと思ったが、それは勘違いだった。家庭教師や運転手などの仕事を得て一家丸ごと、就職したに過ぎず、そのプロセスに嘘は有ってもコミカルに描かれていた。

ところが、豪邸には地下室(北朝鮮との戦争状態のためにシェルターがある)があって、既に棲みついている人間がいたという展開はドキッとさせた。

いよいよ本当の物語が始まる感じと思っていたが期待外れな展開だった。格差社会のあり様を、家族構成を似せてユーモラスで描きながら、最後はバイオレンスな展開で寄生生活が終わってしまった。コメディから殺人へという極端な振れはエンタメ性への拘りなのだろうか・・・。

地上の金持ち家族、半地下の主人公家族、地下室に夫を潜ませる前家政婦という三層からなる家族間でどんな葛藤劇があるのかと期待した。弱者は、さらに下の人間を見つけて虐待するとか、或いはハリウッドが作れば半地下家族が金持ち家族に挑んで巧妙に豪邸を奪い取るサクセスストーリーにしたかもしれない。

芥川賞や直木賞みたいに、アカデミー賞受賞作品だから凄く面白いというわけでは無かった。

昨年に見た「ジョーカー」は本作と競ったらしい。極貧な環境から悪に陥る姿が描かれている点では似ているものがある。また、格差社会を描いた点では是枝監督の「万引き家族」も似ているが、こちらの方が人間や社会の描き方は丁寧だと思う。

日韓の映画で共通するのは、貧乏だけど仲良し家族に描かれていることだ。現実は貧すれば鈍するで、家庭が乱れやすいと思うが、それでは見ていていたたまれない。ただし、不安定な生活から抜け出す姿を描こうとしないのは、現実が深刻過ぎてそんな姿を描くときれいごとになるためなのだろうか。しかし社会への警鐘だけだと、貧困ビジネス風にも見えてしまう。

時代に翻弄される家族(子供)と言う点では「泥の河」を想い出す。

はるかに名作だと思う。

 

 

2020年6月11日 (木)

府中市は逮捕、上尾市は放免の不条理

府中市よりも悪質な上尾市の不正が事件化されない理由

以下はNHKニュースより要約  かまちょ図書館ともシンクロ記事

6/2、府中市の公園や道路工事をめぐり、市幹部が最低制限価格を市議会議員を通じて業者に漏らした容疑で6人が官製談合防止法違反や入札妨害で逮捕された。
府中市役所の都市整備部(元部長)、塚田雅司容疑者(56)、市議会の村木茂議員(73歳、5期目)、臼井克寿議員(44歳、3期目)共に自民党会派。業者は土木工事の二人と造園工事の一人。

図は産経新聞6/9より


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1.いきさつ

高野律雄市長によると、問題の2件の工事の入札が行われた後、最低制限価格と入札価格が近いことを別の職員が不審に思い、市が内部調査を進めようとしていたところ、去年9月、副市長に対して参事から『情報を漏らした』と報告があった。本人から退職願いの提出を受け市として警視庁の捜査に協力した。

・塚田参事(逮捕時の肩書)は「議員2人からそれぞれ入札情報を教えてほしいと電話で言われた」と、市調査で説明した。塚田参事と二人の議員と業者の間では入札の直前に電話やメールのやり取りが行われている。

・漏らした理由は「東京オリンピックによる工事価格の高騰で予定価格内に落札しないケースが多かった。工事が順調に進まないことを危惧した」と。
 (上の産経記事は、捜査関係者は「何かしら実質的な見返りがあった」とみており、供述内容を疑問視、と伝える)

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・一部は東京オリンピックで使われる道路で、入札価格は5454万8952円で最低制限価格と同額だった。もう1つの公園の整備工事は、入札価格が1億1220万4080円で最低制限価格より9円高いだけだった

産経新聞6/3 …市が職員や退職者に行った聞き取りでは「市議らから情報を求められたことがあるが教えなかった」との回答があったという。

ここまで読むと、府中市役所には正常な職員がいたことになるが、市長については

村木市議は今年1月、市長選挙で高野市長の選対本部長を務めており、高野市長はこの点について「(村木市議の不正行為を)知ってはいたが、捜査の結果もわからないので(選対本部長を)お願いした」。(朝日新聞より)

2. 対比

公共契約における不正は「競争入札での談合」と「随意契約での癒着」が定石という。そして発注側(職員)がグルになる。

上尾市のAKB事件(ブロック塀事件)は、地元権力者とタカリ議員(=建設業者)と無能な市役所管理職という三者が上尾市役所都市整備部を舞台に行なわれた。府中市と対比してみよう。

府中市は、最低制限価格を教えたという典型例だから事件化された。

上尾市は、実力者らの威圧的要求(第1の不正)に端を発した「私有地内工事」(公金で肩代りという第2の不正)なので、一般競争入札では世間にバレるから、隠すために議員業者を中心にした随意契約とし(第3の不正) 、7分割に少額化して庁内の検査部門からも隠す(第4の不正)という、不正に不正を重ねた手口である。参考: 図書館に7連勝の表

それだけではなく、この不正が(W逮捕後の信頼回復途上にある)市役所と、(会派団長、議長支配の)市議会という無節操な土壌から生まれたことを合わせると、その悪質さにおいては、府中など比ではない

だが 事件化されない。

府中市では他職員がヘンだと気付いたことが突破口になったが、上尾市の関係職員らは保身を優先し※、外部からの告発で発覚した。 ※村八分の町

府中市長は逮捕議員の支援を受けながら当選した。上尾市長は市長選での公式支援は無いものの、背後では彼らから応援を受けていたという噂さはある。

府中市の元部長は逮捕姿をテレビに撮られ、有罪ならば懲戒免職になるが、上尾市の元部長は発覚直前に定年となり満額退職金※をもらって、再就職先も市の関係先である。元課長は翌年に(市長任命で)部長昇進※しているが本件露呈により降格処分となった (甘い処分について)。
参考 H29年度退職者の平均額は2350万円。昇格試験のない上尾の人事は情実である。

 

3.なぜ、府中市では逮捕され、上尾市は無罪放免なのか?

 

あっちは刑務所があり、こっちは低いブロック塀だから。

 

そうでないと思いたい。

法的な面は分からないが、文末の例を読む限りは可能だと思う。埼玉県警よ、しっかりしろ。

悔やまれるのは、外部告発を受けた市議は、議会で解決を目指すよりも、多少の材料を集めてから公金不正支出として上尾警察に相談すべきだったかもしれない。或いは、府中市長のように、畠山市長は職員から確認した後に警察へ行くべきだったかもしれない。彼ら(畠山・松澤)がそうしなかったのは、小さく収めたかっただけかもしれない。

世間は、この街の不正やレベルの低さに慣れすぎてしまい、本件を矮小化したかもしれない。※

また、バカな奴が バカな事をしていると。

※ 北上尾駅汚職事件16人退職、市長議長W逮捕など

 

関連

6/8に、府中市HPに概要と記者会見録がきちんとでた。※家宅捜索は、職員課、法制文書課、契約課、議会事務局、出納課、道路課、公園緑地課で行われた。

違法な例

・官製談合で萩市課長逮捕、随意契約の情報を業者に漏らした

・南国市の前副市長逮捕、随意契約の情報を特定業者に漏らした

上尾市例が違法となる可能性 「随意契約」危ないですよ?「分割発注」じゃないですか?より引用 

指摘内容は、「一般競争入札を逃れるため、意図的に契約書類を分割し、特定の企業と随意契約を行った。業者との癒着も疑われ、適正な契約手続きとは認められない」となります。

 

 

 

2020年6月10日 (水)

コロナ不況と上尾市経済-6 丸広

1不要不急予算 2給付とカット 3雑感 4 丸広 5 UDT

丸広上尾店のオフィスビル化の勧め

三密回避で2m空けろと言いつつ、日々の満員電車には「窓をあけろ」が精一杯である。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」と言えば身もフタもないが、小手先ではない社会の在り方まで議論が及ばないのは「」も同じだった。

原発事故があっても脱原発へ舵を切れないし、震災直後に敬遠された高層マンションも今はタワマンと呼び替え、憧れる人まで現れた。今回、「東京一極集中そのものが三密でした」と言えないのは、首都機能の分散は脱原発と同じく既得権益を崩すからだろう(既得権者ほど選挙に行く)。そして東京が栄えて、そこから滴る汁で満足してしまう人もいる。

だから、日本は危機にあっても学習能力が高まらない、と弱気になるのだが、民間には経済的合理性を重視する経営者もいるから、変化への期待感もある。

●週50%の在宅へ

テレワークを続けるか否かは会社による。日立は来年から、従業員の7割を週2~3日在宅勤務にするという。業務や勤務の在り方など労使協定まで見直し、後戻りしないという。こういう変化は大企業から起きるわけだが、作今の「働き方改革」というふわっとしたものとは程度が違う。
都心の高い家賃や無駄な通勤時間から逃れる企業が一割でも現れれば大きな社会変化となるはずだ。Xデーに対しても有効策となる。

●都心集中から「やや分散」ならば郊外都市にチャンス到来

丸広の二キロ圏内にイオンモール上尾が開業するのは、競合度が薄くてもマイナスである。内には、記事4に書いたようにテナント撤退が相次ぎ、市内の大規模商業施設はどこも空床に悩む。開店前のイオンモール上尾だって同じことだろう。

当節、広い面積を借りるテナントは限られる。数年前にニトリを招いたが、失礼ながら売り場は寂しい(何年契約なのだろう?)。一方、ここ十年、上尾駅前に参入する業種で目立つのは医院と薬局だ。高齢客へのアクセス性だが、保険で成り立つ業種で街に活気が生まれるわけが無い。衰退現象なのである。他にヘアー産業もあるが、脱毛や増毛では産業連鎖が頼りない。

上尾に必要なのは人よりも法人の誘致である。工場はムリでも物流の拠点誘致だったが、なんとコロナ前では想像できなかった分野、「オフィス需要」の可能性がある。

丸広上尾店には徒歩圏のシニア向け小商圏しか残っていないので、食品と生活雑貨を残してオフィスビル化を目指すのが良いだろう。大宮から10分、上尾駅徒歩1分という通勤利便性、ワンフロアーの広さと相対的な低賃料という強みを生かし、都心離脱企業を誘致したらよい。地元企業ではなく市外からの誘致が望ましい。

以上は、「最後の借り手」に安易に頼るのはいかがなものか、という意味もある。

丸広への図書館本館の移転話の条件が揃いつつある。

双方にニーズがあり駅前図書館というスタイルは時代に沿う。しかし先の二例(島村私物化図書館役人根性が主導した北上尾PAPA移転計画)など、平気でウソをつく市の体質があるから要注意だ。

●丸広図書館構想について簡単に触れると…

ショーサンプラザに入れる方が人口分布で公平感があるものの、支援と言う面で見れば丸広案にも意味はある。同時に、今の駅前館は廃止される(ショーサンに入れる時は駅前の市役所出張所も移転させて跡地の収益化を図るべき)。

床の耐荷重制限があるために現本館の開架密度での配置はムリ。広く借りれば賃床コストがかさむ。開架冊数は、どんな図書館にするかに寄るが、現本館の地下書庫も継続されるだろう(この地下室は倉庫以外に最適な用途がない)。

図書館に求められる機能は昔と違うから、原理主義的な考えは取らないほうが良い。ネット貸出では百万冊の書庫があるわけだから開架数が物足りなくても仕方ない。集会室や学習室などの滞在スペース、有料サービスを増やすことが時代の流れであり公益性と理解すべきだ。

中高生・社会人向けに100席位の自習室を提供することは他市との差別化として重要だ。勉強嫌いな子に補助金を出して勉強させるだけが政策ではない。(言わなくても)「自ら学ぶ層」に居場所を提供するだけで教育効果は前者よりも大きい。ハッキリ書けば、負債の担い手は現世老人ではなく未来の彼らである。

●難しいのは現本館の後利用

島村計画の中止条件として上平に新複合施設計画を畠山氏は進めており、幾つかの施設を移転させる予定だ。そのために現本館が空いても「最適な入居相手」がいるのかは分からない。移転集約化による経済的なメリットが見込めなければ、丸広への本館移転はコストだけ増える案件になる。

本館を潰して土地売却というシナリオは利権に要注意である。

さらに、各地に点在する小分館をどうするかだ。現本館は人口比では小さいが、上尾市は各地に小中分館が多くあり運営コストが発生する。幾つかは規模縮小(予約受渡し特化)となると直ぐ反対運動が起きる。例えば、既存分館に拘らずにアリオ内に貸出予約受渡し室を設けるなどのプランを出しながら、利用者の多い方を選択するということも考えるべきだ。

関連: 公益サービスの持続性と負担の例

最近、川口市の水道局が25%の値上げをすることになり、市民団体が反対陳情をしたと埼玉新聞が伝えた。いきなり25%には驚くが、反対運動の言い分にはもっと呆れる

「値上げの根拠について、市は受益者負担だと言うけれどそれはおかしいと思う。私たちは水道料金は使った分を支払います。しかし、水道管など基礎工事の部分まで市民に負担させることには納得できない」

コストの意味すら理解できない、この手の市民運動の方が水道管よりも耐用年数が過ぎ、錆びている。記事コメントの方が視野が広い。

 

2020年6月 9日 (火)

安倍首相が見送った本当の理由

以下引用

その経緯を官邸に近い自民党関係者が明かしてくれた。

「今回は多くの著名人が検察庁法改正に大反対のツイートをした。そうした世論もあって官邸と自民党国対は慎重姿勢を取っていたが、5月16日までは『最後は強行採決に持ち込む』と決めていた。しかし、17日の日曜日、文春が黒川氏やマージャン相手への確認取材に動き、黒川氏は法務省や官邸に連絡した。翌18日、安倍晋三首相は法案の今国会での成立を見送ると決めた」

前出の自民党の元幹部は安倍首相の敗北だとみる。

「人事カードを失ったことは官邸にとって痛い。検察は河井事件について立件を視野に進めるだろう。原資について明らかになれば、それは新たな政局の火種になる可能性もある」

ソース 「検察庁法改正」による「河井夫妻1・5億事件のもみ消し」で官邸VS検察バトル勃発の真相=鈴木哲夫(ジャーナリスト)

 やっぱり、こちらで書いた、「黒川氏が17日夜に観念したのではないか」 に沿うものだった。安倍政権がネット世論に屈したみたいな高揚感に浸った人もいたが、たんに黒川氏がギブアップしたためのようだ。

 ところで、政治ジャーナリストは「・・・に近い筋」とか「・・・関係者」とソースを伏せて話すことがある。時には必要な方法だと思うが、創作的に利用する人もいる。特に、「官邸筋からの話」を多用した解説が得意なのは田崎史郎氏だ。上辺だけ聞いている人には心地よいだろう。『安倍のイタコ』とは実に言い得て妙だ。

 上の鈴木哲夫氏の引用話は「やっぱり」と思って読んだわけだが、予想と違ったのは、黒川起用の理由は桜の会の防衛ではなく、河井夫婦事件の方にあるという。

となると、国会終了で立件、逮捕かな。

日米で似た者同士が崩れていく。

 

母から言われた「16のやってはいけないこと」

・手をポケットに入れてはいけない

・パーカーのフードをかぶってはいけない

・シャツを着ないまま、外に出てはいけない

・一緒にいる相手がどんな人か確認する。たとえ路上で会った人でも

・遅い時間まで外で出歩かない

・買わないものを触らない

・たとえガム一つだったとしても、何かを買ったらレシートかレジ袋なしで店を出てはいけない

・誰かと言い争いをしているように見せてはいけない

・身分証明書なしに外に出てはいけない

・タンクトップを着て運転してはいけない

・ドゥーラグ(頭に巻く、スカーフのような布)をつけたまま運転してはいけない

・タンクトップを着て、もしくはドゥーラグを巻いて出かけてはいけない

・大きな音楽をかけて車に乗ってはいけない

・白人の女性をじっと見てはいけない

・警察に職務質問されたら、反論してはいけない。協力的でありなさい

・警察に車を停止させられたら、ダッシュボードに両手を乗せて、運転免許証と登録証を出してもいいか尋ねなさい

 

以上はハフィントンポストより引用

黒人青年が母から言われた「16のやってはいけないこと」が、黒人にとって警察がどれほど脅威かを教えてくれる

18歳の黒人男性キャメロン・ウェルチさんがTikTokに投稿した動画が、大きな反響を呼んでいる・・・

 

関連 黒人男性と結婚した日本人女性の話し。

夫は近くのコンビニに行くのにも髭を剃り、髪を整える。 

実際、アメリカ関係のニュース報道等で身だしなみの良さを見るたびに不思議に思っていたが、「なるほどね」ではなく、その余りの深刻な理由に言葉が無い。

 


 

前記事の答え

A側に記入した人の例なので、四角い枠内に、オレンジ色の チェックマーク が必要。

ちなみに、口座番号の7桁のマスが細すぎるのもダメ。一番重要な記入欄なのに、書く人の身になっていない(民間企業ならこの原稿は直される)。

 

2020年6月 7日 (日)

上尾市の給付金申請書のミス

よくあることです。気にしないで・・・(^-^?)

上尾市の特別定額給付金申請書の記入例には間違いがある。

記入例にならって書いてみればすぐ分かるミスなので、福祉総務課の課長も部長もポストコロナでは不要となる「印鑑」係だったらしい。

答えは次回の記事に。

なお、配偶者に複数名を記入できない、という指摘ではない。Img_20200606112701

五千万世帯以上あるから、トンデモない人が現れるのは確率の問題だから応対する職員はお気の毒。
上尾市役所を訪れても、稀に、大声で怒鳴り散らす男がいたりする。コロナ終息後も、窓口のビニールカーテンは外したくないことだろう。口臭除けにも良いね。
記事では、通帳入れて送ってきたとか、「書き方が分からない」と窓口を訪れる人が相次ぐとあるが、そのような人って時間と歩く体力はあるものの「読むこと」や「書くこと」がたんに面倒なだけだと思う。
分からないのではなく、わがままなのでは。
窓口での書き方相談は、受益者負担で千円引きとしたら、みんな家で書いてくるよ。 (^-^?)
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●楽天イーグルスのバスがカッコいい
上尾市上平公園の野球場では、イースタンの西武ライオンズと楽天イーグルスの練習試合をやっている。場外からもスコアボードが少し見えるけど、酷い試合だ(^-^?) 予定表では明日も楽天だが、係は巨人相手と言っていたな、アレで日程変更か? 
Photo_20200606221101
無観客試合だから見られないけど、
Dsc_0252
こういう子供の姿はイイネ。


2020年6月 6日 (土)

上尾市長の減給幅は民度比例か

首長らの給与減額レース

●6/4 読売新聞によると
朝霞市の富岡市長は三割削減を来年三月まで、12月賞与も削減する。市長は30%、副市長と教育長は20%削減。総額676万円の効果という。なお、朝霞市長の給与は 903,000円、副市長は766,000円。

●6/2 読売新聞によると
上尾市は下記の減給を三か月(7月~9月)とする。期末手当(賞与)は対象外。総額は150万円とか。

畠山 市長 30% (給与90万円)
石川副市長 20% (〃 75万円)
池野教育長 10% (〃約70万円)

上尾市では昨年のブロック塀事件の監督責任として、9月議会に市長と副市長は給与10%カットの提案を出していた。

1 市長の給料 の 減 額
  3 か月 (令 和 2年 4 月分 ~6 月 分)、 100分の 1 0
2 副市長の給料 の減額
  2 か月 (令 和 2年 4 月分 ~5 月 分)、 100分の 1 0

 昨年9月時点では不正の全容が不明だから、まだ決められないという理由で否決されたハズが、12月議会でも同じ。

 松澤前副市長は結局払うことなく退任したため(氏の責任ではない)、市民に対する責任分は議員全員が背負うべきだ。その位の議員のプライドはあるだろう。そうでないと、責任も規律もない下尾市のままとなる。(ブロック塀で庁内一の不正部長に責任を問えず満額退職金のままであったように逃げ得社会である)

 さて、新型コロナウィルス問題による激しい経済情勢という条件はどの市も同じだからこそ、カット幅や期間の長さに差があることに注目すべきだ。曖昧な選挙公約よりもずっと比較しやすい。 

畠山市長の給与カット案がなぜ軽く見えるのか?

 世間の苦境が減給期間の三か月で終わるものではない、という理解も無いようだから、お決まりの「市民に寄り添って」一年にすると良いだろう。また、ブロック塀のカット10%分が30%の中に含まれているのだろうか、気になる。で、軽く見える理由を、昨日の今日で、麻生さんのセリフを使うとこんな感じかな。

 ・・・上尾の給与カットが他市と比べて少ないことを挙げ、『おたくとは、うちの市とは“市民の民度のレベルが違うんだ”』と。ソースはTBS

 ようするに、「カンシンとカンシ」のレベルと言うことだ。

 

 なお、市長退職金は四年任期ごとに支払われ、90万円×19.32=1738万円(手取り、推定1300万円弱)となる(こちら)。現職の首長は退職金が再選用資金になるわけだ。

つくば市長、退職金22円に 制度上の最少額

2020年6月 5日 (金)

10万円とマスクの配達競争

アベノマスクと10万円給付金の遅さも、残念ながら「日本モデル」なのだ。

どっちが早く着くかと思っていたら、

生保の営業がマスクと除菌グッズを持ってきた。

ようやく対面営業ができるので、客回りだという。支店内は全員が集まれないルールだとか。固定+歩合のセールスは客の開拓が出来なければどうにもならないから大変だ。

彼女曰く、「うちにはアベノマスク届きましたよ」。でも暑くて付けていられないと・・・

マスクのネット価格は最低価格で15円まで下がっていた。今は消毒ボトルも少しは店の棚にあるようになった。我が家では五月中旬にネットの消毒ボトルが何本か届いたが、ほとんど使わない。

緊張感が欠けて全然減らないのだ。困った時に手に入らないとこんなものだろう。

十万円の目的が良く分からない・・・

本日、上尾市役所から給付金の申請書類が届いた。自治体間競争なのだが、上尾市は遅い。カネの振り込みはずっと先だろう。

で、この10万円のそもそもの目的だが、ドタバタ騒動ばかりが話題になり、正式な目的はあまり知られていないと思う。一体、何のための家計支援なのか、意味不明な文章である。総務省より引用

施策の目的

 「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う。

事業費(令和2年度補正予算(第1号)計上額)

 12兆8,802億93百万円

  • 給付事業費 12兆7,344億14百万円
  • 事務費 1,458億79百万円

先日、安倍総理が解除宣言の時に、日本モデルの力と鼓舞していた。同じく国家主義的なリーダーである韓国の大統領が「K防疫」が世界標準だと自慢していたことへの対抗意識に見えた。しかし、日本で感染爆発が起きなかった科学的な本当の理由はまだ分からないままなのだ。

だから、「国民の民度のレベル違う」と得意顔(マスクで見えないけど)で言う民度の低いリーダーには、トランプの愚かさに負けず劣らずなものを感じる。

 

2020年6月 3日 (水)

都道府県公務員の年収と退職金

参考 民間給与 公務員給与ランキング

地方公務員給与実態調査から47都道府県職員の給与、賞与、年収、定年退職金をみる。

総務省の上記調査(2019、H31/4/1) から県庁職員について、平均給与月額×12+賞与=年収としたランキングを公開する。職員区分は一般行政職、金額は千円単位に丸めた。退職金とは「60歳定年退職者への平均支給額」のこと。

平均は、年齢42.9歳、月給41万円、賞与164万円※、年収660万円、定年退職金は2180万円※。 ※賞与と退職金は全体の加重平均が非公表のため47自治体の単純平均を使った。どれも男女別の無い全体値である。

1.都道府県職員の年収と年齢による散布図 (クリック拡大)

 大都市圏の自治体ほど若くて収入が高い。また年齢が高くて年収が低い右下ゾーンは地方圏に多い。平均年齢は42~44歳に集中する。年収は概ね600~700万円の範囲だが意外とバラつく。

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 年収が最高の東京都721万円と最安の沖縄県589万円とでは二割近い132万円の差がある。埼玉県は13位、673万円である(千葉県より高い)。なお、同じ年収比較でもこちらで書いた民間正社員の504万円は沖縄を85万円も下回り比べようがない。退職金は2100~2300万円の範囲である。
 
2.都道府県の年収ランキング(一般行政職)
順位 都道府県名 平均年齢 給与月額 賞与 年収(千円 定年退職金
  平均= 42.9 413 1,639※ 6,595 21,814※
1 東京都 41.7 449 1,825 7,210 22,363
2 大阪府 42.3 432 1,777 6,960 22,275
3 愛知県 41.7 435 1,734 6,952 22,822
4 神奈川県 43.3 432 1,749 6,938 22,619
5 三重県 44.6 430 1,760 6,923 22,066
6 静岡県 42.5 431 1,735 6,903 23,525
7 兵庫県 44.3 429 1,749 6,900 21,545
8 徳島県 44.3 430 1,706 6,863 21,954
9 滋賀県 42.3 425 1,684 6,781 22,580
10 広島県 44.1 418 1,765 6,779 21,650
11 茨城県 42.7 417 1,746 6,748 23,159
12 岡山県 43.5 419 1,712 6,734 21,427
13 埼玉県 42.4 419 1,698 6,728 22,014
14 愛媛県 43.8 423 1,645 6,722 21,981
15 香川県 43.7 420 1,677 6,716 21,150
16 山梨県 43.4 414 1,719 6,692 22,251
17 山形県 44.0 420 1,625 6,669 23,023
18 新潟県 43.8 414 1,689 6,656 22,361
19 京都府 42.8 414 1,690 6,656 23,203
20 和歌山県 43.6 411 1,662 6,600 21,537
21 岐阜県 42.4 411 1,649 6,583 21,094
22 栃木県 43.0 407 1,696 6,583 23,030
23 群馬県 43.5 408 1,688 6,581 22,801
24 奈良県 42.8 413 1,614 6,570 20,764
25 千葉県 41.0 408 1,650 6,551 21,635
26 福岡県 42.8 407 1,663 6,548 22,427
27 宮城県 42.2 407 1,629 6,510 21,390
28 福島県 42.8 408 1,603 6,502 21,967
29 熊本県 43.3 405 1,626 6,485 22,967
30 長野県 45.4 401 1,666 6,483 21,772
31 富山県 43.9 403 1,642 6,474 20,322
32 山口県 43.8 401 1,624 6,439 21,732
33 大分県 42.8 398 1,606 6,380 22,487
34 石川県 41.9 399 1,587 6,378 21,638
35 長崎県 43.6 396 1,587 6,341 21,325
36 福井県 42.5 392 1,632 6,338 22,027
37 佐賀県 42.1 395 1,574 6,309 22,032
38 秋田県 43.0 398 1,529 6,308 21,954
39 北海道 43.7 392 1,590 6,298 20,989
40 島根県 43.3 399 1,473 6,264 21,147
41 岩手県 43.0 391 1,565 6,256 22,175
42 鹿児島県 44.4 391 1,533 6,224 20,975
43 宮崎県 43.2 384 1,540 6,146 21,533
44 鳥取県 44.2 390 1,395 6,078 14,419
45 高知県 42.9 386 1,444 6,077 21,041
46 青森県 42.9 380 1,448 6,007 21,731
47 沖縄県 41.1 369 1,460 5,891 22,386

・元になる総理府データは、給与と賞与、退職金が別々のExcelファイルになっており、実は簡単に年収を推定できない。前述したように加重平均値もない。

・年齢別も非開示である。地方公務員の給与は民間よりも年功給依存が強いと思うが、もはや高年齢=高能力という根拠はなく、実態は加齢給というべきだ。つまり年収カーブの開示も必要だろう。

・都道府県職員のデータは一般職員、一般職員のうち一般行政職、教育公務員、警察職の4つと全職種の5つが公開されている。月給ベースでは警察職が平均年齢が若いにも拘わらず高い(38歳、44万円)のは、諸手当が12万円/月と他職種の二倍以上もあるためだ。勤務形態による加算かもしれない。次いで教員職(44歳、42万円)となる。一般行政職とは特に専門職の薄い数年でコロコロ短期異動するフツーの事務職のことであるが、公務員の代表として取り上げられる。

参考までに下記に全職種のデータを載せた。一般行政職よりも20~40万円くらい高くなる。

つづく

参考 全職種分のデータ: 全都道府県、月給、賞与、年収、退職金

順位 都道府県 平均年齢 月給 賞与 年収(千円 定年退職金
  単純平均= 42.8 425 1,708 6,813 22,136
1 東京都 40.5 462 1,858 7,403 22,050
2 大阪府 39.9 447 1,746 7,108 22,376
3 愛知県 40.5 439 1,794 7,066 22,374
4 静岡県 41.8 440 1,776 7,050 22,982
5 神奈川県 41.2 443 1,728 7,043 22,869
6 兵庫県 41.8 439 1,743 7,014 22,418
7 埼玉県 40.8 434 1,758 6,971 22,104
8 三重県 42.8 434 1,761 6,965 22,840
9 岩手県 43.7 439 1,689 6,961 21,988
10 新潟県 43.5 434 1,756 6,961 21,937
11 福島県 44.4 432 1,766 6,956 22,514
12 徳島県 43.4 434 1,742 6,955 22,092
13 茨城県 42.6 428 1,800 6,942 22,499
14 千葉県 40.9 432 1,755 6,939 21,947
15 滋賀県 41.5 431 1,758 6,932 22,227
16 山形県 44.4 433 1,708 6,901 22,495
17 京都府 41.7 429 1,746 6,890 22,779
18 宮城県 43.2 428 1,751 6,888 22,006
19 香川県 42.5 428 1,725 6,862 22,032
20 愛媛県 43.8 429 1,694 6,844 22,155
21 鹿児島県 44.5 429 1,690 6,842 21,929
22 福岡県 42.6 424 1,738 6,827 22,347
23 群馬県 43.0 422 1,746 6,809 22,500
24 広島県 42.3 421 1,743 6,793 22,217
25 長崎県 44.4 424 1,699 6,784 21,709
26 岡山県 42.5 419 1,748 6,774 22,548
27 大分県 44.2 420 1,729 6,769 22,362
28 秋田県 45.3 422 1,699 6,762 21,770
29 山口県 44.1 420 1,708 6,751 22,249
30 長野県 44.6 418 1,729 6,746 22,221
31 栃木県 42.8 416 1,745 6,742 22,265
32 山梨県 42.3 420 1,694 6,735 22,428
33 福井県 42.4 416 1,732 6,729 22,300
34 熊本県 43.4 418 1,700 6,716 22,248
35 北海道 43.2 419 1,687 6,715 21,614
36 岐阜県 42.0 415 1,715 6,690 21,342
37 宮崎県 43.6 416 1,644 6,642 21,968
38 富山県 42.8 414 1,669 6,633 21,911
39 島根県 43.3 423 1,555 6,632 21,937
40 和歌山県 42.1 412 1,688 6,631 21,853
41 沖縄県 42.3 418 1,605 6,624 21,263
42 奈良県 41.6 412 1,657 6,596 21,692
43 佐賀県 43.3 409 1,679 6,591 22,193
44 石川県 42.3 407 1,664 6,548 22,107
45 青森県 44.4 414 1,561 6,527 21,459
46 高知県 43.4 414 1,561 6,527 21,531
47 鳥取県 43.0 413 1,461 6,416 21,767

 

2020年6月 1日 (月)

陰性者同士が疑う新しい日常に違和感

1.上尾市議会は、議会予算から653万円を削ってコロナ対策に当てるようだ(こちら)。

中止するのは、行政視察旅費等(常任委員会視察、議会運営委員会視察等)
削減額 6,538,000円

不要不急の旅行代金みたいだ。

毎年、視察旅行に行っていると思うが、その効果つまり旅行代金を回収できるよな成果事例を聞いたことがない。だから、第二弾は無いの? 議員報酬の二割削減は誰も提案できないの? 報酬削減を選挙公約みたいに言っていた候補者もいたが、その人の資料が見当たらない・・・。

非正規の職員の一日の交通費は100円だが、仕事の成果が曖昧な人が一日2000円の日当をもらう合理的な理由はないだろう。

2.新しい生活様式と言うモラル型への違和感

映画館では席を空ける、ボーリング場は一レーン置き、ショッピングセンターでは入場率50%に制限、朝昼夕の一日三回も椅子を消毒する、マスクをしながらフェイスガードを被る、あの手この手の「新しい日常」という感染症対策を強いられる光景が見えてきた。

そのような対策(カネもかかる)をしないと風評が立つことを恐れる。買いもしない客から…

そもそも白と白を混ぜても、黒にはならない。

陰性者と陰性者が濃厚接触をしても陽性者は産まれない。

感染していない人同士が、「感染者が潜んでいるかもしれない」という不安を根拠に対策をしている。科学の時代なのに、相互に疑うことが根底にあるようでは、昔と変わらないのではと思う。大きな感染爆発は日本人のモラルの高さ等で防いだが、その後もモラル型対策では疲れてしまう。

それもこれも大規模検査をしないためではないのか。2万件なんてケチな事ではなく数十万人単位の検査で「陽性者の早期発見と隔離、陰性者はフルに経済活動」。それこそ現代の感染症対策ではないのか、今度はアベノテストだよ。そして少しは首都機能の分散というポストコロナを語ったらどうだ。

次の波は国内の経済再開からよりも、国際的な第一段階の再開でビジネス客が来た時だと思う。例えば、トランプが経済優先のために「アメリカ人の訪日をいつまでも拒むのだ」とか言いそうだ。武漢、ヨーロッパ、そして次も海外から。

でも二度と緊急事態宣言は出されない。学習効果があるから大波にならない、というよりも経済の疲弊が大きすぎるから人々は補償を付けない限り従わない。コロナ感染で苦しんだ人よりも、経済的に苦しんだ、或いはこれから苦しむ人の方が増えそうだ。

日経はこう伝えていた。

経団連幹部は「賃金に影響が出るとしたら夏と年末の賞与(ボーナス)になる」とみる。賞与は業績連動型やその都度交渉となっている場合、景気の影響を受けやすい。

赤字になった旅行業のHISは夏のボーナス無しと決めた。

また、「新しい日常」への対策投資ができない中小企業は廃業を選ぶことで倒産を避ける。商工リサーチは例年4万件の廃業や解散が、今年は5万件と予想する。

 

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上尾市政をみつめるサイト

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    市民的視座から上尾の教育行政&市政を考えよう。 (情報公開請求により市政に斬り込むサイト)
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    上尾市民として市政とりわけ図書館問題を熱く語っています。ぜひ飛んでください。 かまってちょうだいの意ね。