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2023年12月26日 (火)

35兆円借りて27兆円返す資金繰り予算

別に社会保障費のためだけじゃない。返すために借りているんだ。

年末恒例の国家予算とか人口減少の報道は、クリスマスケーキみたいに消費された感がある。それにしても今年のケーキは値上がりしてたな。

・水膨れ予算に『平時』への道筋見えぬ(日経

・借金づけの難局直視を(朝日

・歳出削減の努力が見当たらない(読売

・110兆円超の予算案 「平時」に程遠い借金財政(毎日)

テレビでは、今年は総額を減らしたという政府発表を垂れ流す報道があった。新聞各紙も、借金頼みの国家予算と指摘する点は同じだが、総額についてはきちんと批判していた。

総額は2兆円減ったが、去年あったコロナ対策等の5兆円予備費を、もう必要ないから1兆円に減したり防衛費増の繰り入れを今年はしないためであり、それは政府の努力じゃない、むしろ、同じ基準では相変わらず肥大化している、と指摘し、テレビの軽さとは違っていた。

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見た通り、税収(70兆円)だけでは42兆円も足りない。業績を反映して法人税17兆円や物価上昇もあり消費税23.8兆円と増えた。しかし、所得税18兆円は去年より3.4兆円も減っており、理由は人気取りの定額減税等をしたため。こう見れば消費税の果たす役割が良く分かるだろう。

  • 収入の3割強を国債に依存する

国債残高は23年末に1270兆円、ここ3年で150兆も増え(読売)、先進国最悪の財政はコロナ禍でさらに悪化した。国債の返済(元利払い)は27兆円と最大化するが今後も増え続ける。そして、今まではアベノミクスによる日銀の低金利政策に甘えられたが、いよいよインフレによる金利上昇へと進む。

今予算では、想定金利を前年1・1%から1・9%に引き上げた。17年ぶりという。R8年度で金利が想定より1%上ると、国債費は3・6兆円上振れするという。産経より

結局、35兆円借りて、元本と利息で27兆円返している。つまり借入の約8割は返済用なのだ。正味、フリーなカネは8兆円である。国民へは、枕詞みたいに「増え続ける社会保障のため」と語るが、実態は、『返すために借りる』という自転車操業である。

増税や歳出改革をしない限り借金は増え続け、そのうち10兆円使うために、50兆円借りて40兆円を返すという資金繰りになるだろう。しかし、金利が想定以上に上がったりすれば、やがて発行できなくなり、歳出削減しか残らない。

  • 実は当初予算だけでは騙されやすくなった
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財政の実態は当初予算だけでは分かりにくい。近年、年度の途中に景気対策とか国民に寄り添うとかの気味の悪い大義で大型補正を組むことが増えているからだ。カネ使いが荒くなっているのだ。つい11月には13兆円も組んだが、7割は国債(8.9兆円)である。つまり人気取りの補正予算で赤字国債を大量発行して財政悪化の原因を作っており、それをリベラル紙さえ危ぶむ。※

※住民税非課税世帯向け7万円給付、ガソリン、電気・ガス代の補助金、半導体メーカーの支援や宇宙開発の基金に使う。朝日新聞 東京新聞

当初予算には注目が集まるから「財政健全化にも目配り」と装いながら、補正という「抜け穴」で国債を発行する。その手口は、政治資金規正法を守ると言いつつ、パーティ券で裏金作る行為と似ている・・・。

  •  金利のある世界へ行く力が有るのか正念場の春

脱デフレとしての異次元金融緩和をやめ、「金利のある世界」へ戻ろうとし、それは各方面から望まれている。※1

金利が上がるメリットは多い。経済活動の正常化や投資の最適化だけでなく、金融資産に利息が付くことである。年金はなかなか上がらないが、(高齢者の)金融資産に1%でも利息が付けば、税引後0.8%となる。1千万円で8万円となり、十万円給付に近いのだ。

アベノミクスの相棒である黒田日銀が金融緩和を続けたことで、財政を肥大化させ、赤字国債を増やしても金利は上がらないという慢心や「日銀は子会社」という態度が自民党に沁みついたが、パーティ券疑獄で安倍派の衰退や解体がはじまった。

それは日銀の政策的自由度が元に戻る事であり良いことだ。短期的には、金利上昇で財政悪化がさらに進むが、その先の正常に歩むきっかけになると期待する向きもある。もちろん、(借入コスト上昇と言う)痛みや緊縮財政を拒否する人々もいるわけだが・・・。

所が金利上昇が制御不能になることを恐れて、植田総裁が本当にやれるかは分からない(思った以上に慎重なのは、国の財政悪化を恐れているのだろうか。他に、日銀の財務状況が悪化するから躊躇するという見方もある)。基本、個人はどう守るべきかと言えば、円高ではなく、「円だけ」リスクに備えた方が良い。そこは変わらない。

※1  金利のある世界へ(みずほリポート) 

2%物価が持続的・安定的に実現した場合の、「金利のある世界」を想定する
■前提となる経済のファンダメンタルズ
―持続的・安定的な2%物価が実現。省力化投資・人的資本投資の活発化で実質成長率(潜在成長率)は0.3%pt上昇(0.8%)。インフレ率を上回る賃上げ率が定着し、安定成長へ
■前提となる政策金利・長期金利の到達点と政策金利のパス
―2026年にかけて政策金利(短期金利)は2.75%、10年国債利回りは3.5%に上昇
―2024年上期にYCC撤廃・マイナス金利解除を実施し、年4回0.25%ずつの段階的な利上げを実施。2026年後半に2.75%に到達
■実体経済への影響
―金利上昇が投資を、円高が輸出を押し下げるも、労働生産性の上昇により成長力が拡大
―家計では、高所得層・中年層で収入増加。預金利子収入増が、住宅ローン負担増を上回る
―企業では、負債利子率上昇や円高のマイナスを、景気拡大による利益増がやや上回る
―政府では、経済成長にともない税収増も、中長期的に利払費の増加が財政を圧迫
■金融機関への影響
―利ザヤは拡大へ。金利感応度は振れ幅があり、利ザヤのレベル感は幅を持ってみる必要
―預貸金残高は、家計・企業のキャッシュフロー改善や、資金需要の増加により拡大。ただし、手元預金を住宅ローン返済や設備投資の原資に充てる可能性も

 

 

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