上尾市の人口増加が止まり減少へ転じた年と死亡者数
市民課からの回答に当惑と深謝。
関連 人口問題のメニュー 23.3/25: 最新値として下記グラフを追加。本文は過去記事のままです。
出生数の減少ニュースは耳タコだが、朝日新聞が推定記事を出した。
今年は初の80万人割れで、77万3000人らしい。国の想定より11年も早い減少ペースという。そもそも前年比-4.8%とは減り方が恐ろしい。
そこで、上尾市はどうかと尋ねたが(詳細は後述)、本当に知りたかったのは死亡者数の方である。実は、町会内で亡くなった方への弔慰金の件で、役員と話したとき、今年は例年になく多いと言っていたからだ。
下記の回答は11月までの人数である。
1月~11月 | 出生 | 死亡 |
2021 | 1,385 | 2,125 |
2022 | 1,334 | 2,310 |
前年比 | -51人 | 185人 |
高齢化が進むから死亡数が増えるのは当たり前だが、今年は前年比で9%増えそう。もうじき前年比一割増というペースに入っても不思議はないが、その辺りは、つつじ苑が計算済みだろう。
赤ちゃんの数は一日4人で、近年は1480±5人ほどだから、今年の減り方は目立つ。(12月分は先行指標となる妊娠届数で推定できるが、担当が異なるので求めなかった)
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さて、市人口はと言うと、10年ほど前は持ちこたえていた感があり微増を続けていた。が、ここ数年は目に見えて増え、23万人達成を市政が自慢したばかりだ。
それが、つかの間の自慢話になりそうな気配だ。
なお、ここでの人口とは住民基本台帳の数のこと。都市周辺部では住民票を移さずに転居する人(若者)がいて、実態はこれより数千人は少ない(正確なのは国勢調査)。何を隠そう、我が家も都内に上尾市民がいる。住民税を上尾市に払い、ヨソに住んでいる「市民」は貴重であり、人口の一割位がそうなると楽だ (^-^?)。
で、久しぶりに人口推移表を見たら、いよいよ人口減少の兆しが見えていた。12/1日の値。
12/1 | 総数 | 対前年比 |
2015 | 227,964 | |
2016 | 228,088 | 124 |
2017 | 228,504 | 416 |
2018 | 228,547 | 43 |
2019 | 228,804 | 257 |
2020 | 229,502 | 698 |
2021 | 230,483 | 981 |
2022 | 230,301 | -182 |
累計= | 2,337 |
コロナ禍における市人口増加の理由は以前書いたが、旺盛な住宅需要による転入増だ。今年は開発物件が減ったのだろうか。来年からは、(異常な)低金利時代の終わりによる下押しもあるだろう。
ともかく、2022/12月は前年比▲182人と(初の?)人口減少となった。
ただでさえ少ない赤ん坊がじわじわ減り、高齢化社会で死亡数が一割位増えて行ったら、年間千人超の自然減となる。それを補う転入超過がないと23万人はコロナバブルだった、となる。
さて、表は2015年からの7年間で、この間に2337人増えた。内訳の自然増減と社会増減(転入-転出)は省略して、外国人の要因を上げたい。
この間、外国人が1836人増えた(12/1で4428人)。つまり純増分の8割は外国人増による(主に転入だ)。今は、ざっくり人口の50人に一人は外国人であり、コロナ解禁のために秋からの増え方が目立つ。
●市民課からの回答に当惑と深謝。
毎月の出生数と死亡数はホームページには無いので問い合わせた。情報公開ではない。
しかし即答できなかったので、驚いた。
てっきり、毎月締めているとか、データベースからちょちょっと抽出集計できるだろう、位に思っていた。理由は分からないが、こんな単純なデータが即答できないことに驚いた。
なので、メールアドレスを連絡した。
そしたら、夜9時半に回答(先頭表) が来て、目を疑った。数日後に来ればマシと思っていたからだ。市政開闢以来の出来事かと思う位、感動した。
同時に、当惑もした。
そもそも、残業までやって回答して欲しいとは思わなかった。管理職がやっていたら残業代はつかないが、それでも少し辛い目に合わせてしまったという気になった。ありていに書けば、たんなる知的要求のために、公金を数千円とか数万円(税金支出)も費したらイヤだろう。
混迷した図書館問題の頃に見聞きしたことがある。
度の過ぎた負荷をかけて回答を迫る人がいたが、その成果物に公益性があったかは不明だった。行政に負荷をかけることはイコール公的資源の消費である。独りの狭隘な自己満足のためだとしたら釣り合わないどころか私物化になる。
公益性というアウトプットを熟慮することも市民には求められる。権利意識も過ぎれば独りよがりなのだが、当人は「どんなもんじゃ位」の気だったと見えた。
そんな意味で、残業までしてもらう質問では無かったが、感謝の意味で取り上げた。もし、上の出生死亡のデータに価値があれば幸いである。
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