紅花保育園-1 突然の閉園と理由に想うこと
2023年3月閉園の予定
関連 2 騒動に見る世の理不尽 3 決算から見える姿
文末に、待機児童減少と需給(毎日新聞)
8/25の埼玉新聞に出ていた。まとめると・・・
上尾市久保にある紅花保育園が突然、来年3月閉園を宣言したために親たちが動揺している。(最近、保育施設の急な閉園が社会問題化することがあるが(文末)、いよいよ上尾市でも起きた)。
1978年から44年間も継続してきた市内最古の私立保育園、評判も良かったとある。今も0~5歳児82人がいて、66人は来年も通うつもりだったが半年後には転園を余儀なくされる。
母体の社会福祉法人たてば友愛会(須田理事長)によると、「保育士不足で子どもの安全を保証できない」が理由らしい。背景には、昨年末に給与賞与の未払問題が発生し、職員が大量に退職し、その後、非正規職員などで業務を行ってきたという。
突然の閉園通告に、親たちは上尾市保育課へ駆け込んだ。市は間に入り、調査や話し合いをしているが、理事長の意思は固い。市によると、決算上では経営の悪化は認められない。保護者会は署名を集め、存続か閉園延期等の要望書を提出した。
気になったのは、本当の理由がよく分からないことだ。給与不払いは資金繰りが原因と思うが、市は「経営悪化は認められず」と語る。園HPにある決算書は2018/3しかない。そんな、お古をぶら下げても補助金がでる世界に驚いた。
失礼ながら、ある事から、”本当の理由”は、他事業をしていて、そっちの補てんで撤退か土地売却がしたいのではと想像していた。
で、5年前の古決算書を見た。
保育事業で年1億6百万円稼ぐものの人件費が80%もあって驚いた。これは社会奉仕事業なのだと思った。結局、最終▲700万円の赤、累損は▲4千万円ほどだった。
しかも、無借金経営なのでムリな投資をした節は無い。たぶん、スタート時の資本から初期投資の土地建物を除く1億円ほどが運転資金の元だったかも知れず、近年はそれを少しずつすり減らす状態になった、と想像する。コロナ禍を理由にするならば公言できるが そうはしていない。僅かな数字の断片からの読後は、「もう疲れた」という境地に達したのかなだった。もちろん、簿外については知りようがない。
果たして、「二年後に閉園」と宣言すれば正しいのだろうか。そんな短命な園に新規に預ける親はいないから、その年は片肺飛行となり、職員解雇か人件費分が赤字となるだけだ。気の毒だが、民間が参入する事業には常に何らかのリスクがある。と言って、公が再び担えばよいのかは悩ましい。全市の9月の空き状況はこちら。
議員が報告するのは需給人数のみだった。閉園後の上平では1~2歳が37名、3~5歳が52名分不足するらしい。ちなみに、市は「園児が路頭に迷わないように」と新聞社に語り、海老原議員は「親が路頭に迷わないように」と書く。えらい違いだが、市保育課が迷っている事は伝わる。
- 急な閉園問題
市立平方幼稚園が何年もかけて漸く9月末にフェードアウトする。撤退のハードルが高くカネもかかった。先立つこと20年春には築48年のしらこばと保育所(定員80人)が手抜き工事と判明し、即、休園から閉園したときはす速かった。コロナでそれとごろでは無かったのかな?
さて、最近、上尾市への若い世帯の転入増が増えたが(こちら)、まぐれでは無く政策成果として持続させ、かつ民間撤退時のバッファーとしての公立保育所は正当な理由になる。しかも収益対応事業だ。投資と維持費がたいへんならば、近隣市から子育て世帯を奪う覚悟で取り組めばよい。実は議会で否決された畠山氏の上平複合施設計画だが、保育園は最初から計画に入れなかった。
つまり、どうにもチグハグ感が漂う市政なのだが、今回、(指定管理みたいに)紅花を市が何年間か肩代わり乃至は第三セクター化したらどうだろうか。
なお、最近問題視されるのは、通知が閉園の1~2週間前とかいう悪質な例である。規制緩和により参入障壁が下がって、おまけに閉園のハードルも低いから、儲からないと逃げ出す「業者」がいるらしい。これって、待機児童が解消になりつつある前触れなのだろうか。
そうなら、少子化が深刻と言うことで喜べない。
・朝日新聞 つくば市 突然閉鎖した保育施設、自己破産
・東洋経済 印西市 保育園が突如閉園、広がる保護者の困惑と不安
追記 毎日新聞 待機児童数、過去最低…保育所増設など影響
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