5 思春期の児童心理を読み解く桶川市いじめ問題の報告書
1 事件 2 信頼 3 寄稿 4 仏と韓国 6学校側の過失集
白眉だった 桶川市の再調査報告書 約2100字
上尾市の件は、一対一で集団性は無く、場所は学校外ですが、無抵抗なターゲットに繰り返し攻撃した危険な例です。一方、桶川市の例はデリケートかつ難解ですが、普遍性がありそうです。
部活内の人間関係の問題ですが、相手は集団ではなく二人の部員。繰り返し性や暴力はなく、言葉と態度によるもので、被害者は不登校や心身症を抱えます。
所が、学校に訴えたのは二年後の三年次。二人と同じ空間で生活させないで、一人の方には今通っている塾を辞めて、と伝えました(後者はムリと判断)。
既に、顧問は転出しており、当事者の記憶が頼りとなる難しい調査でした。加害側にはそんなつもりは無い、勘違いだという意見もでます。
なお、上尾の例でも、同じ空間に居たくないと願っていました。また、声を上げるまでには相当な時間を要した点も同じです。その理由は下の考察にあるかも知れません。
本件は前に調査報告がでており、その内容に異論を持った被害側が再調査を求めたようです。全部は読んでいませんが、報告書では、いじめを疑う行為を事件1~6と表記し、それぞれを調査分析しています。そして、加害側に大きな落ち度は無くても、間接的であっても、双方に齟齬があっても、傷ついた結果があったのだから、いじめは有ったと認定し、「いじめと不登校の因果関係はあった」と結論付けます。
また、学校側へは、不登校を始めた時やリストカットの時に専門家のスクールカウンセラーを使っていない、学校の対策は背景を探るよりも「生徒が教室に戻る」ことを優先しすぎた、と指摘します。
なぜ今頃、なぜその内容で、という疑問が沸きましたが、報告書の心理分析では思春期の児童心理のもろさを語り、そこから出るSOSを気づくことの大切さを説きます。既知な事と思いますが親には必読です。普通、親は我が子が被害者になることを案じますが、被害者よりも加害する人数の方が多いように、共感力が薄いと、いじめる側に陥るリスクもあります。
著者は切々とまたリアルさを持って語りかけますが、重複も多く、長いため、無礼と思いつつも要約しました。なので、断定調に変わっています。正しくはソースを参照下さい。
●生徒Aの心理についての考察 p26
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報告書の提言にはこんな内容も・・・
・生徒への聴取・・・一般に、どんな人間でも事実を自分のフィルターを通さず偏りなく話すことは難しい。嘘をつくという意味ではなく、100%客観的な視点で話せる人間はそもそもいない。心から信頼出来ない相手には言いたいことがあるけど黙ってしまう。大事な話しはせず別の話をして、その反応により相手が信頼に足る人間か観察することも往々にある。
・人間の心理や行動をどれだけ理解しようとしても完璧に理解することは難しい。多忙で疲弊する学校現場に完璧な理解や対応を求めても限界があるから、心理問題は精神科医とも連携する必要がある。
最初のは大人もそうです。自信満々に語る人ほど強いフィルターを持ち、本人は気が付きません。
つづく
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