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2021年8月26日 (木)

日本は世界13位。上尾市の第五波後半では千人を覚悟か

日本は遅れてきた感染大国。

前記事 7/16  上尾市の第5波の行方

1.国内の状況 

以前、テレビの解説に良く出る専門家達が、『政府はもっと強いメッセージを出すべき』と言っていた。一体、どんなメッセージなのかを例示しないので分からないままだった。

昨日は温厚な尾身さんが、バッハの再来日を、なんで来るんだと切れたような国会答弁をした。でも、NHK日曜討論では、もっと心に伝わるようなメッセージをとかの表現で西村大臣に言っていた。それはどんな言葉なのかは分からない。

 果たして国民に行動制限をもたらすメッセージって何だろう。『家に閉じこもれ』と命令するわけにもいかないし、菅さんを頼りにする人は少ないから「お願いベース」ではムリだ。

 所が、その強いメッセージは政府からもう出ていた。

8/2、「重症者以外の中等症は自宅療養」という入院制限を菅首相が告げている

 その程度なら自宅で我慢しろ、と言うのだから、これほど「恐ろしいメッセージ」はない。しかし、「えらいこっちゃ」として人流が大きく減ることは無かった。この方針は数日で曖昧なまま後退したが、外出は減らなかったから、日本人が忍耐強いのか、不感症なのか、或いは判断力を失ったのか分からない社会になっている。

 避難所は一杯で逃げ場がないぞ、といっても頭上に雨が降っていない人には伝わらないのだろう。

 ようやく、連日、医療崩壊の例をテレビで報道しているので徐々に人出は減っている。それでも8/18では7月上旬比で都内は二割減というから「目標の五割減」には程遠い。若い人ほどテレビを見ないし、医療の惨劇例をあまり知らないかもしれない。去年の春は志村けんさん死去で関心を集めたが、今は有名な俳優が亡くなっても反応はない。

 かくして今の日本は世界で13番目の感染大国になった。ジョンズホプキンズ大学のサイトでは、前は累計人数順だったのが今は直近28日間の感染者数でランキングしている。なおグラフは週間の値で描かれている。

28-Day: 461,007 | 627

Totals: 1,368,870 | 15,748

Photo_20210826143101

 日本はずっと下位にいたが、今は連日二万人以上のペースとなり28日間では46万人で13位スペインを抜いた。でも死者数は627人で他国と一桁違う。この少なさが恐怖感の差なのかもしれない。感染者は秘密扱いでも、死んだら親族等に知らされるから身近な話題として伝わりやすい。

 良く言われることに、高齢化した日本は年間140万人の多死社会のため一日3800人が死ぬ。コロナの死者は去年春から累計15,757人(8/25)、これは一日30人ほどなので死亡原因としては1%以下だ。しかも多くは高齢者。

 これを根拠に、大したことないという意見がある。確かに死者数は脅威ではないが、どう治療して救うかという点では医療への負荷が他の病気と次元が異なるらしい。

 ECMOを使う治療には医者と看護婦が何人も24時間・何日も必要になる。一人の患者に多くの医療資源を投入することは他の医療を手薄にするため、これが医療崩壊という二次被害をもたらす。テレビの医者の話しだが、今までは高齢者相手だったので親族がそこまで辛い治療をさけて見送る例があった。しかし、今は重症化するのは働く世代なのでそんな諦めはあり得ない。とことんやるから治療期間が長引かざるを得ない(そしてもの凄い高コストになる)。

 だから、元になる感染者数を抑えなくてはならないのだ。しかし、先進国の火事を対岸で見ながら、リスクを取らない後手後手政策が今ごろ感染大国に押し上げた。

2.上尾市の第5波の後半戦について

図は最近の陽性者発表数の推移。

Photo_20210826143401

棒グラフは日々の発表数だがバラツキが激しいために薄色にした。大事なのは点線の7日間移動平均線であり、今は一日51人で横ばい。さらに、感染の増減度を見る指標として最近は今週先週比が使われる。図の太い折れ線だ。これも一日単位ではバラツキが多いため、7日合計÷先週合計で求めている。最近は1.1倍と高位安定している。この線で下降が見えるようになるには一週間くらいかかりそうだ。

●上尾市の今後の感染者数のゆくえ

 8/1~8/24火までは976人。このべースなら月末で1200人位かもしれない。しかし、第五波を7/25頃スタートとすると既に1139人いる。これは去年一年間の総数とほぼ同じだ。さらに、5波のピークを8/20頃とすれば、下降は上昇時と左右対象に近いので、あと一か月間・千人位は避けられない。そして合計約2100人となる。

 ワクチン効果が出てくると欧米のように下降局面でガクンと減ることがある。菅さんはこれを期待して支持率回復の時間稼ぎをしている(感染者数と支持率には多少の相関がある)。

ところが、上尾市の60歳未満の二回接種は8月末でも20%位なので、その見立ては弱いだろう。高齢者を含む全体は4割だが、今は60歳未満が延焼エリアなのだ。

 さらに二学期開始で子供の感染が増えると5波の形が変わってしまいそう。

3.再選控えた畠山市長がやるべきこと

 再選準備どころじゃないよね。困ったことに足元の市役所職員の感染が目立つ、と言ってもイオンモールと並んで公表している希少な組織だから目立つ

8月になって教職員10人近く発生している。私生活での感染と思われる※。教職員は1100人位に対して、1400人位の市職員での感染例は少ないから、たぶん『夏休み効果』かも。※最近は先生間の濃厚接触で感染例が出ている。

 教職員の給与は県費負担だが、マネジメント上は教育長つまりは市長配下に属すると思うので、畠山さんとしては市民に感染対策を呼び掛ける手前、格好が悪い。教員のワクチン接種は優先されていたと思うが、彼らの夏休み対策としては遅れたかも知れない。

 そして肝心なのは二学期に向けてだ。「接種は個人の自由です」では済まない状況に来ている。

 例えば接種率80%なら、打ちたくない人20%を80%の人が盾となって守りながらコロナを収束させる、というのが集団免疫だ。ところが、先生と生徒の間は一対一の世界だからそれは通用しない。しかも12歳以下は未接種だから、未接種先生と生徒の間では自然感染が起こる。さぁ、安心安全はどこにある・・・

 例えば老人ホームでは職員が皆接種をしているだろう。そうしないと、自分の老親を預けられないし、経営的にも顧客から選別されてしまうハズ。外食大手のワタミは「ワクチン接種済み」を名札に表示する。いい悪いを超えている。そうしないと経営も生活もできなくなるからだ。

 接種したい・したくないという所で足踏みしていると後進国になりそうだ。個人にとって、自然感染とはハードランディング、ワクチン接種はソフトランディングなのだ。アメリカの今の元凶は未接種州で起きており、結局はハードランディングで抗体を得るか死ぬかという選択になっている。トランプ氏もワクチン接種を進めているという。そして世界は、三回目をどうするかへ進んでいる。

 ところで、上尾市は毎週、市内の接種会場の予約空き具合を公開している。気が付くのは、いくつかのクリニックは「空きあり」なのに、毎回、「定員に達したため受付終了」となるのは保健センターの集団接種会場だ。

今は日曜日のみで一日240人分しかやっていないが、早々と満員になるのは日曜日だからだ。或いは若い世代は掛かりつけ医を持たないから、ここを選ぶのだろう。だから、市は集団接種を土曜日も追加で開くべきなのだ。スピード優先だから、医師会のワクチン仕事を奪っても市民ニーズに応えるべきである。

 その程度の努力もサボり、感染に気を付けて、とは呆れてしまう。

もう一つ、世代別のワクチン接種率を公開すべきだ。今は65歳以上、60~64歳、その他となっている。「その他」がアバウトすぎる。世代別に予約券配ったのだからその区分で進捗を報告するのは仕事として当たり前である。

 訃報があったが、残り数か月はトップらしく一人立ちして欲しいと思う。

 市議会に戻った人は市長選に出る覇気は無いらしいから対抗馬不在となり、大島議員の衆院選活動との相乗り効果があるために楽勝だろう。しかし、ひょっとして一人三万円給付とか商品券配布なんて衆寓候補が現れるかもしれない。それって買収公約なのだが、現職が言い出さなくても、対立候補が出す例は去年何件もあって、それで当選している。

 ワクチンよりも(他人の)カネが欲しい人が多いとそうなる。

 

 

 

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