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2021年6月25日 (金)

筋肉注射の刺入点が高すぎるから肩痛・SIRVAになった?

SIRVAや腋窩神経障害を避けるための新しい知見が広まっていないかも… 

追記 このトラブルは運転仕事の人には怖い。回避策は、接種前に医者問診があり、そこで臀部注射を相談すればよいと思う。


 気まぐれな国の指示に翻弄されていると千葉の熊谷知事はツイッターで県民へ理解を求めていた。国が丸投げしたワクチン接種は地方自治体の能力によって進捗に差がでる。従来の、国から手取り足取りマニュアルが来て、ただ実施するだけの下請仕事に安住した人には、問題解決しながら動くことは苦手だろう。

 おかけで自治体の能力差が見える初の機会となった。これこそ日本の副反応である。

上尾市はワクチン接種が65%快調だと前記事で書いた。しかし、今後のネックは打ち手不足では無くワクチン品薄になるらしい。そうすると、早めに64歳以下に接種券を配っても、券を無くしたり、まだかまだかの電話が増えそうだ。

ヒマな高齢者と違い働く世代は多様で、かかりつけ医のいる人は少ない。次のステージは、(川口市のように)駅前で夕方でも集団接種をするくらいの覚悟が必要だろう。

さて前記事で、肩痛が数週間も続くのは副反応では無くSIRVAかも、と書いた。診断を受けたわけでは無く、想像に過ぎないが、注射によるダメージだと思うから、当事者ならでは視点で少し詳しく書いてみた。現在は四週が過ぎ8割位回復した感じだ。

1.上尾市のワクチン模擬接種動画に見る未完成さ

 4/15に健康増進課は集団接種の案内をYouTubeに公開した。その後、「腕を曲げて打つのは間違いだ」と市民から問題指摘がついた。だらんと下すのが正解だが、市は、その正誤を動画内ではなく、動画サイトの説明欄に書いたと、返答している。

 読むと、手袋とかパーティション不備については本番でちゃんとやると釈明していた。一方、映像には「この人はワイシャツですが本番では半袖などを着用してください」と文字を入れていた。粗いシナリオのまま急いで実験したことが伺える。また、忙しい健康増進課には動画編集はムリでも、IT推進室がカバーするような組織的な仕組みも無いらしいことも伝わる。

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 しかし、ここで指摘したいのは、動画内にはSIRVA(サーヴァ: 三⾓筋下滑液包内にワクチン液を注入するトラブル)に係る深刻な問題が見過ごされているかも知れない、ということだ。

 動画を出て、現実の接種でもどうなっているのか心配になる。全国民に三角筋筋肉注射をするという、国家初の大プロジェクトだから100%安全はムリでも、せめてこの程度は医療界の共通認識になっていないの、という思いがした。これこそ、冒頭の自治体丸投げの結果なのだろうか。

2.上から目線は危険だ

 アメリカでは薬剤師でも注射していたらしい。見た目は簡単な医療行為(手技)だが、刺入点という最適な位置を探ることは「新しい理解」が必要らしい。下記の資料を読むと、打ち手は座って打つべきだ。立った視線では位置を読み違うし、直角に打ちにくい。

 私の接種時の様子はもう忘れた。一回目は超年輩、二回目は若い、看護士さん(?)だったことしか覚えていないのは情けないが、立っていたような気もする。先の市の動画は立ったまま、模擬とは言え刺入点の位置決めは雑だった(動画の5'30'')。これでも上尾医師会の監修をうけているはず。

3.SIRVA回避のため、従来の教科書の三横指は好ましくない、という新しい知見

奈良県立医科大学附属病院 臨床研修センターの筋肉注射マニュアルのページはここ。素人ながらも優れた内容だと感心した。

下図は同センターのパンフレットから引用。専門向けなので難しいが、赤枠が要点になる。肩峰と呼ぶ位置から三本横指の位置とされてきたが、そこでは危ない、もっと下だという指摘だ。

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もっと分かり易いのが次図だ。上記サイトにある日本プライマリ・ケア連合学会作成 筋注手技解説動画からの引用。

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このYouTube動画は素人が見ても分かり易く優れた内容だ。推奨する刺入点は、肩峰から下した線と前と後ろの脇下を結ぶ線の交点である。従来よりも下になるらしい。だから「三角筋のこの辺り」というアバウトさで打たれると困る。下図はクリック拡大

Photo_20210624235601

●最適な位置(刺入点)について、同サイトのQ&Aに凄いことが書いてある。


Q2: 「肩峰から3横指下」って習いました。間違いだったのでしょうか?

A2: 少なくとも20年以上前から、その場所に腋窩神経と後上腕回旋動脈が走行していることは国内の論文でも指摘されていました。なぜ教科書が変わらないのかは不明です。また、この問題に関してはテキストに添付されている図が解剖学的に明らかに間違っていることもあります。

 コロナ問題で日本の遅れや問題点がいろいろ露呈した。本件も、こんな基礎的な事すら日本の医療で最新へアップデートされていないんだと呆れた。肩痛被害を受けた身としてはガックリだ。立って打っている人は向上心の無い人なのだろう。

4.打ち手が移動する方式

集団接種が始まった間もない頃にツイッター動画で見たことがあるが、よくできたニュース動画があった

Photo_20210624182101

福岡県宇美町では、座っている市民のところに、打ち手がキャスター付きイスで移動して接種する方式「宇美町方式」を考案した。打ち手が移動する方式は、高齢者の歩行を減らしたり(転んだり)、誘導ミスが無くなる効果もあるが、一番は作業効率だろう。ただし、正確な時間当たりの接種数は分からなかった。

何んといっても、打ち手が座るのでSIRVAの点でも良いと思う。

 

関連 中部日本整形外科災害外科学会雑誌2021/5月 ワクチンの筋肉注射手技の国内における問題点:末梢神経損傷およびSIRVA について

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コメント

「肩峰から3横指下」と表記している医療関係者?(厚労省)のサイト
https://www.mhlw.go.jp/content/000764700.pdf
があるくらいですがら、医療機関の共通認識にはなっていませんね。
あらためて、自分がどの位置に注射したか、かなり上の方
でしたね。記憶が明瞭ではないのですが、サッカーでハンドに
はならないギリギリの位置よりかなり上だったと思います。
でも神経障害や、肩痛は今のところありません。

そうなんですよ。
自己判断できない打ち手は 新しい知見よりも従来基準でやり続けそうです。
責任回避もありますからね。


厚労省の「新型コロナウイルスワクチンを安全に接種するた
めの注意とポイント」にもあるように、三角筋の下過ぎると
橈骨神経障害の心配がより大きくなるらしいので、そこと
の兼ね合いなのでは、と思います。リスクはある程度あり
ますね。
オリンピックを強行するのもリスクですね。
選手、役員、関係者?ならば、空港はほぼフリーパス
にならざるを得ないでしょう。
何人死ぬかわからない状況を作ってまでやってほしくない
と思います。

3カ月に1回血液検査をしている。痛風になって6年。健康検査も兼ねてです。
看護師はいつも立っている。静脈からの採血でも下手な人はいる。
筋肉にブスリ刺すのは、気合も必要では。
座って立つは疲れる。キャスター椅子の横滑り方式は効率的で安心。
駅で変な転び方して腕が折れ、逓信病院で1泊したことがあります。
「仮固定の状態で痛いのは、神経が切れてない証拠から我慢しなさい」
と大柄で格闘技の選手並みの看護師に言われたことを思い出します。
病院の廊下に響くくらい絶叫する患者もいるようですが、
上腕をおもいっり引っ張られ、痛すぎて声がでなかったのです。
終電前の駅で事故ですが、当時でも1時間救急車で病院探しでした。

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