上平の複合施設計画はマッチポンプである-4
自分で立て、自分で取り消して公約実行だという。
前記事3のつづき 『アレ、予算ないね…』と最初に感じ、そりぁそうだなと思ったのが「上平の複合施設計画」だ。
去年11月の市長選では対立した深山元議員が「子育て交流プラザこども未来館」という世間受けするイメージ案を唐突に出していた。それは、とん挫していた本件の代替案だと思ったが、争点にはならなかった。本館移転と比べたら市民の関心はとても低いためだ。結果は予想外のダブルスコアーで畠山圧勝だった。
その選挙感想記で書いたように、四年間で上平出身の市長と議員が消えたことになるのだから、畠山さんは彼らに"義理建てする理由"は消えた、と思っていた。だから、終わった本件が、2/19の朝日新聞に載ったのは驚いた。ソースは議会用に発表されており、短いので簡単に読めるが、朝日とはニュアンスが違う。
まず、ソースには、「市長選の公約として本計画の見直しをする」とあるが、当時の選挙公報には何も書いてないことを指摘しておく。そして、三つの方針を決めたと発表した。
1 あの土地は当面、「上平広場」として継続する。 2 コロナ禍と財政を理由に、(苦渋の決断ですが…)複合施設建設は凍結する。 3 図書館分館機能を含むとした案は撤回する。 |
以上だ。これだと図書館を入れない案なら、いずれ解凍すると読めるから、素直に白紙撤回とは受け取れない。
二番で、コロナと財政を理由しているのはこじつけ。本件は逮捕市長からの負の遺産であり、畠山さんにはお荷物だったから、「清々しました」、「時間かかり過ぎました」、「ごめんなさい」と言えばよいものを、月並みな『苦渋の決断』と気取ってみせる。
なお朝日記事の終りに、「再検討には市民の意見を伺う」と伝えるが、「市民」にも色々いるから、そこが問題だ。本件だって、(好都合な)市民の意見を聴いたことにして突き進んだじゃないか、愚かな施設課よ。
W逮捕後からを回顧してみた。
彼は島村案を見直し、途中でPAPAへ本館移転という寄り道を目論むも否決され、自ら進めた複合施設案も否決され、今回の「見直し」へたどり着いた。つまり、自分で立てて、自分で取り消したが、謝罪もないし、予算を無駄使いしただけなのに責任も負わない。極めつけが「見直しは公約実施だから」では、マッチポンプである!!
これなら誰でも「市長」が務まる(実際そうだから、無能でも成りたい人が現れる)。
こうなる最大の理由は、政策の合理性が無いためであり、そうなるのは彼が本気で問題に向き合わないためだ。人柄が良くてもそこが限界となり、それを良いことに、自信過剰に陥った幹部職員が政策の道を読み違えてしまう。これが畠山市政が迷走する実態である。
そして、W逮捕から四年、上尾は畠山稔市長と渡辺綱一議長と言うコンビになった。どんな意味かは書かない。
あの記事は朝日にしては薄っぺらだった。書いてほしかったのは、『買うべきではい土地をなぜ買ったのか』という出自についてである。歪んだ地域愛と権力者へすり寄る人々(職員と市民)が市政を堕落させて産まれた土地であることを、自治力の育たない郊外市の姿として描いてほしかった。
所で、深山さんは島村時代に「文化のバロメーター」と言って図書館建設に熱心だった(しかし、本館で姿を見かけたことはないとコアユーザーは言う)。島村逮捕後も、私はあきらめないとブログで一人気を吐いていた。たぶん、後継者を育てることもなく二年後には戻るだろう。
その頃までに、畠山さんは、さっさと負の遺産処理をやれば良い。先ずは上平広場の管理を畑違いな図書館部門から「みどり公園課」へ移せ。ゲートボールで老人優遇するだけじゃなく、若者にバスケットリンク位作ってやれよと言いたい。地域偏重案が出た時には若者が反対するようにね。
そろそろ、下り坂を歩く準備が必要だ。
所で、当然のように、(新たな)ハコモノにノーという市民がいる一方、既存施設を削るのはノーという人も現れる。例えば、利用者の集まらない公立幼稚園廃止を"許さない"という地域民とか、小中学校の統廃合への反対も一部である。
つまり、作るのもダメ、削るのもダメと言う現象だ。どちらも人口減少という背景で起きていることだが、そんな事にはお構いなしだ。しかし、上平計画が消え、今後の長期的テーマは学校施設更新問題であり続けるだろう。
それは人口増で一気に学校を増やした郊外自治体の共通の悩みである。膠着した綱引きみたいに問題解決できないでいると、両者が一緒に衰弱するだけだろう。
オシマイ
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