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2024年1月 6日 (土)

日航機と海保機の追突炎上に見る賞賛と原因の落差

全員避難ができたのはモラルの高さではない。

違和感の一つは、日航CAの避難誘導や従う客のモラルの高さを、能登沖地震もあってか流石日本人みたいな情緒的な称賛になりやすい反面、事故原因はタダの勘違い、人災ということだ。ヒューマンエラーと横文字で書く所もあるが、それは「お粗末」を格上げして隠すようなもの。

原因は究明中だが、「ナンバーワンの意味の勘違いという話しになっている。つまり日本人(エリート)同士が、日本語と英語が混ざった会話で勘違いが起きたとしたら、日本礼賛との落差が激しすぎる。今のところ、海保の誤進入、管制官はそれを見落とし、JAL機に着陸中止を告げなかったという感じ。

1.車線合流や踏切事故に似る

 当日のニュースを見た時は、高速道路に車線合流を想い出した。パーキングエリアから出て本線に合流するとき、(右手にみる)本線を高速で走る車との間合いを取りながら進入する。しかし、そこには交通整理のお巡りさんはいない。合流する側に一番の安全義務がある。

 本件は、監視役(管制官)がいる所で、直進JAL機と横道から入った海保機がいた。三者が居たのに追突事故になった。その三組はそれぞれ複数人(主と副)構成なのに、「勘違い」と「(侵入)見逃し」、「前方不注意」が起きた。複数人で復唱応答することでミスを防ぐという人間主体のアナログ方式は、混雑する羽田ではその方が優れているからだと元管制官が(朝の番組で)自信満々に語っていた。

だからか、映像は衝突して大炎上する一種類のみ。つまり、滑走路には監視カメラが全然ない性善説の世界らしい。

今日の犯罪捜査の最大の決め手は警察の手腕ではなく、街中にある監視カメラの数である。滑走路の要所にカメラが無いから、海保機が勘違いで侵入を写した録画が無い(隠している?)。だから、会話録で原因究明するありさまである。監視カメラなんて安いモノなのにね・・・。

立ち入り禁止エリアに入った事故だから踏切事故みたいだ。違うのは、今の鉄道踏切にはカメラはあるけど、今回は、遮断機もカメラもないということだ。

2.18分間で全員脱出できた本当の理由とは

衝突は午後5時47分頃。訓練では90秒で避難できるらしいが、衝突後、出口が開くまでは515分ほど。そして、8カ所のうち5カ所は火災で使えないと判断し、最前列の左右と最後尾の3カ所から滑り台で出た。むやみに出口を開ければ、炎が入り込む恐れもあったという。(日経より) 「90秒ルール」訓練効果か

ビルなどの閉鎖空間の火事では死者は煙によるものだ。避難が遅れるためだ。今回、「肺に刺さるような煙」という証言があったように、実際は際どい状況だった。濃い濃度の一酸化炭素なら一息で意識を失う(低姿勢で濡れタオルで口を塞ぐのがよい)。

だから、脱出ドアを開ける判断は、火の手や煙の回り方次第と思うが、外の見えない機内から最適な判断ができるだろうか。今回は結果オーライなのだろう。

唯一の教訓は、避難は共同作業であり(高価な)荷物を諦めろということ。荷物を取り出すと通路の渋滞が発生する。日航は見舞金として1人10万円、荷物弁済金10万円の計20万円を支払うらしい。

2019年のロシア飛行機炎上事故では、荷物や衣類を持った乗客が目立つ。

いくら90秒で脱出できると言っても、それは有害ガスも無く機体が壊れていない訓練だ。今回の大型機が大炎上する姿から全員脱出は奇跡的に映るが、たぶんテレビで映し始めた頃にはほぼ脱出中かもしれない。なお、パニックらしいことは実はあった。煙が立ち込めるのにドアが開かなかったら当たり前である。ただ逃げ場所が無いからCAの言う通りにするしかない。※2

結局、避難できた最大の理由は、エアバスA350機が倒れずに姿勢を保って停止し、燃えにくかったからだろう。

倒れたり、胴体が割れていたらもっと凄惨な姿になる。その辺りをBBCがクールに専門家の解説をしている。

・教授(事故原因調査)は、「衝突によって左側のエンジンが衝撃を受けたことで、燃料ラインが破裂したようだ」。「その時点で巨大な火の玉が上がり、それ以降は燃料漏えいが続いているようだ。燃料が機体から流れ落ち続けることで、非常に厳しい事態になる
・「脱出可能になってすぐに乗務員たちは非常扉を開いたはずで、それによって脱出シューターが自動的にふくらんだはずだ」、「客室の座席その他の材料は防火素材でできているが、燃えないわけではない。それでも、あの量の燃料であれほど激しい炎が燃え上がったのは意外だった」
・どの空港でも救急消防隊は3分以内に到達できるよう待機し、実際の機体到達目標時間は2分だ。第一に、脱出を妨げるような炎の消火が優先される。旅客機は設計段階で、脱出口が半分しか使えない状態でも、90秒以内に全員が脱出できるよう設計されている
・衝突したJAL機のエアバス「A350」の主要構造が保たれたことで、全員の脱出が可能になった
・別の飛行機と「非常に強く衝突」したにもかかわらず機体が崩壊しなかったことで、日航機の機長らは滑走路で停止させることができたのだろう。
・A350はカーボンファイバーなどで造られ、炎にも長時間にわたり耐え続け、そのことも脱出を可能にした。全員が脱出できるまでA350が構造の一体性を維持したことはその「強靭さ」を証明した。

BBCは日本礼賛ではなくエアバス礼賛になったが、かえって事故原因がお粗末に見えて仕方ない。

どんな対策にも長所と短所があり、それを総合的にみて今のアナログ的な複数人の復唱確認が良いとしたはずだ。そのスキを埋めることは大切だが、時代的に安心安全で過大な投資を求める人が出てくるから、そこは要注意だと思う。せいぜい、管制のやり取りは、曖昧さを避けるために日本語を禁止にするのが良いと思う(なお今回は全て日本語なら発生しなかったという見方もある。それは海保機側は英語が苦手というものだが真偽不詳)。

※2 TBS NEWS DIG

 

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