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2021年12月の8件の記事

2021年12月26日 (日)

平方幼稚園の廃園問題から逃げ惑う議員達-2

保守も共産も反対し、中間系が退席する議会、

受け身や関わりたくない姿が見えてますよ

前: 閉園に賛成する理由-1のつづき

前回は、閉園と言う穏便な表現でしたが、実は議案には廃園とあります。

近年、保育園などの建設で話題になるのは、子供の声は騒音だというものです。住民が反対運動をしたり、クレームをつけて防音工事をさせる例です。たくさん産まれることを社会が望みながら、身近だと嫌われるんですね。それが高齢者だったりします。

ですから、廃園に反対する住民がいる例は爽やかに見えます。でも、昔と違い、気軽に園内に入れないし、廃園で失うのは機能面よりも別な面があるかなと想像します。それが情緒的であればあるほど、市は解決できそうもありません。

これは足かけ三年間にわたる議案ですが、議員の賛否態度には曖昧な姿や"抵抗してます感"の人も目立ちます。以下、6月議会までの評価です。議事録検索はこちら

1 保守も公明もリベラルも揃って反対や退席 

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一回目(上段)の賛成は、小川・新井・小林議員のみです。二回目の21/6月の賛成は維新・津田議員のみで、11人が大量退席です。先ずは、気になった業界関係者二人から…。

田中氏(宮下幼稚園)は一回目に、鈴木氏(浅間台幼稚園)も二回目に退席です。利益相反を気にしたと思いましたが、違いました。田中氏は二回目は反対へ転向です。彼のパパ、元市議のゲンさんは私立幼稚園団体の会長として、請願への反対書※1を出しています。息子の親離れが、親子ケンカになったのか気になります。

※1 私立幼稚園側の理由は理解できますが一つ気に入らないのは、『…私立は定員に満たないのに、平方の施設改善は民業圧迫する』を一番に挙げたこと。それは、業界の損得であり  市民からみたら税の使い方が問われているのです。団体救済のための閉園ではありません。そんなのは一番下に書くべきです。新図書館計画の時に書店組合からの苦情は有りませんでしたよ。

2 賛成したのは一人半のみでサラッと

一回目の小川議員の主張は幼児教育無償化、園児減少、市費の格差、建物寿命、高コストなどを羅列しただけですが一応は評価します。でも二回目に転向です。その理由は後述する星野議員の主張かもしれせん。

維新・津田議員は21/3月議会では小川さんの指摘の半分しか述べませんが、(この時は)継続審査扱いへ反対です。翌6月の採決では、「立法事実」という上尾市議会では珍しいアカデミックな論点を持ち出しました。

平たくいうと、”どうしてこの廃止条例が必要なのか”を6つの視点で判断するものです。ところが、一つ一つに本件の事実を当てはめて、「よって、市案は合理的である」と論証したわけではありません。発言時間はあったのに、難しい言葉でサラッと語っただけなので説得力はイマイチです。

3 琴線に触れやすい主張は慎重に 

公明党戸野辺議員は、請願の紹介議員の一人ですから、党を代表して本件を熱心に取り上げます。その中で、平方幼稚園がなくなると発達障害などの子の受け入れ先が不安と尋ねます(19/12と20/6議会)。なお共産党はもっとハッキリと「私立で受け入れ困難な児童を受け入れる役割の公立の廃止に反対」と断定します(21/3議会だより)。

しかし妙な話です。平方から遠い、原市・本町・上平等では当該児童は年間何人いて、どれだけが遠い平方まで通園したのですか? また、私立側が受入拒否をしてきたという黒歴史があるのですか? どうにも弱者を盾にするような話に聞こえます。

それへの市回答は、公民連携で人的・経済的に支援している、12園で受け入れているという当り前のものですから、反論もなく聞いて終わりです。

4 二回も先送りなんて逃げてますよ~ 

政策・市民の声矢口議員は21/3月に、今後の上尾市幼児教育の展望が示されていない、地域への説明責任が果たされていないと批判して継続審議を求めつつ、廃園の理由になっている諸課題を上尾市の大きな課題であるとも言い、両面作戦をチラつかせます。

その一年前には戸野辺議員が、「なくなることが避けられないなら、・・・今後の上尾市の幼児教育の在り方は如何に」と尋ね、「それを市長が出向いて懇談しなさい」と言ってます。

しかし、尋ねる議員が「幼児教育の在り方」を提示できない受け身では、市の回答を評価することなどできません。また、質問では頻繁に取り上げるけど、結局は、"行政と地域でやってね"みたいに距離を置きます。公明党は6月にも継続審査の動議を出しましたが動議否決で採決となり、腰の引けた議員が11人もでたのです。まるで国会の文通費100万円問題の先送りみたいです。

なお、議論が深まらないのは、議員が「在り方」を語れない以前に、執行部に反問権を与えないから本当の議論にならないためです。そして市長は、"直接事業からの撤退"は幼稚園のみとし、市立保育所は強化継続して幼児教育全体を公民連携で全うするとでも言えばよさそうなものです。

5 星野議員の正論の裏にみるホンネ 

私的には、市裁量で募集停止ができたことに驚きました(考えてみれば、毎年人数を議会に諮るわけないですね)。実質的な廃園を意味しますからズル賢いですが、停止の理由は、このまま続けても少人数が回復する見込みは薄く、この小規模では集団生活や他者との関りを育みにくいから、私立へ行ってもらいたいとの判断でしょう。

しかし、廃園案を否決した議員にすれば「募集停止」は怒り心頭 ( ゚Д゚)。

請願の紹介議員である星野氏(彩の会)は、21/6月議会で 一定の理解を示すと断りつつも、市は「廃園を決定事項のように地元に説明したとの声もあり…」と質します。しかし、公務員は大事な場面でそんな言質を与えるでしょうか。「廃園を検討してる」風な言い方をしても、政策説明ですから問題ありません。しかし、反対者には「確定」的に受け取られるのが常です。

だから星野氏は『議会軽視だ。二元代表制を揺るがす』と言ったのかと思いました。でも、自ら会合を傍聴せず、伝聞を根拠に言う方が議会軽視です。

そして、その後の星野氏の主張はとても分かりにくい内容でした。好意的に書くと「今の廃園への市のやり方では、他に小中学校の統廃合計画が出ている様に、これからの各種公共施設の運営がうまく行かなくなるから反対です」となります。

つまり、後に控える学校統廃合という時間的にも規模的にも大きな問題への波及を恐れたようです。その件についてはここでは扱いませんが、議会や市民の間には拡大解釈による被害妄想もあります。そうは言っても、同じ背景がありますから、不安になるのは理解します。でも、各種公共施設の運営という抽象化した次元で、目の前の問題に反対と言うのでは問題解決への正しい向き合い方とは言えません。逃避です。

ですから、その主張はホンネじゃないよねと受け取りました。島村田中時代に胡坐をかいた元新政クラブの人が『二元代表制を揺るがす』とい言うのですから、建前論による反対でしょう。

彼らのホンネは、会派内の仲間のエリアが今後対象となったら、仲間として反対の態度をとり互いに助け合おう、ではありませんか? または、どうせ廃園になるから、賛成して『冷たい人』と批判されたくない防衛心理かも。

実は、上尾の保守を自認する同志会本件への言及が見つからないのです(あったら失礼)。しかし、彼らも反対ですから、本件は思想的な価値観では無いことが分かります。合理性と公益性で判断する公共事業に私情を挟むとしたら、 それは地域代表者であるという出自によるものです。地域と無縁な維新議員が唯一賛成と言うことからも明らかです。(なお地域依存ではないのに反対するのは衆寓策です)。

6 説明不足は何回で満足するか 

当初の反対理由で多いのは、地域への説明不足でした。しかし、十年くらい前から、「園の将来性」について市また議員がどんなシグナルを発して来たのでしょうか。地域代表とは言っても無為無策な人を選んだだけかも知れませんね。消費税10%上げで幼児教育無償化が決まる頃から、公立幼稚園の大量廃園は既定路線だったのに、延命策はおろか「廃園」が公式化して慌てだしたように見えるのです。

21/9 教育総務部長(小林克哉)
1度目の否決後、令和2年度に保護者との話合いを12回行うほか、教育長、教育委員も参加した意見交換会も実施した。3年5月には平方地区で説明会を開催し、丁寧に説明してきた。

 回数が多くても廃園案の説明会です。皆で一緒に考えようではありません。こういう時ほど丁寧な言葉が余計冷たく感じますよね。

共産党・池田議員は6月議会で、「(5月の説明会では)納得するとの意見は皆無でした」と言います。どんな顔ぶれかは知りませんが、図書館移転の説明会では反対派ばかりが出席でした(遠慮なく書ける新聞コメント欄は別です)。

続けて、同園の素晴らしさをエピソードを入れて力説しましたが、そんなに優れているなら、2005年91人以降の凋落をどう説明するのでしょうか。(絶対需要の減少と私立へ流出もありますが)たぶん、「市が追加投資を怠ってきたからだ」と答えるでしょう。

Photo_20211218182901そこが問題なんです。

追加投資である程度の増員は可能ですが、『バスはムリでも、建替、給食、三年保育、延長保育』を割高になる市費でやることと、私立支援とのアンバランスが更に開くという本件の核心へ逆戻りします。そこは前記事で書いた通りです。共産党はそれを無視しますが、何かと扶助費拡大を唱えながら、公務員ボーナス削減にも反対するようでは算盤が合いません。世間、特に若い人はもっとシビアですよ。

秋山議員も反対です。21/3月議会報には「同園の果たしてきた役割を総括してから決めるべき。それからでも廃止は遅くない」と言ってます。募集0の幼稚園がまた再開しても、そんなの危なくて親は預けないでしょう。私立は三歳からタダなんだもん・・・

最後に、畠山市長が現地へ行って説明しろと議員皆が言います。その通りですが、無いものねだりでしょう。但し、市長選挙で応援した駅前議員には市長を行かせる義務がありますよね。

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良いお年を。

お年玉は三回目の接種券。

参考 ボーナス下げ「12月から」相次ぐ 国に先駆け実施  時事通信

 

 

 

2021年12月20日 (月)

上尾市にコロナ注意報のアラート

説明できない位に低い感染人数が続いているために、余計に目立つのが上尾市。

公表日 県公表の新規陽性者数
令和3年12月20日 1
令和3年12月19日  
令和3年12月18日 3
令和3年12月17日  
令和3年12月16日  
令和3年12月15日  
令和3年12月14日 1
令和3年12月13日 1

埼玉県の今のアラートを出すしきい値は凄く低くいから、この程度でも注意報で黄色く塗られてしまった (>_<)

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7日間合計の人数が、前週比で増加している日が4日以上あると注意と警告される。これが7日間で0回にならないとが消えないので、暫くは黄色いママだが、たぶん誰も気にしないだろう。

市中感染とかクラスターでもないから心配ないし、上尾市のワクチン接種率も83%まできている。むしろ、まだやっているんだと驚く。

たぶん、オミクロン株の水際対策がブレークスルーされた時が第6波の始まりなので、空港検疫で見つかる数の多さからはもう入っている可能性もある。だから、三回目のワクチン打ち始めはギリギリとなりそう。

三回も打つなんて思ってもみなかったワ。

つまり、誰でも、近い将来一度は感染することを覚悟した方が良いのかもしれない。どうせ罹るなら、薬が近所の医院でもらえる頃までは逃げのびたいけどね。

そして、コロナに感染しなくても倒れそうな人が増えてくるから、来春で終わりにしたいものだ。

ちょうど本日、ワクチンパスポートという

接種証明アプリの提供開始 が始まった。いまごろだった・・・

国民の接種率が80%になりそうなので、もう意味がないと思っていたが、マイナンバーカードが必要なので、そっちの普及率が四割というから、ある意味貴重だ。(>_<)

三回目接種のパスポートになるのかもしれないな。

 

 

 

 

平方幼稚園の閉園に賛成する理由-1

次記事 逃げ惑う議員達-2    追記 R4/9/30をもって閉園を6月議会で可決。

これは始まりに過ぎない。

平方幼稚園は閉園が確実なので書くまでも無いのですが、まとめとして二回に分けて書いておきます。大事なのは、これは始まりに過ぎないということです。

1.   行政と議会の攻防 

1965年の開園以来、バス無し、給食無し、延長保育無し、三年保育無しの平方幼稚園でしたが、2018/12月議会にはその改善を求める請願が出され採択されました(タイミング的には市への牽制にみえます)。

そして、市は19/12月議会に閉園案を出して3対21で否決されました(一回目)。21/3月に再提出するも継続審議扱いで蹴られ、粘って6月に再提案しましたが1対16で否決です(二回目)。退席は11人も

一方、議会の同意がなくても行政権として園児募集の停止を20/9月から宣言しており、今は年長さん一人のみです。その募集停止の文に「当分の間」とあるのがイヤらしいのですが苦肉の表現です。結局、22/3月末に「そして誰もいなくなる」のです。たぶん22年中に閉園案が確定して施設課の管理下に移ると予想します。また平方小と一体なので跡地利用は問題にはならないでしょう(google map)。

かくして、市議会議員たちは『冷たい選択をしたと責められることも無く』、"うまく"逃げることが出来るのです。その辺りは、次記事とします。

 参考 20年10月の 埼玉新聞記事

2.   平方幼稚園が閉園に向かう時代的な理由 

●まずもって建物の耐用年数に近づいていることを市は第一の理由にします ※1

●需要はS50年代のピーク220人以後は減少し、現定員100人に対して二年前30人、去年15人、現在は1名です。エリア内の少子化もありますが、既存需要の多くは高負担・高サービスの私立幼稚園へ流れたのでしょう。

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なお、部分建替えすると解体費2300万円、建設費18800万円で2億1千万円だそうです。

●年間維持費は21年予算で、園児一人のみですが管理費が3058万円(前年は4300万円)、うち94%が職員三人の人件費です。賞与と諸手当込みで一人805万円、年金の共済費込みで960万円です※2


※1 税法による経済的寿命であり物理寿命ではないから長寿命化の余地はある。敷地内の平方小学校の空き教室の再利用という案もあるが、問題の本質は建物寿命にあるわけではない。

※2 給与定員管理によれば当該職員は平均40歳だが、私立の教諭ならもっと若いから半額以下の年収304万円と推定(求人ボックスの関東圏の値)。官民格差の典型例である。なお、市の給与定員管理によると、清掃業務での市職員給与が43.6万円に対し同業民間は30万円だ(1.45倍)。

●決算 18年度の値を教育委員会R1/6月定例会より引用 

園児27人の保育料収入を差し引いた正味の市税負担は園児一人当り124万円。一方、私立幼稚園(約4000人)への同額は7200円です。人数の多寡で固定費が配賦された現象ですが、税の分配がここまで開くともはや説明不能です。そんなの関係ネーという感情論では、勘定の問題を正当化できません。また、待遇二倍超の公務員教諭が私立の二倍の保育パフォーマンスを出してきたという実証報告も聞きません(決して皮肉ではない)。

そして決め手は幼児教育無償化という追い風です(なぜか、議員と市はこの点を重視しません)。本件は、施設が閉園されて途方に暮れるような話しではなく、私立幼稚園と言う選択肢があるのです。その場合、公立の月謝7500円と私立25000円(推定)の価格差が障壁になりますが、無償化によりそれが解消されたのです。

なお、市は「コロナ禍の苦渋の決断」とも言いますが、それは問題そらしの便乗です。現実は、低負担で低サービスよりも高負担でも高サービスへと流れているのです。その高サービスを公立がやろうとするとロクでもない高コストになりますから、建物の寿命よりも前に、会的な使命を終えていたと言えます。

これが民間ならもっと早くに閉鎖です(公務員なので閉園しても解雇は無し)。

ハッキリ書きましょう。

他に代替え選択肢がある人々のために過度な財政負担を続けるのは公益性を損ないます。それを言うと角が立つためか、(素人受けする)建物寿命を前面に出していた所へ、国(自公政権)の無償化策がダメ押ししたのです。

極端ですが、30人を切った頃から月謝差額補てんで私立へ行ってもらった方が賢明でした。税金だから或いは市政が硬直的だったから今まで続いていたのでしょう。

なお市内の私立幼稚園等(21園)の総定員数は5500人ですが7割しか埋まらないようです。つまり、3つ位の幼稚園が潰れても需給は成り立ちます。ですから私立側からすれば、なんて甘っちょろい話を市と議会は延々とやっているんだと思いつつも、『いずれは我々だ』という危機感を持っているハズです。

これは始まりなのです。見たくない姿が見えて来たに過ぎません。しかし、ゼニかねを理由にすると反論しようが無いので、"心情"とか教育をカネで語るなとかの視点を持ち出さざるを得ないようです。

閉園ありきだ、説明が急だ、いや説明不足だとかいう入り口論へ巻き戻したり、幼児教育の理念はどうなるのかという崇高な次元で反対しますが、どれも現実の問題解決にはなりません。前の給食費無償化要求と同じく、実行可能性のある"予算の付替え案"など出す気もありません。それなのに、狭い地域代表性や政治的ポジションが加わり、少数の反対が多数に見えたりもします。

これは伝聞ですが、「お弁当作ってやれるとか、送り迎えの時に先生達と話ができる」良さがある、という存続希望もあったらしいです。しかし、それはその人の個別の価値観であり、公がそれらを満たさなくてはならないわけではありません。

あー言えばこう言う見たいにしか聞こえないのですが、『智に働けば角が立つ情に棹させば流される』話みたいになってますね。

つづく 逃げ惑う議員達

注) データ等は上尾市教育委員会 2019/6定例会等より

 

 補足 上尾市民の意見を紹介します 

  埼玉新聞20/10/8  コメント欄より
この幼稚園のOBです、そしてこの年代の子供を持つ親でもあります。
私も非常に思い入れのある幼稚園ですが、本当に昔ながらの昭和の幼稚園です。
今の時代には全く合っておらず、以前より地域では改善を求められておりましたが、それを行うことは全くせず、閉鎖は仕方ないと思います。
具体的に一例をあげるなら、送迎バスがない、給食がない、延長保育がない。
様々なイベント毎に親の負担が大きい。
最長でも保育時間は14時頃まで、短い日は昼前なのでほんの2時間程度?
ここに通わせるには、最低でも母親が専業主婦である必要があります。
当然、自分の子供を預けることはしませんでした、というか、このサービス程度では預けることはできません。
この近所にある私立の幼稚園は、昭和の時代は同じようなサービスレベルでしたが、今は上記の具体例について、どれも対応しています。
令和の時代まで、この状態のまま放置したのですから、仕方ないと思うのが率直な感想です。

上の感想 議員よりもリアルでクールな考察です。昔は公立が先導していましたが、民間は競争原理と工夫で公を超えて「選ばれる」ことを目指しますから、勝てるわけが有りません。もし同園の「四無し」を解決しても、民よりも高コストな運営費を利用者は負担しますか? しないでしょう! 民間へ逃げますよね。だから市は躊躇してきたのでしょう。

昔から書いてることですが、

上尾市政の歴史で最も優れた意思決定とは公立病院からの撤退です。

 

2021年12月15日 (水)

クレーマーへの市長の考え

クレームとクレーマーについて 

(最後までお読みください)

さて、今日は、いわゆる「クレーム」と「クレーマー」について、述べてみたいと思います。

行政に寄せられるクレームについて考えてみます。クレームの中には、確かに行政にとって改善すべき課題を気づかせてくれるものなど、有益な指摘もあります。しかし、それとは別に、明らかに敵意を持った言いがかり、あるいは単にわがままな要求も数多くあります。クレームをつけてくる人をクレーマーと言いますが、今やこの言葉は、有益な指摘をしてくれる人というより、明らかに言いがかりやわがままな要求をしてくる人を指す言葉として使われています。

このようなクレーマーと呼ばれる人たちの共通点ですが、まず、権利意識が非常に強いということです。行政に対して、市民はその権利をどんどん主張するべきという強い思いがあるようです。この図式は、例えば学校に対する保護者、企業に対する消費者、病院に対する患者という構図にも当てはまります。そして、権利を主張する側が何を要求しても、行政、学校、企業や病院は反論できないはずだ、と思っている、これも彼らの特徴です。

次に、非常に権威主義であるということです。権威、と聞くと昔の人はそれこそ「お上(かみ)」という言葉を連想したでしょうが、今の権威主義者は違います。世の中には誰も批判できない言葉というものがあります。人権、平和、平等、民主主義、行政の説明責任などです。本来このような言葉を使う際には、誰も批判できない言葉だからこそ慎重になるべきと私は考えます。しかし彼らは、これらの言葉を濫用し、振りかざし、その権威によって自分の主張を通し、相手を黙らせようとする特徴があります

さらに、昔はどちらかと言えば、とどのつまり金銭目当ての言いがかりが多かったのに比べて、最近はクレームをつけること自体を目的にしている、そこに価値を見出しているクレーマーが多くなっている、という傾向があると思います。特に、今やネット社会で、個人の意見の表出が非常に容易になっており、その傾向に拍車がかかっているようです。以上クレーマーと呼ばれる人の、いくつかの特徴をあげてみました。

繰り返しになりますが、寄せられるクレームそれ自体を頭から否定してはならないと思います。行政が正しい施策を進めているつもりでも、市民の中には不利益をこうむる人がいて、そして行政側がそれに気づいていない、更には、その対応を行政が間違ってしまい、まじめな一般市民が逆上せざるを得ないところまで追い込んでしまったケースもあるかも知れません。こういった状況には誠意を持って過ちを認め、自らを正していくことが是非とも必要です。

一方、初めから全くのエゴむき出しのクレームに対しては、私は厳正に対応していくべきであると思います。理不尽なクレームに振り回される状況が続くことは、対応した職員の精神を疲労させ、行政の停滞につながり、大多数の市民の利益を損なうことになりかねません。

私自身は、そういう人の理不尽な要求に時として憤りを感じる一方、なぜその人がそうなったのかを考えると、哀れに思うこともあります。他人を困らせて喜ぶ人は不幸な人です。不幸を増長させないようにするのも、その人のためではないかと思うのです。

職員のみなさんは、それぞれの窓口でクレームまたクレーマー対応に苦労されていると思います。今後ともそれぞれの経験を蓄積する中で、そのクレームが本庄市政全体、市民全体にとって有益か無益かをよく見極め、有益なものについては謙虚に受け止め、無益で理不尽な要求には恐れずひるまず、冷静かつ厳正に対応していただきますよう、今後ともよろしくお願いします。

 


  

本記事は、「市長からのメッセージ」→「市長からの月いちメッセージ」内の「クレームとクレーマーについて」(平成24年9月分)からの全文引用です(なお、冒頭の段落のみ省略。青塗りも付与した)。

追記 上の指摘には無い大事な特徴があります。程度の差はあれ、クレームは誰でも付けたくなる場面や時があります。しかし一回の怒りで終わるのがほとんどですが、クレーマーの特徴は繰り返すにあります。執拗に繰り返すのがクレーマーなのです。イヤな人でも、その後姿を見せなければ安心できますが。また来るのだから厄介者なのです。その源泉は、何らかの恨みではないかと想像します。

Wikiによれば 本庄市長・吉田信解(よしだ しんげ)氏は本庄市の合併前からの現職市長です。自分の考えと言葉で語れる市長であることが伝わります。僧侶でもあることは上の文章からも伺えます。21/1月には5選を目指すようです。

なお、無断転載に本庄市からクレームが来たら消します…

 

2021年12月 9日 (木)

無責任な議員と市長様、フリーランチに招いてね

サービスと負担が釣り合うことが持続可能性になることを知らないみたい。

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過去記事 無償化の是非 無償化に反対

さて、前記事では無償化請願の署名集め文書に対して"健全なる批判"をしました。

それを要約すると・・・給食コスト(製造固定費)や弱者世帯は公費負担していること、(ろくに調べもせずに)小中学校の食費が高いとかコロナ禍で大変だ(※1) という理由は「一律無償化」と矛盾すること、理念的な主張は考え方の違いであり、95%の自治体が法律違反をしているわけではない、ことなどです。

※1 去年の個人市民税は140億円と過去十年で最高。今年は分からないが、過去最大の落ち込みだったリーマンショック後でさえ給食費は払っていた(参考 コロナバブル決算事情 )。また、世帯主が若いとか年収300万以下でも貯蓄残高は前年比で増えている (総理府家計調査)。義務教育の前では幼児教育無償化、後では高校授業料無償化で救ってます。

 

1.本当の反対理由 

以前は、そんなカネが有るなら教育費に使えという「米百俵の精神」的な理由でしたが、残念ながら教育も算盤も苦手な風土なので、米百俵は二の次に格下げです(笑)。

 それでは、第一義の反対理由を書きましょう。

給食費の支払いは、”他者に使われる”税金とは違い、食べた人が払う「受益者負担」です。でも、それでは突き放した感がありますよね。ここは、むしろ、

既に払っているという現実もありますが、『払える人は払いましょう』という考えで良いと思います。払える人が払わなかったら社会は成り立ちません。まさに、持続可能性社会の基本でしょう。

ところが無償化すると税負担(公助)ですから、受益と負担が一致しません。一般家庭が今まで通り負担することは、自助というだけではなく、他者に負担を転嫁しない点で共助にもなります。

そして、本件は国の課題であり、自治体に負わせると不公平な結果になります。

ところが、与野党そろって子供政策への財源投入を競い、今は(公明案の)18歳十万円給付で揉めていますが、後から請求書が来ることは語りません。ですから、払える親は、払える時に、払ってしまいましょう、という考えで良いのです。この世にフリーランチが無いこと位、当たり前ですから。

本当は、子供への給付金ではなく、コロナ後の成長投資で揉めなくてはいけないんですよね。だから貯蓄に回るんです。

 蛇足ですが、岸田首相が「屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る」とケネディ元大統領の言葉を所信表明で引用しました。でも、ケネディにはもっと優れた言葉があります。

Ask not what your country can do for you.Ask what you can do for your country.

 日本ではこれが言えませんね・・・。

2 最後は、市議会の賛成意見への批評です 

上に核心を述べたので以下は参考扱いですが、良く噛んで読みましょう。

議会だより12月号に各議員が承認した要約文があります。美しくも根拠の薄弱な主張でした。


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  • 請願への賛成は、政策・市民の声、共産党、維新の三人です。

 上の共産党の論旨は署名集め文書と酷似してますから、前回の反論で十分です。残りの二人は、SDGsや定住促進とか、人口増や税収増になるとかのステレオタイプな理由ですから、後回しにします。

  • 本会議では共産党池田氏が質問しています。

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 その内容は「雨の日も、真夏の朝にも」と(一緒にやった?)署名集めの労をねぎらう情緒的な話しです。このロジカルに欠けた話しから、彼は実現しないことが分かっているようにも読めます。ちなみに、署名した人の年齢分布を知りたいものです。

1) よくある財源論ですが 

 一番、無責任なのは賛成しながら財源を口にしないことです。それなら誰でも言えますよね。

 完全無償化には8億円弱が必要ですが、「何か」を削る提案すらできずに、請願に賛成するのは「初めから賛成アリキ」です。良い人ぶっているだけでは持続可能性を言う資格はありません。

 共産党・池田氏は戸崎公園事業の怪しさをずっと指摘してきたのですから、パークゴルフ場を廃止して財源の足しに、と言えそうなもの。他議員からも、老人福祉や医療費関係で”市の独自加算分を削る”と言う提案はありません。もちろん、"議会費を削って足しに"という泣ける話も聞こえません。本気で賛成なら、住民税の均等割りアップはどうですか? 

 結局、減らすことも、かき集めることも、予算の付替えも求めず「賛成したから、後の予算はよろしくね」みたいです。そうした曖昧さが透けて見えるから、安易な候補者はプチ妥協案を公約にして成果の横取りをするのです。児童手当が他よりも五千円多い第三子を更に優遇する案は合理性を欠きます。(相対的にカネのかかる)中学三年生の三学期をタダとか半額とかのほうが公平でしょう。

 維新・津田氏が財源の精査もなく賛成していたら維新らしくありません。大阪市の中学校で去年から松井市長が始め、17万人弱へ基金60億円を取り崩し今年も継続しているためかもしれません。(関西には学校給食が無い所が散見され、関東では横浜市がハマ弁問題で有名)

 例えば、上尾市の財調基金は前年末で29億円です。税収が急に減るなどの不測に備える貯金ですが、実態は毎年のように取り崩します。しかし、当初予算は多めに見積られるなどもあって、年度末までのやり繰りで浮かせては期末に積み戻す、を繰り返すのが財政課の伝統芸です。
 と言っても近年、積み増し(増額)できた年は数えるほどしかなく、去年秋には一時的とはいえ、米びつの底が見えた日があったことを忘れてはいけません。

上尾家の貯金残高は696円。息子よこれが我が家なの

 無償化実施は町村に目立ちます(※3)。子供が少なく、財源に使途フリーな交付税を使っているのでしょう。しかし、子供が増えたと言う珍現象は聞いたことがありません。

 一方、財政に余裕があっても無償化をしない所も珍しくありません。だから、単純にカネの問題とは言えないのですが、既に払ってもらっているカネを受取拒否して、逆に扶助しますなんて、数万人単位の児童生徒を抱える自治体には酷です。つまり、子供が減る方が導入しやいという矛盾に陥るのです。

2) 因果を立証せず、気安く、子育て世代を呼び込むってか 

 給食費がタダだから引っ越してくるなんて、恥ずかしいから言わないほうが良いです。埼玉では滑川町が子育て充実で人口増やした成功例としてあげられますが、因果関係は逆(※2)。都合の良い例や上尾と似つかない例を持ち出すのはポジショントークなので注意しましょう。子供人口減で示したように通用しません。

 まさか、人口が減ったら、狙い通りに増えなかったら、有料に戻すってか (笑)。

 ※2 滑川町の転入増は給食費無償化ではない。

つきのわ駅が2002年に開業し、駅周辺に計画人口7500人の大規模開発が行われ、2010年に完成した。その後も販売や他社の開発は続いている。私鉄による新駅と沿線開発の典型である。なお、隣の森林公園駅には始発が多い。

そして2000年からの十年間で4500人、35%も人口が増えたが、給食費無償化策は2011年からなので因果関係は逆である。人口増で、交付税や市税が増えるから還元策としては当然だ。そして注意すべきは、『転入世代は近隣市町から』というように、今の日本では、或る街の人口吸引策とは他市から奪うことでしかないこと。

つまり、鉄道アクセス性、大規模開発、良質物件(土地200㎡)という条件がそろった成果であり、2010年からの十年間の人口は14%増に減速したように、行政の政策はブースター接種みたいなものである。(なお沿線の先には去年、工場に直結した「ホンダ寄居前」駅が開業)

東上沿線物語より引用したが引用元とは結論がやや異なる。

 

 似た例に流山市がありますが、つくばエクスプレス(TX)沿線開発に負う所が大きいです。本当に真似したいのは、地価が高くても若い世帯が転入して来る街です。給食費なんか目じゃなく教育ポテンシャルの高さですよね。

※3 下の長野放送の番組は高いから無料にしてという話しではない。図は記事より引用

信州は『給食費が高い』!? 長野市が最高額、県内77市町村の状況を調査、理由は「こだわり・工夫」

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ごちそうさまでした。

 

2021年12月 6日 (月)

横浜ゴム跡地へ日本GLPが230億円で大型物流施設

これで決まり!上尾の産業の特徴は物流拠点の街へ

関連 上尾陸橋交差点の右折レーン化6大倉庫で39万㎡へ ランドポート歓迎アマゾン上尾

20/9/1 起工式済、竣工24/3月予定。上尾東武ホテルにて顧客相談会

・スマホでの可読性のために文を短くした。文末に現場写真。工事車両は左折イン・左折アウト徹底なので、施設稼働後もそうなるか?(下りレーンは渋滞増へ)


最近、コーセー跡地と浜ゴム跡地の古い記事にアクセスが増えた。横浜ゴムが関東圏の物流再編成で上尾配送センター(DC)を売却決定したためだ。00年から稼働し27万本保管できる倉庫だった。

そこへ本日、日本GLP(物流不動産の外資)から投資額230億円で大型物流施設を開発するニュースがでた。特定企業向けではないマルチテナント型の物流倉庫がヤマダ電機とSVの間にできるのだ。なお去年、桶川加納ICに近いGLP北本が開業済みだが、GLP上尾はその二倍、かつアマゾン上尾をも上回る。

詳細は同社プレスリリース、または物流ニュースLNEWS。以下は引用

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物流拠点として優れた立地。と書いてあるが、新しい上尾道路ではなく、古い中仙道沿いなので地元民としては違和感がある。敷地が後退して、道路拡幅が進むと期待したいが、さらなる渋滞が不安だ。

・上尾駅も近く、路線バスが豊富、大規模商業施設が複数あるため地域住民が集まりやすく、雇用確保の点からも優位性を備えている。

・地域に雇用機会を創出し、敷地内の緑地を一部開放し、健康的な生活をサポートする。

・開発地は液状化・洪水・地震の各災害発生リスクが極めて低く・・・。一部、開放緑地には、防災機能のあるベンチ(災害時に、かまど使用可能)を設置するなど、地域の安心につながる設備を整える。

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 まるでイオンモール上尾の出店計画と似ていて、当節の大型開発は地域住民様への配慮は定番である。時間帯の車の出入り数は分からないが、この場所は隣も後ろにも民家が無いのが良いのかもしれない。そして、郊外よりも市内立地を選んだのは人手不足対策もあるのだろう。

埼玉県で物流基地が相次ぐのはEC市場の拡大が大きい。その一方、リアル店舗は衰退し、みかける客も少ない。まあ、上尾市にとっては税収増で嬉しいことだ。隣の閑散SVも歓迎するだろう。

 GLP上尾の概要 

建設地:埼玉県上尾市愛宕3 現地のgoogle地図

敷地面積:約4万6000m2

延床面積:約10万5000m2 (アマゾン上尾は91200㎡)

構造:地上5階建て、免震PC造

着工:2022年9月、竣工:2024年3月予定

追記 22/5/6、浜ゴム建物解体後の様子。

Glp

GLPの投資額が230億円とあるが、さいたま市の新庁舎建設も概算221億円(土地含まない)。延床6万㎡、20階建て、高さ100m弱、31年移転予定。

関連 歓迎。アマゾン上尾FC。巨大施設-1 上尾は5年で床面積38万㎡増へ

遅れてやってきたイオンとヤマダの似た者同士

上尾百年史で発見した五大工場の流転

上尾市もデータセンター候補地だった

 

 

 

2021年12月 5日 (日)

国勢調査2020の人口がexcelで簡単

1900自治体がクリック一発で並び替え_Excelファイル付き

 12/1のニュースでは昨年の国勢調査の結果を伝えていた。朝日は「総人口、5年で94万人減…」、毎日は「高齢化率3割超・・・南牧村、全国一の65.2%」の見出しだったが、「生産年齢人口、ピークの95年比13.9%減」と日経だけは経済の低下という視点で伝えた。

 発表の遅さを気にしなければ政府の各種統計を自由に見られる。開示はマチマチだが、総務省の国勢調査はExcelで公開される。行数は約1900自治体、横50項目と大きなシートをウインドウ枠の固定で見やすく、項目にフィルターが設定済みだからクリック一発で並び替えられる。ここまで仕上げてあるのは珍しい。

 Excel(.xlsx)はここからダウンロードできるが、4番に埼玉県のみのファイルを作った

 見ていて気になったは次の項目だ。

1・5年間の人口増加率

2015年調査との変化率であり、マイナスが約1500自治体ある。中でも北海道が目立ち、夕張市は-17%で流出が止まらない。逆に、増加で目立つのは福島県だが、帰還現象と思われるので例外的だろう。首都圏では中央区、流山市(14.6%)や印西市、さいたま市緑区、滑川町が目立った。

2・平均年齢

高齢化率(65歳以上)の高さよりも平均年齢の高さで見た方がリアルになる。トップは68歳の群馬県の南牧村、なんと50歳以上が千件もあった。岩手県のように県全体が50歳以上も珍しくない。

3・15歳未満の人口構成比

さらに、子供の少なさを見れば言うことなしだ。人口の5%以下が13自治体、10%以下だと500もある。そこでは赤ちゃんは絶滅危惧種に指定され、あらゆる育児費用はタダになるのだろう。


4・埼玉県のみを抽出した

 埼玉県データ(10区と63市町村)を全国ファイルから抽出してexcelファイルにしたのでどうぞ。

 ●ダウンロード - 国勢調査2020-埼玉県自治体文末に一部内容を掲載

さて、上尾市の人口は本当に23万人いるのか?

上尾市 住基台帳 国勢調査
2020/10 229,265 226,940 2,325
2015/10 228,109 225,196 2,913
 増加 1,156 1,744
0.8%
 

 告知されるのは住民基本台帳の人数であり、今年23万人を超えたと市が自慢していた。行政仕事に使うのがこの人数なのだが、若い時は転出届を出さないで引っ越す人も珍しくない。かつて自分も国分寺から国立へ、また国分寺に戻り、更に松本へ引っ越すときに窓口でグチられた。住んでいない独身者から住民税が落ちる自治体には、ふるさと納税みたいになるが、そうでない方はゴミ処理や上下水道のインフラコストの不払いになる。

 上尾市では国勢調査のほうが数千人少なくなる。国勢調査は棚卸みたいな全数調査であり、住基台帳は文字通り帳簿上の人数に過ぎない。しかし近年、プライバシー問題や単身者の増加は対面調査をしにくくし、昔よりも回答率が落ちている(去年は83%)。

 例えば、過去の発表には『総数には「不詳」を含むため、内訳を合計しても総数に一致しない』という注釈があった。答えたくない人がいるわけだ。そのうち、男+女と総計が合わない時代になりそうだ。

他に、推計人口というのもあり、国勢調査に毎年の転入・転出・出生・死亡を含めて実態に近いものになる。

参考 上尾市の結果報告のページ

●参考 5年間の埼玉県内、人口増減率のベスト10、ワースト10

  総数 5年間の人口増減数 5年間の人口増減率 平均年齢 15歳未満 15~64歳 65歳以上
(高齢化率)
市区町村名 (人) (人) (%) (歳) (%) (%) (%)
11109_さいたま市緑区 128,321 11,799 10.1 44.0 15.1 62.3 22.6
11341_滑川町 19,732 1,520 8.3 44.0 15.5 61.0 23.4
11234_八潮市 93,363 6,646 7.7 44.7 12.1 64.6 23.3
11101_さいたま市西区 93,499 6,353 7.3 46.6 12.9 59.3 27.9
11107_さいたま市浦和区 164,822 10,406 6.7 44.0 13.7 65.6 20.7
11108_さいたま市南区 191,563 11,411 6.3 43.4 13.4 67.1 19.5
11100_さいたま市 1,324,025 60,046 4.8 45.2 12.8 63.6 23.6
11105_さいたま市中央区 103,269 4,507 4.6 44.4 12.3 66.3 21.4
11237_三郷市 142,145 5,624 4.1 46.4 12.8 59.9 27.4
11102_さいたま市北区 149,242 5,796 4.0 44.8 12.6 65.4 22.1
 減少率の大きい順
11365_小鹿野町 10,928 -1,189 -9.8 53.6 9.5 51.5 39.0
11343_小川町 28,524 -2,654 -8.5 53.6 8.0 53.0 38.9
11349_ときがわ町 10,540 -952 -8.3 53.8 8.3 52.8 38.8
11362_皆野町 9,302 -831 -8.2 52.8 10.1 51.3 38.6
11347_吉見町 18,192 -1,439 -7.3 51.4 8.4 57.8 33.8
11369_東秩父村 2,709 -206 -7.1 57.7 6.4 47.1 46.5
11363_長瀞町 6,807 -517 -7.1 53.9 9.2 51.2 39.6
11346_川島町 19,378 -1,410 -6.8 51.4 9.3 54.6 36.0
11361_横瀬町 7,979 -540 -6.3 50.9 10.6 55.3 34.0
11207_秩父市 59,674 -3,881 -6.1 50.9 11.1 54.7 34.2

 

 

2021年12月 3日 (金)

広報あげおが伝えないコロナバブル決算事情

これぞ上書き行政の見本。

 オミクロン株が登場し、失敗に懲りた政府は慎重になっている。今の感染数が0レベル状況で『いよいよ来年は』と期待してたのに、また三年目かよと思うと気が重い。一方、良いニュースもある。インフルエンザ先週で県内観測地点で1人のみという公衆衛生の勝利が今年も続いている。ただし、きれい過ぎは免疫力低下という副作用もあるので、要はバランスなんだろうね。

 

 さて、広報あげおの12月号が来た。p11から三ページにわたり20年度決算を伝えている。今回、取り上げたのは、タイトルに「財政事情の公表」とあるのに、去年の『特殊事情』を示さないからだ。

 2020年3月での当初予算は657億円だが、一年後に920億円へ四割も増えた。しかし文中にコロナの解説は無い。増えたのはコロナ関連で、収入の国庫支出金であり、十万円給付の223億円等は民生費として支出された(クリック拡大、図のピンク)。

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 そして重要なのはコロナが無ければ、多くの項目は前年(2019)とほぼ同水準となり、総額は660億円となるハズだった。そして市税は315億円と前年並みなのに、分母920億円で割るものだから34%になっている(例年だと48%)。”馬鹿の一つ覚え”、じゃなかった・・・、去年の資料に上書きをする前例踏襲だからこういうことを平気で広報する。

コロナ事情を含めて上尾の財政でどんな変化があったのかを報告するべきであり、素人に媚びる円グラフでちゃらちゃらするようでは成長できない。果たして当該部門は、上尾の金庫番という自覚があるのだろうか、心配だ (>_<)

私的に一部を書くと・・・


2020年はコロナで四割も膨らんだ920億円のバブル決算となった。表向きは過去との連続性が失われているが当市の体質は不変だ。膨らんだのは国庫支出金が266億円の増加である(十万円給付が主)。コロナが無ければ660億円となり前年微増の水準である。

国庫支出金以外の最大の収入増は、(左派が反対した税率10%に伴う)消費税の地方分8億円増である。肝心の市税では法人市民税が23%も減ったが、個人と固定資産税はコロナ禍にも拘わらず堅調だったので市税全体は微減で済んだ。

支出面での減少が大きく出たのは工事関係だ。コロナ禍で工事が減ったためかもしれない。借金返済額は去年に繰上したために今年が減ったことも寄与し、単年度収支は15億円も残った。過去10年に無い黒字幅はコロナ予算の一時効果と言えよう。等々

 二ページ目は、金額を人口で割った一人当りの値家計に喩えるグラフだ。ちなみに、民生費が一人24万円とあるが、10万円を引くと例年並みになる。この家計もどき説明を毎年やっているが、”一人当たり消防費”が12000円と教えられたところで、我々は何を学べるというのだろうか。

三ページ目には、建物と土地を一緒にした面積グラフがある。市有財産の多くは絶対に販売不可能なのだから、そんな面積(金額ではない)をわざわざ示すほどの意味はない。もっと他に伝えるべき材料が思い浮かばないのは問題意識の欠如だと思う。

なお、その下に健全化指標がでている。その無意味さについては、「畠山市長のイマイチな点」の5番目に書いてある。またその記事の末尾には上尾市の一人当たり税収額の県内順位の低さものせてある。

 

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