広報あげおが伝えないコロナバブル決算事情
これぞ上書き行政の見本。
オミクロン株が登場し、失敗に懲りた政府は慎重になっている。今の感染数が0レベル状況で『いよいよ来年は』と期待してたのに、また三年目かよと思うと気が重い。一方、良いニュースもある。インフルエンザが先週で県内観測地点で1人のみという公衆衛生の勝利が今年も続いている。ただし、きれい過ぎは免疫力低下という副作用もあるので、要はバランスなんだろうね。
さて、広報あげおの12月号が来た。p11から三ページにわたり20年度決算を伝えている。今回、取り上げたのは、タイトルに「財政事情の公表」とあるのに、去年の『特殊事情』を示さないからだ。
2020年3月での当初予算は657億円だが、一年後に920億円へ四割も増えた。しかし文中にコロナの解説は無い。増えたのはコロナ関連で、収入の国庫支出金であり、十万円給付の223億円等は民生費として支出された(クリック拡大、図のピンク)。
そして重要なのはコロナが無ければ、多くの項目は前年(2019)とほぼ同水準となり、総額は660億円となるハズだった。そして、市税は315億円と前年並みなのに、分母920億円で割るものだから34%になっている(例年だと48%)。”馬鹿の一つ覚え”、じゃなかった・・・、去年の資料に上書きをする前例踏襲だからこういうことを平気で広報する。
コロナ事情を含めて上尾の財政でどんな変化があったのかを報告するべきであり、素人に媚びる円グラフでちゃらちゃらするようでは成長できない。果たして当該部門は、上尾の金庫番という自覚があるのだろうか、心配だ (>_<)
私的に一部を書くと・・・
2020年はコロナで四割も膨らんだ920億円のバブル決算となった。表向きは過去との連続性が失われているが当市の体質は不変だ。膨らんだのは国庫支出金が266億円の増加である(十万円給付が主)。コロナが無ければ660億円となり前年微増の水準である。 国庫支出金以外の最大の収入増は、(左派が反対した税率10%に伴う)消費税の地方分8億円増である。肝心の市税では法人市民税が23%も減ったが、個人と固定資産税はコロナ禍にも拘わらず堅調だったので市税全体は微減で済んだ。 支出面での減少が大きく出たのは工事関係だ。コロナ禍で工事が減ったためかもしれない。借金返済額は去年に繰上したために今年が減ったことも寄与し、単年度収支は15億円も残った。過去10年に無い黒字幅はコロナ予算の一時効果と言えよう。等々 |
二ページ目は、金額を人口で割った一人当りの値と家計に喩えるグラフだ。ちなみに、民生費が一人24万円とあるが、10万円を引くと例年並みになる。この家計もどき説明を毎年やっているが、”一人当たり消防費”が12000円と教えられたところで、我々は何を学べるというのだろうか。
三ページ目には、建物と土地を一緒にした面積グラフがある。市有財産の多くは絶対に販売不可能なのだから、そんな面積(金額ではない)をわざわざ示すほどの意味はない。もっと他に伝えるべき材料が思い浮かばないのは問題意識の欠如だと思う。
なお、その下に健全化指標がでている。その無意味さについては、「畠山市長のイマイチな点」の5番目に書いてある。またその記事の末尾には上尾市の一人当たり税収額の県内順位の低さものせてある。

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