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2021年12月 9日 (木)

無責任な議員と市長様、フリーランチに招いてね

サービスと負担が釣り合うことが持続可能性になることを知らないみたい。

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過去記事 無償化の是非 無償化に反対

さて、前記事では無償化請願の署名集め文書に対して"健全なる批判"をしました。

それを要約すると・・・給食コスト(製造固定費)や弱者世帯は公費負担していること、(ろくに調べもせずに)小中学校の食費が高いとかコロナ禍で大変だ(※1) という理由は「一律無償化」と矛盾すること、理念的な主張は考え方の違いであり、95%の自治体が法律違反をしているわけではない、ことなどです。

※1 去年の個人市民税は140億円と過去十年で最高。今年は分からないが、過去最大の落ち込みだったリーマンショック後でさえ給食費は払っていた(参考 コロナバブル決算事情 )。また、世帯主が若いとか年収300万以下でも貯蓄残高は前年比で増えている (総理府家計調査)。義務教育の前では幼児教育無償化、後では高校授業料無償化で救ってます。

 

1.本当の反対理由 

以前は、そんなカネが有るなら教育費に使えという「米百俵の精神」的な理由でしたが、残念ながら教育も算盤も苦手な風土なので、米百俵は二の次に格下げです(笑)。

 それでは、第一義の反対理由を書きましょう。

給食費の支払いは、”他者に使われる”税金とは違い、食べた人が払う「受益者負担」です。でも、それでは突き放した感がありますよね。ここは、むしろ、

既に払っているという現実もありますが、『払える人は払いましょう』という考えで良いと思います。払える人が払わなかったら社会は成り立ちません。まさに、持続可能性社会の基本でしょう。

ところが無償化すると税負担(公助)ですから、受益と負担が一致しません。一般家庭が今まで通り負担することは、自助というだけではなく、他者に負担を転嫁しない点で共助にもなります。

そして、本件は国の課題であり、自治体に負わせると不公平な結果になります。

ところが、与野党そろって子供政策への財源投入を競い、今は(公明案の)18歳十万円給付で揉めていますが、後から請求書が来ることは語りません。ですから、払える親は、払える時に、払ってしまいましょう、という考えで良いのです。この世にフリーランチが無いこと位、当たり前ですから。

本当は、子供への給付金ではなく、コロナ後の成長投資で揉めなくてはいけないんですよね。だから貯蓄に回るんです。

 蛇足ですが、岸田首相が「屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る」とケネディ元大統領の言葉を所信表明で引用しました。でも、ケネディにはもっと優れた言葉があります。

Ask not what your country can do for you.Ask what you can do for your country.

 日本ではこれが言えませんね・・・。

2 最後は、市議会の賛成意見への批評です 

上に核心を述べたので以下は参考扱いですが、良く噛んで読みましょう。

議会だより12月号に各議員が承認した要約文があります。美しくも根拠の薄弱な主張でした。


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  • 請願への賛成は、政策・市民の声、共産党、維新の三人です。

 上の共産党の論旨は署名集め文書と酷似してますから、前回の反論で十分です。残りの二人は、SDGsや定住促進とか、人口増や税収増になるとかのステレオタイプな理由ですから、後回しにします。

  • 本会議では共産党池田氏が質問しています。

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 その内容は「雨の日も、真夏の朝にも」と(一緒にやった?)署名集めの労をねぎらう情緒的な話しです。このロジカルに欠けた話しから、彼は実現しないことが分かっているようにも読めます。ちなみに、署名した人の年齢分布を知りたいものです。

1) よくある財源論ですが 

 一番、無責任なのは賛成しながら財源を口にしないことです。それなら誰でも言えますよね。

 完全無償化には8億円弱が必要ですが、「何か」を削る提案すらできずに、請願に賛成するのは「初めから賛成アリキ」です。良い人ぶっているだけでは持続可能性を言う資格はありません。

 共産党・池田氏は戸崎公園事業の怪しさをずっと指摘してきたのですから、パークゴルフ場を廃止して財源の足しに、と言えそうなもの。他議員からも、老人福祉や医療費関係で”市の独自加算分を削る”と言う提案はありません。もちろん、"議会費を削って足しに"という泣ける話も聞こえません。本気で賛成なら、住民税の均等割りアップはどうですか? 

 結局、減らすことも、かき集めることも、予算の付替えも求めず「賛成したから、後の予算はよろしくね」みたいです。そうした曖昧さが透けて見えるから、安易な候補者はプチ妥協案を公約にして成果の横取りをするのです。児童手当が他よりも五千円多い第三子を更に優遇する案は合理性を欠きます。(相対的にカネのかかる)中学三年生の三学期をタダとか半額とかのほうが公平でしょう。

 維新・津田氏が財源の精査もなく賛成していたら維新らしくありません。大阪市の中学校で去年から松井市長が始め、17万人弱へ基金60億円を取り崩し今年も継続しているためかもしれません。(関西には学校給食が無い所が散見され、関東では横浜市がハマ弁問題で有名)

 例えば、上尾市の財調基金は前年末で29億円です。税収が急に減るなどの不測に備える貯金ですが、実態は毎年のように取り崩します。しかし、当初予算は多めに見積られるなどもあって、年度末までのやり繰りで浮かせては期末に積み戻す、を繰り返すのが財政課の伝統芸です。
 と言っても近年、積み増し(増額)できた年は数えるほどしかなく、去年秋には一時的とはいえ、米びつの底が見えた日があったことを忘れてはいけません。

上尾家の貯金残高は696円。息子よこれが我が家なの

 無償化実施は町村に目立ちます(※3)。子供が少なく、財源に使途フリーな交付税を使っているのでしょう。しかし、子供が増えたと言う珍現象は聞いたことがありません。

 一方、財政に余裕があっても無償化をしない所も珍しくありません。だから、単純にカネの問題とは言えないのですが、既に払ってもらっているカネを受取拒否して、逆に扶助しますなんて、数万人単位の児童生徒を抱える自治体には酷です。つまり、子供が減る方が導入しやいという矛盾に陥るのです。

2) 因果を立証せず、気安く、子育て世代を呼び込むってか 

 給食費がタダだから引っ越してくるなんて、恥ずかしいから言わないほうが良いです。埼玉では滑川町が子育て充実で人口増やした成功例としてあげられますが、因果関係は逆(※2)。都合の良い例や上尾と似つかない例を持ち出すのはポジショントークなので注意しましょう。子供人口減で示したように通用しません。

 まさか、人口が減ったら、狙い通りに増えなかったら、有料に戻すってか (笑)。

 ※2 滑川町の転入増は給食費無償化ではない。

つきのわ駅が2002年に開業し、駅周辺に計画人口7500人の大規模開発が行われ、2010年に完成した。その後も販売や他社の開発は続いている。私鉄による新駅と沿線開発の典型である。なお、隣の森林公園駅には始発が多い。

そして2000年からの十年間で4500人、35%も人口が増えたが、給食費無償化策は2011年からなので因果関係は逆である。人口増で、交付税や市税が増えるから還元策としては当然だ。そして注意すべきは、『転入世代は近隣市町から』というように、今の日本では、或る街の人口吸引策とは他市から奪うことでしかないこと。

つまり、鉄道アクセス性、大規模開発、良質物件(土地200㎡)という条件がそろった成果であり、2010年からの十年間の人口は14%増に減速したように、行政の政策はブースター接種みたいなものである。(なお沿線の先には去年、工場に直結した「ホンダ寄居前」駅が開業)

東上沿線物語より引用したが引用元とは結論がやや異なる。

 

 似た例に流山市がありますが、つくばエクスプレス(TX)沿線開発に負う所が大きいです。本当に真似したいのは、地価が高くても若い世帯が転入して来る街です。給食費なんか目じゃなく教育ポテンシャルの高さですよね。

※3 下の長野放送の番組は高いから無料にしてという話しではない。図は記事より引用

信州は『給食費が高い』!? 長野市が最高額、県内77市町村の状況を調査、理由は「こだわり・工夫」

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ごちそうさまでした。

 

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コメント

給食費が高い自治体上位、自分に関わり深く興味深い。
今も友人の元銀行支店長、ゼミの教授の出身地。3年仕事で住んだ快適な町、今仕事で関わる町、子会社合併で苦労した町。
共通するのは付き合ってよかった人・町ということです。
給食費ただにしろ運動をする町より、まともな教育をしていることが想像されます。

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