ドラマやSNSから飛び出てしまったアメリカ
トランプさんから犬笛(ツイッター)を取り上げた意味。
結局、予定通りにバイデン大統領の就任式が行われた。トランプがオバマの政策の全否定から入ったように、バイデンはトランプの否定から始めていた。
1/8(金)は日本では二回目の緊急事態宣言のニュース一辺倒だったが、個人的にはアメリのトランプ支持者による連邦議会襲撃の方が気になった。アメリカ歴史に刻まれる大事件だったが、アメリカって国がとうとう、TVドラマやSNSから飛び出てしまった感じを受けた。
月ぎめ千円程度のネット配信の有料放送が外出自粛生活下で契約数が増えている。単月視聴もできるので手軽だ。
20年前のドラマ「24」はホワイトハウス内の陰謀やテロが定番だった。2010年代に作られた「ホームランド」はさらにリアルだった。あの議会襲撃事件後、トランプをクビにする憲法修正25条発動をペンス副大統領に迫る動きがあったが、二つのドラマにも同じような場面があった。また能力のない身内(娘)を側近に重用する話もあった。「ホームランド」では、自分のメディアでウソを煽るポピュリスト活動家が登場したが、人物設定が2016年のトランプ選対責任者スティーブン・バノン風なのに驚いた(先日、恩赦になった)。
最近ではNHKの「グッドファイト2」という法律ドラマが面白い。洗練されたユーモアだけでなく、現実の民主党と共和党という時代を投影し、トランプを皮肉る場面がでてくる。この間はゴールデンシャワーという日本ではまねのできない話題を扱っていた。トランプ政権二年目当りが背景のようで、「あと二年も続くのか」と主人公が嘆いていた。
ところで、24やホームランドでは、陰謀劇の最後に大統領が潔く責任を取って辞任するというハッピーエンドだが、現実はそうはならなかった。
ドラマと比べたらツイッターはもっと酷い状態だった。
たかだか140文字では政治的な議論はムリなのに、短文で応酬し合うから激しい口調になりがちだ。不思議なのは、四年前にヒラリーの私用メールを批判していたのに、トランプは自分の私用アカウントで政策や人事の話をやりたい放題だったことだ。
議会襲撃後に、ツイッター社からアカウントの永久停止になったことは大打撃だ。
FOXテレビを見るかツイッターばかりをしていたと言われてたので、引退後はテレビかゴルフしか時間を潰しようがないだろう。ワシントン・ポストのファクトチェックでは、トランプは1日15個のウソを言い、数字についてはほぼデタラメだという。ようやく、世間の多くは彼のウソに振り回されなくて済む。トランプが自分でメディアを立ち上げても、影響力の低下は挽回出来ないだろう。
ただし本人に嘘をついている自覚はない。父親からそう教育されてきたからだ。
世の中は勝つか負けるかのゼロサムゲーム。権力を持つ者だけが、物事の善悪を決める。うそをつくことは悪ではなく「生き方」の一つ。謝罪や心の弱さを見せることは負け犬のすることだ――。
本来、フツーの人の道徳観からは相いれない人なのに、巨大な軍事力と経済力を背景に中国を威嚇したり、韓国よりも日本を上に扱ってくれるために、イイネを送っていた日本人が少しは解放されるという事になれば良いと思う。まさか日本には嘘をつくはずないと思っているのだろうか(昔、日米自動車摩擦の頃、日本がどこにあるかよく知らないアメリカ人が車壊していたな)。
ただ、その間に日本のトップも平気で嘘をつき、それが容認される政治的世の中になっている。コロナと同じ感染だ。
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