上平への新図書館用地買収の判決書が公開中
法手続きに従って勝訴した上尾市とそうしなかった上尾市という話し
訂正 9/22 一部訂正。 関連 栄電業へ損害賠償せよとの地裁判決_9/16
5/26日に判決がでた住民訴訟の判決文書が公開されている。裁判所が訴訟の住民側と市の双方に提示した文書である。個人名は伏せられている。
本館または市役所総務課で望めば閲覧でき、コピーも可だが、いずれは図書館本館で一般用に開架されるだろう。
ただしページ数も多く、訴訟の争点を知らないと理解しにくい。新聞報道は結論だけで、気になっていた点が分からずじまいだったので、少し読んでみた。
市の買収額が売主の取得価格よりも4倍も高いことは市民感覚(または買収資金を負担する納税者)からしたら、トンデモナイと思うのに、なぜ裁判長は是としたのか、という点だ。
難解な文書の一部をサラッと見ただけだが、金額の適否については争点化されていない感じだ。つまり、それ以前の所で住民側主張が退けられている。
あの土地には古い建物があり、それを壊してしまうのだがその補償費をどう見積るかで金額は大きく違う。住民側が主張したと思われる除却工法、これは安く評価される方法は、建物の利用実態(使っていてもいなくても)ではなく、建物の客観的状況で認定するものだと断定していた。
本物件は、壊れた建物ではないという認識であり、再建築工法(移転先に同等建物を建築する)による補償金は適正だという。C社が前所有者から安く買っていてもそれは関係ない。C社は別な所に事務所を新設していたが、それも関係ないという。
この辺りだけ読んだのだが、判決は住民側の主張をことごとく退けている感じだ。ただし、この判決が絶対的なものなのかは分からない。
現実、つまり償却進んだ古建物、その取得は数年前、使っている様子もない、壊しても別な所に再建築する予定もないという実態からは理解できないのだが、この裁判長様は法的形式さえ満たせば良いのだ、という考えに素人には読めた・・・。
性善説なのかな。
外見では、インサイダー(内部情報を知って先回りして買った)疑いがミエミエでも、市長と企業に密談があったという証明はできないのだ。
これで上尾市は大きな訴訟が終わったが、本件の建設中止に絡んで損害賠償であと二件係争中である。
会社名 | 元の契約額 千円 | 損害賠償(千円) | |
千代本興業 | 1,283,040 | 57,067 | これは実費分のみ |
アサヒ住建 | 361,584 | 訴訟中 | |
栄電業 | 232,200 | 訴訟中 | |
島村工業 | 268,372 | 80 | 契約書作成費 |
大川工業 | 110,808 | 1,970 | |
藤電設 | 106,364 | 1,639 | |
楠山設計 | 42,120 | 求めない | |
2,404,488 | 60,756 |
これは畠山市長が2018/6月に計画見直し決定をして、工事がキャンセルになったので起きたもの。千代本興業が基礎杭などを用意したが着手前だった。
2017年11月に市長選で争点化していたため、工事着工を止めた所が起点だ。
そこから半年以内なら市が契約破棄しても損害賠償請求を起こせない契約だったらしいのに、畠山市長がわざわざ6月に工事中止決定をしたのは、損害賠償の機会を与えたかったのだろう。良く言えば温情かも知れない。
しかし、上の判決のように法的な正当性のみで是非が決まるなら、ドライに4月に決定していれば賠償額など無い。それが悪いと言う法的根拠も無い。
そう思う今回の判決文だった。
つまり、市はどっちへも多く払っているのだ。
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