新聞社の世論調査とネットの世論操作
新聞社の姿勢が表れても、ネット世論よりはマシ。
新聞社もコロナで駅売りが激減して厳しそうだが、安倍内閣の支持率調査にについて、朝日新聞の7月末は支持率33%(不支持50%)だった。朝日の調査は男女別や世代別にも見ることができる点で親切だ(こちら)。
例えば、男38%、女28%という際立つ違いは安倍首相の人柄や言動と関係していそうだ。世代別では、岩盤支持層の一つと言われる29歳以下では46%と高い。ただし各世代別のサンプル数は数百人もいないのでは?
読売新聞の8月は支持率37%(同54%)だったが、記事の書き方は微妙。というのは、支持率は「前回39%からほぼ横ばい」と軽くスルーして、「不支持率が第2次内閣発足以降、最高に達したことに危機感を強めている」と書いていた。
毎日新聞の7月は支持率32%(同62%)だった。
新聞社の姿勢が世論調査に現れやすいのは知られているが、安倍政権になってから新聞社の論調が特に際立ってきたと思う。毎日新聞も面白いのだが、ネット記事の見出しからは安部批判が痛く読み取れてしまい、やりすぎと感じることが多い。その傾向の典型は、2017/5月に改憲問題を独占インタビューして国会答弁で読売新聞を「熟読してほしい」と首相が平気で“推奨”したことかもしれない。
たぶん、新聞社による世論調査結果の差は質問文やオペレーターの応対話法が影響していると思う。
例えば、「分からないとか無回答」という回答比率を見れば、NHKは20%弱、朝日新聞は17%、読売新聞は9%である。読売の値が少ないのが不自然だ。なぜなら、選挙に行かない人が半分もいる母集団に、政治を質問したって答えられない人が多いのが当たり前。だから、分からない比率が少ないのは回答を無理強いしている印象を受ける。
しかし一番の原因は、私的には「○○新聞です、世論調査を…」と電話口で頼まれたら、新聞社への好悪感情で回答拒否が発生する差だろうと思っている。とにかく目標サンプル数に達するまで電話をかけ続け、相対的に自紙購読者が多くなりがちだろうと思う。ちなみに電話口の人に回答を迫るとは限らず、その家の「誰か」を指定する方式らしい。また人口の年齢構成比と同じ比率となるサンプルを前提としていると思う。
ところで産経新聞とフジテレビ系による世論調査の不正は衝撃的だった。
1年間、計14回分の調査の不正をしたという。理由は「オペレーターの人集めが難しかった」という説明で終わっていて真相は不明である。これで産経は世論調査が出来なくなったのだろうか。なお産経の世論調査はまるで見ていないけど、たまたまある本で見た昔の麻生内閣への支持率は他紙より低かった。
最近、世論調査ではないがYahoo!ニュースのコメント欄を見ていて、ミエミエな違和感を持った。
国民民主、分党へ というニュースが8/16日夕方に出た。記事のコメント欄で一万以上のイイネを集めた上位コメントは全て玉木氏を応援する内容である。しかし、同党の政党支持率は1%しかないし、さらに合流しない議員は少数派だから、むしろ玉木氏を批判するコメントが多い方が自然である。つまり、これこそ、敵の敵は味方としての典型的な世論操作では無いだろうか。
これに限らず匿名中心の日本のネット社会では、ネット世論は偏るのが自然であり、イイネと思いたい人のためにあるか、または世論操作のためにあるようなものだ。
おわり
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コメント
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「ネットでは支持する意見多い」なんてことをいう代議士(時期総理なんて嘘だろ)がいる政権です。
マスコミと取り巻きがグルになって世論操作やってんじゃないの?
まともな総理なら更迭必至だけど、バカだからできない。
投稿: 本好き | 2020年8月22日 (土) 14時51分