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2020年10月21日 (水)

弔意を求めながらも中曽根元首相の歴史認識とすれ違う人

タカ派というレッテルで短絡的に見られるが、今の右派政治家には無い見識。

中曽根さんという人は、レーガン大統領と「ロン・ヤス」と呼びあう会談姿をテレビで見せて、「少しは対等な日米関係になれるかも」という印象を与えた初の首相だった。

小泉さんの郵政民営化は騒いだ割に、たいしたことないし最近は大規模不正が起きているが、中曽根さんの電電公社や専売公社、国鉄などの民営化は高く評価されている。今どき、JRやNTTを国営に戻したいなんていう人はいないはずだ。

だが、うまく民営化できたのはバブル景気だったことも大きいと思う。しかし、そのタイムリーさを褒めて風見鶏とあだ名されたわけではなく、政策や派閥などの権力争いで言われたらしい。

その辺りは良く分からないのだけれど、中曽根さんがタカ派と思われながら、憲法改正に拘るよりも民営化という実利を取った姿が、左右両極から風見鶏に見えたのだろうか。どう見ても現実主義者に見えるのだが…。

最近、問題になったのは、17日の「内閣・自民党合同葬」に9千万円の税金投入と「国立大学に弔意を示す要請(旗掲揚)をした」という点だ。問題視されるのは仕方ないが、実はもっと大切な事を山内康一議員がブログで書いていた。

中曽根首相の言葉を三編引用し、優れた見識の保守政治家だと伝えている。

中曽根康弘首相の言葉【歴史認識】

太平洋戦争を経験した世代として、戦争を知らない世代に伝えておかねばならぬことがある。それは、二十世紀前半の我が国の帝国主義的膨張や侵略によって被害を受けたアジアの国々の怨恨は、容易には消え去らないであろうということだ。日本独特の「水に流す」は日本以外では通用しない。韓国や中国における現在の反日教育、ナショナリズムを高揚する教育をみれば、心のわだかまりが溶解するには長い時間と期間を要すると考えなければならない。こうした考えに立って、我々の歴史の過失と悲劇に対して、率直な反省を胸に刻みつつ、この失敗を乗り越えるための外交を粘り強く進めて行く必要があることを我々は今一度、銘記しなければならない。そうした意味で、日本の歩むべき道は、失敗に対する深い思慮とともに、アジアと国際社会の一員として、平和を守り、互いの利益と協力を尊重しながら国際社会に貢献して行くことである。
(中曽根康弘「宰相に外交感覚がない悲劇」新潮45:2012年11月号)

残りの短文二つ、「大東亜戦争の総括」、「愛国心とナショナリズム」も優れた内容だ。

それに反して、今の保守政治には空威張りみたいな人が多い。

 

 

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コメント

学生時代、教育後進県の我が県で教育を受けた、自分の出身中高は赤かピンクに染まっているかんじでしたので中曽根氏の評価は最悪でした。
現総理・前総理は勉強が全然足りません。というより、片や世間知らず、片や家出人。
国政の舵取りをしてほしくない出自です。
貧乏人育ちは貧乏人に厳しいという傾向があるようです。
まだあべちゃんの方が、金持ちの余裕があるので、スカよりまし。
ハタ坊は理科系みたいだけど、全然、話題にならないのはなぜ?
まあ、腐敗の街では役立たないからかな。
心のない挨拶だけで、犯罪者育成の会と宗教党が味方になれば、確実に当選できる町だから。U元知事もサンコンも本当は不要だった。選挙狂O代議士は要るかな?

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