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2023年9月 9日 (土)

4-転校させるフランス、教師を追い込む韓国の親

1上尾市中学のいじめ内容 2信頼回復  3寄稿  5桶川市の例

 驚いたことに、こんなに新しい事件でもGoogleが試験運用するAI検索で要約がでました。ソースは新聞記事のためそつなくまとめてました。

 さて、前記事では専門性のある方の寄稿を紹介しました。直ぐ外部機関との連携をとるべき、学校の責任は重い、とメリハリのある指摘でした。なお、教員の生態系を伝える6番が生々しく読めました。というのは報告書は「杜撰」で片づけ、対策へ進みますが、もっとX中学の校長・教頭らの泥臭いホンネをこじ開けよ、と思うからです。でも捜査権も尋問権も無い調査では闇のまま・・・。

 いじめ問題は外国でも苦労してますが、どの国であろうが親や家庭の責任を教師に負わせている面もあるとみます。なので、その点、お隣の桶川市中学校の報告書は、教師よりも親に必読です。でも長くなるので次記事へ。

1.いじめは犯罪と認め、加害生徒を強制転校させるフランス

追記 仏、自殺強要などの中学生を教室で逮捕

 9月からは全身を覆うイスラムの伝統衣装「アバヤ」を公立校では禁止、というニュースがでました。政教分離の徹底です。拒否すると学校から排除されます。ところが、次の話題は伝えません。東洋経済記事から引用。

 9月から、「生徒の安全や健康リスクをもたらす意図的かつ反復行為」を確認したら、校長は「あらゆる教育措置をする義務がある」とし、首長に「加害生徒を退学させ、自治体内の別校に登録する手続きを要請できる」。

背景は、ネットいじめによる自殺の増加とあり、恐ろしいものを感じます。全国では生徒の約10人に1人がいじめ被害だと。

かつては日本と同じく、学校・保護者・本人の問題で、未成年者の犯罪扱いは良くないとの認識だったが、昨年、「いじめ行為は犯罪」と認定された。被害者が自殺か未遂でもしたら、懲役10年、罰金15万€(約2370万円)、8日間以下の就学不能では、3年以下で4万5000€、と容赦ありません。

移民問題を抱え人種差別やエリート主義で有名な階層社会のフランスですが、被害の大きさに耐えかねて、厳罰主義に転じたと読めました。

日本で、飲酒運転に厳罰主義をして減らしたようなものです。そして日本でも、被害者側は「加害者に転校」を求めれば良いのです。主張するだけなら良いでしょう。法的に実現しなくても、アナウンス効果が期待されます。

●教師の負担増が懸念、と指摘します

 教師は教育者、児童発達の専門家、心理学者、ソーシャルワーカーでもある、となると教師の50%が5年後に転職する原因になる。社会が子どもに様々な能力を求めるから、教師も新スキルの習得やデジタルツールに苦労する。
 そこに、いじめ対策強化で被害者や加害者の家庭に介入し、精神的ケアまで加わる。また、犯罪者として裁かれる加害者の恨みを買うことを恐れる教師もいる。教員のなり手が激減する・・・

前段は、日本の教師にも通ずる指摘です。そこに逆恨みの恐怖が加わるのは、荒れる地域ならありそうな話し。いじめの件数が地域別に公開されているとは思えませんが、その頻度で地域の選別が進み、階層社会が固定化しそうです。

2.韓国では、教師が自殺に追い込まれた

小学校の女性教師が、親達から大量の苦情を浴びて、うつとなり自殺した事件があり教師たちが大規模な抗議をしました。

 BBC Japan-韓国で加速する親から教師への嫌がらせ 教師数万人が抗議-

日本のモンペアどころではない。生徒を注意することも、生徒同士のけんかを仲裁することもできないと伝えます。また、児童福祉法を親たちが悪用していると非難します。

暴力をふるう子を制止しても虐待をしたと告発され、口頭注意は感情的虐待だと指摘され、停職処分となる恐怖におびえるのです。リンク先の記事は長いです。

たぶん、激しすぎる競争主義がもたらす弊害と想像します。日本よりも生存競争が激しそうですが、それが一人当りGDPで日本を抜く要因の一つとしたら「日本を上回っても素直に喜べないのでは」、って思うのは負け惜しみでしょうか。

つづく 桶川市の沁みる報告書

 

参考 いじめの主要国先進国比較

 

 

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上尾市の教育」カテゴリの記事

コメント

「上尾のいじめ問題」、8月28日、29日、9月3日、9日の記事、読みました。教育委員会の公表した「調査報告書」などもプリントして読みました。

学校ないし行政側の、やや事なかれ主義の対応と、保護者の真っ当な対応(相当な憤りだろう)が心に残ります。

教育側に大きな課題があることは事実でしょうし、先般NHKでいじめ対応に苦慮している学校の事例が放映されましたが、事なかれ主義、ミーイズムの風潮の中で、学校だけにまかせず、子供のハンディキャップに対し心ある大人が経済的、精神的にサポートしなければならず、そうしたムーブメントが豊富に起こるべきだし、行政はもっとそうした努力を意図してすべきです。(国レベルの施策以外、市としての施策はあるのか)
子ども食堂や神田和彦さんのやっている学習支援などがありますが、いじめの問題についても、もっと市民レベルでサポート体制が出来ないものでしょうか。

学校の怠慢さを指摘する事例は検索すれば他にも出ます。
しかし、うまく解決できた例も多いのに、そっちの美しい成果は公開されません。悪目立ちしやすいテーマですね。
さて、学校のいじめ定義は法では明確でも、世間の認識とはギャップがあります。
つまり、(本人すら自覚できない)精神的な苦痛に向き合うことは、食事や学力の支援よりも難度が高いはず。
いくら、心あっても、思春期の児童心理への洞察やスキルが無いと、かえってヤバいかも。
具体的にと言えば、
スクールカウンセラーの充実しか思いつきませんが、彼らは守秘義務が前提なので、組織的解決になるのかは分かりません。
教師の過重労働を減らすのは必要条件なので、親や世間は学校に余計な依頼をしないことです。
家庭の責任もありますから、思春期子育てのアドバイスや講座が必要かと。
二番記事に書いた、毎始業式で校長や教員が生徒の前で宣誓するのは、子供に分かり易いメッセージだと思うんですよね。

投稿に深謝。
涼しくなったので一万歩を。

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