図書館本館の未来とは、過ちを繰り返さないこと
基本は、駅前賃貸入居、増改築、建替え。そして第四案?
上尾市図書館市民ワークショップが始まった。二日間の出席が必要なため、集まらないと思った。実際そうらしい。何人募集だったのかHPを訪ねたら、早々に削除されていて不明だ。たぶん20人かな?
事前資料として、「上尾市図書館の今後を考えるための基本情報」を開示するのは良いことだ。
そこには、1981年生まれの本館の経緯や、築42年の今までメンテナンスに累計2億5千万円を費やしたとある。また、蔵書30万冊なのに11万冊しか開架できないと嘆き、開架率は37%と低い。ようするに本棚と人の場所とのトレードオフである。
しかし、老朽化や(狭い)床面積問題よりも、ニーズの変化や人口減少、ネットの浸透などの方が大きな環境変化である。老朽化対策としてのハコモノ更新では古い発想から抜けられないだろう。さて、事前資料には肝心な三点が抜けていたので指摘しておく。
まず、2.5億円費やしたと言うが、上平移転計画という悪手で1億500万円の損害賠償等を払ったり(人件費や訴訟費用含まず)、その後の上平新複合施設計画という恥の上塗りなど、負の史実も書くべきなのだ。過ちを繰り返さないために。
次に、春に利用者アンケートをしており、結果も出ているから要約を伝えるべき。むやみに長い報告書はチャットGPTでも要約できないから、私的なエッセンスのみを記す。
回答数は前年より大幅減の675人。紙回答が94%も占め、60歳以上で53%と過半(不詳除く)なのを見ると、図書館が高齢者向け施設化したみたいである。
しかし年間貸出でみる同世代は36%だから、回答層が偏っていることに要注意だ。別にアンケート案内の巧拙に原因があるわけでは無い。ヒマや関心の差だろう。 各種の満足度調査では、「一般向け本・雑誌について」は、満足系51%、不満系16%だった。毎年の購入数は変わらないのに、去年より大幅アップしたのは不思議。 この一年、当局は本館で学習席の増設に腐心した。その満足系28→30%、不満系は19→19だった。でも10代に限ると、満足61→67%、不満15→5%と高評価なのだ(回答した子は利用者かも知れない。数は少ないけど良かったね)。 報告書の末尾は、好き勝手なコメントの書き放題集になっていた。 |
図書館行政のアウトプットである図書館要覧の最新版が例年になく早くできたのに、「でましたよ~」とトップ画面で告知しないのは、この職場の因習だ。
ほぼ前年の上書き文書だが、一番のキモは、各種の経済活動と同じく、コロナ前の水準を回復したか否かである。私的には、人口動態と(本離れの)ネットの浸透によりムリと見る。他市も似たようなものだが、近年図書館を増強した桶川市に関心がある。でも発表が遅いため分からない。
要覧の解説は「図書館本館を守る会」サイトにもあるが一部引用した。
・蔵書数は一万点増えて60万台にのる。貸出は114万点で微減、378千人で微増だった。コロナ前の18年比では、84千点少なく、約93%%水準にとどまる。
・グラフをみると、幼児は回復、70歳以上が+3万点と元気。それ以外は完敗。特に40代と60代が大幅減はなぜだろう。ネトフリ効果かな? ・総予約数に占めるWeb予約は81%で頭打ち。貸出数に占めるweb予約貸出は17%。 ・本館、駅前、大石の主要三館合計シェアは、貸出人数で78%、点数は76%と大きな変化なし |
●当局には第四案は無いかもしれない。
これについてはまたの機会に。参考資料

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