府中市は逮捕、上尾市は放免の不条理
府中市よりも悪質な上尾市の不正が事件化されない理由
以下はNHKニュースより要約 かまちょ図書館ともシンクロ記事
6/2、府中市の公園や道路工事をめぐり、市幹部が最低制限価格を市議会議員を通じて業者に漏らした容疑で6人が官製談合防止法違反や入札妨害で逮捕された。
府中市役所の都市整備部(元部長)、塚田雅司容疑者(56)、市議会の村木茂議員(73歳、5期目)、臼井克寿議員(44歳、3期目)共に自民党会派。業者は土木工事の二人と造園工事の一人。
1.いきさつ
高野律雄市長によると、問題の2件の工事の入札が行われた後、最低制限価格と入札価格が近いことを別の職員が不審に思い、市が内部調査を進めようとしていたところ、去年9月、副市長に対して参事から『情報を漏らした』と報告があった。本人から退職願いの提出を受け市として警視庁の捜査に協力した。
・塚田参事(逮捕時の肩書)は「議員2人からそれぞれ入札情報を教えてほしいと電話で言われた」と、市調査で説明した。塚田参事と二人の議員と業者の間では入札の直前に電話やメールのやり取りが行われている。
・漏らした理由は「東京オリンピックによる工事価格の高騰で予定価格内に落札しないケースが多かった。工事が順調に進まないことを危惧した」と。
(上の産経記事は、捜査関係者は「何かしら実質的な見返りがあった」とみており、供述内容を疑問視、と伝える)
・一部は東京オリンピックで使われる道路で、入札価格は5454万8952円で最低制限価格と同額だった。もう1つの公園の整備工事は、入札価格が1億1220万4080円で最低制限価格より9円高いだけだった。
産経新聞6/3 …市が職員や退職者に行った聞き取りでは「市議らから情報を求められたことがあるが教えなかった」との回答があったという。
ここまで読むと、府中市役所には正常な職員がいたことになるが、市長については
村木市議は今年1月、市長選挙で高野市長の選対本部長を務めており、高野市長はこの点について「(村木市議の不正行為を)知ってはいたが、捜査の結果もわからないので(選対本部長を)お願いした」。(朝日新聞より)
2. 対比
公共契約における不正は「競争入札での談合」と「随意契約での癒着」が定石という。そして発注側(職員)がグルになる。
上尾市のAKB事件(ブロック塀事件)は、地元権力者とタカリ議員(=建設業者)と無能な市役所管理職という三者が上尾市役所都市整備部を舞台に行なわれた。府中市と対比してみよう。
府中市は、最低制限価格を教えたという典型例だから事件化された。
上尾市は、実力者らの威圧的要求(第1の不正)に端を発した「私有地内工事」(公金で肩代りという第2の不正)なので、一般競争入札では世間にバレるから、隠すために議員業者を中心にした随意契約とし(第3の不正) 、7分割に少額化して庁内の検査部門からも隠す(第4の不正)という、不正に不正を重ねた手口である。参考: 図書館に7連勝の表
それだけではなく、この不正が(W逮捕後の信頼回復途上にある)市役所と、(会派団長、議長支配の)市議会という無節操な土壌から生まれたことを合わせると、その悪質さにおいては、府中など比ではない。
だが 事件化されない。
府中市では他職員がヘンだと気付いたことが突破口になったが、上尾市の関係職員らは保身を優先し※、外部からの告発で発覚した。 ※村八分の町
府中市長は逮捕議員の支援を受けながら当選した。上尾市長は市長選での公式支援は無いものの、背後では彼らから応援を受けていたという噂さはある。
府中市の元部長は逮捕姿をテレビに撮られ、有罪ならば懲戒免職になるが、上尾市の元部長は発覚直前に定年となり満額退職金※をもらって、再就職先も市の関係先である。元課長は翌年に(市長任命で)部長昇進※しているが本件露呈により降格処分となった (甘い処分について)。
※ 参考 H29年度退職者の平均額は2350万円。昇格試験のない上尾の人事は情実である。
3.なぜ、府中市では逮捕され、上尾市は無罪放免なのか?
あっちは刑務所があり、こっちは低いブロック塀だから。
そうでないと思いたい。
法的な面は分からないが、文末の例を読む限りは可能だと思う。埼玉県警よ、しっかりしろ。
悔やまれるのは、外部告発を受けた市議は、議会で解決を目指すよりも、多少の材料を集めてから公金不正支出として上尾警察に相談すべきだったかもしれない。或いは、府中市長のように、畠山市長は職員から確認した後に警察へ行くべきだったかもしれない。彼ら(畠山・松澤)がそうしなかったのは、小さく収めたかっただけかもしれない。
世間は、この街の不正やレベルの低さに慣れすぎてしまい、本件を矮小化したかもしれない。※
また、バカな奴が バカな事をしていると。
※ 北上尾駅汚職事件16人退職、市長議長W逮捕など
関連
・6/8に、府中市HPに概要と記者会見録がきちんとでた。※家宅捜索は、職員課、法制文書課、契約課、議会事務局、出納課、道路課、公園緑地課で行われた。
違法な例
・上尾市例が違法となる可能性 「随意契約」危ないですよ?「分割発注」じゃないですか?より引用
指摘内容は、「一般競争入札を逃れるため、意図的に契約書類を分割し、特定の企業と随意契約を行った。業者との癒着も疑われ、適正な契約手続きとは認められない」となります。
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