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2020年11月26日 (木)

プレミアム付き商品券による地域経済効果は当事者能力による

10万円を13万円に殖やす方法としての「ガンバルあげお商品券」の出自に関する上尾商工会議所のお話しから見えてくる景色。

前記事 当たったの続き

 今回の上尾のプレミアム商品券は四人家族で最大12万円なら、36,000円がプレミアム(お得)になる。10万円給付金をタネ銭にすると三割配当で13万円だ。使途は自由だから、普段通りの食費用の一部に月3万円を4か月支払えば、3万円が溜まりますよ、という企画だった。

 『ガンバルあげお商品券』は完売(上尾商工会議所) 加盟店一覧

 コロナ不況は過去の不況とは大きく違うから経済対策は、自粛が委縮にならないようにというGoTo政策と同じジレンマに陥る。この商品券政策とは域内のGoTo買物なのだが、外出や人ごみを避けたい中で買い物を奨励するのはムリがある(ホンキでやるなら買い物でクラスター発生した例はないと宣伝すればよい)。

結局、プレミアム分は貯蓄化され、当たったもん勝ちになるだろう。

消費の押し上げ効果とは、冒頭に書いたように普段の買い物(食品や日用品)に商品券を使い、プレミアム分を何に使ったのか分からないようだと効果はない。
普段より1.3倍多く買っても、それが必需品の場合は需要の先食いやまとめ買いであり、後に消費は0.7に下がる「反動減」となって効果は消える。耐久財が動くと経済循環がよいが、高齢化社会では買い替え意欲も低い。地元の商店だとどうしても食品や日用品の類なので、域外資本の大手に商品券が吸い上げられる。

費用倒れの政策であっても、市役所は「商品券の完売」を持って良いことをしたと宣伝するだろう。また、「やらなきゃ、もっと悪くなる」という論法は、検証できないへ理屈だから反論にもならない。アノ10万円ですらマクロ的には貯蓄化されたと証明されている。

そもそもは、このような地域商品券の頻度が増えて新規性が失せていると思う。「商品券を求める行列に並んだり」、「なんだか買い物しなくちゃ損」みたいな集団催眠力が落ちている。慣れてしまうと、プレミアム分を税金還付みたいにゲットしようという知恵だけがつく。今回は、手のひらで済むから楽なのだ。

ところが応募倍率1.36倍だった。

三割のプレミアム、スマホ応募可、大型店重視、十万円給付が未消化、という好条件下でも低かった。

この完売に当事者達は喜んでいると思っていたのだが、事のいきさつは単純ではなかった。

商工会議所は過去に完売できなかった件がトラウマになっていた(下記)。ところが、ネット申込オペレーションは彼らにできるわけが無いので「東武トップツアーズ(株)」に委託していた。最初に申込リンクで飛んだ時は誘導詐欺サイトみたいに見えたが、ツアー会社なので到着地は東部系のITや印刷他社への外注なのかも…。

かまちょ図書館(無限ループだ)で知ったのが、尾花議員が商品券問題をHPで取り上げていた。選挙の時だけ騒いでその後なにも語れない議員が多い中では一番まともなサイトである。それを読むと(ビデオを見ると 1:10頃)、上尾市と商工会側で食い違っている事が分かって面白い。意図的な参考人招致だっかも知れないが、上っ面だけの市側情報では真相が伝わらない、という良い例になっている。

関係者は上尾市商工課、商工会議所、東部という三層だが、尾花氏が言うのは、市説明では商工会議所が要望した事業になっているということだ。確かに、市サイトを見れば下のように形式だけを語り、ウチの企画じゃないよと読める。

新型コロナウイルスによる・・・・・地域経済の活性化を図るため、上尾商工会議所がプレミアム付商品券を発行します。

尾花議員HPにある商工会議所の三井田専務理事の発言を要約すると。

市が全プロセスを固めてから依頼してきたものだ。我々は過去に『プレミアム付商品券が売れ残った』事をふまえ『有効性に疑問がある』と考えていた。また本件事業には一切手数料をもらっていない。市案には異論もあるが協力した。 

実はビデオではもっと語っている。

H10年に初めての時は1億円に10%プレミアム(市の補助)でやったら15分で完売した。その成功体験から何度か繰り返したが、3割を付けても売れない事態を経験した。H27年に調査をし、もはや商品券事業は消費の拡大につながらないという否定的な総括をした。H27年時は大型店が52%、地元48%で消費された。昨秋の消費税アップ時の商品券発行を市に求められたときには断った。

今回7月に要請された時、何でうちがやるのという想いがあった。打ち合わせで、共通10枚と地元3枚を8枚と5枚へ、一人三冊を十冊位へ等と要望してきた、ことごとく断られた。
例の循環使用というか一人二役の使用問題もあった。

誰でも分かるように、交付金原資による自治体の横並び政策である。コロナ過での水道代金の割引政策と同じである。それなのに事業主体は商工会ですよを口にするのは何故か。大型店で10枚にしたのは販売消化の為だとバレバレなのに、コロナよりも売れ残りと言う「失敗」を恐れている。

そもそも、経済波及効果なんてマクロ経済の架空計算なのだから外れても仕方ないと言い訳できる。参加商店のアンケートで「良かった」の丸印の数しか頭にないはずだ。

こう見ていると、早朝から先着順の窓口に並ぶという時代遅れからの脱却だけが、唯一の成果かも知れない。

ビデオには質疑もあった。秋山議員が額面を500円にしなかった事を尋ねたが、商業者への支援策だということが分かっていないのには呆れた。まぁ質問しているからよい方で、黙って座るだけの議員が殆どだ。

なお申し込みのネットと郵便の比率を商工会側はスグ公開して欲しい。IT民度が分かるだろう。最後に締めたら店舗(企業)シェアも分かるわけで、もの凄い貴重なデータになる。誰が見られるのか知らないが、イオンモール上尾の開業とぶち当たり、大型店シェアの高まりと共に、脱落しそうな大型店も分かるはずだ。

こう書いていて思ったのだが、地元消費策を真剣に考えたらよい。

食事の回数は減らないので、どこで食べるかの違いになっている。外食産業が壊滅的な反面、食品スーパーや味の素などの家庭用食品メーカーは好決算である。外食はテイクアウトの開拓でスーパーの総菜売場と競争するしかないのだ。

商工会議所の会員飲食店でも使えるはずなので、商品券をテイクアウト弁当へ誘導すればよい日替わりで夕方の駅前イベントをすればよいだろう。

しかし、上尾グルメサイトは閉店中だった観光課であり商工課ではないという縦割りが理由ではなく、切迫感も使命感も持ち合わせないためだろう。

ちょうど昨日、「財政制度等審議会」が予算編成に向けた意見書を麻生財務大臣に提出した。その中で、持続化給付金のように非常時の支援を常態化させれば『モラルハザードを通じて、今後の成長の足かせとなりかねない』と懸念を表明した。「単なる給付金」ではなく、経済構造の変化への対応支援にすべきというのだ。

 人を救っても変化の出来ない企業を救う必要はないと思うから、正論である。しかし国から都道府県、市町村へと降りるにつれて目先のことに消費されてしまう。

掛け捨てなのだ。

 

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