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2023年9月14日 (木)

6 上尾市いじめ問題の四層構造+15の失態

1事件 2信頼 3寄稿 4仏韓 5桶川 7でっちあげ

1.いじめを把握する四層構造

いじめの関係性の分析に四層構造という見方があります。いじめっ子、いじめられっ子、はやし立てる観衆、見て見ぬふりする傍観者です。本件は学校外のため観衆や傍観者は不明ですが、目撃者はいました。

小学時の通学班、中学時には助言を寄せた女の子、また、(一度)加害側に加わった三人は観衆に近いかも。しかし、目撃者が声を上げないのは大人の世界でもよくあります。子供らを責めることはできません。被害者の子が直ぐに声を上げられないのも珍しくありません(前記事の心理分析)。

本件は校外で親も知らなかったのですから、学校の責任はありません。だからこそ、組みしやすい案件なのに、結果は真逆。対応の酷さが、不登校から抜け出せなくしたと訴えられました。藪医者が訴えられたようなものです。

2.中学校側の問題点を報告書から抽出

第4・・・中学校及び教育委員会の対応の問題点」p13は、報告書の1/4を占めます。また、他の項にも問題指摘が分散し、長文に埋もれているので、以下に抽出しました(黒塗りもあるため、もっと多いかも)。九割が中学校、残りが教育委員会への指摘です。


1  いじめを認知後に、加害生徒が登校自粛、加害生徒が・・黒塗り・・、被害生徒にスマホ持ち込み可としたが、これらは双方の家庭の依頼であり学校の提案ではない。これでは「守られている」感を与えない

2  犯罪と認識していたのに警察へ相談しなかった

3  加害側へ、「いじめ重大事態」に認定したことや、文科省の6つの説明事項の説明無し(p10)。

4  中学側は7/15に「重大事態」と決定し、教育委員会はそれを知るも市長報告は2週間後で遅い(p10)。

5  夏休み中に被害側と一切連絡とらなかった

6  スクールカウンセラーに即報告したり、協議もしない

7  生徒が訴えたのは5/24なのに学校は6/6に組織対応を始めた

8  しかも加害側への聴取は2週間後の6/9

9  週一回開く生徒指導委員会は、いじめ対策支援と調査委員会を兼ねており、本件を単独で扱う会議が無い

10  上記委員会で本件を扱うも、管理職が一方的に伝えるのみで委員間の議論はない ※1

11  7/15に「いじめ重大事態」に認定しても、管理職以外が知るのは夏休明け8/29と遅い

12  スクールカウンセラーは9/8に相談室員から口頭で知った

13  校長の報告書には被害者の申告を5/26とするが本当は24日だいじめ発覚日という重大な日を間違えた

14  加害側へのカウンセリング開始が9/20では遅い

15  スクールソーシャルワーカーや医師等の専門知見を仰がない

16  被害者所見にある不登校を決定づけた件 (記事1の「傷に塩を塗る」を参照)

3.この中学校に四層構造を当てはめる

助けを求めて近づいたのに、腰が引けた姿を見たら、失望感を抱くのは当然です。それが不登校になった一因ですから、第二のいじめっ子は学校幹部、観衆は会議室に並ぶ特定職員※1、他の教師は傍観者と言えそうです。

報告書p14で学校側は「安易に考えた」と指摘したように、シンキングエラー※2があったのです。また、外には敷居が高く、内には階層厳格な学校組織はアンバランスパワーの典型でしょう。これらカタカナ語は、子供間の加害と被害の背景を読み解く専門用語ですが、教育村の大人にも当てはまります。共感性の乏しさです。

※1(追記)「現場にいて囃し立てた」という元の意味ではなく、上10が指摘する関与すべき立場なのに黙っている態度のこと。彼らは、自分の価値観で動くのではなく、力関係や周りが動かない空気を見て黙っていたと想う。
※2
シンキングエラーとは「共感性のなさに基づく間違った考え」のこと(例、そんなのたいしたことない)。だから加害者はいじめを正当化し、いじめている認識が無い。アンバランスパワーとは「力の不均衡」のこと。加害者にやり返せない、かないっこない、という力や立場の格差のこと。

世間には、「学校の隠蔽だー」と批判する事例もありますが、本件は違います。当事者が認めており隠しようが無いです。隠されているのは、2に列記した「対応の遅さ」や「問題の矮小化」となった本当の理由です。「どうして」「なぜ」を幹部らにしつこく尋問すべきでした。ホンネを吐かせないと対策になりません。そこが不明だから、どうせ保身でしょう、と言うわけです。

なお、教育委員会の問題点は、事態を把握できていない、校長を指導しなかった、マニュアルが整備されていない、と数が少ないので、他所から拾って上に追記しました。

●分からない時はAIに質問する

生成 AI 試験運用中の結果  学校がいじめに対応しない理由は、教員が忙しく、助けを求めにくいことや、人員不足、ガイドラインの種類や量が多く、理解することが困難など、教員の勤務環境に関係する回答が並んでいます。
また、いじめ対応の方法を知らない、いじめがあるという事実が教師の評価を下げる、教師間の上下関係が影響している、教師が忙しすぎて余裕がない、などが挙げられます。
いじめの解決を難しくする理由の一つとして、先生が見ていない場所で起こる・・・。・・・証拠がないということが解決を一番難しくする問題です。 (そつのない答えですね)

●逃げ得を許すな

発覚が遅れたブロック塀事件では、懲罰が出たのは幹部がパラシュートで降りた後でした(満額退職金)。今回も、幹部が定年で辞めてしまっていたら、残った職員だけが対象ですか、、、。

つづく でっちあげ

 

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コメント

自分の中学時代は不良が暴れる時代、いじめもありましたが、「やめろよ」という制止の声をだせる同級生がいた時代。
平成令和と隔世の感があります。けんかは自分と対等がそれ以上とするもんでしょ。社会人もそうあるべき。
自分より弱い者をいじめる行為は最低の人間がすること。
校内外を問わず発見時に、いじめっ子に諭す力量がなければ教諭失格でしょう。
当たり前の教養を身に着けず、高校・大学・社会人になって不良化する方が怖い。(というか、そういう時代になっています。)いじめ問題の責任回避・隠ぺいするような教育委員会であればすでに死んでいます。

上尾のは隠蔽ではなく、藪医者が訴えられたようなもの。
問題なのは、どんなに言い聞かせても治らない子ですよね。
粘りづよく、と言われても先に担任の心が折れるでしょう。学校に家庭の役割を負わせるのは無責任かなと。
十数年前までなら、中学校には生徒から一目置かれる「怖い先生」がいたと思いますが、そういう先生を絶滅させたのは案外残念だな~と思う一人です。
彼らの教育的指導に代わるのが法的措置だとしたら、むしろ加害側の恨みを増すのではと思います。

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