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2023年9月の9件の記事

2023年9月26日 (火)

シニア就業率と不採用の理由+年金額

シニア世代向けの調査ニュースや統計を出すシニアガイド

最近の記事から・・・1130字/表除く

1 仕事をしている高齢者は「25%」

65歳以上で働く人の「就業率」は25.2%。高齢者の4人に1人は働いている。この値は世界的にも高く、上は「韓国」の36.2%という。

中身を見ると、60代後半(65-69)は51%で半分が働き、70~74歳は34%、3分の1が働いている。逆に言えば、60代後半からは半分が働いていない。収入は賃金から年金と貯金取崩というわけだ。

2 落ちた人はその理由を知らない。

Indeedのシニア調査では、27%の人は応募しても採用されなかった。記事の核心は、採用と不採用を分けた理由についてだ。

採用された人が一番にあげた理由は、「希望の待遇にこだわりすぎず、妥協できる範囲を広げたこと」。不採用の人は「特になし/わからない」をあげる。

実は、双方とも応募した企業の数は変わらない。だから、採用された理由を一言で言えば妥協したということだ。記事は、シニアの求人は少ないから、金銭理由で就職を目指すなら、待遇にこだわらず、広い視野で仕事をさがせ、とまとめる。

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 人手不足と言っても、シニア市場は買い手市場である。主戦力で採用するわけでは無いし、市場価値が高いわけでも無い人なら、「うるさいこと言わない人」が優先される。

 この調査には再雇用をどの程度含まれたか分からないが、ある規模の会社にいた人は再雇用を優先する。そこでは給与四割減が当たり前※となるため、同じ仕事なのに、と不満があっても、外の労働市場に出る勇気やスキルが無いとムリ。そもそも好待遇で採用する会社はほぼないから、結局、元の職場に拾ってもらう、みたいな構図になる。 

 ※最高裁は、「60%を下回るのは違法」とした高裁判決を破棄したので、まだ成り行きは分からない。

3. 年金の一人当り平均受給額

 昔、近所の工事現場で交通誘導警備をしていた人がいた。車の通らない生活道路は楽な現場となった。かなりの高齢者だったが、年金では足りないから働いていると日焼けした顔で語っていた。
 今調べたらいっぱいでてきた。一日12500円?

 新版の厚労省の年金事業の報告はこちらにあるが、日本の年金制度は複雑すぎて実務家でないと読み間違えるので、2018年記事から引用する。今でも大した差は無い。

国民年金 月額・円 年間・万円
一人平均 55,615 67
夫婦二人 111,230 133
国民年金 max 64,941 78

国民年金がどんずまりであることは知られたことだが、最新版には、令和3年度末現在の全額免除・猶予者数は 612 万人、全額免除・猶予割合は 43.4%とある。納めるべき20-60歳の加入総数の四割が納めないまま続く制度だ。

●厚生年金は働いている時の勤続年数や収入によるので男女差がでる。

厚生年金 月額・円 年間・万円
 男 166,668 200
 女 103,026 124
夫婦が厚生年金 269,694 324
夫厚生、妻国民 222,283 267

今、問題なのはインフレだ。

インフレにスライドしても多分実質は目減りだろうから、はよ金利を上けないと高齢者には不利となる。

そして低金利政策が悪手だと分かっていても、日銀は怖くて上げない・・・。

2023年9月21日 (木)

7 でっちあげは一級のケーススタディ

1事件 2宣言 3寄稿 4仏と韓国 5桶川市 6失態集

 林真琴座長による報告書は、加害を認め、対策には組織の解体的出直しや景子社長は辞めろと書く。ようはジャニーズ事件の最終判決みたいなもの。いよいよ解体が始まるらしい。

 では、同じ頃の上尾市いじめ問題の第三者・報告書はどうか? 被害者は所見を述べたが学校側は不明。多分、彼らの申し開きを経ての真実(十分かは別)なのだろう。しかし対策は、既に腹いっぱいの研修やマニュアルを追加しただけではないのか。

今回は、20年前にあった日本初の事件を取り上げる。上尾とは関係ない。見かけは特異だが、今に通ずる普遍性があると思うから取り上げた。

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でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相  Amazonへ

読み物としても一級のドキュメンタリーで、Amazonコメントの評価も高い。なお新潮社サイトに「試し読み」があり、前置きからグッと引き込まれる。当時の報道・・・
・小4の母「曽祖父はアメリカ人」教諭、直後からいじめ =朝日新聞
・自殺強要発言、「学校も市教委も身内に甘い」=地元の西日本新聞
・『死に方教えたろうか・・・殺人教師』=実名報道の週刊文春

 本は一審判決までだが、著者の福田ますみ氏が2013年まで追跡取材をしたレポートが同サイトにある。理不尽さが残るラストだった。

---以下は感想----

初め、興味があったのは動機だ。カネ目当てと想ったのでタイトルは「たかり」がいいと思ったが、実は違った。結局、賠償5500万円要求で330万円となった。払った判断が本件のキモだが、そこは省く。ネタバレだからではなく司法制度の問題だから。

本件は、見事なくらい登場人物全てに落ち度や失敗があり、全員の失敗が一本に揃う偶然が本件を肥大化したのだ。しかし、一人一人の失敗は今もあり得ると解釈すれば、いじめ問題の一級のケーススタディになる。実際にケース教材となっているかは知らないが、ここから教訓抽出すれば現場の教師に役立つと思う。

  • 殺人教師と呼ばれた先生

工業高卒、仕事しながら大学夜間、その後に通信教育で学び、採用試験に10回目で合格という異色。本人曰く、優柔不断な性格が、曖昧な態度で安易に認めてしまったと後悔する。しかし、それは罪ではない。優しさが、あだ、つまり弱さ(罪を引き受ける)になっただけだ。

モンペアに迎合したのは校長だけではない。同僚たちも揃って「早く謝ったら」と勧めた。彼の弱腰を批判するAmazonコメントもあるが、そんな場面を経験しないからだ。民間でも、売り場でクレーマーから土下座させられる例はある。彼の態度は、彼が語る、保護者と教師は同等ではないですよにあるのだ。

 余談だが、二年前の紅花保育園 閉園騒動の説明会で「土下座しろ」と叫ぶ女がいた。次に「土下座しません」と男性のハッキリした声が聞こえた。その録音はツイッターの深い所にあったがすぐ分かった。あの場に居た人は知っているはず。
 ツイート主は園を批判し被害者として賛意を募っていたが、強要罪を告白する愚行である。その事を当時のブログには書かなかった。かのヒステリックな声に行政が気圧されたかは知る由もないが、すべきだったかな・・・「通報スマスタ」って。消すまで数か月もかかる人だった。
  • 今でもいそうな校長と教頭

夫婦の訴えと教師の主張に落差があるのに精査せず、一方的に訴えを認めてしまった。それがクレームを「正当化」し、多方面に影響した。ウソにお墨付けを与えたわけだ。理由が、「丸く収めたかった」としても、それは聞こえの良い建前でホンネは自分の立場(評価)を気にしたと想う。更に、曖昧で稚拙なアンケートは残酷な結果を招いた。

つまり、やったんだろう、早く認めて楽になれ、という自白の強要と変わらない。若手のエリート校長とあり、世間知らずの面もあるのでは。

 私立の隠蔽体質は公立より深刻

  • 今でもアル。関わろうとしない社会

他の教師で彼を守った人はいたのか。労組は登場しない。クラスの保護者達はヘンだと感じ、著者の取材に「ホントは違う」と語るも、表に出る人はいない。夫婦の怒りを恐れた面もあるし、面倒に関わりたくない、動かない周りへの同調も普遍性である。

実名報道後にネットは中傷コメントで溢れた。中に元生徒という投稿があった。「素晴らしい先生だった」という感謝の声は埋もれていたという。

  • 正義を気取る新聞社、叩く相手を探す週刊誌

今は文春砲で大衆の味方ぶるが、本件は名誉棄損もの。朝日も毎日も書いてしまってからはバツが悪い。彼らは、学校、市教委、医者が認めているから、体罰はあったと断定し、取材のキホンである裏付けを怠った。
つまり、「権威」と「弱い側に付くこと」に囚われた。昔から、子供や弱者を盾にする言説はあるが、今は更に増えた気がする。

  • 人権派弁護士のうさん臭さ

なんと500人の弁護士が名を連ねた。途中から母親のウソに気付いたはずが、役目上は負けられないから被告側主張に抵抗する。一審220万円後に狡猾な控訴審をへて330万円になった。人権が聞いて呆れる

  • 専門家はピンキリ、誤診をした怠慢医師

医者が記者会見まで開いてPTSDと明言した。弁護士らは、PTSDという結果があるから、原因としての体罰があったはずという理屈。そしてマスコミの過信へとつながる。しかし、診断は、母親の意見に依存したもので事実の裏付けが乏しい(中身はひどいものだった)。裁判で、他の専門家から疑わしいと指摘され、判決はPTSD無しだ。
つまり、校長・弁護士・医師というエリートの肩書に惑わされるなという例だ。

本書とは関係ないが、PTSD汎用や発達障害の濫発という声もある。長く高い金を取れると診断を勧める社労士がいるらしい。保険金の不正受給を連想すれば良い。

  • モンスターペアレント=クレーマー夫婦

浅川和子(仮名)という偏執的なクレーマーが、標的を見つけてエスカレートしたように見える。ウソも何度も言えば本当になった、のでは無い。『いじめられた我が子』を盾にしたから最強なのだ。だから背広組はスキを見せたのだろう。
作り話を冷静に能面みたいに語る姿は不気味だ。家庭訪問時の居間やキッチンは生活感無し、帰国子女とかアメリカに何度も行ったとかの見栄っ張りは全てウソ。必要ないウソまで付く虚言壁もある。

クレーマーのタイプ分類から、妻にはストレス発散型執着型の二つが当てはまる。夫は攻撃型そのものだから、金品(損賠賠償)要求は定石だ。しかし計画的ではないからボロが出る。結局、裁判費用を負担する羽目になり、実質負け。

そんな夫妻の人物像を知りたいが、人権侵害になるからそこまでは書いてない。夫妻の本心は闇のままだが、著者はもっと恐ろしい母親の事件へと進む。モンスターマザー 教師たちの闘い

  • 身内をかばう教育委員会

市教委は、校長の報告がベースに懲戒6カ月(無給)という厳しい処分をした。初めは三か月だったが、原告弁護士の要求があった(圧力ではないと言う)。そして、驚いたのは処分の日のことだ。

課長は、教師に終始冷たく言い渡す。校長にも処分を伝えるが、誠に残念という態度で涙ながらに読み上げた。それを受けた校長も感極まった。若手のエリート校長を守りたかったらしいが、涙ながらの二人の浪花節な光景に、真実が宿るのだ。ちなみに最後は、組織の行為だからとして個人は咎められなかった。いいよな。

  • 難しい子の指導の難しさ

この子は難しい子だ。言葉で諭しても伝わらない。ほって置いたら教室の運営ができない。他の子に暴力をふるうこともある。だから「ある種の指導」は必要だろう。
10年後にでた市人事委の決定に、教師側弁護士は「教諭の言動がいじめか教育的指導かを真正面から判断した」と語る。いじめは無かったし処分も撤回だが、後の祭りだ!

腫れ物扱いして無視すれば楽なのに、彼はそうする先生では無かった。それが過剰反応な時代の落とし穴になる。まともな親なら、粘り強く向き合ってくれる彼に感謝するはずが、この親は逆。この子は母親の投影だろうと想うと、子も犠牲者になるが、その再生産が恐ろしい。

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なぜ、ここまで母親から恨まれたのかについては、終章に推測がある。母親は忘れ物が激しい子供への躾けに苛立ち、子供は自己防衛のウソをつき、教師のせいだと転嫁され、吐け口が向かったのではないかと。

Amazonには、この本こそでっち上げだとのコメントがある。逆張りなのか、関係者なのか分からない。前4で「教師を追い込む韓国の親」を書いたが、やっぱり日本が先進国だった。しかし、教師が女性だったら耐えられただろうか・・・

つづく

 

2023年9月18日 (月)

上尾モンシェリーに映えるスキマ富士

上尾市の富士山_上尾駅西口と上尾陸橋

 12月の夕方に上尾駅西口ビルの谷間に見える富士山は、帰宅を急ぐ人々の目を癒し、立ち止まるペディストリアンの一角は格好の撮影スポットになる。だから、この方角に高い建物が申請されたら、行政は難癖付けて不許可にして欲しい・・・。

 気温34度と言ったら、前は真夏の最高気温なのにまだ続いている。実はあの8月に富士山がよく見えた日があった。風が強かった日だ。

  • 晩夏の富士山 8/24 17:47
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 わぁーキレイ !!!!!!

 (スマホだと暗い写真かも)

 け

 ど

 ちょっと、へん・・・( ゚Д゚)

こうした絵画みたいな写真はネットに氾濫しているが、四年も前から専門家は警告している。写真コンテストにインスタ映えネライの作品応募が増えていると嘆くのだ。

 風景写真が危ない、レタッチしすぎの罠 (アサヒカメラ、写真家・米 美知子 2019/9号)

 レタッチとは加筆と言う意味だが、デジタル写真になったからと言うよりも、「インスタ映え」という価値観が支配的になってから増えたらしい。明らかに不自然なものは「レタッチしすぎ」である。自然界ではそんな色が出ないのに、加工ソフトで手を加え、もはや風景写真ではなく「イメージ写真」だと指摘する。

 特徴的なのは、彩度とコントラストを強調する例らしい。それも、調整つまみ(スライドバー)を右端100%までもっていくような極端さだという。ドラマチックな方が受けると言う判断だが、厚化粧を通り越した粉飾である。

自分は、PC上ではGoogle「フォト」でクラウド上の写真を管理しており、当然Pixel 6aとの相性は良い。そのフォトの無料編集機能には幾つかの項目があるが、上の写真は何をどう直したかはメモしてないから分からないが、敢えて濃くした。

元の写真は下。なお上は正方形にトリミング(構図の切り抜き)をしてあるがそれは問題ない。

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以下は22年12月の写真。


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  • 月と富士山と上尾駅西口

Pxl_20221227_080600327nightedit「エンハンスト(強調)」を適用したが、さほど不自然さはない。エイブルの緑がキレイだ(^-^?)

  • あゆみと富士山 エンハンスト適応でメリハリ付けた
Pxl_20221218_080557667edit_20230916204201
  •  上尾陸橋からの富士山 元のまま
Pxl_20221220_080524710night

真正面にこんな景色が見えると、運転も楽しくなりそう・・・

ところで、上尾市で富士山がよく見える所はどこだろうか?

西口のライオンズタワー、UDトラック本社、上尾中央総合病院の最上階、平方の土手辺りが思いつく。前の二つは不法侵入になるが、三番目は骨折すれば行けそう、それが嫌だと平方かな。

最後に選挙も近いが、とりわけ女性候補のレタッチしすぎに要注意である。

 

2023年9月14日 (木)

6 上尾市いじめ問題の四層構造+15の失態

1事件 2信頼 3寄稿 4仏韓 5桶川 7でっちあげ

1.いじめを把握する四層構造

いじめの関係性の分析に四層構造という見方があります。いじめっ子、いじめられっ子、はやし立てる観衆、見て見ぬふりする傍観者です。本件は学校外のため観衆や傍観者は不明ですが、目撃者はいました。

小学時の通学班、中学時には助言を寄せた女の子、また、(一度)加害側に加わった三人は観衆に近いかも。しかし、目撃者が声を上げないのは大人の世界でもよくあります。子供らを責めることはできません。被害者の子が直ぐに声を上げられないのも珍しくありません(前記事の心理分析)。

本件は校外で親も知らなかったのですから、学校の責任はありません。だからこそ、組みしやすい案件なのに、結果は真逆。対応の酷さが、不登校から抜け出せなくしたと訴えられました。藪医者が訴えられたようなものです。

2.中学校側の問題点を報告書から抽出

第4・・・中学校及び教育委員会の対応の問題点」p13は、報告書の1/4を占めます。また、他の項にも問題指摘が分散し、長文に埋もれているので、以下に抽出しました(黒塗りもあるため、もっと多いかも)。九割が中学校、残りが教育委員会への指摘です。


1  いじめを認知後に、加害生徒が登校自粛、加害生徒が・・黒塗り・・、被害生徒にスマホ持ち込み可としたが、これらは双方の家庭の依頼であり学校の提案ではない。これでは「守られている」感を与えない

2  犯罪と認識していたのに警察へ相談しなかった

3  加害側へ、「いじめ重大事態」に認定したことや、文科省の6つの説明事項の説明無し(p10)。

4  中学側は7/15に「重大事態」と決定し、教育委員会はそれを知るも市長報告は2週間後で遅い(p10)。

5  夏休み中に被害側と一切連絡とらなかった

6  スクールカウンセラーに即報告したり、協議もしない

7  生徒が訴えたのは5/24なのに学校は6/6に組織対応を始めた

8  しかも加害側への聴取は2週間後の6/9

9  週一回開く生徒指導委員会は、いじめ対策支援と調査委員会を兼ねており、本件を単独で扱う会議が無い

10  上記委員会で本件を扱うも、管理職が一方的に伝えるのみで委員間の議論はない ※1

11  7/15に「いじめ重大事態」に認定しても、管理職以外が知るのは夏休明け8/29と遅い

12  スクールカウンセラーは9/8に相談室員から口頭で知った

13  校長の報告書には被害者の申告を5/26とするが本当は24日だいじめ発覚日という重大な日を間違えた

14  加害側へのカウンセリング開始が9/20では遅い

15  スクールソーシャルワーカーや医師等の専門知見を仰がない

16  被害者所見にある不登校を決定づけた件 (記事1の「傷に塩を塗る」を参照)

3.この中学校に四層構造を当てはめる

助けを求めて近づいたのに、腰が引けた姿を見たら、失望感を抱くのは当然です。それが不登校になった一因ですから、第二のいじめっ子は学校幹部、観衆は会議室に並ぶ特定職員※1、他の教師は傍観者と言えそうです。

報告書p14で学校側は「安易に考えた」と指摘したように、シンキングエラー※2があったのです。また、外には敷居が高く、内には階層厳格な学校組織はアンバランスパワーの典型でしょう。これらカタカナ語は、子供間の加害と被害の背景を読み解く専門用語ですが、教育村の大人にも当てはまります。共感性の乏しさです。

※1(追記)「現場にいて囃し立てた」という元の意味ではなく、上10が指摘する関与すべき立場なのに黙っている態度のこと。彼らは、自分の価値観で動くのではなく、力関係や周りが動かない空気を見て黙っていたと想う。
※2
シンキングエラーとは「共感性のなさに基づく間違った考え」のこと(例、そんなのたいしたことない)。だから加害者はいじめを正当化し、いじめている認識が無い。アンバランスパワーとは「力の不均衡」のこと。加害者にやり返せない、かないっこない、という力や立場の格差のこと。

世間には、「学校の隠蔽だー」と批判する事例もありますが、本件は違います。当事者が認めており隠しようが無いです。隠されているのは、2に列記した「対応の遅さ」や「問題の矮小化」となった本当の理由です。「どうして」「なぜ」を幹部らにしつこく尋問すべきでした。ホンネを吐かせないと対策になりません。そこが不明だから、どうせ保身でしょう、と言うわけです。

なお、教育委員会の問題点は、事態を把握できていない、校長を指導しなかった、マニュアルが整備されていない、と数が少ないので、他所から拾って上に追記しました。

●分からない時はAIに質問する

生成 AI 試験運用中の結果  学校がいじめに対応しない理由は、教員が忙しく、助けを求めにくいことや、人員不足、ガイドラインの種類や量が多く、理解することが困難など、教員の勤務環境に関係する回答が並んでいます。
また、いじめ対応の方法を知らない、いじめがあるという事実が教師の評価を下げる、教師間の上下関係が影響している、教師が忙しすぎて余裕がない、などが挙げられます。
いじめの解決を難しくする理由の一つとして、先生が見ていない場所で起こる・・・。・・・証拠がないということが解決を一番難しくする問題です。 (そつのない答えですね)

●逃げ得を許すな

発覚が遅れたブロック塀事件では、懲罰が出たのは幹部がパラシュートで降りた後でした(満額退職金)。今回も、幹部が定年で辞めてしまっていたら、残った職員だけが対象ですか、、、。

つづく でっちあげ

 

2023年9月11日 (月)

5 思春期の児童心理を読み解く桶川市いじめ問題の報告書

1 事件 2 信頼 3 寄稿 4 仏と韓国 6学校側の過失集

白眉だった  桶川市の再調査報告書  約2100字

上尾市の件は、一対一で集団性は無く、場所は学校外ですが、無抵抗なターゲットに繰り返し攻撃した危険な例です。一方、桶川市の例はデリケートかつ難解ですが、普遍性がありそうです。

部活内の人間関係の問題ですが、相手は集団ではなく二人の部員。繰り返し性や暴力はなく、言葉と態度によるもので、被害者は不登校や心身症を抱えます。

所が、学校に訴えたのは二年後の三年次。二人と同じ空間で生活させないで、一人の方には今通っている塾を辞めて、と伝えました(後者はムリと判断)。

既に、顧問は転出しており、当事者の記憶が頼りとなる難しい調査でした。加害側にはそんなつもりは無い、勘違いだという意見もでます。

なお、上尾の例でも、同じ空間に居たくないと願っていました。また、声を上げるまでには相当な時間を要した点も同じです。その理由は下の考察にあるかも知れません。

本件は前に調査報告がでており、その内容に異論を持った被害側が再調査を求めたようです。全部は読んでいませんが、報告書では、いじめを疑う行為を事件1~6と表記し、それぞれを調査分析しています。そして、加害側に大きな落ち度は無くても、間接的であっても、双方に齟齬があっても、傷ついた結果があったのだから、いじめは有ったと認定し、「いじめと不登校の因果関係はあった」と結論付けます。

また、学校側へは、不登校を始めた時やリストカットの時に専門家のスクールカウンセラーを使っていない、学校の対策は背景を探るよりも「生徒が教室に戻る」ことを優先しすぎた、と指摘します。

なぜ今頃、なぜその内容で、という疑問が沸きましたが、報告書の心理分析では思春期の児童心理のもろさを語り、そこから出るSOSを気づくことの大切さを説きます。既知な事と思いますが親には必読です。普通、親は我が子が被害者になることを案じますが、被害者よりも加害する人数の方が多いように、共感力が薄いと、いじめる側に陥るリスクもあります。

著者は切々とまたリアルさを持って語りかけますが、重複も多く、長いため、無礼と思いつつも要約しました。なので、断定調に変わっています。正しくはソースを参照下さい。

●生徒Aの心理についての考察 p26


  1. 心の傷を抱えると通常よりも他者の言動に過敏となる。自分に向けた些細な言葉でも重く受け止め深く傷つく。自分に近い存在である他人に向けた攻撃性を、自分への攻撃とみて傷つく。
  2. これは、人間関係の悩みを抱えて安定しない人の特徴である。相手を傷つける意図がない、強い言動を示していないつもりでも、受取側の反応は想像より大きい。
  3. 中学1年生は思春期である。
    同性同年代の仲間との交流が増え、親から自立したいという欲求が高まる一方、親から離れる不安も感じ、その不安に対応するために仲間と一緒に行動し、仲間から安心を得ようとする。故に仲間関係のトラブルはこの時期の子どもの心に大きな影響を与える。
  4. 子どもは感じている気持ちをすべて言葉にできるわけではない。言語化できないことを身体化(腹痛、頭痛、食欲不振、不眠)や行動化(物にあたる、親に当たる、自傷)で表現することは子どもの特徴である。
  5. 事件は1年の数か月のこと、その後、体調不調や保健室への来室が増え、部活動も休み、欠席も増えた。このように「いじめられている」と言葉で表現しなくとも、苦痛を感じているサインを身体化や行動化として表現していたと思われる。
  6. 2年経過してからの訴えに、周囲は唐突な印象を受けてしまう。
    しかし、いじめを受けていると自覚出来なかったが時間を置いて いじめを受けていると実感できるようになる、又は言語化しないまま被害者が自身の体験を昇華しようと試みてきたが結局昇華できず、長時間経過してから訴えるなどして、事件から長期間の空白があって初めて被害者の傷つきが表面化することは一般的に起こり得る
  7. 高校受験が迫るという一見無関係なストレスが、被害者の抱えてきた傷つきをより強めて表面化させる働きをしている可能性もある。
  8. リストカットは精神的な苦痛を緩和する手段として行われる。(コントロールできない苦痛から意識を逸らす援助希求行動とも)。不登校は自分がこれ以上傷つかないよう、身を守るために行う一種の防衛反応という考え方もある(提言より引用)。
  9. こうして何度もSOSを発したが、生徒にとっては充分な対応が取られてこなかった。このことも生徒の傷つきをより強めることに繋がったと考えられる

報告書の提言にはこんな内容も・・・

・生徒への聴取・・・一般に、どんな人間でも事実を自分のフィルターを通さず偏りなく話すことは難しい。嘘をつくという意味ではなく、100%客観的な視点で話せる人間はそもそもいない。心から信頼出来ない相手には言いたいことがあるけど黙ってしまう。大事な話しはせず別の話をして、その反応により相手が信頼に足る人間か観察することも往々にある。

・人間の心理や行動をどれだけ理解しようとしても完璧に理解することは難しい。多忙で疲弊する学校現場に完璧な理解や対応を求めても限界があるから、心理問題は精神科医とも連携する必要がある。

最初のは大人もそうです。自信満々に語る人ほど強いフィルターを持ち、本人は気が付きません。

つづく

2023年9月 9日 (土)

4-転校させるフランス、教師を追い込む韓国の親

1上尾市中学のいじめ内容 2信頼回復  3寄稿  5桶川市の例

 驚いたことに、こんなに新しい事件でもGoogleが試験運用するAI検索で要約がでました。ソースは新聞記事のためそつなくまとめてました。

 さて、前記事では専門性のある方の寄稿を紹介しました。直ぐ外部機関との連携をとるべき、学校の責任は重い、とメリハリのある指摘でした。なお、教員の生態系を伝える6番が生々しく読めました。というのは報告書は「杜撰」で片づけ、対策へ進みますが、もっとX中学の校長・教頭らの泥臭いホンネをこじ開けよ、と思うからです。でも捜査権も尋問権も無い調査では闇のまま・・・。

 いじめ問題は外国でも苦労してますが、どの国であろうが親や家庭の責任を教師に負わせている面もあるとみます。なので、その点、お隣の桶川市中学校の報告書は、教師よりも親に必読です。でも長くなるので次記事へ。

1.いじめは犯罪と認め、加害生徒を強制転校させるフランス

追記 仏、自殺強要などの中学生を教室で逮捕

 9月からは全身を覆うイスラムの伝統衣装「アバヤ」を公立校では禁止、というニュースがでました。政教分離の徹底です。拒否すると学校から排除されます。ところが、次の話題は伝えません。東洋経済記事から引用。

 9月から、「生徒の安全や健康リスクをもたらす意図的かつ反復行為」を確認したら、校長は「あらゆる教育措置をする義務がある」とし、首長に「加害生徒を退学させ、自治体内の別校に登録する手続きを要請できる」。

背景は、ネットいじめによる自殺の増加とあり、恐ろしいものを感じます。全国では生徒の約10人に1人がいじめ被害だと。

かつては日本と同じく、学校・保護者・本人の問題で、未成年者の犯罪扱いは良くないとの認識だったが、昨年、「いじめ行為は犯罪」と認定された。被害者が自殺か未遂でもしたら、懲役10年、罰金15万€(約2370万円)、8日間以下の就学不能では、3年以下で4万5000€、と容赦ありません。

移民問題を抱え人種差別やエリート主義で有名な階層社会のフランスですが、被害の大きさに耐えかねて、厳罰主義に転じたと読めました。

日本で、飲酒運転に厳罰主義をして減らしたようなものです。そして日本でも、被害者側は「加害者に転校」を求めれば良いのです。主張するだけなら良いでしょう。法的に実現しなくても、アナウンス効果が期待されます。

●教師の負担増が懸念、と指摘します

 教師は教育者、児童発達の専門家、心理学者、ソーシャルワーカーでもある、となると教師の50%が5年後に転職する原因になる。社会が子どもに様々な能力を求めるから、教師も新スキルの習得やデジタルツールに苦労する。
 そこに、いじめ対策強化で被害者や加害者の家庭に介入し、精神的ケアまで加わる。また、犯罪者として裁かれる加害者の恨みを買うことを恐れる教師もいる。教員のなり手が激減する・・・

前段は、日本の教師にも通ずる指摘です。そこに逆恨みの恐怖が加わるのは、荒れる地域ならありそうな話し。いじめの件数が地域別に公開されているとは思えませんが、その頻度で地域の選別が進み、階層社会が固定化しそうです。

2.韓国では、教師が自殺に追い込まれた

小学校の女性教師が、親達から大量の苦情を浴びて、うつとなり自殺した事件があり教師たちが大規模な抗議をしました。

 BBC Japan-韓国で加速する親から教師への嫌がらせ 教師数万人が抗議-

日本のモンペアどころではない。生徒を注意することも、生徒同士のけんかを仲裁することもできないと伝えます。また、児童福祉法を親たちが悪用していると非難します。

暴力をふるう子を制止しても虐待をしたと告発され、口頭注意は感情的虐待だと指摘され、停職処分となる恐怖におびえるのです。リンク先の記事は長いです。

たぶん、激しすぎる競争主義がもたらす弊害と想像します。日本よりも生存競争が激しそうですが、それが一人当りGDPで日本を抜く要因の一つとしたら「日本を上回っても素直に喜べないのでは」、って思うのは負け惜しみでしょうか。

つづく 桶川市の沁みる報告書

 

参考 いじめの主要国先進国比較

 

 

2023年9月 5日 (火)

夜の川越ライトアップショー。蔵街道と氷川神社

前記事、風鈴回廊のつづき    森山直太朗さんの歌は末尾に。

次の新製品、iPhone15やPixel 8のスペックが漏れ伝わるが、まだPixel 6aの能力の半分しか使っていない気がする。以下は順不同、クリック拡大。

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スーパームーンを副題にしたかったが生憎の曇り。キティが居たのは気づかなかった。顔をぼかすべきか?
●光る川
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 昼間は若い観光客でごった返す川越蔵通り、夕方5時に閉める店もあるらしい。観光地と言っても、長居できるような資源はないから、客が引けばご覧の姿。しかし、錆ついたシャッターはない。明日も開くのだ。
 街灯はあっても実際は思った以上に暗かった。写真はPixel 6aのセンサーや夜間モードの描写力によるものだ。スローシャツターになりやすく、手が震える年齢になるとムリかも。
 
 夜の氷川神社を訪れる人は少ない。人込みが嫌なら夕方の方がお勧めだ。ゆっくり参拝し、昼間よりはインスタ映えすること間違いなし。
 神秘的過ぎる光る川は、川越氷川神社が「川」と「光」から生まれた神社という由来。単なる客寄せ企画では無かった。天の川を想わせ、結婚式の撮影スポットになる。白煙はドラアイスかも。
 なお、夜景はレタッチすると逆効果になるために施してはいない。別な施し(賽銭)も忘れたことを想い出した。
 

2023年9月 3日 (日)

3 寄稿_上尾市いじめ問題について

1 いじめ内容 信頼回復は 4 フランスと韓国 5 桶川市

教育系分野に知見のある方からの寄稿です。

“PTA活動に熱心な妻ともこの件、話題にしていたところ” の前振りの後、専門性と経験からくる骨太な感想を述べます。(長文のため意訳しバックグラウンドを除去、1350字) 

1. 中学校が被害者の訴えを知ることになった時点で、単なる「いじめ行為」として今後取り扱うべきではないほどの重大な人権侵害かつ不法行為であることが認識できるはずです。直ちに司法機関に通報し措置を委ねること、法務省等の人権侵害申立て機関への手続き等、被害者救護に全力を尽くすべきでした。つまり、中学校側の対応は被害者の人権保護について認識がまったく欠けています。

2. 加害者側にも守られるべき人権があるのは当然としても、被害者の受けた長年の苦痛と、わいせつメールのような、いじめの範囲を超えた不法行為には、丁寧かつ確たる保護措置が必要でした。一定の権利の制約、すなわち捜査機関による取り調べや児童相談所等への通告等による措置が行われるべきと考えます。それは調査委員会による調査とは別に行われるべきです。

3. 加害側の生徒は卒業まで登校できたのに対し、何ら落ち度のない被害者生徒は不登校に追い込まれかつ心的外傷という傷害も負わせられたという結果は極めて重大です。それは中学校のみならず、上尾市側の対応によっては、被害者側にもっと有利な状況に展開できる可能性があったと考えられます。(加害側生徒に対する児相等の隔離措置等で)。報告書にあるように、被害者を守り切れなかった行政の責任は追及されて必至だと考えます。

4. 調査報告書の内容は極めて妥当と思います。ただ、中学校側が覚知してから3~4か月、この間が無かったなら、被害者生徒にとってはもう少し、学校生活において好転するべき機会が得られたのではないかとも考えました。

5. いじめは基本的に人権侵害行為かつ犯罪行為(傷害、暴行)ですから、程度はともあれ当初から捜査機関や児童相談所等との関係機関と連携して対応するべきと考えます。
 優先順位は、被害者側の人権保護と権利侵害の要素の除去を行う事であり、そのために加害側の権利が一定程度、制約されることは比較衡量の上、やむを得ない受忍限度と考えます。
 『いじめられる側に、何ら落ち度はない』ことを、教育は当然、子どもに関わる全ての機関、職員は絶対原則として認識するべきです。残念ながら、それが欠けています。それが貴ブログにある「学校側の保身」として感じられるところの最大要因と考えます。

6. 最後ですが、今の学校現場が、「こどもの権利を守る、子どもの安全安心を守る」という意識は、ほぼ欠けていると感じます。保身というよりも「評価に傷がつくことで、自分はともかく、組織(また組織の上の人たち)を傷つけてしまっては大変だ」という意識が蔓延しています。
 かつ、「もっと楽に仕事をしたい。教員の仕事は、教育だけのはずだ」という意識もまた、強くなっているように思えます。結果、こどもたちの日々の生活の安定、安寧を守る、支えるという意識が相対的に学校現場に薄くなります。

 中には、子どもファーストのすばらしい校長先生もいましたが、圧倒的に少数派。そういう人はやはり出世しませんね。ずっと地方の学校をたらいまわし、あるいは僻地の教育施設管理職で塩漬け、ということもありますし、教頭止まりで校長になれないことも。確かに教員の過重労働が、教育現場を疲弊させています。

 ですが、それは別問題。単純に、「傷つけられている子がいるなら、その子を守れ」と、言いたいです。

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寄稿に感謝。文字修飾は当方付与。

 

2023年9月 1日 (金)

巨大地震と複合災害、長周期パルスと江戸時代の教訓

今日のテレビや新聞は恒例の震災記念日報道だった。一見、新しいことを伝えている様でいて、実は既視感満載である。それにしても、来る来ると言われ続けて来ないのを有難がるべきか、歪の累積を憂うべきか、迷う

230年間に8回、M7クラスの大地震が起きている

首都圏では平均28年に一回となり、それを予測式で「今後30年内に70%」の発生確率としている。NHKサイトが良くまとめている。

 日本列島「地震への備え」特選コンテンツ

その、『今後30年』という表現、何年経っても「今後30年」のままなのか(^-^?)。

備蓄品の更新を

最近、賞味期限切れの水を冷やして飲んでいる。水道水よりイイ。トマトジュースやアイスコーヒーも備蓄した。悲惨な時ほど快適に過ごしたいので、ふかひれスープの素も。贅沢な缶詰も酒も必要。今年は停電対策を兼ねて保存水ボトル(10%減で)を数本冷凍させた。子供が会社の期限切れ食品をもってきた。水だけでも食べられる混ぜご飯、優れモノだった。

そして壊れた家の前で、やけくそパーティ。でも食品が埋まって取れないとか・・・

日経が、首都直下時は災害拠点病院の6割で通常診療はムリという。医者が集まらないためだ。せめて、慢性疾患者はを数か月分備蓄した方が良い。

ところで、気になるのは負傷者や死傷者の見積もり。

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関東大震災は火災、阪神は家屋倒壊、3.11は溺死が一番の死因だ。最大被害の想定は、冬の夕方6時・強い北風という前提だった気がするが、今年の8月だったらどうなる。停電したら復旧に何日もかかる。そこで、実験中のAI型Googl検索をした一部がこれ。

3.11では、福島第一など複数の大規模発電所が停止した。3日で約80%解消、8日で約94%だが、3カ月以上かかった地域もあった。首都直下型の場合、ライフライン復旧の目標は、電気が6日、上水道が30日、ガスが55日とされている。(文は短くした。正確さは未検証だが、使い勝手はイイ)

自家発電を持つ人は少ない。エレベーター閉込めの人は暑さに耐えられるか。家が倒れなくても家の中で熱中症で倒れそうだ。車のクーラーを使うと何日持つ? 涼しい所へ逃げる?勝浦市はクーラーいらずの涼しい街で有名、殺到するだろう。でも、立体駐車場だと出庫できない。

地震は一瞬だが、インフラ回復までの間に他の災害に襲われると、精神的に絶望する。夏の方がイヤだが、冬になると夏の方がいいと思うかな。

日本経済は全治××年に。チョー円安になるから$預金が必要だ。図の経済被害額の過去の三回は事実に即したものだろう。

常々、毎年の震災報道で一番欠ける視点がある。

首都直下大地震が来ると知りながら、人口集積を官も民も続けることだ。分かっているのに止めない。関東大震災時は東京400万人、いまは1400万人、今更減らしても間に合わない。それどころか、豊かな都財政を源に子育手当てを増やして誘因政策をしているではないか。

 参考 東京都の人口が過去最高、7割が23区

海抜ゼロメートル地帯は、堤防が必ず決壊するとして地震水害を恐れる。臨海部は、浸水でエレベータ停止となりタワマンで人が孤立する。震度7では倒れないというが、まだ経験はない。構造体が絶えても、継続使用できるかは物件毎に違うだろう。

思い出すと、3.11の夜は季節外れの穏やかな天気だった。だから、人々は都心から歩いて帰宅できた。でも、被災地では雪が舞っていた。本番は、帰宅しないを前提にすべきだろう。

専門家の中には、ハッキリと外から助けは来ないという覚悟を求める人もいる。地域の公助は必要だが、前提は自助である。生き延びれば他者の役にも立てるのだ。

長周期パルスが高層ビルを襲う

BS-TBS 報道1930 。YouTubeでも見られる(17分以降)。

南海トラフによる長周期振動は、3.11で東京のビルが揺れた時より強くなる。大きな揺れがゆっくりなのだが、熊本地震で初めて観測された長周期パルスは大きな揺れが一気に襲う。活断層から数十キロ程度の所と言われ、ビルの構造躯体を破壊する力があるという。

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M8クラスが9年毎に起きた歴史を学べ

これみたら、東日本から10年ほどたって、もう大丈夫とはならない。この中で、福和先生は凄くいいことを遠慮なく述べていた。

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 日本って必ず災害がある国で、折り合い付けて生きて来た。でも今はそれを忘れている。江戸時代くらいの人に戻って考えなくちゃいけない。ですから、危険な所には集落作りませんでしたから。安全な所にしか棲まない、そういう文化をちゃんと作っていた。だから人も集め過ぎない。

たぶん、埋立地にビルを建てるとか、ゼロメートル地帯で宅地開発するなんて、傾斜地に盛り土して家を建てるなんて、地盤の緩い地域や海抜の低い所に高層ビルなんてあり得ない、と言いたいのだろう。

最後に、『日本はもっと広いんだから、ちゃんと分散して皆で安全な所に棲んだ方が得ですね。』と。

もう間に合わない。

 

 

 

 

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