コロナとウソに汚染されたアメリカ大統領選挙
「私が話しているんです。」カマラ・ハリス
奇しくも日米の権力者が相次いで病気になった。安倍さんが辞めてから元気にみえるのは、政権移譲がうまくいった計画辞任だったからだろう。一方、トランプ大統領のコロナ感染は計画的ではなかった。
ニュース速報をネットで見た時はフェイクだと思った。直前に「ディープフェイク技術で女優のポルノ映像作者が逮捕」というニュースがあったせいだ。しかし、多くの日本人は、彼が今まで感染しなかった方に驚いていたのだから、「やっぱりね」つまり必然だった。
その後の、大統領の感染経緯と病状が良く分からないのは、真実が報道されても、前後に嘘がたくさん報道され、何が本当なのか分らなくするためだ。これが今のアメリカである。現職大統領が自らのコロナ対策ルールに違反した早すぎる退院劇は焦りの表れだが、その口で『法と秩序』を訴えるのだからアメリカ社会の劣化が現れている。「陰性になった」という報道が無いから、まだ陽性なのだろう・・・。
そうなると、トランプ氏が壇上で大声で「俺はコロナに勝った」と近づき、後ずさりするバイデン氏をテレビで「チキン」呼ばわり、というシーンは杞憂になった。
現職の副大統領ペンス氏VS 元カルフォルニア州検事総長ハリス氏
大統領候補の討論会が荒れたために、こちらの討論会はまあ正常に行われた。予想はハリス氏がペンス氏を攻撃的に質問攻めするとあった。「ホワイトハウスの危機管理もできない人に国を任せられない」という風に攻めるかと思いきや、笑みを絶やさずカメラ目線で語るから意外だった。
討論後に配偶者が壇上に昇ったが、ペンス夫人がマスクをしないのは会場ルールに反するらしい。どうやら、人前でマスクをするのが敗者の姿とみる人がいるのだ。ネットで在米日本人が、アメリカの感染者数が多い理由を、不衛生と教育の低さだと嘆いていたのを想い出した。実際、この日、ペンス副大統領の頭にハエが止まっていた。
早口の同時通訳を聞いたが討論会は引き分けに見えた。しかしアメリカでの評価はハリス氏優位と伝える記事が多かった。
ところで、「私が話しているんです。」(BBC)というハリス氏の言葉。確かに中継で何度か見聞きしたが、私が感じた以上に女性たちに大きな共感を生んだらしい。
「副大統領、私が話しているんです」と、ハリス議員はほほ笑みながらたしなめた。「よろしければこのまま続けさせてください。そうすれば、会話ができます」。
つまり、男性中心の組織や家庭にいる女性にとって、この姿は「自分もそうだったわ」とジェンダー(社会的性差)を思わせる効果があったという。そして、ペンス氏に対して注意ではなく、お願いの言葉を使ったのは計算づくだったと記事では書いていた。
今回の司会は女性だった。前回の司会者のように相手の発言を遮る候補者を注意することは無かった(と思う)。そもそも討論会の運営が未熟すぎだ、マイクoffと持ち時間制を導入すればよい。
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