カテゴリー「本・読書感想等」の53件の記事

2020年11月 4日 (水)

トランプはソシオパスである

51gsjdfjpl_sx343_bo1204203200_世界で最も危険な男(メアリー・トランプ著)

 トランプ大統領の兄の娘、臨床心理学の博士号を持つメアリー・トランプ女史によるトランプ一族の精神構造を告発した本だ。ドナルド・トランプを反社会性人格障害であると断言し、その生い立ちから今をクールに綴る。

(本書p30-31) 彼は反社会性人格障害の判断基準にも当てはまっている。この障害が重度の場合、通常は社会病質者(ソシオパス)として判断されるが、別のケースでは犯罪常習者や、傲岸で他者の権利を無視する人の場合もある。依存質感はあるのか? おらそくあるだろう。ドナルドは依存性人格障害の診断基準のいくつかにも該当しそうだ。・・・・

 日本だと名誉棄損になりそうだ。トランプ氏は出版停止を申し入れたが裁判所は出版許可をだした。

 大学の替え玉受験とか父親の汚れ仕事を手伝っていたことなど、身内でしか知り得ない事も赤裸々にあるが、惜しいかな家系図が無いので人間関係の所が??となりやすい。(主要人物名には注釈付きだが)

父フレッド・・・長女マリアン、長男フレディ(著者の父)、エリザベス、次男ドナルド(大統領)、三男ロバート、もう一人?。多分こんな感じだ。さらに親戚や友人、政治家名もでてくる。

全ては、父親フッド(住宅建築王)から始まる。共感力が無く、平気で嘘をつくとか他人の人権を無視するなどのソシオパスだと書く。完全な父権主義らしく、「女は生まれつき男より劣っていると決めつける性差別主義者」ともある。その影響から子供を守るべき母親は病弱であったために守れなかったという難しい家庭だ。

身内の悪口を綴った本ではない。専門家らしく冷静で心理分析に長けた内容である。最後ではコロナ対策にも批判をしている。なお、著者の父はトランプ一族の長男だったが跡取りになれなかったことや早死にし、ドナルド氏とは相続争いの関係もあった。

政治的なアンチ本と見なされると価値が落ちてしまう。「トランプ本」というジャンルがあれば一番傑出した本かもしれない。今後、トランプ大統領の伝記本は出版されるのか? 引退後にゴーストライターに書かせればできるし、元大統領として一回数千万円の講演生活もできるだろう。

分厚い本なので、日めくりカレンダーみたいに眺めただけだった。

今更読んでも仕方ないことを願っている・・・。

●日本人でトランプを推す人が多い理由

安倍さん支持者はトランプ支持である。一番の理由は人柄には目をつぶり、中国にケンカ腰をとる姿に惚れている。でも国内求心力や選挙目当てで中国を敵視しているから、通商交渉なんて結局はカネで買える次元だ。理念や長期視点はなく目先の損得だけ、というのはこの本にもある。

防衛装備を拡大したい人達はトランプが好きだ。危機を煽り武器を買えと言うから。

人種差別主義者だから彼の脳内での序列は黒人も黄色日本人も似たようなものなのに、大阪なおみさんの抗議姿を批判する日本人の脳内は、白人、日本人の順で心地よいのだろう。相変わらず日本は属国向きである。

ところが中国はトランプとバイデンのどっちが良いと思っているかは非常に難しい。

トランプ大統領は西側同盟を弱体化し、国内も混乱させることで世界におけるアメリカの地位を衰退させるから、中国には都合が良いという日本の中国問題アナリストもかなりいる。

コロナ禍の日本はサービス業が干上がっており、製造業が相対的にマシだ。その製造業で業績が良い会社は中国経済依存で飯を食っている。

 

 

2020年10月27日 (火)

日本語を取り戻す(読書)と菅さんの始まり 

人気コラムニストの小田嶋隆さんの最新作である。

新刊本をリクエストする場合、出版後数週間もたっていると他市取り寄せを優先するだろう。だから、直後、または発売前に図書館にリクエストしておくと新規購入対象の可能性が高まる、かもしれない・・・。

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というわけで図書館の一番手となったが、本書は、私生活や世相を綴ったコラムではない。

日本語を、取り戻す。亜紀書房 小田嶋 隆

小田嶋氏はツイッターでも有名な方で、政治家やジャーナリストとは異なる視点から鋭くユーモラスなコラムやツイートが人気ある。人気があるから、ネトウヨ界隈からのいちゃもんも多い。例えば、日経ビジネスでのコラム(最近は有料記事扱いに変更された)には、読後評価は「良い」が多数となっても、記事のコメント欄には批判が多く書き込まれる、という現象だ。本人は気にせず文筆家らしくそれをネタにする。

「いちコラムニストが、日本語の守護者として安倍晋三と言う人と対峙してきたスコアブックの如き書物になっている」とあとがきに書くように、今まで安倍政権に対して書いた時事コラムを集めたものだ。タイトルは、「日本を取り戻す」という安倍さんのスローガンを捻ったものだと思う。日本とした意味をこう書いていた。

「私はある仮説を立てている。それは、この間、政権を担ってきた安倍晋三氏の口から漏れ出す日本語が、あまりにも空疎だったことが、それらの日本語話者の精神の復興を妨げたという、いささか突飛な考えだ。」

ようするに専門的な政策批判ではなく、総理大臣ともあろう人や高級官僚が、中身の無い言葉を延々と国会等で垂れ流して平気で済ませられる今日を批評した本である。例えば、共謀罪や議事録廃棄、佐川証人喚問、黒川検事長、コロナ対策などいろいろあるが、幾つかは日経ビジネスで読んだものだった。時事コラムは鮮度が大切なので、後でまとめて出版してもどうなのかなという気もする。

校了は夏なので、次期首相がまだ不明の頃だった。今後、著者のぺン先は菅さんに向かうのだろう。他の著書では上を向いてアルコールのアルコール依存症から生還の話がなかなか面白かった。

●ようやく国会が始まった。

菅さんは官房長官の時から答弁がつまらないのに「答弁が安定している」とヘンに評された(加藤・新官房長官もそう言われる)。実際は、答えたくない時は「承知してない」、「批判に当たらない」、「全く問題ない」を連発して打ち切る人だった。

説明を避けたり人事権を振りかざす点で前任者を継承するが、弁論や能力的に優れているわけでは無く、彼らの態度の源は圧倒的多数の議席数にある。それでいながら、本当の理由を言うと面倒になり、その面倒に立ち向かうことから逃げるため質疑と言う公式時間を空疎な答弁で消耗させ、結論だけに到達すればよいと考えている。それが今の議会制形式主義である。

アメリカでは大統領が本音だけではなく嘘や暴言のし放題だ。日本は本音を建前で隠して結論だけを語る。二階幹事長などはその最たる人だから、あの人の言葉は平易すぎてまるで印象に残らない。菅さんは安倍さんみたいにムキになったり、イデオロギー傾斜ではないが、もっと冷淡で乱暴に振る舞いそうだ。

菅首相は、話すことが携帯料金やハンコ廃止などの小粒な案件が多い。大衆迎合的なことを語るのはビジョンの無さを隠すためだろう、と思ったら30年後に「温暖化ガスをゼロ」と気の遠くなる話しを大言壮語した。でも本当は、党内基盤が弱いから(大衆迎合策で)支持率を高めることが党内支配に必要と考えているのだろう。

安倍さんを見ていた経験からだ。

 

2019年6月16日 (日)

絶対に市民に見せてはいけない職員手帳

トントントン、ヒノノ、日野市だよ(^^♪

510h5axeiql_sx347_bo1204203200_ 是非、読んだらと押し付けられた本。絶対に人に見せてはいけない日野市の職員手帳・アマゾンはこちら

日野市役所の職員手帳が余りにもユニークな内容のため出版になったらしい。100ページ弱、中身はポップなイラストと軽快な文章でスラスラと一時間もかからない。職員向けの内輪話と日野市愛の再発見みたいな感じで書いてある。昔の「猿にもわかる」というタイトルを思い出したが、初めは文を「市民に見せては…」と誤読した。

昔、日野に職場があり、多摩川を渡る中央線の車窓からみる冬の富士山が眠い目を開かせてくれた頃を思い出した。しかし市役所のある日野駅に降りた記憶はない。通り過ぎるだけ、帰りの歓楽街は主に国立の一角と立川だった。

工業出荷額が都内一位・二位と書いてあって、そうだあそこは大企業の工場がたくさんあり、それが浮沈の激しい業界ではないから今でも存続しているのだ、と合点した。

読んでいてへーな点。

職員1400人のうち、出身大学は中央大学がダントツ75人。5番目に明星大学があり、二つとも近間の大学だよ。日野市に住む職員は45%もいる。データブックの面は無いけど、人口18.5万人でわずかながらも転入超過・出生超過、老年人口は24%だった。凄いね。財政データは無い。

一つ、がっかりな点。

「Q なんでそんなに縦割りなの?」の答えが「・・・一人一人が専門性をぐっと深めていかなきゃいけないので。」と自信満々なこと。それには在籍年数の裏付けが必要だし、日常経験からは納得できね(笑)。後、脚注文字が小さすぎて読めね(泣)、これは出版社が悪いね。

巻末に本書のきっかけが書いてある。

住みたいまちランキングで日野市が100位圏外(106位)だったのがショックだったのが契機となり世界に一つの職員手帳を作り出したという。多分、東洋経済やダイヤモンド社の仕業だが、あれは本を売るための企画であり、あんなものを真に受ける方が、それこそ行政の専門性が疑われるわ(笑)。

でも、こんな企画できるのは庁内の風通しが良い証拠だと思う。日野市役所のリクルートブックとすればよくできている。

本を勧めた人 曰く「上尾市役所でも作ったらどうか」。

二番煎じはダメ。

 

作るなら、本稿のタイトルかな。

 

 

2019年5月 2日 (木)

飯綱町議会の改革、寺島渉議長。嵐がきて変れる街と変われない街

正義だって、たかる人がいる

Photo_13 飯綱町は戸隠村の手前にある山の中の町だ、というか長野県そのものが山の中だ(笑)。
長野市から車で三十分ほど。昔は善行寺裏から登るつづら折りの道が急こう配で、ギヤをLに入れないと登れない七曲と呼ぶ難所もある。
今はループ式の迂回道ができて楽しく走れるから、七曲を選ぶ人はへそ曲がりだ。

 冬の飯綱スキー場は初心者から家族向き。夏場は池のボートやキャンプ場もある。さらに数十分もバードラインを走れば戸隠蕎麦の店、さらには戸隠神社の奥社へと観光にもよい。

つまり、こんな山間風景しか思い出せない町が議会改革の先進事例だと聞いて 、ウソだろ(>_<)!。

 上尾の市民団体AANが二月に寺島渉・前議長を招いて講演会を開いた。その後、実施した写真ブログもあったが、肝心の中身の報告は無いし、出席した市民がネットで感想を披露するでもないので、やっぱり必要無かったなと思っていたら・・・

予約本が忘れた頃にやって来た。

地方議会を再生する/相川俊英/集英社新書

人口11千人、四千世帯、2014年の一般会計65億円、財政力指数0.29はぜい弱だ。議員は16人、会派は無い。報酬は月16万円と最低レベル(年収は議員262~議長441万円)、政務活動費も無い。年間活動日数は議員110日・議長284日と信じられない多さ。日本一コストパフォーマンスの高い飯綱町議会なのだ。

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懐かさのためか私的にはスラスラ読めたが、一般には田舎の政治劇と感じるかもしれない。昔は三水村(さみず)と牟礼村(むれ)だったが、平成の大合併で飯綱町になった。その過程における寺島渉・前議長という骨太な政治家の奮闘記をライターが書いた本だ。特に、前半にある腐敗と政争劇や合併問題の混乱ぶりの話は、アルアル感で面白く、「違法行為をする人よりも、それを指摘する人の方が悪い」という歪んだ考えの村社会への挑戦物語である。

寺島氏は立命館大の民生同盟の活動家で、若いうちに郷里、牟礼村の共産党議員になる。その彼の所に一通の談合情報が寄せられた。不正追及なら共産党という訳で(業界関係者から)届いたらしく、「ゴミ焼却場の建設が初めは中小業者が行う19億円規模だったが、急に大手のみで27億円に増え、差額を工作資金化する」というもの。

  • 正義の裏側

 寺島氏は予算が通る前に公開質問状を出すことにした。しかし党上部から質問状への連名を指示され、逆らえば除名とも。近づく選挙目当てという狙いを感じとった寺島氏は党の要請を拒否し一人で出した。そして仲間達も離れ、孤立化していく。不正追及の舞台裏で、手柄の横取りで選挙利用という泥臭いエピソードだが相当苦労したようだ。

 その後、共産党出身議長になるも、やがて離党し、村長選にでたが完敗した。その時の候補者らの主張がイイ。

・類似の公共施設を近隣自治体が競うように持つのは愚の骨頂。
・車で30分圏内には同じような施設は作らない。
・村民には近隣自治体の施設を使うように。・・・笑える

 「三水のような貧乏村とは合併したくない」という格上意識があったと嘆くが、相手を嫌うのはよくある話だ。合併特例法の期限ぎりぎりに合併を果たし、新町長選は82%の投票率、町議選は双方から半分ずつとなる。また、第三セクター飯縄スキー場が累損15億円を抱え、損失補償が明るみとなり、なんと八十二銀行から町が訴えられる事態まで発展したとあった。こうしていろいろな問題が起き、その再生過程で寺島氏のような強いリーダーが議会改革を推し進めたようだ。

 読んでいて、アリコベールA館売却による第三セクの損失(21億円?)、さいたま市との合併問題(市長、労組による合併反対運動)、ゴミ焼却場の不正入札(ツートップ逮捕)、上平新図書館(総事業費38億円)とその裏で進められたパークゴルフ場建設(?億円)等々、上尾にも何度か嵐がきたがそれを機に変る力は起きなかった。

・肝心の議会改革はややピンとこなかったが… 

・一問一答方式の導入 (上尾は実施済み)

・町長に反問権・・・(簡単なのですぐ導入すべき)

・同一議題の質問三回までを無制限に。(議論を避ける体質があると無意味)

・全員協議会で議事案件の争点整理をしてから、一般質問をすることで質の向上になる。

・議会サポーター制度。町民参加を広げる、現在16名 (よい仕組みだ)

等々だが、「議会力は上がったが、議員力はまだ」と言う。ところで飯綱議会には会派が無いが、その廃止方法が分からなかった。

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 ホンネが「改革したくない」という議員が多数派である限り、議会改革は中途半端になる。だから、できないと知りつつ「只今検討中」という「やってます感」で住民に格好を見せる。議会基本条例も他の自治体のをコピーして、導入したつもりになっている所が多いと書いてあった。実は「改革」というほど大げさなものではなく、ごく当たり前なことを望んでいる。それは「きちんと議論しろ」ということ。それができないのは能力が無いのか、人前で議論すると困るからだろう。

 今の上尾では、政治倫理条例とか職員倫理条例が注目されている。条例を作ると議員や職員の質が高まるなら、地方の問題はとっくに解決しているはずだ。企業でも新しい経営手法がトレンドになると、「○○委員会」を作りたがる。作ることで安心しきるのだ。

 特に上のリンリと言う用語は「議員のモラル」と勘違いされるから別表現が良い。真のネライである『議員の利害関係者に公共事業を受注させない』を前面に出すべきなのだ。そして「多数派により否決された」と何度も何度も宣伝すれば良い。

例えば、市が行う契約に関連して、特定の業者から金品等を授受することや特定の業者を推薦、紹介等有利な取り計らいをすること、自己または親族が実質的に経営する企業に受注させること等を明示し、これを禁止する。 上尾市 第三者委員会報告p12より

 

参考 JIJI.COM トップインタビュー寺島渉

 

 

 

 

 

2018年5月17日 (木)

畠山市長のジレンマ-2・・・推奨本、つながる図書館

つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み  猪谷千香著/ちくま新書

前記事のつづき

Photo 閉館後の図書館は、昼間の図書館とはちょっと違う。子供たちがお気に入りのぬいぐるみを図書館にお泊まりさせ、翌日朝迎えに行くと、夜の図書館で遊ぶぬいぐるみたちの姿が写真に。一晩さびしかったけれど、ぬいぐるみが選んでくれた本を借り、ぬいぐるみと一緒におうちへ帰る子供たち。アメリカの公共図書館で始まったイベント「ぬいぐるみのお泊まり会」は、日本でも2010年から広まって各地で人気となっている。

えぇっと驚いたが、他市の類似施設を見るまで上尾市の現本館の子供室にある円形部屋の造りの良さは分からなかった。当時の担当者たちが良く考えたと感心する。ただ利用は少子化で減っており閑散としている…

本書は最近の図書館の成功事例、有名事例をジャーナリストが取材して書いているから読みやすい。

・年末年始も開いている、葛飾区立図書館

・住みたいと言われる図書館、武蔵野プレイス

・コンシェルジュが本を案内してくれる、千代田図書館

・公募館長のもとに町民が作った、まちとしょテラソ(小布施町)

・市民が図書館の誕生日を祝う、伊万里市民図書館

・毀誉褒貶に晒される、武雄市図書館

・公立ではない新しい公共、船橋まるごと図書館

ただし武雄市のツタヤ図書館については開館直後とあってCCCの受け売り的な内容が鼻につく。今読めば問題露呈により色あせてしまっている。当初の派手な出現に、浮かれた評価をした首長や議員が多かったように思う。今月中に最新統計が発表されるので改めて注目だ。

どういう図書館が望まれるかよりも、実現プロセスへの住民参加の質と量に関心があって読んだ。それを扱った事例は複数あり、人口数や財政力は関係ないのだということが分かる。それこそ民度なのだろう。その点では近隣の白岡市立図書館のオープンが絶好の比較対象となる。

読んで後悔する本では無いから、畠山稔市長に推薦する本である。アマゾンでは中身検索付きで立ち読みできる

2018年4月10日 (火)

住宅過剰社会の末路-3 宅地拡大のデメリット

宅地開発の風景を見ると人口増加でイイなと思うこともあるが、そんな単純な話ではない。

老いる家、崩れる街…自分の街を見回そう
 住宅過剰社会の末路-2タワマンとサブリースそして近所

本書で驚いたのは、新築住宅がインフラ(道路、小学校、公園)の整わない区域でも野放図に続けられ、居住地の拡大が止まらないという指摘だ。その結果、公共施設や道路、防災対策やゴミ収集エリアの拡大を迫られて行政負担が増すという。

土砂や津波、高潮、災害危険区域という指定があっても、或いは活断層があってもマイホームを建てることは可能というほど新築規制は難しいらしい。地方都市では農地エリアにまで住宅がバラ建ちし、人口密度の希薄化が進むという。これらは各自治体の都市計画における規制緩和合戦の結果だという。国も不況対策として住宅建設を煽ることを繰り返してきた。

既存の家を壊してそこに新築するという再建築率は10%程度と低い。相続しても子供世代は他所に住んでいるから、そうなるのだろうか。

●上尾市の足元の景色

「空き家=住民の高齢化」だから、古い住民が多い中心部や早くに宅地開発された郊外地域に空き屋が目立つのは当たり前だ。三井住宅や向山辺りの分譲地にも空き家がチラホラみられる。わが近隣で目にするのは、死亡→相続→更地売却→ミニ分譲というケースが多いが、なぜか売れ行きが悪い。

Ss図は上尾市の区画整理事業の全体。スプロール化(虫食い状態)を防ぐためだがほとんど完了しており、後は大谷北部第二・第四が施工中だ。行政が懸念するのは推奨場所以外でパラパラ家が建ち外側に居住面積が広がりながら街のスポンジ化(本書の表現)が進むことなのだろう。

本書では触れていないが、空き家の増加は自営業の廃業が大きいと思う。洋服屋も八百屋も魚屋も肉屋もクリーニング屋も文房具屋も駄菓子屋も食堂も床屋も『個人商店が成り立たない経済構造』になったからだ。

例外的にFC加盟でやれる業種もあるが、一部だ。昔より増えた店は税金(医療や社会保障)が支払い手となる分野だ。なお上尾駅周辺で美容室が増えたのは女性雇用数の増加と思う一方、塾は少子化で既に減っている。

対策の妙案は乏しい。今ある居住地の再生や更新を重視せよと言う。例えば、空き家をリノベーションして公民館に替わるコミュのティの居場所にする。その収益は固定資産税を払える程度にすれば低賃料で利用できる。焼け石に水みたいだ・・・それほどこの問題は既に大きくなりすぎていて大変なんだと思う。

規制緩和が良い事ばかりではないという大問題を知った。街づくりにはむしろ規制が重要のようだ。


2018年4月 4日 (水)

住宅過剰社会の末路-2 タワマンとサブリースそして近所

老いる家、崩れる街つづき

たまたま日経が土日に最近のマンション事情を報じていた。市況が低迷しているらしいが本書の内容を裏付けるようにタイムリーだった。

東京都心だけは人口増加を独占しているがそれは喜べないよ、というのが3/31の記事。タワマン乱立、児童あふれ小学校悲鳴・東京湾岸地区

Photo 過度な集中は弊害をもたらすという当たり前の話だ。ピーク需要に合わせて小学校建てても数十年後には高齢者の街になることはニュータウンで周知のことだが、全体計画のないタワマン開発は初めからコントロールが効かないらしい。
 記事では、最近10年間の学校建築費が以前の22倍だとか、危険なので学年別に休み時間の遊び場を指定する学校もある。最寄りの地下鉄ホームが過密で危険だとか。人気の武蔵小杉では朝の改札で通勤客が駅からあふれて行列するとも聞く。

自治体は住みよい街づくりを通して人口の奪い合いをするが、住みにくくても人が集まると言うことは、この国の有り方に問題があると思う。規制緩和がもたらした都心乱開発である。

 4/1 新築マンション「将来価値」トップ30  タワマンは2016年に⾸都圏で8000⼾弱が2020年に15000⼾へ増えるとある。

 増える理由は、同じ面積なら住戸を積み増しできるから業者が儲かるためと言う。都心の話だが、プロの視点で遠慮なく書いてあった。用地は駅徒歩『8分が限界点』。1分離れるごとの㎡単価の下落が最近激しいとか、『将来価値』への最大のポイントは駅距離にあるなどだ。

ところが本書はタワマンに否定的な見方をする。「眺望の陣取り合戦から値崩れへ」と書くが、修繕や維持コストが高くつくことや災害時の弱さについての指摘が目についた。エレベータが停電になると下へ降りられない・上の住居に戻れない高齢の住民を「高層難民」と言う。また上・中・低層という住む階の違いが所得階層の差になり、維持管理の合意形成が難しいと指摘する。

そう思う。直下型地震を経ないと本当の評価はできないだろうし、そもそも日本には適さない建物だと思う。つい先日スーパー台風の高潮被害で東京湾岸部の浸水予想が出ていた。地下機械室が完全防水とは思えない…

上尾市にもタワーマンションができた。長く販売したわりに完売できなかったようだ(賃貸が数十件ある)。不動産サイトに行くと十数件もの賃貸や売却物件がゾロゾロ出ている時もある。流動性が高いことは良いのか悪いのか知らないが、賃貸20万円が多かったのに最近15万円を見かけた。最初で最後のタワマンかもしれない。体裁は西口のライオンズタワーの方が立派に見えるんだが…。

本では住宅過剰の一つにサブリースのアパート建設も指摘している。近所でも大きい家を建てるなと思っていたら、アパートだったという事が何度かある。昔の家は100坪くらいの敷地があるからアパートに向くのだろう。その結果、駅から遠くて古いアパートは競争に負けて空き室になる。安いから外国人が入居することもあるようだ。

軽量鉄骨系の二階建てアパートが多いが、近くに三階建て鉄筋コンクリートがあって未入居が目立つ。サブリースの物件では業者は子会社等に建築させてそこで利益を取るらしい。実需なき住宅建設がうまくいくわけはない。

写真はイメージです。本文とは関係ありませんが、アパートになった・・

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つづく

2018年4月 2日 (月)

老いる家、崩れる街… 自分の街を見回そう

本の探索は時代と共に変化する

自らの目で資料を見つけページをめくり読みながら探すという図書館ならではの醍醐味(上平移転のための基本構想案p2、2014/11)、という時代遅れな探し方をしている市民はとても少ない。というかITオンチを言い繕ったに過ぎない

最近のスタイルはネットサーフィン中に「読んでみるか」と目に留まった(書名の)文字列をマウスでドラッグ選択し、そのままグーグル検索をする。署名による検索は検索インデックスの一位にアマゾンが表示される。入るとブラウザーに組み込んだプラグイン『その本、図書館にあります』が働き、登録した図書館を検索して蔵書の有無が分かるから「予約する」をクリックして上尾市図書館HPへ入り予約をする。

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もちろんアマゾンサイトで本の概要やベスト・レビューを眺め、読む(時間をかける)に値するかをスクリーニングできるから、空振り確率は減る。

その後、本が用意できたとメールで知るわけだが、上のプロセスでは一度も書名を書く(入力)をしてないから、予約期間が長いと忘れてしまい『その本、私が予約したんですか』ってなる

そのトホホな本の感想…。

老いる家、崩れる街 野澤千絵著/講談社

 本書は空き家問題を広く深く扱っている。820万戸(2013)1400万戸(2023)、空き家率21%と予想するが、自分の住む街で見かける風景とタブらせながら読むとリアルになる・・・

タワーマンション
 賃貸アパート経営(サブリース)
 焼き畑状態に増える新築
 中心部から増える空き家

つづく

2018年3月17日 (土)

本を読まない首相…三つの特徴

Photo 『田中角栄と安倍晋三』--昭和史でわかる劣化ニッポンの正体 保阪正康著/朝日新書

東条英機と安倍晋三を並べた一節があり、共に「本を読まない宰相」なのだと言う。以下引用(p64)

東条もそうなのだが、安倍晋三という人は本を読んで知識を積んだ様子がない人に共通の特徴を持ち合わせているように思える。底が浅い政治家といえるだろう。
 私は仕事柄、本を読むほうだろう。また、多くの人と接してきた。そのため、対話しているとわかるのだが、本を読まない人には三つの特徴があるように思う。

以下は要約。

 形容詞や形容句を多用する。

 立論不足…「侵略に定義がない」という風に物事を断定し、その理由や結論に至ったプロセスを説明しない。

 耳学問…どんな話をしても5分以上持たない。それ以上は言葉を換えて同じことを繰り返す。知識の吸収が耳学問だから深みに欠ける。

 さらにあえてつけ加えるなら、自らの話に権威を持たせるために、自らの地位や肩書を誇示する。例「私が最高責任者ですから」

先日「いい土地ですから、前に進めてください」の事実関係で、「妻に確認した。『そんなことは言っていない』ということだった」と"国会"説明。身内代返では説得力がないこと位、誰でも分かるから立論性の無い例かなって思ってしまう。友だちの麻生氏は本は本でもマンガで有名です。スペルミスの多いトランプも本を読みそうにない。

このテーマについては山内康一議員のブログをお勧めしたい。末尾にこう記されています。

最後に英国労働党のマイケル・フット元党首の言葉を安倍総理に送りたいと思います。
 権力の座にいる人には、本を読む時間がない。しかし、本を読まない人は、権力の座に適さない。

彼の最新のお勧め記事は下記。穏やかな口調で骨太な分析を語ります。
 3/17 いま永田町で起きていること

2017年8月22日 (火)

コミュニケーションの阻害語について想うこと

友だち幻想のつづき
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最終章に、ムカツクとうざいの問題について書かれていた。この言葉を使うと相手との関係性を深めることなく拒絶してしまうからコミュニケーション阻害語だという。
 
 ムカツクもうざいも昔からあった言葉なのに、若い人が多用するようになったのは、昔よりも社会のルール性が緩くなったためと言う。
 
 確かに、こんな言葉を言われたら話す気なんか起きないけど、相手との阻害語であるだけでなく、本人にとっては思考の遮断語になる。
 
 きっとこんな言葉を使ってばかりいると、考えることが苦手(つまりは   )になってしまうはずだと思う・・・
 
 
 「それはフェイクだ」と言い張る人、 「それは印象操作だ」と言い張る人。
 
 互いを友達だと思っているが、幻想でないところが怖い。
 
 
 
きっと寅さんなら、 
 
 
「それを言っちぁおしまいよ」 と返す。
 

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