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2023年5月 2日 (火)

上尾の予算を語る市会議員と伝統芸

参考 上尾市サイト 当初予算の概要

市の税収額は過去の最大値325億円(2007年)に並ぶ水準へと回復した。リーマンショックから実に16年ぶりである。しかし、予算規模は当時より4割も肥大化して735億円、これはコロナ前年(19)より80億円も多い。よって、予算に占める市税割合は44%と低水準のままである。

(余談)
 上尾が草加市に負けた日・・・人口類似のために比較しやすい草加市が、ついに上尾市を上回ったという屈辱的ニュースをみた。102億円で耐震構造の10階建て庁舎を建てたのだ。しかし、屋上まで吹き抜けにしたのは、今まで風通しの悪い職場だったのかな・・・

-以下本編-

一つのテーマ(2023年予算)について複数の市議が書いていたので感想を交えて書く。

●井上茂議員62号で予算が734億円になったことと主な新規事業と予算額を短く紹介したが論評はない。詳しくは広報を見てねと言う感じ。

同じ会派の鈴木茂議員レポート13号では予算のポイントとして新規事業、特に教育系事業を取り上げたが市の文書のコピペみたいだ。なお、同レポートには三月議会の顛末が書いてあり、相変わらずだなーと思った。

読んで腑に落ちなかったのは、市政65周年で1246万円の式典の件だ。上尾はいちいち5年おきに式典をしているのだろうか? また、今年から伊奈町との消防事業統合がスタートし6.3億円増えたが、伊奈町からの委託収入分も開示しないと片手落ちだと思った。

上尾同志会の市政ニュースにも

上尾同志会は相変わらず尾花(新県議)のサイト内に間借りしていて独り立ちできない。その春号の紙版が郵便受けにあった。予算への論評をグラフ付で書いてあり、パッと見の印象は良い。

Photo_20230430184001

 予算額は過去最大と伝え、自会派が求めたいくつかが入ったと誇示する。でも、前年比較の同心円グラフは小さくて読めない。そもそも前年踏襲なので二年比較での差は目立たない。(下のウォーターフォール図のが良い)。

 それでも、予算編成の懸念点を指摘したのは他者にないことだ。

その一つ、不意に備えるための貯金(財政調整基金)を過去最大の32億円も取り崩したのは良くないから、もっと増収策をと書いている。それはもっともだが、その中身が定住促進や企業誘致で市民税増、用途緩和で固資税増と平凡だ。もっとリアルでないと、「きれいごと」と当局から笑われるだろう。

本気で短期で億単位を集めたいなら、ふるさと納税の拡大強化しかない。高すぎるインセンティブで寄付精神を歪めた悪法だが、集めたもん勝ちだから批判覚悟でやれば良い。
既にブリヂストンサイクルの電動自転車を扱うが、もっと低価格帯の車種(他社品でも?)やスポーツタイプをカタログに入れ込めないか! ヘルメットも義務化で追い風だから子供向け中心にデザイン性と高価格品へ品揃えを増やすと良い。
さらに、無形サービス(例、Vリーグ観戦券)とか上尾メディクス選手交流会とか、まぁ何でもありで探すべきだ。北西酒造も最優秀賞とったことだしね。
繰り返すが、集めたもん勝ちであり「出自」とは関係ない。悪法もまた法なりだ。
追記 21年分、寄付7.3千万-費用3千万=収支4.3千万円。他市へ流れて失った税4.37億円を引くと約4億円の赤字東洋経済より

さらに、水光熱費が4.2億円も増えて十億円になったと書く。そのデータに驚いたが、資源インフレと円安のためだから上尾だけの問題ではない。そして節電効果などタカが知れている。

むしろ、コロナ前の19年度と比べて80億円も多い水準を精査すべきだ。元々、何かを増やしたら同額の何かを減らすと言うオフセット(相殺)思考がないから増える一方である。

今年の膨らみの原因は何だろう。まだコロナ対策の継続があるのか? 或いは、インフレによるコスト増→価格転嫁→売上増→賃金増→税収増という連鎖によるインフレ影響なのか?(本来はインフレ増加分を開示すべき)。

 そうした上で、今年の予算をこう見るべきと思って書いたのが、冒頭の囲みである。

なお、同志会は貯金の役割を勘違いしていないか。長期または短期的な資金不足への備えが目的だが、現実には長短の区分は無いがため、ほぼ短期資金繰りの調整弁になる。それを上尾財政課は伝統芸とし、毎年、期首で大きく取崩し、支出予算は必ず多めに申告するから、期中に余りがでたら補正予算で積立し、期末まで復元するを繰り返す(今回の大幅取崩は下の収入グラフに示した)。

問題は復元できなかった時だが、緊急時という共通認識になると、(怖くて)ムダと言えなかった項目がムダと言えるようになり、原資になる。体脂肪をため込む人みたいだ (>_<)

●小池ゆうや議員レポート

同志会とは別に小池議員ブログに4本の記事があった。市の予算書やグラフを転載して、自分が書いた風なレポートにする議員が多い中、オリジナリティがあって良い。内容が拡散するので今回は省略するが、"ちょっとそれは無いだろう"のみを書いておく。

・法人税が少ないから市内事業への支援をという。具体的に何を求めるか分からないが、税を納められない企業の経営改善を公務員に求めてもムリ。追い貸しになり兼ねず、さらなる税の損失が膨らむ。

・歳入を少なく見積もり過ぎるとし、ヨミの精度を高くと迫る。近年のことだとしたらコロナ禍の経済混乱、ロシア侵攻によるインフレなど有事によるものではないか。そして、収入を堅く見積もるのは財政健全化の基本だろう。

・公立保育所でも先端的に英語やプログラミング教育をというが、子育て経験をしてから提案した方が良い…

●2023年予算の特徴をウォーターフォール・グラフで説明 

 2022との前年差異である。クリック拡大。

1 収入の部
 総額で38億円増えた増減要因を示す。市税の8億円増は近年稀なこと。増加が大きい繰入金は貯金取崩しのことで、借金返済が大きいために充てたと想像する。

2023

2 部門別の支出
 部門別ってあまり意味がないと思っている。(^^♪

2023_20230501005801

3 性質別の支出
 人件費のうち6億円は消防統合による伊奈町からの転籍だろう。扶助費は減らない。物件費の23億円増がやけに目立つ、一体何を買うのか上手に伝えて欲しいものだ。なお、下グラフは前年との差異のみだが、実額で見ると扶助費が全体の3分の一、235億円を占める。

2023_20230501010401
※ ペイアズユーゴー(Pay-As-You-Go)の方が適切かも。

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コメント

保育園ので英語やプログラミング教育、先端的すぎる。芦屋市じゃない。誰が教える?
仕事で英語を使ったのはアメリカの水産会社の代表が事業所に立ち寄ったとき、1度だけ。仕事以外で役に立つが・・。
楽しく英語を学ぶのは海外生活しないと無理でしょ。
市財政の運営は現市長でも大胆改革はできないだろう。それよりも、小池市議の略歴は異色です。
青森で幼少期生活とは親の転勤だろう。市長に近い東北魂(政治好き?)があるかもしれない。
仕事で東北に行く機会は結構あり、青森は陸奥八仙とか豊盃って日本酒がおいしい。田●は硬すぎる。
勤務先の上司・先輩で東北・岩手育ちの人は粘り強い。小池氏にはちょっと期待できるかもです。
青森市内であれば上尾よりも生活環境はいい(冬場の雪を除く)魚もおいしい。物価も安い。

小池さんが、上読んだら泣いて喜びそう。
まぁ出自はともかく、基礎的能力があるので財政まで触手を広げたと思う。議員は何もしなくても任期務まるけど、左右問わず専門性の無い人が多い中では目立つ。

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