デフレとコロナ禍で縮む街-1
パイが縮む中、アチコチで競争が激しくなっている
二年近くもコロナと不況で大混乱している。と言ってもコロナバブルによる好況組もあるから全滅ではないが、内需、とくに飲食と旅行業界とそこへの依存産業は深刻を通り越している。
たまに撮ってあった市内の風景があったので、棚卸風に書いてみた。
1.東口駐輪場の仁義なき価格競争
畠山市長の数少ない功績の一つに駅前放置自転車問題の解決がある(別途、市長選ネタで書く予定)。その結果は、丸広では無料時間を三時間から二時間へ短くしたように、界隈の駐輪場オーナーには増収になったと思う。が、一年もしないうちに需要喪失が起きた。高校の休み、テレワーク等で定期利用者が激減していた。
その頃、東武ホテル裏通り(スズラン通り)で建替えオープンしたのが市川駐輪場だ。12時間100円という値ごろ感は、隣りの大栄サイクルパーク上尾駅東口(収容約520台、旧レイクランド上尾) の1F=8H100円、2F=8H100円から客を奪うには十分だった。
同じ百円で4時間も長く、しかも10mでも駅に近い方が選ばれるのは人情だ。その後、向いビルのパチンコ屋が閉店しBPARK AGEO PRINCEという駐輪場ができた。2時間タダ、その後8H80円、12H100円という小刻みな設定で差異化を図っている。
(この様子はストリートビューのタイムマシン機能で分かる)
後からオープンした方が価格競争を仕掛けたのだが、なんと今年(?)逆襲にあっていた。大栄サイクルは、1Fは12H90円、2Fは一日70円という破壊的な設定にした。
よっぽど怒ったんだろう(笑)。これで勝負はあった。
古い施設は償却が進んでいるが、後発側はこれ以上の値下げはできない。一日70円は20日で1400円だから、月ぎめ駐輪場よりも安い。日頃、あの非効率なコストセンターばかりを見ているせいか、こういう民間競争は清々しく見えてくる。たとえ敗者がいたとしても。
しかし、駅前立地というだけで胡坐をかける時代は終わっている。
参考 上尾市すずらん通り(他人のブログ)
2.百円ショップが百貨店に招かれる時代
駅前にデパートのある市が減っている。商業的なランドマークとしての地位はもうないけれど、個人的には丸広はずっと残って欲しい。たとえ丸広不動産になったとしても、統一的に運営されていれば雰囲気は良いが、雑居ビルみたいになると惨めな姿になる。
デパートの商品にはヨーカ堂やユニクロや無印良品では見られない豊かさがある。でもそうした売り場は消えてゆき、2月にダイソーがでっかくオープンした。これで大型商業施設の全てに百円ショップが出店したことになり、デフレによるチェックメイトだ。しかし、丸広の外壁広告幕にダイソーの看板がまだ無い。百貨店のプライドが邪魔をするのかな…。
既に均一では無い品揃えになっているから、百均とか百円ショップという名前を替えて最近はバラエティショップと呼ぶらしい。昔、子供の頃、万屋(よろずや)という店があったが、ダイソーは7万点も扱えるから現代の万屋である。昔は粗悪品が目立ったが、品質も向上し、今はいわゆるコスパに優れた商材が多い。
バブル崩壊後に伸びた業態だが、ダイソーの前身はこんな姿だったのを見たことがある。
百均の起源はもっと古く、多数を扱うために個々の値段を付けるのが面倒だったことから来ているらしい。大型店の軒先を借りた露店商、移動販売である。ある意味、中に入れてもらえない格下の扱いだったのだが、とうとう百貨店から招かれるまでになった。日本が長いデフレだからだ。
ちなみに私的なベスト商品は、昔、出張時のホテルで役立ったリール式のLANケーブル。これが百円とは信じられなかった。今でも出張バックに入っているが使い道は無い。室内の物干し用かな?。図はエレコム製で1600円もする。
3.イオンモール上尾による空床
イオンモールへ出店するために、上尾市内や近隣市から移転したテナントが目立った。空床問題は市内の中小不動産オーナーを直撃している。
空いた所に何が入るか気になったが、これと言った業種・業態が無い。強いて学習塾だつた。駅前は進学塾、周辺部は補習塾という棲み分けが多いが、少子化やネット配信塾もあるからもう飽和していると思っていた。むしろ塾間の競争が激しく、今まで上尾に無かった進学塾が進出している。根強いニーズは、ムリをしてでもカネを出す親がいるからだ。
あと、スポーツジム系も増えているが小型施設が目につく。卓球場なんてあったが、本気でやっているのだろうか?。
元々、駅前で目立つのはクリニックと薬局の増加だ(タワマン下のA-GEOタウンには医療系が8つもある)。今回、ワクチンの個別接種リストを眺めていて、少子化が産婦人科や小児科を減らし、高齢化が整形外科や歯科を増やしている印象を受けた。特に整形外科は、肥大化した健康保険税に依存した老人サロンになっていないか。つまり体のいいマッサージ店化だ。
小児科も自治体の子育て支援という名の「子供医療費タダ」が無いとやっていけないかもしれない。
4.から揚げ店競争
上町の北西酒造横のコンビニ跡地に、二年前、肉スタというレストランがオープンした。一度行ったが特徴の無い小さい店だった。一年もしないうちに閉店したので驚いた。
不動産の契約期間という縛りがあるから不思議だったが、直ぐ次の店ができた。看板が「bb.q OLIVE CHICKEN café」となっていて何の店か分かりにくい(オリーブチキンカフェ上尾店)。韓国で人気のチキン料理らしいがシニアには入りにくい。共にワタミ資本の店なので、素早い業態変更だったらしい。
同じ敷地内に、去年秋にできたのが「から揚げの天才」という店。から揚げと、テリー伊藤こだわりの玉子焼きの専門店だという。
開店日には、テリー伊藤さんもワタミ社長と共に来た、とネットニュースにあった。従来の半分、999万円で出店できるモデルの一号店という。駐車場などの空きスペースの有効活用にもなり、二年で投資回収できるを触れ込みにFCを増やすモデルらしい。
コロナ禍用にネットでテイクアウト予約もできる。テリーさんの卵焼きは650円+税だ。
我が家のテレワーク組が昼に買っていたが、リピートはしてなかったと思う。種類を特化した弁当屋みたいだが、昼時間が少ないドライバーのような外回りの人に向いている。一番人気という「から玉弁当」でも買うために、ネット予約して車で行ってみるか・・・。
既にタピオカブームは失速し、今は唐揚げ店が増えているらしい。近くのガストにも「から好し」というテイクアウト店を構えている。飲食業は競争の激しい多数乱立だから、出店タイミングが悪いと痛い目にあうわけで、独立開業の方はご用心をだ。
5.飲食までコスパを売りにする貧しい時代に生きる・・・
北上尾のPAPA横にあるスタミナ太郎が閉店した。今は改築していて、回転焼肉という店が7月にオープンする。
厳しい飲食業の中で、焼き肉店は良い方らしい。材料を出すだけで、客が調理するから、人手がかからないためかと思ったが、客テーブルにある排煙装置が店内換気に役立ち、店内空気が数分で入れ替わる安心感が人気のようだ。
ところで、この店は「廻転レーン焼肉いっとう」という名前だが、Webサイトの無い会社なので素性が分からない(笑)。客が回って焼くのだろうか、回転ずしを思わせてもイメージ出来ない不思議なスタイルだ。コロナ禍での非接触型サービスを追求したのかもしれない。
写真には驚異のコスパとある。
前のスタミナ太郎も低価格で腹いっぱいな風で、なんと中高生あたりに人気があったらしい。子供がこんな所に行くんだと呆れたものだが、若い人には安くてたくさんが受ける。しかし、外食の場までコスパが重視されるなんて、実は日本がビンボーになっていることを認めたくない方便なのだろうと思う。
でも珍しいから行ってみっか。
つづく
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