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2020年7月19日 (日)

荒川氾濫を伝える一枚の写真_上尾市台風19号

氾濫、越水、溢水と洪水用語はいろいろあれど、百聞は一見にしかずの写真。そして、自然災害が人災になる時代の劣化。

去年の台風19号は各地に被害をもたらした。上尾市での荒川氾濫はテレビで取り上げられる規模ではなかったが、過去にない水害だったと思う。その頃、本ブログでも写真入りで書いたが、市民の中では噂話し程度で終わってしまったのではないだろうか。なにしろ、災害が頻発する日本では、いまは最新の熊本・水害報道に上書きされているのだから。

 10/14 荒川越水の公式認定は
 11/4  上尾市の台風19号の被害は?

ネット上にあの日の写真や動画はあるが、道路冠水や部分的な光景や議員のPRと見まがうレベルだったりする。そして、この一枚を超えるものは無かった…。
 約1Mbのワイド写真 (参考 imgurが見られない人用に下図)

Photo_20200718223201

 広報あげおは写真で被害を伝えることもなく、そして3月には危機管理課から総括書も出たが、文字と数字だけの文書にはリアル感は無い。「災害の少ない街」というイメージを壊したくないのか、問題と向き合う力が無いのかは分からないが、危機管理能力としては頼りない。

 荒川のあふれた場所は、平方の上宿地区にある堤防の無い区間である。水はうどん屋の道から東側の八枝神社の手前まで迫った(岸から100mくらい)。八枝神社は標高15mだが、川辺までは5mも下がっている (標高は地理院地図で簡単に分る/スマホも可)。

 実は、国交省の用語には洪水、氾濫、越水(えっすい)、溢水(いっすい)などがあり、どれも水が溢れる(あふれる)ことを意味する。中でも、越水とは堤防を越えてあふれること溢水とは堤防の無い所であふれることとある。だから、公式表現では荒川氾濫ではなく荒川溢水となる。

 (蛇足だが、日本語固有の文芸的な表現への拘りすぎは、今日の災害規模を前にすると悠長に聞こえる。気象庁の各種警告表現のアレコレも形容詞的だと思う)。

 平方はその昔、江戸時代には渡船場(平方の渡し/船着き場)があって船運で栄えていた。その後、開平橋や高崎線の開通により、陸運にとって代わられて今に至り、市内でも少子高齢化が進むエリアである。

 参考 開平橋(アッピーガイド) 平方地区人口推移 

Photo_20200716153402

 地図では北と南には堤防が来ているが(図の青丸は想像)、ここだけ無堤防区間のままである(ストリートビューで見られる)。古い人によれば、何度も水がつくことがあり珍しくないというが、今回、37軒ほどが床上・床下浸水となり、生活再建支援制度(全壊、上限は300万円)を適用した。

 ところで、上図で分かるように無堤防の川岸まで市街化区域(黄色)に指定されている。まさか自己責任論ではないと思うが、憂慮すべきことだ。さらに、荒川洪水ハザードマップ2を見てみよう。

Photo_20200716153401

 仮に、無堤防区間からどんどん水が入ってくると、紫色の橘高校は浸水5m、濃い青は浸水2m以上の想定域である(実際は周辺部の高低差で流れは変わる)。素人目には、「無堤防」とは、わざわざ堤防に切り欠きを入れたように見えてしまうわけだ。

 幸いに、首都圏は富士山を含む関東山地の包囲効果で雨雲の来襲を減らすが、近年発生する線状降水帯や台風19号よりも大きい或いは長居をする台風が来たら耐えられない。

 今はコロナ不安で持ち切りだが、四月ごろはコロナは自然災害みたいなものという認識があったと思う。しかし今、第二波に至っては行政の一貫性の無さ、頼りなさを見ていると「コロナは人災へ変異した」と言えるだろう。それと同じく、去年の荒川氾濫は自然災害を通り越した人災ではないのか。少なくとも、次回は100%、皆がそう認めるだろう。

 起こってからの後始末をするのが危機管理では無い。

 最後に、人々の歓心(と投票)を得るため、避難所全体育館にエアコン導入などという政策を手柄にする市長と政党は愚かである(こちらの記事)。

関連 上尾市の台風19号サイトはこちら

●道路冠水の31カ所の地図こちら。見にくいが、知っておくと役立つ。市境部に多い。


●市の報告書から主なデータを抜粋

最大時間雨量 25.0 ㎜  10 月 12 日(土)10 時 00 分~11 時 00 分
最大瞬間風速 31.3m/s  10 月 12 日(土)22 時 00 分~23 時 00 分

※最大避難者数 999 名・391 世帯(10 月 12 日(土)22:00 時点)
住宅被害 床上浸水 33
床下浸水8
車両水没 3 件・4 台(藤波、平方、上尾下)

人命救助事案 19 名(平方 2693 他 開平橋付近)※うち 2 名は防災航空隊によるヘリ救助

(1)道路冠水 49 件 うち通行止め 39 件
江川・逆川沿い:藤波、領家(工業団地周辺)
荒川沿い:大字平方(リバーサイドフェニックス・川岸屋付近、 丸山公園南側、橘高校西側、開平橋付近
開平橋~リハセン前道路)
芝川沿い:鎌倉橋、西長橋、舟橋、新橋、日の出橋、日の宮橋、農協橋
原市沼川沿い:沼橋、境橋、中通橋、平塚橋、柳津橋

関連 氾濫まで53cmだった荒川(朝日新聞)

 

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コメント

 この欄には似つかわしくないのかもしれません。
まず、ビジネスゲームの館を運営んしてくださっていることに敬意と感謝申し上げます。何より見ている人が累計で200万人せまるなんて、この小さな町には勲章ものです。
 それはともかく、物知りの運営者にお願いです。今月は「上尾市長等政治倫理条例(案)に対する意見書のコメントを募集しています。私にはなかなか一言でコメントするのもたいへんですが、一言で言えば「上から目線の条例案」に見えるのです。特に市長・議長のダブル裁判がまだ決着しない中で。、この案が単純に出てくる「神経が理解できません。内容的にも委員が3名などという、公開の不十分さなど、市の行政の問題点を抽出するのでなく、「作っておけばよい」とのべき論ともいう単純な発想と運営が気になります。
 そこで物知りの運営者のご意見を簡単に掲載していただけませんか?そうした意見を行政へのコメントを書く参考にしていければと思っているところです。勝手なお願いですが何とぞよろしくお願いします。

伊谷覇矢さんのご来訪に深謝。
熱心にご覧いただきありがとうございます。
ダブル逮捕事件を受けての 政治倫理条例(案) ですね。AKB事件があったために今ごろになったのかな?。
ぜひ市民コメントに投稿して下さい。この街のタカリ気質と無関心な風土にも原因がありますから。市民の意見は貴重です。指摘事項とそれへの市回答が公表されますよ。すれ違いで反映されることは有りませんが(^-^?)。
>ませんか?そうした意見を行政へのコメントを書く参考に・・・
 イヤハヤ、それは?です (^-^?)
 ご自分の意見で投稿されることを推奨します。投稿前に担当から説明受けることも可能ですよ。なお、当ブログにもそれを寄稿してください、よほど市民の目に触れます。

私的には、気の抜けたビール条例だと思っているので、まぁ、読む時間があれば書いてみます。

●なお島村田中裁判は結審済み。事件と裁判はブログに多く書きましたが、「カテゴリー(分類)」を作ってないので探しにくいです。
2018年2月には公判記事が複数あり。
https://domex.cocolog-nifty.com/blog/2018/02/post-63b9.html

こんにちは。
災害に遭った方は気の毒ですが、上部組織から募金の「徴収」が必ず勤務先にきます。毎年複数回ですから憂鬱。2番目に書く立場なので、部下を考え上司の記入金額の半額にしています。
昨年は「タカリ気質と無関心な風土」のわが町の平方地区が浸水。取引先のわさびメーカーが一時操業を停止しました。安くて品質もよいので、経営状態が早く回復して欲しいところです。
ところで、ハタ坊元気かな?初心に帰り、駅コンコースで挨拶運動してくれないかな?
大見栄をきり、穴だらけの風呂敷を広げたハタ坊に災害対策の陣頭に立つ能力もないと思いますけど、最近、坊の姿を見かけることがなく、まさか感染?、ステイホーム?、某国のリーダーみたいですね。

上尾に「港」があった、、、ということですよねえ、。川の港
そして、、廓もあった平方、、、

上尾にいる30年間にもっと上尾を知りたかった

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    上尾市民として市政とりわけ図書館問題を熱く語っています。ぜひ飛んでください。 かまってちょうだいの意ね。
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