カテゴリー「地震・災害」の74件の記事

2023年1月 2日 (月)

高さ10m級の堤防が平方・上尾市を守る

無堤防区間の解消は用地買収でいつになる?

3 min read

 荒川沿いの水害対策についてナマ情報を投稿してくれる読者からの続報です。年末に届いた写真には、「第三調整池の掘削作業が始まっています」と添えられていました。いよいよなんですね。

 浜ゴム跡地(愛宕三丁目)のGLP上尾の工事もですが、こっちはもっと壮観なので見に行きたいものです。

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 池の仕様は、過去記事の「効果30cm」に書きましたが、目的は下流域への水量抑制です。上尾(平方)の水害対策は、並行して進る築堤事業つまり土手造成です。

 寄稿には、ちょっと気になることも書かれていましたが、当方が検証できないため(議事録でも不明)、掲載を見送ります。m(__)m。しかし、他に気付かなかった事が分かりました。

 が、その前に3つを紹介。

1、台風19号(2019.10/12)の被害を受けた「川岸屋の娘」さんが去年6月に廃業を伝えました。下は被災直後のもの、この日から娘さんのツイートが始まっています。

2、被害のスケール感を生々しく伝えた平方洪水写真。ソースは群馬大学教授・早川由紀夫氏空撮と思われます。それを当ブログで紹介したのは翌年7月なのに、今でも閲覧は続き1950回を超え、上尾市が公文書に載せたものより貴重な光景です。

3221月から用地交渉に入り、11月のストリートビューでは移転補償※3 により住宅解体が済んだ所も。

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 ●これが平方地区の堤防計画の姿 

以下は国交省平方地区説明会資料より(21/12/19) クリック拡大

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最終的には開平橋を境に上流と下流に高さ9mの堤防が作られ、既にある堤防へと繋げます。これで無堤防区間が解消されます。高さは測定起点で変わります。20/12月の資料には下流側で9mと明記。

 工程は、①低水護岸、②小堤、③市道・排水工、④本堤 の順です。上流側はクラブハウスの先にある既存堤防に繋がります。河川敷と往来するための坂路や市街地の雨を荒川側に排水する樋管(ひかん)が設けられます。

 本堤の敷幅は川沿いの現市道から65mほど民地へ食い込み、川岸からだと90m位です。堤防天端の幅員は7mです。長さは説明図には見当たりませんが上流側で440m位です(Gマップ上)。

  たぶん、開平橋の下をくぐる感じで下流側へ繋がりますが、下流図が無いので詳細は不明。下流側に第三調整池が造られます。※2

 参考 上流側のGoogle-3D地図 

 計画エリアには、住宅以外にも医院、クラブハウス、食品工場が含まれると見ます。本堤の着手は24年予定ですが、用地交渉次第なので、完成がいつなのかは分かりません。だから、仮の「小堤」を造っています。21年には予期せぬ基礎崩落もありましたが、高さ1.5mを作って、大型土のうの設置も完了済みらしいですよ。

●最後に、上尾市政のダメダシ

 国交省荒川上流河川事務所 のサイトはとても分かりにくく、新旧混在、中身を連想できない文書タイトルが多いです。結局、当方が見落としていただけで、20/12月には地域へ公開済みでした。 

 しかし、国の事業だとしても他市民に説明しないのは「お役所仕事」です。防災は市政の最重要テーマですから、荒川沿いで9mの本堤が造られようとしている姿を伝える義務があります。専門家の上尾市建設課がやるべきであり、こんな国交省へのリンクだけなら子供でもできます。その意味では、上の説明は素人の見方であり、正しさを保証していません。

 当地の議員は長期休み、住民からもネット発信も見当たりません。先日、小池議員がローカルインフルエンサーを提案してましたが(こちら)、こういう役割なら必要ですね。

●夏の花火大会は?

 実施前提で書くと、工事現場を市民が目にする機会は重要であり、水害対策への理解と事業のPRになります。それができるかが問われます。

 

独白 地方に行くと、田畑が道路計画に織り込まれると宝くじに当たったも同然です。跡取りのいない農地や敷地を先祖の地と惜しむ人もいますが、多くは耕作放棄地やタダの荒地と区別がつきません。流動性の低い土地を公共事業で買い取ってくれたら、利便性や医療アクセスの良い市街地へと転居できます。


参考

※1 荒川氾濫を伝える一枚の写真… 、荒川洪水に備える第二・第三調整池…

 上尾市の被害まとめpdf

※2 調整池の完成イメージ

※3 国交省荒川上流河川事務所

 補償金の算定 ※3より引用

(1) 土地の補償

取得する土地に対しては、『正常な取引価格』をもって補償いたします。土地価格の算定にあたっては、現地を踏査したうえで、売買実例価格、地価公示価格などを調べ、さらに不動産鑑定士による鑑定評価格を求めます。
なお、皆様からお譲りいただく土地の面積は実際に測量したものとなります。

(2) 物件等の補償

土地に建物がある場合は、その建物の配置、種類、構造、敷地の形状等に基づき通常妥当と思われる移転工法(再築工法、曳家工法、改造工法等)を決定し、その移転工法により算定された額が建物移転補償となります。また、工作物についても、建物に準じて算定し補償いたします。

 

2022年10月26日 (水)

荒川洪水に備える第二・第三調整池と上尾

その効果は、30cm・・・

1-2 MIN READ

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荒川洪水調節池群の整備が始まっている。第三調整池が上尾市側に作られる。その工事着手の写真を読者が送ってくれたので感謝を込めて掲載。クリックで拡大。

平方地区の荒川の拡幅工事が終わった
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現在は護岸の補強工事。鉄板を打ち並べて内側にコンクリートを入れている
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掘削機

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概要は国交省関東地方整備局・荒川上流河川事務所にあるので、下にまとめた。

(事業の内容・諸元 )

・場所 さいたま市、川越市、上尾市

・全体事業費 約1,670億円 

・事業期間 平成30年度~平成42年度(13年間)

事業内容 第二調節池 第三調節池 (上尾市)
面積 460ha 300ha
治水容量 3,800万m3 1,300万m3

・事業の効果

 ・調節池の整備により、洪水の一部が調節池に流入し下流へ流下する流量を低減できます。

 ・流量の低減により洪水時の水位上昇が抑えられ、堤防決壊等のリスクが低減します。

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引用元の文で驚くのは、今でも「平成42年度」と書いている役人の硬直ぶりだ。まぁ、2030年のことらしいので、今から8年後に完成だ。

解説はこちらが良い。

それを読むと、上尾やさいたま市よりは、東京都を守るためのように読めた。完成後の効果を次のように書く。

2019年の台風19号の時に、岩淵地点(東京都北区)で約30~40cm水位を避けていたと推定されます。

 素人には、たった30cmかと思う一方、安心ってキリが無いのに1670億円もかかるのかと驚く。もちろん将来世代が払うのだ (>_<)

 しかし、もっと降って溢れた日には、『想定外』で済んでしまうだろう。

 異常気象が頻発する時代では、そもそも水害が想定される地域の宅地開発を制限したり住まないことが合理的な選択なのだが、現実はそうならない。

コロナを契機に、都内脱出とかリモートワークとか地方移住とか言われたが、日本の変化は微々たるものだった。

関連 上尾市の標高図-地形分類で選ぼう住宅立地

関連 気候変動、現行目標達成でも2.8度上昇=国連

2022年9月12日 (月)

常磐線、放射能測定の旅

熱心な読者からの寄稿。

見る人が見ると分かるんでしょうね。


東北の大震災後初めて常磐線に乗りましたので各駅で放射線を測定してみました。

いずれも基準以下ですが福島原発事故の影響を残しています。

上野  0.06 μs/h

松戸  0.06 μs/h

天王台 0.06 μs/h 

取手  0.06 μs/h

藤代  0.06 μs/h

竜ヶ崎 0.05 μs/h

牛久  0.06 μs/h

日立牛久0.07 μs/h

荒川沖 0.08 μs/h

土浦  0.10 μs/h

筑波山口0.12μs/h

山には放射能プルーム(雲)がぶつかり麓の放射線が高くなります。

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身近だと、さいたま市の新都心にあるMM社地下室にある放射性廃棄物って、外へはどの程度の値なんでしょうね。
基準値以内のハズですが・・・
こんど機会がありましたら、さいたま新都心駅前も。

2022年5月25日 (水)

首都直下地震の埼玉県震度を地形分類図で予想

1都3県、首都圏の震度分布は…

前記事 地形分類で選ぼう住宅立地  追記 上尾市ハザードマップの予測(文末)

東京都防災会議から、首都直下地震等による東京の被害想定 報告書がでた。詳しくは各報道参照へ

耳タコだが、発生確率は今後30年間で約70%。いつ起きてもおかしくない。複数パターンのうちの最悪ケースの震度分布図が目を引いた。いつも東京都の絵しか見せないのだ… ( ゚Д゚)

都県境で地震波が止まるわけでは無いから、せっかくのデータで埼玉県・神奈川県・千葉県境まで描いて欲しい。それが共助って言うものだろう。大野知事は百合子さんに頼まないから、前記事で使った国土地理院・地形分類(自然地形)の地図と比べてみた。クリック拡大

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右の自然地形の水色は低地である。その地形解説は、

・土地の成り立ち・・・河川や海の流れによって運ばれた砂礫や泥が堆積してできた平坦地。または、その流れの侵食によってできた平坦地。

・自然災害リスク・・・河川氾濫、高潮、液状化に注意。地震時に揺れやすい

こうみると、埼玉県南部で都境の自治体は震度6強、そしてオレンジ色(台地・段丘)は6弱かなと思う。
所で、地理院地図のズームレベルを拡大すると更に細分化され、江東区や湾岸部は旧水部と定義される。

・土地の成り立ち・・・江戸時代または明治期から調査時までの間に海や湖、池・貯水池であり、過去の地形図などから水部であったと確認できる土地。その後の土砂の堆積や土木工事により陸地になったところ。

・自然災害リスク・・・地盤が軟弱で、液状化のリスクが大きい。沿岸部では高潮に注意。


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●その後、朝日新聞をみたら首都直下地震の被害想定ページに首都圏の震度分布があった。これだと埼玉県も分かるが、今回データとの違いは分からない。上尾市は震度6弱だ。

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上尾市ハザードマップに埼玉県の震度予想図がある。発生確率が一番高い70%の東京湾北部や茨木県南部のケースでは最大震度6弱になる。なお今回の都発表の想定例と下の東京湾北部地震とは微妙に違うものと思う。
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●東京都の今回発表で注目された災害シナリオ
こっちの方が重要だがどこまで浸透するか。詳細はこちらのP10~13
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2022年4月 7日 (木)

日本のリスク、地震の多さが気になる2022年


専門家は長い目で見ているから特に多いとは言わないが、3.11の数年後を除けば、今年は体感的には多い様に思う。末尾に表にした(tenki.jp地震情報は震度で抽出できる )。
専門家の先生は、全国で相次ぐ震度4以上の地震(名古屋テレビ)の中で次のように語っていた。
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「特別多いとかそういう話ではなく、多かったり少なかったりする周期の中の、多い時期と言えるのではないか。北海道や福島は東北地方太平洋沖地震の影響で、京都や今回の愛知の地震は南海トラフの準備の中で起きているものの1つかもしれない」(愛知工業大学 地震学 横田崇教授)

●3/16日の震度6強は首都圏でも大騒ぎとなった。

その深夜は停電エリアが有ったり、消防車が信号の消えた旧中山道を突っ走っていた。不思議に3.11と同じく、風もない暖かくて過ごしやすい夜だった。

そして翌朝、わが街・上尾市からの地震の被害報告については市サイトに何もなかった。本当なら、停電が○○エリアで発生し何時頃に復旧とか、或いは「特に被害情報は入っていません」とか位の事実報告はすべきなのに、被害が無いから報告も無い、というのが上尾市の危機管理である。

実際、世間も行政も翌朝には何事も無かったように過ごしていたわけだ。

なお素人目にはあれは一回と思うのだが、3/16の地震は震度6強が二回と数えるから統計的には多く感じてしまう。

プーチンの戦争で国防問題が焦点化しているが、気になるのは首都直下地震である。こっちこそ日本の最大のリスク要因だと思うのに、現実はタワーマンション開発が増えている。埋立地にタワマンなんて狂気だと思うが都心生活のステータスシンボルみたいになっている。

耐震とか免振・制震というが、結局は容積率緩和という錬金術による開発バブルだと思う。豆腐の上の細長い箱じゃないの? 日本では建ててはいけないと思うのに、どうにも技術過信ではないだろうか。ちなみに、ウクライナの被害を見ていると、建物にレンガや鉄筋が細いのしか見えないのは地震が無い国なのだろう。

また、少し前にNHKテレビでやっていたが、タワマンの地震問題では排水管の正常を確認するまでは水が流せなく、それまで汚物をどうするのか悩みなのだという。

我が家では非常食を点検した。賞味期限切れがあったので更新した。ミカンの缶詰が膨張していたので開けたら中身が腐っていたのには驚いた。避難生活の時は、美味しいものを食べたいと思う。

車のガソリンも満タンにした。リッター165円だった。ヒマを見ては書棚の軽量化をしている。結局、思い出みたいにとっていても、読まない本や書類は捨てるしかない・・・

▼発生時刻 震源地 マグニチュード 最大震度
2022年04月07日09時30分頃 愛知県東部 M4.6 4
2022年04月06日17時14分頃 和歌山県北部 M3.6 4
2022年04月06日00時04分頃 福島県沖 M5.4 4
2022年04月04日19時29分頃 福島県沖 M5.1 4
2022年04月04日10時26分頃 石川県能登地方 M4.3 4
2022年04月02日16時27分頃 茨城県北部 M4.4 4
2022年03月31日23時34分頃 京都府南部 M4.3 4
2022年03月31日20時52分頃 千葉県北西部 M4.7 4
2022年03月30日00時18分頃 岩手県沖 M4.6 4
2022年03月27日08時15分頃 十勝地方南部 M5.1 4
2022年03月25日12時08分頃 福島県沖 M5.1 4
2022年03月23日09時23分頃 石川県能登地方 M4.3 4
2022年03月18日23時25分頃 岩手県沖 M5.6 4
2022年03月17日00時52分頃 福島県沖 M5.6 4
2022年03月16日23時36分頃 福島県沖 M7.4 6+
2022年03月16日23時34分頃 --- --- 6+
2022年03月08日01時58分頃 石川県能登地方 M4.8 4
2022年02月18日11時55分頃 宮城県沖 M5.2 4
2022年01月22日01時08分頃 日向灘 M6.6 5+
2022年01月04日06時09分頃 父島近海 M6.1 5+

 

 

2022年3月22日 (火)

停電しそうだ。With地震時代の日本

<揚水発電所の発電可能残量>

午後4時には、揚げた水の半分を使ってしまっていた。夜には空っぽ・・・寒くなるなー

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こちらの東電・でんき予報から 3/22 18:00

○ 電力需給が極めて厳しい。このままだと夜20時以降に揚水式水力発電の運転が停止し、約500万kW(200万~300万軒規模)の停電が発生するおそれ。そのため、更に毎時200万kW程度の節電が必要、もう一段の更なるご協力をお願い。

同サイトから

・揚水発電所は上下の2つの調整池を持ち、一定量の水を繰り返して使用する発電所です。電力需要の少ない夜間帯に下部調整池から上部調整池に水をくみ上げ、電力需要が多い時間帯に上部調整池から下部調整池に水を流して発電します。当社サービスエリアでは、全供給力の約20%を占めています。揚水発電所での発電量が増加すると、上部調整池の水を使い切る可能性がある。

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季節外れの寒さだが、世間では節電はそれほど深刻には行われなかったかもしれない。外出先の店では何も変わってなかったし、照明も半分では無かった。

でも、使用率99%だったのが、17:30で97%に下がっていた。みんなガンバレ・・・(^-^?)

計画停電すれば、と言う威勢のいい声もあるが、昨日の今日で急にやられたら経済的な被害も多いだろう。

テレビで、画面の明るさ落とせと言っていたが、なんでテレビ消せと言わないのか。バカじゃないのかと思う。ニュースはスマホ、ラジオで。

先日のM7.2地震後に備蓄品を少しチェックしたら、ホカロンを買い過ぎていたことが分かった。重複して買っていたので、古いモノから消費しよう。

おしまい。

 

 

 

 

 

2021年10月10日 (日)

首都直下地震の予行演習になったか?

コロナも地震も慣れてしまう日本かも

専門家は想定する首都直下地震とは違うというが、足元が震源なら同じだよね。とにかく地震は予知できず、突然やって来た。

 ●2021年10月7日 22時41分ごろ 震源地 千葉県北西部、最大震度5強、マグニチュード6.1、深さ80km

 震度5程度の揺れなのに首都圏では翌朝から電車ダイヤが大幅に狂ってしまった。エレベータも地震で一たん止まると、必ず点検しないと稼働できない仕組みらしく、マンションの人は大変だったらしい。もし夕方だったら階段になったわけだ。

コロナの5波が信じられない水準まで減っているとはいえ、早朝から満員電車に載るのは嫌だったろう、と他人事みたいに思うのは久しぶりに駅前の喫茶店へいったときのこと。普段より混んでいて高校生もいたし、電車待ちと思える女性は宅建の試験勉強をしていた。

電車やエレベータが止まったのは点検作業のためだが、新宿湘南ラインみたいに長い路線は点検に時間がかかることは開業時から危惧されていた。エレベータは保守業者も回り切れないから復旧に時間がかかりそうだ。

●川口市の揺れが震度5強なわけ

震源の千葉市よりも遠い川口市の揺れが酷かったので話題になった。テレビでも駅前混雑で随分とニュースになっていた。地表面の40kmの差は地下70kmの震源からみると大した差では無かったかもしれないが、どうやら川口市や足立区は軟弱地盤だから揺れが大きかったらしい。

NHKサイトで今回の地震について出ており、表層地盤の地図があった。地表に近い地盤の揺れやすさを意味するようで、荒川、大落古利根川、利根川などの川沿いが目立つ。下図はJ-SHISより

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先日書いた浸水ナビの荒川氾濫の想定図を再掲する

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河川に起因するものだから共通してしまうのだが、これらを見ていると埼玉県南部への住宅人気ってどうなんだろうって思う。

でも実際は、3.11の後だって首都圏はタワマン建設ブームが起きている。容積率という数字を変えるだけで宅地造成が出来るのだから、麻薬みたいなものだ。そこへ免振とか耐震という技術で不安解消するのが日本なのだが、自信なのか過信なのかはその日まで分からない。

●長周期振動とマンションの揺れ

 毎日新聞によると、地震波の中で、揺れの一往復が2~10秒となるのが長周期振動。それが、建物の持つ固有の振動と一致すると共振が起きてもっと揺れてしまう。階数×0.1秒というから、30階建てマンションなら3秒だ。長周期振動による大被害の例が1985年のメキシコ地震で500棟が全壊したという。

 気象庁では、アニメで15階ビル(固有周期1.5秒想定)、30階ビル(3秒想定)、50階ビル(5秒想定)の揺れを見られる。こちらをクリックするとアニメ起動になる

 あの夜、あの後、外に出て近くのタワマンを見た人が語るには、普段はまばらな灯りなのに、あの時は全戸に灯がついていたとのこと。

●粗大ごみの処分が増えている

 地震対策も兼ねて今年は150kg位を捨てた。普段は解体して西貝塚環境センターへ持ち込むのだが、セダン車には入りきれない書棚の処分のため、初めて市の粗大ごみ回収を依頼した。

7月の時は既に予約一杯で断られた。聞けば、去年から処分依頼が急増してると言う。コロナ禍で外出できないヒマになった影響もあるが、在宅ワークのスペース確保とか、子供が巣立って家具類が不要になった処分だろう。

ワクチン予約並に受付開始と同時に電話をかけ続け、なんとか繋がった。

予定日に市のトラックで取りに来た。重量測定できる車なのだろうか、70kgと請求され、そんなにあるかとびっくりした(まさか目分量じゃないよね)。でも解体して運ぶことを考えたら楽なものだ。

捨てる前に写真撮っておけばよかったな、と後悔した。

多分見ることは無いけど・・・

 

なんか書き忘れたなと思っていた事を追記・・・

●根本的解決策は強靭化ではなく首都機能分散

勇ましい言葉が好きな安倍さんは国土強靭化計画を唱えていたが、なんだかんだ東京だけが栄える小さい日本になった。昔は首都機能移転という計画があったのが懐かしい。

結局、オリンピック誘致は精神的な高揚感が欲しかっただけで、社会資本はますます東京に集中し、借金も残った。そんな東京一極集中を壊すには機能分散しかないのだが、既得権益や仲間内の批判を恐れてできない。

リスクを避けるのが日本人なのに、『卵を一つの籠に盛り続ける』のを止められないのは、みんな責任(損失)を負わずに逃げられると思っているからだろう。

イヤイヤ、考えたくないから 変わらないのだ。

 

 

2020年7月19日 (日)

荒川氾濫を伝える一枚の写真_上尾市台風19号

氾濫、越水、溢水と洪水用語はいろいろあれど、百聞は一見にしかずの写真。そして、自然災害が人災になる時代の劣化。

追記 22/12.13 リンク切れ修正を兼ね本文の短文化。「川岸屋の娘」さんツイート被災写真を文末に


 去年の台風19号(令和元年東日本台風)は各地に被害をもたらした。10/12日の上尾市での荒川氾濫はテレビで取り上げられる規模ではなかったが、界隈では近年にない水害となった。当時、写真入りで書いたが、(平方が市域端にあるためか)市民の間では噂話し程度で終わった感もある。

 19.10/14 荒川越水の公式認定は
 19.11/4  上尾市の台風19号の被害は?

ネットには被害の写真・動画はあるが、道路冠水や議員のPRと見まがうレベルだったりする。そして、次の一枚を超えるものは無かった…。
 約1Mbのワイド写真 (参考 imgurが見られない人用に下図)

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 注、ソースは群馬大学教授の方によるドローン撮影。早川由紀夫の火山ブログ

 20年3月には危機管理課から総括書も出たが、写真が無いためリアル感は乏しい。しかも、さっさと削除しているので文末に部分引用した(※1)。「災害の少ない街」というイメージを壊したくないのかな…。

 あふれた場所は、平方の上宿地区にある堤防の無い区間だ。水はうどん屋の道から東側の八枝神社の手前まで迫った(岸から100mくらい)。八枝神社は標高15mだが、川辺までは5mも下がる (標高は地理院地図で簡単に分る/スマホも可)。

 実は、国交省の用語には洪水、氾濫、越水(えっすい)、溢水(いっすい)などがあり、どれも水が溢れる(あふれる)ことを意味する。中でも、越水とは堤防を越えてあふれること溢水とは堤防の無い所であふれることとある。だから、公式には荒川氾濫ではなく荒川溢水となる。

 平方はその昔、江戸時代には渡船場(平方の渡し/船着き場)があって船運で栄えていた。その後、開平橋や高崎線の開通により、陸運にとって代わられて今に至り、市内でも少子高齢化が進むエリアである。

 参考 開平橋(アッピーガイド) 平方地区人口推移 

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 地図では北と南には堤防が来ているが(図の青丸は想像)、ここだけ無堤防区間のままだ(ストリートビューより)。古い人によれば、何度も水がつくことがあり珍しくないというが、今回、37軒ほどが床上・床下浸水となり、生活再建支援制度(全壊、上限は300万円)を適用した。

 ところで、上図で分かるように無堤防の川岸まで市街化区域(黄色)に指定されている。まさか自己責任論ではないと思うが、この指定は憂慮すべきことだ。そして、荒川洪水ハザードマップ2を見てみよう。

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 仮に、無堤防区間から水が入ると、紫色の橘高校は浸水5m、濃い青は浸水2m以上の想定域である(実際は周辺部の高低差で変わる)。あたかも、わざわざ堤防に切り欠きを入れたように見えてしまうわけだ。幸い、首都圏は富士山を含む関東山地の包囲効果で雨雲の来襲を減らすが、更に大きく、或いは長居をする台風が来たら耐えられない。

 最後に、人々の歓心(=票)を得るため、避難所の全体育館にエアコン導入などという政策を手柄にする市長と政党は愚かである(こちらの記事)。

関連 上尾市の台風19号サイトはこちら道路冠水の31カ所の地図こちら。見にくいが、知っておくと役立つ。市境部に多い


●市の報告書から主なデータを抜粋 ※ 国会図書館アーカイブより

最大時間雨量 25.0 ㎜  10 月 12 日(土)10 時 00 分~11 時 00 分
最大瞬間風速 31.3m/s  10 月 12 日(土)22 時 00 分~23 時 00 分

※最大避難者数 999 名・391 世帯(10 月 12 日(土)22:00 時点)
住宅被害 床上浸水 33
床下浸水8
車両水没 3 件・4 台(藤波、平方、上尾下)

人命救助事案 19 名(平方 2693 他 開平橋付近)※うち 2 名は防災航空隊によるヘリ救助

(1)道路冠水 49 件 うち通行止め 39 件
江川・逆川沿い:藤波、領家(工業団地周辺)
荒川沿い:大字平方(リバーサイドフェニックス・川岸屋付近、 丸山公園南側、橘高校西側、開平橋付近
開平橋~リハセン前道路)
芝川沿い:鎌倉橋、西長橋、舟橋、新橋、日の出橋、日の宮橋、農協橋
原市沼川沿い:沼橋、境橋、中通橋、平塚橋、柳津橋


関連 氾濫まで53cmだった荒川(朝日新聞)

●参考 NHK記事より 19号の被害は国交省によると、国都県が管理する河川で堤防決壊は142か所、氾濫した河川の数は延べ325。崖崩れなどの土砂災害も952件。死者は福島県や宮城県、神奈川県や長野県を中心に121人、行方不明者が2人。

 

 

2019年11月 4日 (月)

上尾市の台風19号の被害は一体どうなんだ?

上尾市役所のHPでは、二週間たっても、速報のみである。

あの台風の被害や危機的な状況はどうだったのかは、リアルには伝わらない。その点はかまちょ図書館でも嘆いている。

上尾市サイト→ 台風19号による上尾市内被害速報(10月17日)

以下は領家の方からのメールと写真である。

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写真は台風19号の翌日 10月13日の10時です。

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900人が避難しました。
避難所の不足が問題になりました。
避難警報が10回出ましたが私は避難しませんでした。
遠いので
平方地区は土手が無く入間川の合流で水位が上がり19戸が床上浸水しました。

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上尾市は詳報を書くつもりは無いようだが、「床上浸水・床下浸水 65 件(平方上宿地区、平方南地区、領家工業団地
ほか)」と書かれてもピンとこない。

メールには避難所の不足が問題とあるが、実際に避難所の定員とは何人なのだろう、たぶん決まっていると思うけど・・・また非難先には毛布一枚しかないとか、布団持参で無いと困るらしい。

 

 

2018年7月23日 (月)

この熱さを「災害」というわりに、電力使用率は話題にならない

東京電力のでんき予報を久しぶりに見る
 無風のときは歩くよりも自転車に乗ると熱風の中を漕ぐことになり、もっと熱く感じる、今日この頃です・・・
 挨拶は、「暑いですね」 から 「干からびてますか」へ。
 
 今日は熊谷市で日本最高の高温を達成したという事で話題になった。従来の記録である四万十市の41.0を0.1上回ったという事で、ほとんど100m競争の世界だ。 しかし四万十市で41とは出来過ぎだな…
 
 個人的には41度も39度も大して変わらないと思うのだが、平熱の高い人ほど楽だったりして・・・
 これほど連日の猛暑なのに、最近は電力消費が不足するというニュースが丸で出ないし関心にも上らない。久しぶりに東京電力のサイトを見たら、7月は電力使用率で「厳しい」という95%を越したことがない。
 
 本日も93%である。
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 この比率だけで評価すれば、95%超は今年の1月に4日あるだけ。この7月は7/2月に94%が最高だ。ただし分母の供給力を今は増やしているためもある。
 
 もちろん原発は入っていないはず。
つまり稼働しない原発があること自体が災害のタネになる。

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