人情ごっこでリーダーを選ぶ悪習が日本の停滞
怪しい劇の第二幕、選挙前に当確が出る人情ごっこが招く未来
一国のリーダーの健康不安は秘密がフツーなのに、周りは「疲れている」と広めたり、大名行列みたいな通院をテレビに撮らせていた。二階も。じゃない二回もだ。そして会見前日には「元気そうだ。続投するだろう」と幹部が言う。
前回、病気を理由に途中で放り投げたという評価だったから、「二度と病気を理由に辞めるハズは無い」と思っていたが、安倍さんのマッチョ風な言動からは意外な言葉だった。金曜の株価が下落したのは"予想外"という意味だ。なにしろ企業業績より政府資金が株価を支えるから。
安倍さんの一時間の会見は立ったままだった。記者の質問もたくさん受け付けており、プロンプターも使わないのだから、むしろ健康そうだった。
病気のことは事実としても、この先はコロナやオリンピックの実現性、新年度予算など難問ばかりだから、8/24月曜日の在任期間新記録達成をもって逃げた、ないしは「心が折れた」という印象だ。今後のスケジュールが楽だったら辞めないだろうから、コロナで折れた最初の宰相となった。
ところが、将来の政局次第では三度目の登場もあるらしい。次の国会で、議員席からヤジを飛ばしたりする姿で分かるかも知れない…。
土日の新聞は安倍政権の評価記事が多かったが、病気理由なので批判は抑制的になる。そして、世間の関心は総裁選の予想に移っている。たった二日で安倍政権の総括を終えたようなもの。本当に、日本人は総括することが苦手な国民である。
競馬予想みたいな総裁選報道を見ていると、先日の渡辺さん独白の番組を想い出した。
安倍さんの祖父・岸信介首相は安保改定の協力を得るため、見返りとして次の総理の順番を示す誓約書を書いた。密約である。「1番は大野伴睦、2番は河野一郎、3番は佐藤栄作」というもので、立会人として誓約書を預かったのは右翼の大物・児玉富士夫である。(河野太郎は孫になる)
結果は池田隼人が首相になった。つまり大野は騙されたのだが、その理由は過去に大野が岸にしたことへの意趣返しなのだという。
総裁選報道を見ていると、今年の初めは岸田文雄氏が安倍さんの後継だと言われていたはずだ。それが、ここにきて菅官房長官が本命に急浮上した。
と同時に、岸田さんはアピール力が無いというようなネガティブ評価を言い出す人が現れた。岸田さんのあり様は関係者なら知っているわけで、今さら否定的に持ち出すのは不自然である。一方の菅氏だって、メリハリある物言いではないし、はぐらかし名人に見えるが、それだって能力ではなく、一強多弱の力関係や用心棒みたいな官邸官僚が居ればこそだろう。でも安倍政権を支えた論功行賞みたいだ。
そして、あろうことか選挙戦にも入っていないのに、菅氏が正式立候補する前なのに、派閥の数合わせで当選確実になった。開票速報よりも早い当確だ。岸田さんは、はしごを外された。
話はそれるが、先の番組で渡辺さんの観察では日本政治の本質は、「生臭い人情が政治を動かしている」というものだ。
そして現代の保守ジャーナリストの典型である田崎史郎氏も、結局は飲食した回数が決め手の世界、みたいなことを言っていた。義理と人情の世界という意味だろうが、それは戦後政治と本質的に変わっていないわけだ。それが、日本の停滞を招いているのだとつくづく思った。
村議会ではないのだ。 国のリーダーになる人の選挙なのだから政策と政策を語れる能力で評価すべきだろう。政策は同じだから意味がないという意見は逃げである。
好き嫌いと大臣ポスト欲しさが基準で選んでいる限り、進歩は無いから、これからも日本は衰退の道を歩むだろう。個人は賢く生きるか、予算にしがみつくしかないだろう。
気になるのは、来年度の予算はまともに組めるだろうかという点。
税収不足なのにバラマキしたもん勝ちみたいな財政になっている。
一体何年先の世代の糧を喰えばよいのか、その辺りも明朗会計で示して欲しい。
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コロナ問題から逃げたかったという事だと思います。
大学受験・高校受験・就職活動も親頼み。
苦労を経験してないのだから。
「おなかが痛くなって2回も職場放棄。
アベチルドレンの某元女性議員は元議員の夫と手つなぎして
TVで会見を見て泣いたとサンジャポで放送してました。
呆れました。
投稿: 本好き | 2020年9月 1日 (火) 07時26分
訂正です。
小学校だけ受験、あとはエスカレータでした。
エスカレーの先は崖でした。
2回落ちる御仁は今後政界に出現することはないでしょう。
お友達は身の振り方どうするのでしょうか。
投稿: 本好き | 2020年9月 1日 (火) 07時31分