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2023年3月19日 (日)

学校統廃合パブコメにみる多少派と海外出羽守

サイレント・マジョリティは筆記し、ノイジー・マイノリティは怒る!

目次メニューへ  最新版学校施設更新計画基本計画の改定

 最近は、「上尾の経済」の方が関心を集めており、去年のアンケートの衝撃結果を最後に、「学校統廃合」の関心は薄れています。唯一「年250校廃校する日本」が安定して読まれますが、市外からです。

というわけで、今頃に気の抜けたパブリックコメント応募文の公開です(末尾に)。一般に、応募は反対者が多く、中には反対のための反対意見もあります。なので、サクラではない建設的な視点で出しました。なお市サイトは応募文の報告のみで、回答作成中のようです。

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 ●上尾のパブコメが多くなった背景

学校統廃合は全国各地にあり、だいたいパブコメ募集をします。まずは上尾の結果です。

実施期   応募人数   件数  メール率  テーマ
2021/1月  137    420  20%   学校施設更新計画…(案)
2023/1月    96    373  33%   今回の 〃 (素案)

件数よりも人数がキモです。今回は96人へ30%減りました。一方メール率が増えたことから、出すのが面倒な方が離脱したと想像します。それでも市が警告した出せ出せ運動があったように、相変わらず多いです。深い比較はしてませんが県内では最多な方でしょう。

・埼玉県公立高校の統廃合 1期計画に54人・109件、2期に93人・211件
羽生市の統廃合 小学11と中学3を40年後までに義務教育学校3にする計画の1回目は1人・2件、2回目は 4人・28件
熊谷市の統廃合 小学校30、中学校17を44年までに小学校19、中学校10校へ(18校減)。既に2校は人数減少で廃校予定。2018年の意見 7人・11件
  • 近年の急増は、住民参加というより党派性の強さ?

かって上尾の世論を沸かせた図書館移転問題の初期、2014年のパプコメは35人・122件でした(上尾地区57%、メール率43%)。その後の図書館サービス計画でも21人・95件ですから、いかに本件が多いか分かります。

選挙の投票率は他市並みですから、住民参加が熱心という理由ではありません。また、他のテーマで行ったパプコメはスカスカです。また、少子化エリア内から多く応募されたとも思えません。メール率の低さからSNS効果もありません。

共産党は当初から反対し、前回は、秋山もえ県議が反対のためのパブコメ提出を呼び掛けていたので、政治的な運動効果なのでしょう。市政最高と思える420件も来た日には担当者も逃げ出したくなったとか…。

政党や市民活動としては自由ですが、団体としてまとめた方が類似意見が分散するよりも効果的と思います。まぁ、それは余計なお世話かも。なお、本件とは別出ずか、人口比では県内どころか全国上位と思える数で特定部門を過負荷に追い込む問題があります。それはまたの機会に。

●再びアンケートから教員とサイレント・マジョリティ(物言わぬ多数派)

全体の再編必要系が68%、不要系13%を圧倒して5対1です詳しくはこちら

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特筆は教員の支持率が最多なことです。日教組という連想から意外でしたが、それは古いと怒られそうです。教員不足や働き方改革の問題から当然なのでしょう。

ランダムに一般向けを募ると回収率が下がって高齢者に偏ります。今回も選挙並み35%となり、60歳以上が54%を占めました。でも「必要」がとても多いのは意外でした。反対運動に高齢者が目立つ一方、高齢者のサイレントマジョリティはもっと多いのです。

若い保護者らの回答は予想通りです。当事者なので「反対」に傾くよりも不安を抱く人が多いと思いますから、市の対応策次第で更に理解を得ることが可能です。ただし当事者意識は子供の卒業と共に薄れます・・・

繰り返しますが、ハブコメや公聴会(高齢者が多いと聞く)には反対者が集まるために反対意見が多数派となります。しかし、一個人の発言であって全体の反映ではありません。そこだけ見て「皆反対だ」と言う方はいませんし、いたら対比概念としてのノイジー・マイノリティです。

とにかく全員賛成は有りえませんから、少数意見を尊重しつつも多数の総意へ進むのが民主的です。

●パブコメに想う

ロクに調べもせずに書いたり、もっと早く知らせろ、告知が足りないと怒る方はいましたか? そもそも長期プロジェクトを、いきなり『どうする?』と問うはずはありません。わが身、わが地域の損得にならないと無関心なのが人情ですからその批判はしません。そもそも2018年には問題提起をしています。

また、市民が土曜に来なかったことを非難するのはお門違いです。過剰待遇(大ホールで二回)しても、関心がないから来ません。ポイント付ければ別ですが…。当方が指摘した狭い部屋で一回なら、"狭い部屋で集まりにくくするのか"とクレームが来そうです。

  • 学校規模が何人がいいのか、の学問的結論はない

かの図書館移転問題では、図書館のあるべき姿という純粋論よりも、市長の私物化だ、地域エゴだ、ムダな公共事業だ、税金チューチュー等々、分かり易い反対論も目立ちました。しかし本件は、ゼネコンや政治家などが肥える案件では無いため、そうした不正批判は無いのです。つまり批判が難しいのです。

本件は「リソースの分散ができない時代への公教育の存続」がテーマですから、反対者は時代認識を否定するとか、「純粋な教育論」で反対するわけですが、正解や正義不正義の無いテーマです。それを教育専門家ではない市民が語っても、個人の感想や体験の域を出ず普遍性に乏しく、「あぁ、そうなんですね」で収束しません。

反対意見で多いのは、「少人数クラスの方が良さそう」です。しかし、定説となる(国内の)最適人数のエビデンスは無いみたいです。例えば、X県では、またはY市では、過去十年間25人学級を続けて学力が向上した、とかの成果報告を知っていますか? 或いは、人数の少ない辺地校ほど学力が高くなるという報告は?

「無い」から引用されないのです。

だから、フィンランドではの欧米例を持ち出す海外出羽守が現れます。最近の例だと、「フランスでは事実婚を認めて子供が増えたから日本でも」がそれ。

  • 親は子供に学力向上を願う

私も教育専門家ではありませんが、小学校での学力の一番の決定要素は「先生」です。そして二番目は無い、と言う位に先生(指導者)の影響力は大きいと考えます。

今回の素案に、教員問題を取り上げたのは遅ればせながらも大きな進歩です。

参考 (一部)

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