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2021年11月28日 (日)

上尾市、給食費無償化の請願に反対する理由-1

前記事 LANはいらない 過去の 給食費の無償化に反対の記事

まず確認しておきますが、学校給食費とは材料費のみを指します。材料費以外の製造固定費と困窮世帯の給食費分は税金負担です(約十億円)。また、固定費を配賦した1食当り原価は材料費の2~3倍になるでしょう。

さて、9月議会では給食費無償化の請願が「市民団体」から出され、15対14で可決しました(可決=実施ではない)。 

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賛否を見ると、公明党は基本政策とか他市で給食費無償を求めていることから、反対するのは矛盾です。たぶん、本件は共産党がからんだ案件だとみて、相乗りを拒んだのではと思います。と言うのは、公明党は「体育館のエアコン導入」を実現しましたが、共産、“実績横取り”露呈のように、お互いが福祉や教育を巡って成果(≒支持者)の奪い合いをしているように見えるからです。

さて、無線LANの請願に反対で書いたように議会HPでは請願の内容と氏名は非公開なので内容は分かりません。しかし、署名集めのネット文書とか秋山もえブログにはそれなりに書いてあります。

それを読む限りは大した理由もなく、これなら過去記事で十分な反論なのですが、署名まで集めた労作なので、改めて反対を述べる市民がいても良いでしょう。

なお本請願は、ニュースで扱われるような、未納児童が差別されたとか、(払えるのに払わない)未納世帯が多くて大変だとかいう問題とは違います。また、本稿を書いたのは9月議会の議事録が見られなかった時です。たいした論拠があるとは思えませんので無視しました。

参考 児童生徒数 R2/5/1

要保護数(生活保護は国費)


準要保護の人数と
R2年度の給食費援助額(円)


無償化した時の試算(千円)

小学校 11,070 63 977 38,989,576 48,300
中学校 5,713 43 651 28,171,009 29,100
16,783 106 1,628 67,160,585 77,400

1.短い署名集めに綴られた矛盾

 前段に、上尾の給食費は、小学校が県2番目、中学校は県1番目と高く、保護者負担が大きい。

 続いて、コロナ禍により、経済的負担も大きくなり、今後の給食費未納が増える懸念がある。

とあります。

県内で高い理由には何も触れません。ちなみに小学校は4391円、中学は5313円です(2018年)。そして高いと言うなら、普通は「もっと安くして」と要求しますが、結論は0円要求ですから、高いことを指摘する意味は有りません。単に攻撃材料として取り上げたように読めます。※1(文末)

②のコロナ禍による家計窮状は一般論でしかありませんから、負担できる家庭まで0円要求するのも極端です。むしろ、準保護世帯の条件を広げる主張なら論理的に筋が通ります。

つまり、この二点と「一律無償化」には飛躍があるのです。タイトルにも「高すぎる上尾市の学校給食費、保護者負担をなくす署名」とありますが、安ければ、無償化の必要は無いわけですよね。

こんな調子では、安倍さんなら印象操作と、高市さんなら弱者を装う、と批判しそうです。まぁそこまでは言いませんが、本質ではない所でネガティブな事を持ち出すと、正しい要求らしさが消えて、ピュア感が有りません。

 続いて、県内では4町村(滑川・小鹿野・神川町、東秩父村)が実施済みと指摘します。

 後半で、「憲法第26条 義務教育はこれを無償とする」を根拠にあげます。

全面実施は全国自治体で4.4%です(2017年)。法律論は分かりませんが、「95%の自治体がやっていない」のですから、アチコチで法律違反をしているとは思えません。つまり、義務教育だからタダという法理論や理念で迫っても、解釈や主義の違いとなるだけです。実施されないのは、たんなる「受益者負担」と思いますが、それなら市答弁は「(申し訳なさそうに)できません」となるでしょう。

仮に、小学生を無償化すると、児童手当に年間4~5万円ブラスと同じですから、隣の自治体との不公平感がでます。つまり、これは国政テーマなのですから、国に求めるだけで良いハズです。※2

※2 衆院選で教育分野で多くの無償化を求めた立憲共産は負けたから実現はしない。しかし、小中分で財源5120億円という試算もあり、突然の幼児教育無償化みたいに政権がやりだす可能性もある。(野党つぶしの)選挙対策という動機は消えたが、防衛費とか憲法論議の過程でエサみたいに使われるとか。なにしろ、0・5兆円なんて、予算100兆、国債残高1000兆円のように兆円単位にマヒした日本…

無償化の要求が、特定の人へ限定して行う選別主義から、憲法を根拠にした「みんな一律に」という普遍主義へ迫るならば、改めて①と②は不要です。④のみで十分です。

また、やっている自治体はおしなべて町レベルですが、幸か不幸か少子化なので負担額が少ない、という笑えない面もあります。しかし、そこに上尾市が仲間入りするのは違和感があります。無償化しない理屈が、受益者負担論ならそれで通せば良いのですが、そこに財政負担が大きいからやらない、というのもムリがあります。だってやってる所にはビンボー自治体もあるからです・・・。

長すぎるので、続きへとします

 

●市の結論は

東京新聞では、「・・・第三子以降の給食費軽減などを重点施策に挙げる」と伝えます。
三人目の児童手当は
約2000人と推定されるので小学生は6÷9で1330人となり、10か月なら5840万円と推計しました。ところが児童手当1万円は、三人目からは1万5千円です。そこへ4500円加算する意味は何なのでしょうかね。出産奨励ですか! ポリシーの無さです。深山氏が市長だと上表の通りです。

※1 下表から、上尾市の小学校の月額が高いのは、提供日数が多いから当たり前だ。一食単価は7位だが、数円の差に過ぎない。議員は日数差を知りながら(むしろ親は喜ぶ事実)、高いとディスるのだから政治的である。また、主食には外部で炊いたご飯を購入しているから、コメから炊く市とくらべると材料費は割高になる。

中学校は単価が313円と一位なのが原因だが、単価が高い理由は分からない。県議が食べ比べれば分かるだろう、最下位253円の伊奈町へ行って。

●市町村学校給食費状況(保護者負担額のみ)より 2018/5/1

1食当り単価の大きい順。

小学校 平均月額 年間実施予定回数 1食当り平均単価(円) 中学校      
入間市 4,400 187 259 ●上尾市 5,313 187 313
秩父市 4,363 186 258 秩父市 5,236 186 310
狭山市 4,300 185 256 入間市 5,100 182 308
幸手市 4,300 185 256 川越市 5,250 188 307
越生町 4,364 188 255 越谷市 4,850 177 301
川越市 4,350 188 255 八潮市 4,920 180 301
●上尾市 4,391 190 254 飯能市 4,968 182 300
志木市 4,214 184 252 越生町 5,127 188 300
八潮市 4,180 183 251 東秩父村 4,900 180 299
東秩父村 4,200 184 251 所沢市 4,930 182 298
上位10平均 4,306 186 255   5,059 183 304
県平均 4,079 187 240   4,804 185 285
全国平均 4,343 191     4,941 186  

なお単価×日数が月額ではない。詳しくはソースへ

 

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