出生数と死亡数、母年齢、第何子、初婚年齢、死亡率ワースト県
人口減少は予約済みなのに、子育て予算爆増で赤字が増えても赤子は増えず
6月になると厚労省から人口自然増減が発表される。最新の2022年版概要の2ページ分をチャットGPTに要約させた。令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況
出生数は減少傾向であり前年比で約4万千人減少し77万人と初の80万人割れになった。特に、母の年齢別では45歳以上の出生数が増え、他の年齢層では減っている。また、合計特殊出生率も1.26と低下した。 一方、死亡数は前年比で約13万人増え157万人となり、およそ100人に1.2人が死ぬ。死亡率も上昇し、死因はガン、心疾患、老衰の順だった。 自然増減数(出生-死亡)は全国で減少中である。死産数は減少し死産率も低下している。婚姻件数は増加しており、平均初婚年齢が上昇する一方、離婚件数は減少している。 |
400字内の指定だったが260字ほどでGPTの要約はまずまずだ。しかし物足りないため当方が加筆修正をした。というのは、お役所の統計資料の能書きは、増えた・減ったという上っ面ばかりで、コトの良否や背景には触れない。それは公平性の立場からと思うが、そうした建前が問題解決に向き合わない体質を生みやすい、と今回も想った。
結局、人口減少まっしぐらであり、出生-死亡の自然増減がブラスの県などあるわけはない。毎年、女性人口が減っているのだから、この先25年間の人口減少・少子化は御予約済み、と厚労省は書くべきだ。
少し違う視点で書くと、日本国の赤ん坊の8人に一人は東京産であり、埼玉・神奈川・千葉を含めると全国の30%、人口集積度(シェア)よりも高いのだ。
それは、なにも東京の出生率が高いわけでは無い。むしろ1.04と全国最低であり、周辺三県も1.17と最下位グループである。それでいて赤ん坊が多いのは、出産可能な女性人口が相対的に多いからだろう。
つまり、東京に人口が集まるほど日本の少子化は進むのがニッポンの定説である。
別の観点からも、防災や国防面からも狭い所に人(つまりは社会資本)が集まるのはヤバイ。人が住んではいけない低地や堆積土の上に(タワマンで)人を集める住宅政策は、江戸時代なら禁止されたと専門家は嘆く(プリンの上だと喩えた)。それでも集中するのは集団自殺行為に他ならない、とは決して書かない (>_<)
データはExcelでも公開され、比較的扱いやすい形式になっているので、いくつかグラフにして眺めた。
第1表 人口動態総覧の年次推移

このようなグラフの姿を「ワニの口」という比喩があるが、政治の無策の結果なので、「開いた口が塞がらない」が相応しい。または、顎が外れたとか・・・
第3表 出生数の年次推移,母の年齢(5歳階級)

母親の年齢構成である。昔は25~29歳が最多だったが20年くらい前から5歳上になっている。高齢出産とは「35歳以上の初産婦」のことだが、折れ線は「単に35歳以上の母親」の割合である。00年代初頭に急増した理由はなんだろう?
第4表 出生数の年次推移,出生順位別

グラフ右端は22年の77万人の内訳である。37年前と比べると、第一子は4割減、第二子以上は丁度半減だ。なお何度も書いているが、2015年でも完結出生児数は1.94なので、今低くても1.8レベルでは無いか。カネがかかるから子供を産まね、などというのは実態に合わず、造られた理由だろう。
少子化の真因は未婚率の上昇や晩婚化であり、既に子持ちの家庭にカネをバラ撒いても子供は増えない。塾産業や私学に吸われるのがオチだ。結婚までたどり着けない人をどうするかという問題と生産性の問題である。それを無視して大規模な子育て予算をやっても、赤子は増えず、赤字が増えるだけ。選挙目当ての衆寓政治を繰り返している。
図9 婚姻件数及び婚姻率の推移
婚姻は 50万4878組で微増。平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.7歳でともに上昇した。同年齢の最若は夫妻とも山口県、最も高いのは夫妻とも東京都で夫32.3歳、妻30.7歳である。概況のp14より引用。
第7表 死亡率の年齢・死因順位
悪性新生物〈腫瘍〉をガンと略した。死亡率は整数に丸め、色はこちらで付与した。但し書きが多いため詳しくは原表参照へ。
なお、死亡率は男女で異なり、中高年の男は同世代の女性の2倍も死にやすいのだと…。※シニアガイドより
参考表 糖尿病・自殺・コロナによる死亡率のワースト10県

高齢化が進むと病死は増えるが、宮崎県が上位にくる理由は分からない。秋田県は自殺率の高さを深刻に受け止めている。それらとは別に出生率の高さも併記してみた。これは家族観の在り方に依存するが、のきなみ九州がランクインした。
温暖化が進むと子供が増えるってか (^-^?)
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