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2022年8月の10件の記事

2022年8月28日 (日)

紅花保育園-1 突然の閉園と理由に想うこと

2023年3月閉園の予定

関連 2 騒動に見る世の理不尽 3 決算から見える姿
文末に、待機児童減少と需給(毎日新聞)


 8/25の埼玉新聞に出ていた。まとめると・・・

上尾市久保にある紅花保育園が突然、来年3月閉園を宣言したために親たちが動揺している。(最近、保育施設の急な閉園が社会問題化することがあるが(文末)、いよいよ上尾市でも起きた)。

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1978年から44年間も継続してきた市内最古の私立保育園、評判も良かったとある。今も0~5歳児82人がいて、66人は来年も通うつもりだったが半年後には転園を余儀なくされる。

母体の社会福祉法人たてば友愛会(須田理事長)によると、「保育士不足で子どもの安全を保証できない」が理由らしい。背景には、昨年末に給与賞与の未払問題が発生し、職員が大量に退職し、その後、非正規職員などで業務を行ってきたという。

 突然の閉園通告に、親たちは上尾市保育課へ駆け込んだ。市は間に入り、調査や話し合いをしているが、理事長の意思は固い。市によると、決算上では経営の悪化は認められない。保護者会は署名を集め、存続か閉園延期等の要望書を提出した。


 気になったのは、本当の理由がよく分からないことだ。給与不払いは資金繰りが原因と思うが、市は「経営悪化は認められず」と語る。園HPにある決算書は2018/3しかない。そんな、お古をぶら下げても補助金がでる世界に驚いた。

 失礼ながら、ある事から、”本当の理由”は、他事業をしていて、そっちの補てんで撤退か土地売却がしたいのではと想像していた。

 で、5年前の古決算書を見た。

 保育事業で年1億6百万円稼ぐものの人件費が80%もあって驚いた。これは社会奉仕事業なのだと思った。結局、最終▲700万円の赤、累損は▲4千万円ほどだった。

 しかも、無借金経営なのでムリな投資をした節は無い。たぶん、スタート時の資本から初期投資の土地建物を除く1億円ほどが運転資金の元だったかも知れず、近年はそれを少しずつすり減らす状態になった、と想像する。コロナ禍を理由にするならば公言できるが そうはしていない。僅かな数字の断片からの読後は、「もう疲れた」という境地に達したのかなだった。もちろん、簿外については知りようがない。

 果たして、「二年後に閉園」と宣言すれば正しいのだろうか。そんな短命な園に新規に預ける親はいないから、その年は片肺飛行となり、職員解雇か人件費分が赤字となるだけだ。気の毒だが、民間が参入する事業には常に何らかのリスクがある。と言って、公が再び担えばよいのかは悩ましい。全市の9月の空き状況はこちら

 議員が報告するのは需給人数のみだった。閉園後の上平では1~2歳が37名、3~5歳が52名分不足するらしい。ちなみに、市は「園児が路頭に迷わないように」と新聞社に語り、海老原議員は「親が路頭に迷わないように」と書く。えらい違いだが、市保育課が迷っている事は伝わる。

  • 急な閉園問題

 市立平方幼稚園が何年もかけて漸く9月末にフェードアウトする。撤退のハードルが高くカネもかかった。先立つこと20年春には築48年のしらこばと保育所(定員80人)が手抜き工事と判明し、即、休園から閉園したときはす速かった。コロナでそれとごろでは無かったのかな?

 さて、最近、上尾市への若い世帯の転入増が増えたが(こちら)、まぐれでは無く政策成果として持続させ、かつ民間撤退時のバッファーとしての公立保育所は正当な理由になる。しかも収益対応事業だ。投資と維持費がたいへんならば、近隣市から子育て世帯を奪う覚悟で取り組めばよい。実は議会で否決された畠山氏の上平複合施設計画だが、保育園は最初から計画に入れなかった。

 つまり、どうにもチグハグ感が漂う市政なのだが、今回、(指定管理みたいに)紅花を市が何年間か肩代わり乃至は第三セクター化したらどうだろうか。

 なお、最近問題視されるのは、通知が閉園の1~2週間前とかいう悪質な例である。規制緩和により参入障壁が下がって、おまけに閉園のハードルも低いから、儲からないと逃げ出す「業者」がいるらしい。これって、待機児童が解消になりつつある前触れなのだろうか。

 そうなら、少子化が深刻と言うことで喜べない。

・朝日新聞 つくば市 突然閉鎖した保育施設、自己破産

・東洋経済 印西市 保育園が突如閉園、広がる保護者の困惑と不安

追記 毎日新聞 待機児童数、過去最低…保育所増設など影響

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関連

平方幼稚園の閉園に賛成する理由-1

・平方幼稚園の廃園問題から逃げ惑う議員達-2

 

2022年8月24日 (水)

上尾の小中学校の建物評価と人数規模を散布図で俯瞰

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 前記事は学校ごとの建物の残耐用年数を取り上げた。その基本計画(p22)では、学校建物の評価を行っている。

そこでは、建物の性能をハード面と称して残耐用年数、劣化度、耐久性の3項目を計算している。そして、3つを一つに総合して1~5点で学校別に評価していた。※

 通知表みたいだが、算出方法の説明が欠けるから考え方の妥当性は検証不可、つまり瑕疵がある。

 次に、建物の利用状況をソフト面と称し、これも3つの視点から値を求め、1つの値(1~5)に総合している。更に続けて、ハードとソフトの二値を一つの値(得点と称する)にして、得点の低い学校から優先的に検討すると結ぶ。※

 ここでも、二値を一つにする方法説明がない。多分、足して二で割ったと見えるが、それでは健康診断の結果と算数の点数から平均を出すようなもの。独立する異次元の値から平均値を求めるなんて上尾の中学生でもやらないだろう。これも瑕疵である。

 なので、合成した「得点」を使わず、建物性能というハードの値を横軸に、児童生徒数の現人数規模(20年)を円サイズとし、35年後の児童数増減率を縦軸にした散布図で、全学校を俯瞰した。

  • 小学校22校・・・重なって見にくいワ (>_<)。富士見小の5は上限値!
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[解説] 円が人数つまり学校規模を示し、2055年には▲%減るという縮小予想(円が小さくなる)とその学校建物の新しさを示している。
ほぼ安泰は中央小のみ、富士見小は建物は最新で今は大きいが将来の縮小スピードは激しいため通学区の再編が必要と見る。ユニークな位置の平方東小は建物更新で生き延びられるが、同時に他校を吸収して規模適正化を果たせば市内小学校の中でも良いポジションに立てそう。
 前記事のように建物の残耐用年数だけを見ていると特定エリアに問題集中するが、人数規模と将来縮小を重ねると、殆ど再編の俎上に載ってしまう。後は相互の通学距離を加えて考えるべきだが、土地勘が無いのでここまで・・・('ω')
  • 中学校11校

 学校名の横は2020年の生徒数である。市の子供人口が減るから、全中学校が2055年には減少予想となる。

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 何が見えるかは各自おまかせ。

元文を引用して書くと長文になるから、ブログの長さはこの位が丁度いいネ…

参考 基本計画p23より

順位 学校名  得点  ハード面  ソフト面 
1 大石南中学校  1.2 1.3 1
2 平方小学校  1.5 1.3 1.7
3 大石南小学校  1.7 1.7 1.7
4 太平中学校  1.8 1.7 2
5 尾山台小学校  1.8 1.7 2
6 平方東小学校  1.8 1.7 2

 

つづく

 

2022年8月23日 (火)

小中学校が年250校廃校する日本。埼玉県廃校リスト

平成のラスト十年間は毎年330校も廃校 

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 平成11~22年は「平成の大合併」があったから学校の廃校が多かった。結果、自治体の数は1502も減ったが、実はそれを上回る小学校で2,231校も減った。児童数も52万人減っていた。そして、ここ十年間は合併がないにもかかわらず、同じペースで減少していると文科省は報告する。※1

 下は、最新 R3学校基本調査 から。

R3/5/1 公立小学校 中学校
学校数
 前年比
19,028
-189
9,230
-61
在学者数 6,223,394 3,229,698
教員数 422,864 248,253

上の前年比では250校の減少になるが、平成のラスト十年間でみると年約330校も廃校していた。そして少子化は想定以上に進んでいる。既に、一つの小学校、一つの中学校しかない自治体が13%もあるらしいが、もはやその程度では済まないだろう。

●小中高別の生徒人数の推移 (同学校基本調査より引用)。

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●埼玉県の廃校リスト

小学校の廃校一覧

中学校の廃校一覧

高等学校の廃校一覧

※1 文科省 小中高等学校の統廃合の現状と課題

つづく

 

2022年8月22日 (月)

上尾市の小中学校校舎の余命リスト

 残耐用年数、すなわち余命リスト。

 ソースは上尾市の市内小中学校校舎耐用年数一覧【R4/4月】(本日8/22にExcel表が公開された!。あのー、メールで望んだのはそれじゃあないんだけどな・・・)

 既に、児童・生徒数の減少地域別学校別に示したので、今回は学校別の施設老朽化を扱う。

 3.11以後、巨大地震から子供を守るために学校の耐震補強工事が各地で行われた。上尾市もホッとしたばかりだが、実は少子化と言う長周期振動に耐えられずに学校取壊しが各地で増えている。既に、その人災を経過した地方もあるが、首都圏近郊も例外ではない。

 例えば、鉄筋コンクリだと建物の耐用年数60年と決めてある。その期限が近づく5年前(?)くらいに構造体の調査をする。その結果で延命可となれば、構造物にもよりMax+15年の最長年になる。もちろん延命不可もある。また、延命できても、維持費が以前と同じとは限らないし、延命が問題の先送りに都合よく解釈されるようでは地域の衰退は止まらない。

 所で、ソースの表は単なる一覧のために分かりにくい。なので、「あと何年使える」かという残存年数に焦点を当てた。耐用年数の列のピンクバーが余命の長短を示す。また、下図はソースの一部のみ掲載だ。コンクリート強度はソース参照のこと

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延命可否※5の意味は下にコピーしたが、検査日は20年前のものもあり、現データではそのまま判断はできないだろう。

※5 延命の可否は、耐⽤年が近づいた段階で躯体の健全性調査を実施し再度判断する。

構造種別「RC」の×は、中性化予測深度が30mmを超えるため。
構造種別「S」の×は、上尾市として延命利⽤しない⽅針。
構造種別「RC+S」の×は、複合構造のため耐⽤年が近づいた段階で詳細調査により延命の判断を⾏う。

●耐用年数が2029年までに到来する物件リスト

 29年までに耐用年数が来るのはプールを除く169件中、30件(18%)もあった。また、最長年数で並び替えると延命不可物件の体育館が殆どだが、校舎では上平中、上尾中、太平中の三件がある。
 調査・設計・解体・建設の工程を考えると、どの位の時間的余裕があるのかは分からない。

    耐⽤年数
基準  最長
構造種別※1 延命可否※5 延床⾯積㎡ 普通教室数 建築年
上平中 体育館 2023 2023 SRC+S × 765   1968
上平中 北校舎⻄ 2024 2039 RC 687 3 1964
上尾⼩ 体育館 2025 2025 RC+S × 788   1970
太平中 体育館 2025 2025 RC+S × 762   1970
上平⼩ 北校舎 2025 2040 RC 3,266 22 1965
上尾中 北校舎⻄ 2026 2026 RC × 1,846 12 1966
中央⼩ 北校舎 2026 2041 RC 1,141 2 1966
原市中 中央校舎東 2026 2041 RC 1,269 7 1966
原市中 体育館 2026 2026 RC+S × 770   1971
尾⼭台⼩ 管理・北校舎 2026 2041 RC 2,821 12 1966
尾⼭台⼩ 給⾷室 2026 2041 RC 178   1966
⼤⽯中 体育館 2026 2026 RC+S × 770   1971
⻄中 ⾦⼯⽊⼯特別教室 2026 2026 S × 243   1971
⻄中 体育館 2027 2027 RC+S × 770   1972
上尾⼩ 北校舎 2028 2043 RC 1,632 11 1968
原市中 ⾦⼯⽊⼯特別教室 2028 2028 S × 246   1973
⼤⽯中 管理・中央校舎東 2028 2043 RC 3,112 11 1968
⼤⽯南⼩ 管理・特別教室・体育館 2028 2028 RC+S × 2,115   1973
中央⼩ 体育館 2029 2029 RC+S × 524   1974
東⼩ 管理・南校舎 2029 2044 RC 3,525 18 1969
東⼩ 給⾷室 2029 2044 RC 299   1969
太平中 管理・南校舎東 2029 2029 RC × 2,131 10 1969
平⽅東⼩ 特別教室・体育館 2029 2029 RC+S × 1,482   1974
平⽅⼩ 管理・南校舎 2029 2029 RC × 3,149 17 1969
平⽅⼩ 給⾷室 2029 2029 RC × 394   1969
尾⼭台⼩ 南校舎 2029 2044 RC 1,204 5 1969
尾⼭台⼩ 体育館 2029 2029 RC+S × 672   1974
原市南⼩ 管理・体育館 2029 2029 RC+S × 1,469 0 1974
⼤⽯⼩ 管理・南校舎 2029 2044 RC 3,154 16 1969
鴨川⼩ 管理・体育館 2029 2029 RC+S × 1,287 0 1974

 

つづく

 

2022年8月15日 (月)

6大倉庫で39万㎡と街中の住宅供給

一気に6大倉庫で39万㎡と上尾の転入超過のつづき

注 タイトル変更した。2023.3

前記事に書くつもりが長くなるから分けた。SNS流行りの当節、ブログは千文字が限界だろう。それは、日本GLP記事のアクセス風景からの反省だ。その古い記事に今頃一日100件もくる。理由は、現地が外壁を取っ払って丸見えにしたためだ(普通は見せない)。

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道行くドライバーが、一体、何造ってんだ、って検索するわけだ。100%スマホの日もある。スマホはパソコンとは異なる表示となり、長文では疲れるためサイトを離脱しやすい。読みやすくするため、記事を短くした。ちなみに、本ブログの"市政ネタ"をPCで見る人は、在宅者(特に高齢層)や上尾市役所、議員等である。

ところで、35万㎡と書いたばかりなのに、また新しい倉庫ができて39万㎡へ。

物流倉庫 延床面積㎡ 敷地㎡ 竣工
アマゾン上尾FC 91,245 ? 20/秋開業
ロジスクエア上尾 19,520 12,700 19/春
ランドポート上尾1 56,884 29,054 21/11
ランドポート上尾2 76,751 31,221 22/5
Landcube 上尾 37,128 5519.81坪 22/11
日本GLP上尾 105,000 46,000 24/2
386,528    

 領家のアミダヤマゴルフジョイという練習場が閉鎖し、CBREという大手外資の不動産会社が「Landcube上尾」を建てた。周囲には住宅が多くて出入りが大変そうだが、空き地ができると直ぐ買い手が現れたのは立地特性の良さなのだろう。なお、倉庫火災は手が付けられないから防火点検には市も責任もって関与すべきだ。

●二軒のパチンコ屋が廃業。コロナ禍のためか

 東口駅前の店はスポーツジムになった。射幸心からフィジカルへの変異は健全だが、ジムも乱立気味。ゼクシス上尾も苦労している。

下は緑丘にあったパチンコ玉三郎上尾店の解体風景。ボーリング場もあったらしい。

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建設重機がガンガン壊す風景って、小さい男の子にはたまらない。この時も二組が見ていた。

で、建築条件の無い土地分譲になった。上手に30坪に切って、28区画。駅徒歩圏としてはまとまった物件である。2480万円~3180万円らしいが、詳しくはトラスト社へ

パチンコ屋が消えても困らないが、事業者が消えるのは街の活気の無さである。勤め人ばかりでは街はもたない。

●上町の朝日ハイツ解体

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 老朽化した4階建てのアパートは誰も住まなくなってから随分たつ。マンションと思っていたが、駐車場だった。こんな低層住宅地にニーズがあるのだろうか・・・様子見なのかも。

 ここは、南面に遍照院がある。古い寺は水がつかない土地に構えるから、市内では高所だ。と言うのは、低地の原野を墓地に化けて財を成した宗教法人がいるからだ(某霊園は台風で水没した。先祖に合わせる顔が無い、或いは知らぬが仏( ゚Д゚)。

 実は界隈には老朽した鉄筋アパートがまだあり、最後は外国人に住まわせたりする。地震で解体費を浮かせたいのかと思う位で、危ない。

 最近、手離される相続物件が目につく。敷地が広いと、3つくらいの家ができる。かくして転入は増えるが、密集地みたいになり、緑地は減り、良い街並みとも言い難い。そして、その次の世代はどうなるのか、なんて考える余裕もなくなる・・・。近所に気になる広い駐車場がある。家主が亡くなったのか、草ぼうぼうで契約車もまばら。

 なお、昔よりも、狭いけれど駅近の戸建てが得やすくなっていることは確かだ。 

●上尾駅前にはマンション適地はまだある?

建設中のマンションは小ぶりになったが、西口にはまだ候補地がありそうだ。

・旅館秀月の跡地、レーベン上尾 THE MARKS FRONT、42戸、宮本町・駅4分は完売とか。

プレシス上尾愛宕、36戸、駅10分

・東口駅近の旧中に面した100坪の土地に10階建て賃貸マンションの計画。30戸。背後にある分譲マンションは辛いよね。

 郵便受けに、「自己資金0円、ボーナス0円、引越代0円」というチラシがあった。「購入から入居まで一円もかかりません!」とも書く。

 そんな客を相手にするようでは、0金利バブルだ。

 

 

 

家をつくるなら♪上尾市。年少人口の転入超過は県内2位

都合の良い真実。マイホーム取得の穴場、あげお。

関連 こたつ記事を使う礼賛広報の危うさ

広報広聴課が伝えない「都合の良い真実」というべきか、ここがイチ押し上尾!を書いてみる。なお、広報では「異動人口」と書いていたので、その職員を人事イドーしよう (^^♪

既に、上尾市の転入超過が増えていることは書いてきた。去年は全国で21位(推定)だが、それは新規陽性者数みたいにあまり意味のない値だ。大事なのは、その年齢内訳にある。総務省の人口移動統計で、5歳等級別の転入超過数が分かる。なお、その値は統計あげおとはやや異なる。

住民基本台帳人口移動報告 2021年結果 総務省

 少子化の中にあって、子連れ世帯をどれだけ呼び込めるかが自治体間競争のキモであり、勝者は「子育て世代に支持された街」と誉めそやされる。その指標の一つ、年少人口(0~14歳)の転入超過数について、県内での上尾のポジションをみた。なお、人口126万人のさいたま市は”区”に分割して比較対象とする。

19年、上尾市は126人で県内11位だった。転入超過なのだから、そもそも良い方である。

20年はコロナ禍だが、元の超過総数が1372人へ増えた。うち、年少人口は316人で一気に4位へ躍進した。

21年、総数は1936人へグンと増えた。前年二位の川口市は1964人で大幅に失速していた(若者は増えても、中高年層は転出超過である)。そして、上尾の年少人口は299人で3位となった(市順では2位)。

2019年 2020 2021年
緑区 緑区 緑区 507
浦和区 浦和区 浦和区 334
西区 岩槻区 上尾市 299
見沼区 上尾市 見沼区 295
越谷市 見沼区 大宮区 268
加須市 西区 岩槻区 207
 前後を、さいたま市のに囲まれ、合併はできなかったが転入者からは類似エリアとして見なされ、"さいたま市上尾区"と言わんばかりだ。ちなみに、緑区の輪郭が上尾市の蝶の形とそっくりという大発見をした。 (追記 21年、65歳以上の転入超が全国18位というのは気になる)
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 反対の、ワーストをみると、川口市(▲328人)、和光市(▲266)、戸田市(▲243)という人気市が並ぶ、意外な顔ぶれだった。南から北へのシフト現象かもしれない。

 国内では、子育てするなら「東の流山市、西の明石市」と呼ばれるほど二つの市は有名だ。そこへ割って入るのはおこがましいが、子育て自慢には転入増だけでなく出生率の高さが必要だ。「母になるなら流山市(出生率1.55/2020)」や明石市(1.7/2018)と比べると、1.22の上尾市はムリだった。

その明石市というと将棋倒しの大惨事を思い出すが、近年は良い面で有名だ。泉市長の発信力と政策によるものだが、位置的には、人口29万で隣に神戸市、その先に大坂(梅田)というロケーションだった。つまり、時間距離では、さいたま市とその先に東京・新宿がある上尾市と似たベットタウン市である。

そして、令和の三年間に限れば、上尾の方が転入超過数は多い。つまり、出生率が低くても、子供持参で次々に来てくれれば、カネのかかる支援をせずに済んで楽である。つまり、ファミリー人口獲得のコスパは上尾市が日本一かも。そこを広報は、もっと自慢すべきだ (^^♪

市政を褒めているのか、貶しているのか分からなくなったが、ムリな差別化やバラマキ的な子育て支援策をとったわけでも無いのに、成果を得たのは凄い。しかも、増えた理由(文末)を行政自身が地の利と認め、自らの政策を手柄としていないのは正直である。

でも、昔からの宅地開発(供給策)の種が官民でタイミングよく実ったということは挙げても良い。多分、緑区も似たようなものでは無いだろうか。緑区は上尾の半分の人口で年500人とは、それはそれで別次元の心配をしていた。緑区美園エリアは教室不足を解消し、小学校と中学校が相次いで完成した

 ♬ 家をつくる~なら ♪ 安くつくる~なら ♪ あげおし~♬

 でも、来年から転入が減ると、

コロナのおかげ、と言われる (>_<)

次の記事へ 

参考(クリック拡大)

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2022年8月 8日 (月)

どこから上尾市に転入し、どこへ転出したか

南からファミリー世帯が越してくる街!? 

去年、上尾市の人口が23万人へ到達したことを、「ここがイチ押し」と広報が自慢していた。首都圏での立地、住宅価格、宅地供給、さらに市政策も(?)奏功したのだろう。ありていに書けば、人口勝ち組の県南エリアに属したのだ。

人口動態を見ると、21年度は約千人の純増だ。理由は、大幅な自然減860人(出生-死亡)にも拘わらず、バブル期に迫るような転入超過1850人によるものだ。

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今後も少子高齢化により自然減は増えるが、景気の落ち込みや金利上昇が無ければ転入超過を維持できそうだ。なお、本稿は、学校統廃合の一環で書いているので、繰り返しとなるが児童生徒のピークは1980年である。

さて、一年間に1万人が上尾市に来て、8-9割が去っていく姿をみていると、一体どこから来て、何処へ行くのだろうかと興味がわく。

 5年間の地区別人口増減 

 次表は、住民基本台帳ベースの直近5年前比である(2017/1/1~22/同)

地区名 5年間の増減人数
大谷 2,092
上尾 1,649
原市 112
上平 -263
平方 -518
大石 -657
総計 2,415

更に、住居表示で増えた順を示してみたが、大谷北部では町名地番変更があったので、正しい比較はできなかった。特に1~4位が新住所エリアだ。比較可能な上町ニ丁目は、190世帯のマンション竣工が寄与したのだろう。減った住所地は省略した。

順位 地区 町丁字名 増加
1 大谷 壱丁目南 1074
2 大谷 壱丁目東 974
3 大谷 向山五丁目 837
4 大谷 壱丁目北 747
5 上尾 上町二丁目 637
6 大谷 西宮下一丁目 282
7 大谷 大字大谷本郷 257
8 大谷 壱丁目西 250
9 上尾 大字上尾村 249
10 大谷 今泉四丁目 236

 

新市民はどこから来るのか?

それを紐解くのが国勢調査データだが、市のサイトでは知らん顔、統計あげお でも分からない。国のe-Statへ行ってもそう簡単に抽出することはできない。しかし、埼玉県庁が去年公開したツールを使うと分かる。

23Mbの巨大なExcelファイルは、VBAを使わずデータ関数式のみで構築した優れモノだ。これは、2015年の国勢調査のため、2010年との変化を見ている。なお取説は無い。

●全国の市区町村別移動人口見える化ツール

 年齢別の純移動(転入-転出)

純移動
0-9歳 156 169 325
10歳~ 70 131 201
20歳~ 209 409 618
30歳~ 317 90 407
40歳~ 83 169 252
50歳~ -42 110 68
60歳~ -81 31 -50
70歳~ 44 46 90
80歳~ 11 -6 5
767 1,149 1,916

  元は5歳階級だが、10歳別にまとめた。20代、30代が最多世代となり、9歳以下も多いためファミリー世帯の純増と思われる。どの自治体にとっても一番来てほしい層である。

 なお、幼児が5年間で一校分(325人)増えたからと言って、学校統廃合の問題が解消されることはない。人口の偏在というエリアの問題であるからだ。

何気に、昔から若い世帯の転入が多いことで有名な伊奈町を見てみたら、80代以上が最多だった。高齢者施設が多く開所したとか・・・?

  上尾市への転入は、さいたま市・川口市など南から 

順位 市区町村名 純移動 転入者数 転出者数
  1,916 24,052 22,136
1 さいたま市 北区 265 1,426 1,161
2 川口市 170 669 499
3 さいたま市 桜区 142 296 154
4 さいたま市 見沼区 140 977 837
5 熊谷市 129 379 250
6 さいたま市 南区 112 404 292
7 下関市 109 115 6
8 練馬区 86 193 107
9 蕨市 84 172 88
10 深谷市 72 182 110
11 北区 67 244 177
12 足立区 59 184 125

 上尾市から転出する人は、より北へ?

順位 市区町村名 純移動 転入者数 転出者数
1223 蓮田市 -28 369 397
1224 豊島区 -28 101 129
1225 中央区 -31 10 41
1226 日野市 -32 13 45
1227 北本市 -38 569 607
1228 さいたま市 西区 -40 484 524
1229 加須市 -60 161 221
1230 白岡市 -61 111 172
1231 鴻巣市 -68 472 540
1232 久喜市 -70 293 363
1233 伊奈町 -338 607 945

伊奈町、恐るべし!。市民から町民になっても気にしない人が多い…

もうじき、2020年の国勢調査を組み込んだツールがでるので、改めて比較したい。

つづく

 

2022年8月 6日 (土)

上尾市のコロナカレンダー・随時版

 

下図のみを8/13まで更新済み。


Photo_20220815210601
 
 
上尾市は、金曜日分は休日明けになっての発表だが、人口類似規模の草加市役所は、金曜分までを報告してから帰宅するみたい (^^♪。またカレンダー方式だった。
  
いろいろですね。
 
みんな違って、みんないい ?
それよりも、
 
人類は
 コロナに
  勝ったのか?
   負けたのか?
どっち。
 

2022年8月 3日 (水)

上尾市の小中学校別_児童生徒数は?

「上尾市学校施設更新計画の基本計画」から、小学校・中学校の人数を見る。

目次メニューへ

 学校と人口の三つめの記事です。一回目は、人口推計をみて「こんなに減るわけない」という市民と「こんなに産む」というノー天気な市政を取り上げました。

 二回目は、地区別に全年齢人口と0~15歳の増減、そして人口再生産の元となる女性人口を見ました。で、気付いたのは、上尾市の人口維持に寄与する「大谷」と減少著しい「平方」は隣り合うのに、なぜそうなったかも書きました。

今回は更に進めて、学校別の人数減少を示します。が、その前に、先日でた過剰見出しのニュースについて…。

小中生、10年で100万人減少 346自治体は30%減少

上は2010~20年の比較です。上尾は▲13%とマシですが、ニュースは片手落ちだと思いました。学校基本調査によると、同十年間で公立小中学校は▲10%の3187校が消えました。年間320校の廃校です。そのような自治体は学校統廃合なんか終えて、今は水道施設の維持が悩みだと思います。誰でも水は飲むでしょうから。 

さて、基本計画のp13では2055年までの児童生徒数の推計があり、そこから現在(20年)と55年の二点をグラフにしました。

1 小学校の22校、平方東小と中央小

Photo_20220803182801

減少が当たり前の中で平方東小のみ増加です。平方の名前を冠していますが、(太平中と同敷地で)平方の端にあるため、通学区の殆ど大谷地区です。通学区はアピマップで見られますが、下はネットからの拾い物。


Photo_20220803182802

 同小は、開校時に千人弱もいましたが2000年に入って200人を割りました。5年ほど前から増加へ転じていますが、それでも十年後の400人弱が限界のようです。他では、中央小が横ばい予想です。

 グラフの下限値246人とは「基本方針」に書いてありますが、最低でもクラス替えできる2学級とすると『12 学級』、それには最低でも学年41人と定義します(2クラスだと20人)。これを【許容できる最低規模の基準】と呼ぶものの、それほど厳格な値ではないと思います。

2.中学校の11校  

Photo_20220803183901

 全ての中学校が減少予想です。中学校の246人の根拠も同方針にあります。

3 大谷地区の人口が増えた理由 

 首都圏のマンション価格は高値圏です。上尾は戸建て需要の方が多いですが、今の若い人たちは低金利しか知らないので、本格的に金利が上がりだすと耐えられるでしょうか。

 さて、上尾市の地域別の人口変化をもたらす理由の一つを、本計画書で発見しました。それは、地域別の宅地開発の面積推移です。平成時代に一番広がったのが大谷地区です(下の緑色)。上尾道路の交通利便性やアリオ開業も生活利便性を高めたと思われます。

Photo_20220803184601
結局、人々の選択の結果です。
つづく
 

2022年8月 1日 (月)

行田市・古代蓮の里とスマホ熱中症

原市に住んでいる友人がスマホで蓮の写真を見せてくれた。

自転車にのり、見沼何とかいうサイクリングコースで片道二時間かけて見に行ったという。この暑い時に、と思ったが、スマホの写真はとてもきれいだった。

古代蓮の里サイトを見て、もう時期が遅いと思ったが先週車で出かけた。ピークは7月中旬、早い時間帯が良いらしい。一面に蓮の花というわけにはいかず、寂しい光景は覚悟していたが、それでも見られて良かった。

Dsc_0746-1

結構な車が来ていた。この期間は有料駐車場なので、園の維持費に当てられるのだろうか。

大きな塔があったが、遠くはかすんで見えないだろうと思い、昇らなかった。直売場には珍しい農産物もあったので買い物した。

Dsc_0756

それにしても暑かった。スマホで写真を撮っていたら、内部温度が高くなりすぎ、バッテリーは許容範囲を超えたらしく、しばらく撮影不能になってしまった。

今まで無かったことだが、iPhoneの人は涼しい顔して撮っていた・・・( ゚Д゚)

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来年は、ポン、ポンという開花の音を聞いてみたいものだ。

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