上尾市の2022年度予算_市民税が過去14年で最高額へ
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●コロナ前に戻れたのか? 市民税317億円の内訳
百万円 | 構成比 | |
市民税(個人) | 13,625 | 43% |
市民税(法人) | 1,874 | 6% |
固定資産税 | 12,305 | 39% |
その他 | 3,945 | 12% |
市税 | 31,749 | 100% |
近年、上尾市の市民税は299~315億円のレンジにいたが、 今年は317億円となり、前年比で+22億円、7.5%も増える。これは、-0.2%、-6.5%と二年間マイナスだったのでホッとする数字だ。なんと過去14年間でわずかとはいえ最高額になったのだが、前年が▲19億円の大幅減だったので、コロナ前に戻っただけかもしれない・・・。
●市民税が22億円も増えたのはアノ会社のおかげ?
前年との差異が下の表だ。
主な増加項目 | 前年比(百万円) | 増加率 |
市民税(個人) | 886 | 7.0% |
市民税(法人) | 667 | 55.3% |
固定資産税 | 586 | 5.0% |
その他 | 70 | 1.8% |
市 税 | 2,209 | 7.5% |
地方交付税 | 896 | 34.1% |
県支出金 | 231 | 4.5% |
地方消費税交付金 | 128 | 2.9% |
個人市民税が堅調なのは何よりだが、理由までは明らかにされない。一つには「人口増加」にもつながったマンション効果もあるだろう。そして市民の年齢変化もありそうだ。二年前比では50代が3000人増え、40代が2300人減っている。人口最多層である団塊ジュニアが50代へ入ると、一般に給与は50代半ばがピークなのでその効果もありそうだ。ただし、いずれは労働人口の減少と共に市民税は減る一方になる。
法人市民税は市税の6%と少ないのであまり当てにならないのだが、今年は55%も増えそうだ。こちらも前年が大きく落ち込んだ反動があり、コロナ前の水準に戻っただけかもしれない。そもそも市内企業の業績がそれほど良くなったとは思えない。
個人税と並び、景気の影響を受けない安定財源である固定資産税は6億円近く増えた。内訳で見ると土地は微増、建物は6%増だが、償却資産からが2割近く増えたのが目立つ。おそらく、イオンモール上尾やアマゾン上尾の竣工が寄与したと思う。
前記事で書いたように、上尾市は予算規模が人口比では少額なので、そのためもあってか本予算の歳入全体に占める市民税の割合は46%となる。これは県内他市と比べても比較的高い方である。歳入が交付税に依存するようになるとヤバい。
図は2019年度の埼玉県・市町村財政のすがたより。20年度は参考にならない(コロナ決算事情)。
つづく
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