上尾市もデータセンター候補地なのに…
倉庫が似合うと言われたわけだが、つくば市、印西市への集積はリスクに反する
金曜、グーグルが24年度までに1000億円の投資をすると発表した。データセンターを千葉県印西市に建設中だが、Googleにしては小投資なのに、この程度で喜ぶ岸田総理の姿にやはり日本はIT後進国なんだと実感した。そして、これと似た気分というか既視感を思い出した。
去年末のこと。日の丸半導体と言われた日本が、後発の(IMFに助けられた) 韓国に追い抜かれて久しいが、もっと後発にいた(チョー自助努力)台湾TSMCが今ではサムソン電子を技術面で追い越し、時価総額ではトヨタの倍である。で、そのTSMCが熊本に8000億円で工場進出するニュースをみた。
地政学リスクも考慮した国の補助金付き誘致策の成果だが、作るのは先端品ではなく、十年前の世代品(12ナノ)だという。カネを出しても、日本は先端需要先ではないと見られていた。
都心との距離感では上尾市と似た印西市は人口が増えており、住みよさランキング一位自慢の市である。Google進出で更にイメージアップになる。どれ位のハイテク人材が集まるかは分からないが、ジェントリフィケーション(高所得層の流入に伴う地域の高級化)が起きるかもしれない。
で、上尾市の話しだけど、コーセー化粧品の跡地が未定の頃(イオンの所)、データセンターがイイと8年前に書いた。たいした根拠は無かったが、「データセンター:次の集積地はどこか?」という専門家記事※1に、上尾市も候補に入っていたのだ。そこに書かれた好立地の条件とは、
① 6万ボルト以上の特別高圧による受電を確保可能 ② 東京または大阪の中心部から50km圏内 ③ 自然災害リスクが低い |
電力消費は既知だが、通信環境の良さとして、既存のデータセンターがある所(集積効果が得られる)や人口密集地(エンドユーザー)に近い方が良いとある。また、国際データ通信増にともない、海外と結ぶ海底ケーブル陸揚げ局までの距離も重視されるとある。
そして、かつては都心に集中していたが、大型化に伴い地価が安くて広い敷地の郊外へと代わっており、そうした候補エリアの中に埼玉県内では上尾市も含まれていた。クリック拡大 ※1より引用。
記事を読むと、最近の千葉への集積は素人ながら度が過ぎると思う。『卵は一つの籠に盛るな』はリスク回避の鉄則であり、分散立地が良いはず。埼玉県庁はそういう発想で誘致してほしい。
一方、最近のブログで、上尾市に6つの大型物流施設、計38万㎡の床面積が増えたことを書いてきた。

圏央道開通による埼玉県内での物流倉庫の建設ラッシュの余波である。上尾道路と共に恩恵を受けたのは結構なことだが、それを担う国内や外資デベロッパーはロジスティック事業だけでなくデータセンター事業もやっている。引用記事のソースは領家にきたCBRE社のものだし、横浜ゴム跡地に来た日本GLPも同じである。
つまり、上尾はデータよりもソーコが適していると分析したわけだ。
個人的には ガッカリしている。もう、ソーコはイラネ。
※1 アットダイム 建設ラッシュの印西市など・・・地方都市へとシフトが進むデータセンター
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