少子化の本当の原因は未婚率上昇と晩婚化
韓国は合計特殊出生率(一生に女性が産む子供数の理論値)が0.92と1を割って深刻な様に、少子化は先進国の共通現象であり、日本も1.4人弱と低い。だが、出生率を気にすると原因が見えてこない。
完結出生児数という値がある。結婚後15~19年たった夫婦の最終的な平均子供出生数を意味する。
2015年は1.94人であり、約2人生まれている。(近所を見ても)ひとりっ子家庭は少なく(19%)、普通に子供二人の世帯が多い(54%)ことからも実感に近い。
つまり、結婚生活が安定した女性は人口維持可能な2.07人に近い子供を産んでいる。合計特殊出生率の式は分母に未婚女性も含めているために低くでる。
結局、少子化の原因とは子育て環境の悪化というよりも結婚しない男女が増えたことと、晩婚化(2015年、男31歳、女29歳)にある。
未婚率はかつては5%未満だったが平成三十年間で急増した。特に、男性の4人に1人は生涯未婚、女性も15%が未婚である。また婚姻があっても4組に1組は再婚である。
結局、未婚率の上昇が少子化の真因である。
だから待機児童などの子育て支援では現実の少子化は止まらなかった。それらは、給付対象者の顔が見えるから政党や議員の集票策となり、行政は「やってます感」を得られるが効果は乏しい。本気で子どもを増やすならフランスみたいに相当な養育政策をやる必要があるが、踏み切れないのは高齢者の社会保障を優先するからだろう。
未婚率を上げる「結婚しない理由・結婚できない理由」とは、マクロ的には非正規雇用の増大や地方衰退(東京一極集中)が指摘される。つまり平成三十年を仕切ってきた自民党の政策に問題があったと言うことだ。でも、それ以上に政策ではコントロールできない個人の価値観の変化とか25歳以上では「相手がいない」のが大きな理由と言うように、おカネじゃない理由もある。
そもそも若い頃にカネが無いのは今も昔も変わらないが、今は一人暮らしが容易な環境が揃っているから不自由しない。中には「貧乏な恋愛(結婚)ならしたくない」という意識もあると言う。だから自治体の婚活パーティが対策になるわけでも無い。
結局、日本は少子化を受け入れつつ、生産性の向上により「生産年齢の減少分」を補うしかない。一人当たりGDPは26番くらいというのは、一生懸命ムダな仕事をしている産業があるという意味だ。 (ヘンな褒め方だが) 生産性が低いから伸びしろがあるとみても良い。
だから、安易な移民に頼ってはダメだ。
所が、今までできなかったのに、これからはできるという保証はない。既得権益や悪しき平等主義にこだわり、競争を避けるようではムリだろう。
つづく 上尾市の最近の人口動態
参考 上尾市の人口物語
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