カテゴリー「上尾市の人口物語」の30件の記事

2024年1月10日 (水)

埼玉県_肩車時代へ向かう市町村と能登被災地

前記事の続き

一人の高齢者を何人の現役が支えるかをみる

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社人研「2020~50年への市町村人口推計」は決まった未来を示すデータとして貴重なので、再び取り上げる。ここ上尾市は市制65周年、ヒトに喩えれば前期高齢者の仲間入りだが、正月明けに人口(住基台帳ベース)が発表されたので、先ずはそちらから・・・

上尾市 総人口 前年比 (日本人・ 外国人)
22年末 230,229 -278 -645 367
23年末 230,167 -62 -587 525

1/1の人数を前年末とみなすと、去年は日本人が-587、外国人が+525で計62人と微減で済んだが初の二年連続減である。

外国人は43%増で過去最高だが、市規模からは少ない方だろう。とは言っても上尾の駅前711の夜は外国人店員ばかりだった・・・。上尾市の日本人の年間減少幅は今後600人前後で済むわけは無いだろう。

1 人口10万人以上に限定して見る

再び社人研データより。埼玉県は自治体の数が全国一だ。しかも人口が少ない街ほど減少率は高くでるから十万人以上の自治体に絞った。なお、全国の十万人市でみると、減少率が四割を超すところは7つある。※1
 日立市 、釧路市 、堺市南区 、一関市 、小樽市、桐生市 、河内長野市。

前記事では20~50年への増減人数でみたが、今回は増減でみた。増加は8市区ある(グラフでは川口を除く)。15万人前後の規模で上下に二極化し、地理的特性を反映している。また、大規模市ほど減り方は緩やかだが、上尾はいつも特徴のない位置に留まっている・・・。

結局は転入・転出という選択の結果なので、隣に人気自治体があると割を喰いやすい。例えば、大型SC開業と新駅効果で伸びた越谷市※と春日部市、政令指定都市のさいたま市※と上尾市のような関係だ。春日部市の減り方は静かな災害級と思うが、上尾との差は520人へと詰まった。

※ 越谷市は低地と河川の関係で内水氾濫等の水害リスクが高い(市サイト)。同じ政令市でも財政問題を抱えだした成熟した横浜市より、さいたま市の方が街の成長イメージは高い。

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  • 埼玉県の10万人以上自治体の減少率ワースト15

概ね25~20%減は全国的にはマシな方で違和感がない。むしろ参考として年少人口の減少率を併記した。総人口よりも約2~3倍のスピードで子供が減る(子供人口が既に少ないためもある)。

2020年の総人口 減少率 参考
春日部市 229,792 -25.5% -45%
狭山市 148,699 -25.4% -39%
深谷市 141,268 -22.9% -40%
熊谷市 194,415 -22.9% -40%
加須市 111,623 -22.4% -41%
久喜市 150,582 -22.2% -39%
入間市 145,651 -22.2% -41%
鴻巣市 116,828 -21.4% -36%
坂戸市 100,275 -16.2% -34%
上尾市 226,940 -11.3% -27%
岩槻区 111,815 -10.2% -19%
所沢市 342,464 -10.1% -25%
草加市 248,304 -7.5% -28%
川越市 354,571 -6.4% -20%
富士見市 111,859 -4.9% -21%

2.高齢者一人を何人の現役が支えるかという指数

労働力人口÷老年人口(65歳以上)は、高齢者一人を現役何人が支えるかを示す社会保障政策の基本的なモノサシだ。少子高齢化社会の維持困難度を示すので取り上げたが、この指標の公式名称がまだ無いのには呆れる。

国全体は、2020年に2.1人で支えていたが、2050年は1.3人と予想される。県内では、20年で2人以下は半分以上の40自治体もあり、50年で1.3以下が32自治体となる。なおグラフは違う視点なので、読み方は内部に示した。

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では、値が低い街は、どうなるのだろうか?

自覚無き生活習慣病、つまり自治体にとってのサイレントキラーだと思う。症状は、祭りや運動会の担い手不足、地域芸能の伝承困難や災害時に頼れる人が少ないことしか思いつかないが、県内だと、先行する鳩山町などから学べば良いかもしれない。

そもそも年金や介護は国の政策なので地方行政にどう影響するのだろうか。リッチな東京都は介護職手当てを万円単位で振る舞って支援するという(=増々人を吸い寄せる)。つまり、介護保険制度が維持できたとしても他の自治体では供給力が足りない事態になるわけだ。

これは、労働力人口が減ることによる人手不足問題として既に知られたことだ。建設作業員が足りないから公共施設工事ができないとか大工がいないから新築住宅も建たないというように地域の代謝を遅らせるだろう。

能登地震の石川県の社人研データを見たら、死者数が集中する珠洲市は20年の高齢化率※(人口に占める65歳以上)は52%、上の労働力人口との比は既に0.8、隣の能都町、穴水町も似たようなもの、石川県の高齢化の上位地域だった。そして気になったのは75歳以上の女性比率が65%と他地域よりも高いことだ。3人に2人がお婆さん、イヤ、老いた母親である。

 

避難所の光景もそんな感じに見えた。

参考 産経 働き手急減、高齢者を「肩車」で支える時代

※1 シニアガイド 2050年に大幅に人口が減る7つの市

※ 高齢化率が5割超は集落機能の維持が難しい「限界集落」と呼ばれる

2023年12月31日 (日)

2050年までの埼玉県市町村の人口推計と散布図

次記事 肩車時代へ向かう市町村

日本の地域別将来推計人口 令和5(2023)年推計より  

年末に、厚労省社人研が、2020年の国勢調査を起点とした50年までの将来推計人口を公表した。新年度予算と同じように本当は重要なのだが、世間の受け止め方はまたかと言う感じで低かった。ちなみに、この次にでる恒例ニュースは、去年の赤ん坊が大幅減である・・・

この統計は、自治体が発表する名目的な住基台帳人口よりは少なくなる。
粗く要約すると、2050年までに総人口は2146万人減る。
3割以上減る自治体は6割、半減以下は2割もある。東北地方では、人口の約半分が65歳以上という。(高齢化の次に来るのが多死社会であり、その頃が本格的な人口減少になる)

なお東京は相変わらず増え続け、40年頃にピークらしい。しかし、都内でも23区と市町村では差が開くから、下図の見かけ以上に狭いエリアに一極集中が続くことになる。それは、どうみても危険でありレミングの行進を連想する・・・。※2

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※1 社人研プレスリリース 読売新聞がお勧め NHKの解説

専門家は、インフラや公共交通機関が過剰なサービスにならないか、人口規模に見合うよう見直すべき、と語るが、知に働けば角が立つ日本ではムリ。痛みを感じる(=世代間扶助がもうムリと認める時)まで減るか首都直下地震でも来ないとムリだろう。

マスコミの解説は県単位の増減が主なのでリアリティがない。生活の単位となる市町村レベルに話を落とさないと実感しないので、埼玉県の市町村別データをExceから抽出した。

1.人口10万人以上のグループとその後の減少率

グラフの読み方として、横軸には20年度の9万人以上の自治体をプロットした(60万人の川口市はグラフが膨らむために除いた)。縦軸の0以上が人口増を示す。上尾市の横位置は226,940人、縦は50年まで25687人減ることを示す。例えば、八潮市は増加により10万人グループへ入り、加須市・鴻巣市は脱落する。クリック拡大

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春日部市や熊谷市の人口減少が目立つ。住基人口では県内7位が春日部、8位が上尾だが、12月には500人差までつまった。春日部が猛烈に減っており、一年内に逆転するが別に広報自慢にはならない。原因は東京へのアクセス性の差なのだろう。
春日部市は県内最大の人口減少数(-26%,58607人)であり、隣の越谷市との差は開く一方となる。正月明けに真新しい庁舎稼働となり防災機能の強化を自慢してたが、人口減少が災害級であるとの認識は無さそうだ。

関連 しんちゃんをキャッチアップ

さいたま市10区で人気の有無が出ているように見える。さいたま市10区の住みやすさ意識調査によると「住みやすい」は浦和区の91.4%がトップ。次いで南区の91.3%、中央区の90.3%と続いた。最低は岩槻区の73.7%。次いで西区の79.7%、桜区の80.6%が下位だった。

2.年少(0~14歳)の2050年の人口と減少率

学校統廃合に影響するデータとなる。子供人口は全自治体でマイナスだった。なお、川口市は人口規模が大きいため除いた。

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50年の上尾は19,300人で7位だが、30年間の減少は7200人と多く、子供が多い割に減少率がキツイのは若い世帯の転入が少ないシナリオなのだろう。なお滑川町は、東上線つきのわ駅周辺の広大な宅地造成の成功とそれに伴う子育政策によるものだ。つまり都内へのアクセス性の良い民間の住宅開発次第である。

減少率が七~八割という町村は、既に母数となる子供が少ないため極端な値になりやすい。子供半減するのは21自治体あった。

3.主なデータ

総人口、年少、後期高齢者(75歳以上)の2050年の推計値と各増減率である(Excelにコピー可)。75歳以上は殆ど大幅増加となっており、介護や医療の問題が深刻化する。

埼玉県 6633932 662995 1462842 -10% -24% 47% -710833
  2050年の値  2020年からの増減率 総人口の増減数
  総人口 年少人口 75歳以上 総人口 年少人口 75歳以上
川口市 599,667 62,383 110996 1% -14% 54% 5,393
川越市 331,749 33,069 73824 -6% -20% 49% -22,822
越谷市 330,327 36,436 66291 -3% -16% 49% -11,294
所沢市 307,906 28,296 74861 -10% -25% 52% -34,558
草加市 229,624 20,936 47925 -8% -28% 50% -18,680
上尾市 201,253 19,312 47554 -11% -27% 44% -25,687
さ市南区 197,229 23,344 34188 3% -9% 82% 5,666
さ市浦和区 175,321 21,941 30383 6% -3% 73% 10,499
春日部市 171,185 13,014 50139 -26% -45% 35% -58,607
新座市 162,926 18,059 33590 -2% -14% 46% -3,091
さ市見沼区 158,146 15,587 37881 -4% -21% 55% -6,903
戸田市 150,760 17,640 23250 7% -12% 94% 9,861
熊谷市 149,959 13,179 37957 -23% -40% 35% -44,456
朝霞市 146,963 17,447 24996 4% -9% 75% 5,880
さ市北区 146,687 13,720 31011 -2% -27% 82% -2,555
さ市緑区 145,265 18,650 27940 13% -4% 89% 16,944
三郷市 140,552 16,164 26862 -1% -11% 47% -1,593
さ市大宮区 124,821 14,007 18746 6% -2% 37% 7,037
久喜市 117,103 10,123 29788 -22% -39% 38% -33,479
入間市 113,303 9,820 30479 -22% -41% 46% -32,348
ふじみ野市 111,025 12,015 24726 -2% -16% 52% -2,572
狭山市 110,891 9,447 30888 -25% -39% 28% -37,808
深谷市 108,952 10,128 27678 -23% -40% 39% -32,316
富士見市 106,340 10,809 21258 -5% -21% 47% -5,519
さ市中央区 104,061 10,388 20123 1% -18% 78% 792
八潮市 102,076 10,810 17244 9% -5% 56% 8,713
さ市岩槻区 100,456 10,209 24074 -10% -19% 31% -11,359
さ市西区 97,438 11,527 20227 4% -4% 41% 3,939
鴻巣市 91,849 8,554 23215 -21% -36% 41% -24,979
さ市桜区 90,051 7,429 19380 -9% -33% 56% -8,610
加須市 86,600 7,355 22324 -22% -41% 49% -25,023
和光市 84,333 10,077 12667 0% -12% 73% 344
坂戸市 84,008 7,551 19978 -16% -34% 38% -16,267
東松山市 78,779 8,002 17603 -14% -25% 44% -13,012
吉川市 76,872 9,523 14312 7% -8% 79% 4,893
志木市 76,611 8,954 14943 2% -10% 54% 1,265
蕨市 72,917 6,886 12706 -2% -13% 39% -1,366
本庄市 65,077 5,719 16190 -17% -36% 43% -13,492
桶川市 64,820 6,345 15285 -13% -26% 33% -9,928
飯能市 63,609 5,487 16936 -21% -35% 39% -16,752
鶴ヶ島市 58,252 5,260 14640 -17% -33% 54% -11,865
蓮田市 50,194 4,807 12071 -18% -29% 17% -11,305
行田市 49,980 3,649 14985 -36% -56% 26% -28,637
白岡市 49,395 5,444 11313 -5% -16% 51% -2,819
北本市 45,682 3,477 14126 -30% -47% 30% -19,519
伊奈町 44,770 4,249 9942 -0% -32% 79% -71
日高市 44,637 4,179 11683 -18% -34% 37% -9,934
羽生市 38,541 3,040 10362 -27% -44% 34% -14,321
秩父市 35,846 2,842 11047 -40% -57% 3% -23,828
三芳町 34,102 3,428 8645 -11% -26% 38% -4,332
幸手市 33,617 2,366 10050 -33% -52% 19% -16,449
杉戸町 30,307 2,184 8882 -0.30877 -0.53113 0.278353 -13,538
宮代町 28,029 2,873 6591 -18% -23% 15% -6,118
毛呂山町 23,847 1,430 6995 -33% -52% 21% -11,519
上里町 23,596 1,759 6736 -22% -51% 73% -6,747
滑川町 21,904 3,051 3962 11% -0% 86% 2,172
寄居町 20,587 1,525 6459 -36% -53% 22% -11,787
松伏町 19,035 1,208 6046 -0.32658 -0.60639 0.525227 -9,231
小川町 14,269 656 5490 -50% -71% 8% -14,255
嵐山町 12,674 787 3613 -29% -53% 29% -5,215
川島町 11,022 608 3943 -43% -66% 28% -8,356
吉見町 9,671 442 3611 -47% -71% 36% -8,521
神川町 9,260 560 3256 -31% -59% 55% -4,099
美里町 8,537 694 2720 -23% -40% 46% -2,502
鳩山町 7,290 381 3054 -46% -60% -1% -6,270
越生町 6,206 308 2317 -44% -67% 21% -4,823
ときがわ町 5,535 293 2306 -47% -67% 22% -5,005
皆野町 5,160 375 1761 -45% -60% -4% -4,142
小鹿野町 4,907 195 2018 -55% -81% -8% -6,021
横瀬町 4,779 343 1729 -40% -60% 24% -3,200
長瀞町 3,685 203 1518 -46% -67% 3% -3,122
東秩父村 1,105 37 553 -59% -79% -17% -1,604

※2 巨大地震と複合災害、長周期パルスと江戸時代の教訓

 

2023年8月25日 (金)

アッピーがしんちゃんをキャッチアップする日

埼玉県自治体の序列を表す指標はいろいろあれど、人口は最も分かり易いものです。

合併により人口順位が変わることがありますが、それ稀で、フツーは固定的な順位が続きます。

上尾市は長い間、8位が定位置でした。

しかし、この十年、市人口は横ばいから微増に転じ、昨年は23万人の大台にタッチしたのは記憶に新しいところです。

一方、7位の春日部市は人口減少が緩やかながらも止まりません。両市の差は、十年前は12,000人ほど開いてましたが、直近では800人まで迫ります。その様子は、グラフの2013年と23年の比較で分かります。キャッチアップは時間の問題です。

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春日部市は2005年に庄和町(37千人)を吸収合併して24万人台にのったものの、そこをピークに長い下り先になったように見えます。クレヨンしんちゃんの力を借りても難しいかもです(但し子育て世帯の転入については見てないので、分かりません)。

一方の上尾市ですが、コロナ明けの直近は微減状態が続いており、早晩23万人割れの可能性があります。
別に競っているわけでは有りませんが、「減り方競争」になっています。年初の1500人の差が8月には約800人に迫りました。もしアッピーがしんちゃんの背中にタッチしたら、セクハラとか言われるんでしょうか・・・(>_<)

なお、下表のベスト10市を見れば、意外なことに、二市とも外国人の比率は2.0%ほどで、他の上位市と比べて低いほうです(下表)。共に過去十年で2100人ほどしか増えておらず、外国人が積極的に来る街ではない点も似ています。参考までにベスト10のうち、十年前より人口減は熊谷市と春日部市です。次の十年では4~5市位に増えそうです。

2023/1/1 埼玉県住民基本台帳人口 より

    日本人 外国人 外人比率
  県合計 7,381,035 208,334 2.8%
1 さいたま市 1,339,333 28,881 2.2%
2 川口市 604,715 39,553 6.5%
3 川越市 353,183 9,413 2.7%
4 所沢市 344,070 6,496 1.9%
5 越谷市 343,866 7,478 2.2%
6 草加市 250,966 8,900 3.5%
7 春日部市 231,726 4,980 2.1%
8 上尾市 230,229 4,459 1.9%
9 熊谷市 193,132 4,129 2.1%
10 新座市 165,730 3,994 2.4%

さて、上尾市が7位にランクアップした時、上尾の広報広聴課は自慢PRするでしょうか? また、23万人割れしたら、その事を伝えるでしょうか?

最近、中央小学校の歩30秒の所に地型のきれいな更地ができました。しかし、こうした場面に接した時、前、何が建っていたか思い出せないものです。Googleで測量したら820㎡、ミニ分譲地化されそうです。

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2023年8月 7日 (月)

俺の街がこんなに人気あるわけがない

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

 先日、去年は人口が80万人減ったというニュースがでたが、ほぼスルーされた。その朝日のWeb見出しは総人口と勘違いしやすく、読売の方が適切だった。これは「日本人のみ」の数であり、外国人を含む総人口は51万人減だった。喩えとして福井県(78万)一つ分と報じたかは知らないが、この先も減るのだから、どうせなら、そっちを伝えれば良いと思った。

 そこで社人研推計(国勢調査ベース)を見たら、その標準シナリオよりも多く減っていた。むしろ出生低位という悲観シナリオに近い。で、その先はというと、日本人は毎年、減少数が1・5~2万人増えて6年後に年▲90万人、そのまた6年後の2035年には▲百万人の大台に乗る。
 ところが、出生中位(標準シナリオ)では、▲百万人は2061年、つまり25年も先送りできる。その差は大きいから、せめて悲観から標準へ上向かせるのは政治の責務だろう。

 このように人口問題は想定以上に進むことが多い。出生率の低下もそうだが、身近だと、埼玉県の単身世帯が107万(国勢調査)となり、過去の推計より10年も早まっていた。

 参考 社人研推計と人口オーナス

1.毎月の上尾市人口推移 

 グラフは日本人と外国人別の前年同月人口との差である。1日付けの数なので、実質、前月末人口となるからX軸を1カ月ずらしてある。さて、一年前から外国人は約2倍も増えているが、日本人は減少傾向にある。「出生-死亡」はマイナスに決まっているから、日本人の転入が減っているのだろう。

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2. 上尾市の年少人口の転入超過が全国20位・県内2位! 
 上グラフから近年の転入の多さは分かるが、ナント、総理府の2022年の住民基本台帳人口移動報告によると年少(0‐14歳)の転入超過は上尾市が277人全国20位だ。↓ 有名な流山市、明石市が並ぶ末席にいるではないか。目をこすっちゃう ( ゚Д゚)
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それなのに、ああそれなのに・・・(^-^?)
上尾ヨイショが得意の広報広聴課が自慢したり、子供に赤飯を配った、とかの話しは聞かない。なぜだろう?
最近だって水道管から勝手にお湯が出るサービスを始めたのに無言のままだ。たぶん、『俺の上尾がこんなに人気あるわけがない』という気持ちかも知れないが、元々、彼らの視野は向こう三軒両隣と狭いのだ
 なお、21年の同人数は299人と多いが20位圏外、代わりに65歳以上が全国18位だった。ともあれ、子供争奪戦の勝者になっていたが、広報が気にしない話はこれくらいでスルーし、もっと大事なディテールへ進む

3.全国の市区町村別移動人口見える化ツール

市区町村の移動(転入・転出)状況を調べるExcelツールがある。外注ソフトではなく、埼玉県庁の統計課職員が作って全国に公開した優れモノ。マクロを使っていないから誰でも使えるが、非力なPCには重いかも。

以前に前回版を取り上げたが、今回は2020年の国勢調査結果を受けた5年間分析となる。

転入-転出が純移動(転入超過)である。上尾市は、前5年が1916人増、今回も同水準の1897人と好調だ。中身を10歳等級別(ソースは5歳等級)でみると、30代と子供が目立ち子連れファミリーの転入が主となり、新陳代謝のためには前よりも良い。なお、国外からの転入は含まない。

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 で、この先はと言うと・・・
 ファミリー層の転入はマイホーム取得とリンクするから、通勤事情や民間の住宅供給量や金利次第となる。都内の新築マンションは実需を離れて手が出ない領域、80年代バブルを超えている。それが中古市場にも及び、上尾でも築40年を超すのに四割も値上がりした駅裏物件があるなど、理解を超える。
 
今の若い借り手は頭金がロクに無いのに借りられるだけ借りるのは、短期の変動型ローンのためだ。先日、日銀の修正で長期金利は少し上がったが短期の政策は変えていない。しかし、マイナス金利解除した時の彼らの耐性が心配だが、意外と野放図なのではと思う。それは私的な世代間ギャップかもしれない…。

 既に1のグラフは転入頭打ちを思わせるが、供給さえあればまだ行けるかも知れないと思う。結局、コロナ明けたらテレワーク解禁という日本であり、新常態はもう死語である。

  以下は、ツールからの抽出結果。

●上尾市への純移動(転入-転出)の多い 上位10

 1  さいたま市北区 512
 2  さいたま市大宮区 188
 3  さいたま市中央区 158
 4  戸田市 133
 5  川口市 128
 6  板橋区 117
 7  熊谷市 105
 8  さいたま市桜区 103
 9  所沢市 58
10  さいたま市浦和区 53

●転入、転出の上位20

  転入者数 転出者数
1 北区 1,484 桶川市 1,415
2 桶川市 1,127 北区 972
3 見沼区 813 見沼区 831
4 川口市 648 伊奈町 787
5 大宮区 615 鴻巣市 552
6 西区 506 北本市 522
7 鴻巣市 486 川口市 520
8 北本市 474 西区 481
9 伊奈町 472 大宮区 427
10 中央区 416 浦和区 360
11 浦和区 413 蓮田市 355
12 熊谷市 394 南区 340
13 南区 382 川越市 329
14 川越市 361 熊谷市 289
15 戸田市 302 久喜市 261
16 蓮田市 282 中央区 258
17 板橋区 270 東京 北区 245
18 久喜市 269 緑区 238
19 桜区 259 越谷市 209
20 東京 北区 233 岩槻区 194

●ファミリー層の移動実態をみる

平均初婚年齢が30歳位なので、30歳から44歳までの男女に限定した。純移動でみると勘違いするから、総移動人口(転入+転出)の多い順にみた。

  地域名 総移動人口 転入者数 転出者数 純移動
1 北区 876 570 306 264
2 桶川市 857 351 506 -155
3 見沼区 576 289 287 2
4 川口市 461 279 182 97
5 伊奈町 447 171 276 -105
6 大宮区 438 257 181 76
7 鴻巣市 429 188 241 -53
8 浦和区 362 184 178 6
9 西区 357 177 180 -3
10 北本市 350 163 187 -24
11 南区 300 155 145 10
12 中央区 293 182 111 71
13 川越市 291 151 140 11
14 熊谷市 277 163 114 49
15 東京・北区 208 100 108 -8
16 蓮田市 204 98 106 -8
17 久喜市 195 87 108 -21
18 戸田市 176 125 51 74
19 越谷市 170 83 87 -4
20 板橋区 169 106 63 43

地価の高い南から来て、地価の安い北へ出ていく姿は水の流れみたいなもので、行政がコントロールできる領域ではない。強いて、上尾の北に関所を作って逃がさないこと位か(>_<)。

子育て政策の有無はこのExcel表に入ってないが、あったとしても相関は無いだろう。むしろ、市は、県内の南部エリアと沿線別にファミリー層の出入り量とマンション価格や平均地価をブロットし、なぜ、南のXX市を飛び越してわが上尾に来たのかを分析した方が良いだろう。

●全国の比較

30~44歳のファミリー層でみると上尾は63位だ。1流山市、3柏市、5つくば市が上位にきていた(千葉県が多い)。つくばエキスプレス開通効果と言われ、新線の宅地は(伝統的な在来線よりも)割安になるのが強み。

しかし、短期間に子供人口が特定エリアに急増することは果たして良いことか。周りから吸収しただけで、得た方も失った方も人口バランスを欠くように見える、というのは嫉妬かな。

参考 上尾市の全国順位

  順位 純移動 転入数 転出数
年少人口 51 624 2,930 2,306
30-44歳人口 63 1,063 8,349 7,286

 

2023年6月19日 (月)

これは決まった未来。市町村の人口増減率と潜在扶養指数

前記事 新推計・人口オーナスの続き

訂正 7/4 総人口の減少率のみ間違えました。自治体により少し値が変化しました。 

市町村別の人口推計は2018年の前推計で都道府県別にある。63市町村の2015年~45年の年齢三区分別の増減率を求めた。例えば、今働き盛りの35歳なら65歳の時、その頃の30代は7割位に縮んでおり、それは決まった未来である。

下表は総人口の増減率の順だが、経済活動を直視するなら生産年齢人口の減少がリアルになる(=消費者が減る)。

埼玉県_市町村別の人口増減率ランキング 

まず、県全体の総人口は▲10%、子供や現役層が二割減だが、前期高齢者は横ばい、後期高齢者が7割増となる。全体の値は県南の人口多いエリアの影響を受ける。なお、県南との境になる上尾市は県平均に近いものがある。

ランキングの上位組は、子供や生産年齢人口の変化は少なく、(元が少ないためか)高齢層の増え方が大きい。下位組は、子供と現役層がさらに減り、高齢層は既に減り始めているためか緩やか。

一人の高齢者を何人の生産年齢人口で支えるかを示す潜在扶養指数は参考値である。公的扶養は国の政策なので、自治体が負うわけではないから1未満でも平気かも…。むしろ、個々の世帯事情(低年金、単身、介護難民)の方が深刻だが、そこは公的数字には表れない(人口オーナスは前記事へ)。

人口がこれだけ減っても、狭い埼玉県に63市町村は日本一の数である。多すぎだ。

  市町村名 総人口 0-14歳
年少人口
15-64歳
生産年齢
65-74歳
前期
75歳~
後期
生産年齢
÷高齢者
  全県 -10.2% -24% -23% -1% 70%  
1 戸田市 15.8% 5% 1% 57% 130% 2.2
2 吉川市 13.6% -1% 3% 19% 115% 2.0
3 滑川町 6.9% -10% -5% 32% 81% 1.8
4 朝霞市 5.0% -6% -8% 34% 93% 2.0
5 ふじみ野市 4.3% -2% -8% 18% 65% 1.7
6 志木市 3.4% -4% -9% 12% 75% 1.7
7 さいたま市 1.7% -12% -13% 18% 93% 1.6
8 伊奈町 1.7% -26% -13% 23% 125% 1.5
9 川口市 1.6% -9% -9% 14% 67% 1.9
10 三郷市 0.2% -4% -8% -7% 74% 1.8
11 越谷市 -0.4% -12% -12% 7% 77% 1.7
12 蕨市 -1.7% -4% -9% 2% 44% 2.1
13 新座市 -2.1% -11% -14% 3% 71% 1.7
14 白岡市 -2.7% -16% -17% 4% 84% 1.4
15 川越市 -3.3% -13% -14% 1% 64% 1.7
16 和光市 -4.2% -12% -13% 15% 73% 2.5
17 八潮市 -4.8% -23% -16% 10% 77% 1.7
18 富士見市 -7.3% -17% -18% -1% 63% 1.7
19 上尾市 -11.1% -28% -24% -2% 71% 1.4
20 草加市 -11.2% -32% -27% 8% 85% 1.4
21 東松山市 -11.4% -20% -25% -2% 68% 1.5
22 三芳町 -13.0% -35% -31% -8% 90% 1.1
23 所沢市 -14.2% -34% -32% -1% 91% 1.2
24 深谷市 -17.6% -33% -30% -7% 53% 1.4
25 鶴ヶ島市 -17.7% -42% -33% -7% 105% 1.3
26 桶川市 -19.0% -32% -32% -14% 52% 1.3
27 坂戸市 -19.0% -37% -31% -13% 63% 1.4
28 蓮田市 -20.0% -32% -31% -22% 45% 1.3
29 本庄市 -20.4% -39% -36% -4% 51% 1.2
30 鴻巣市 -21.6% -36% -36% -16% 68% 1.3
31 上里町 -22.8% -45% -38% -0% 72% 1.2
32 久喜市 -23.0% -37% -37% -16% 59% 1.3
33 入間市 -23.4% -44% -40% -11% 76% 1.2
34 宮代町 -23.8% -30% -36% -26% 41% 1.2
35 熊谷市 -24.5% -39% -37% -14% 42% 1.3
36 日高市 -25.3% -45% -41% -18% 67% 1.0
37 狭山市 -25.6% -42% -42% -24% 70% 1.1
38 春日部市 -25.8% -42% -40% -21% 57% 1.2
39 羽生市 -26.0% -43% -39% -13% 40% 1.2
40 加須市 -29.0% -46% -43% -15% 50% 1.2
41 北本市 -29.5% -53% -46% -20% 62% 1.0
42 松伏町 -30.7% -52% -47% -18% 72% 1.1
43 美里町 -30.7% -36% -47% -21% 27% 1.0
44 飯能市 -30.7% -51% -47% -22% 56% 1.0
45 杉戸町 -31.6% -52% -47% -24% 58% 1.0
46 嵐山町 -33.3% -56% -48% -22% 39% 1.0
47 幸手市 -33.4% -47% -47% -31% 40% 1.1
48 秩父市 -35.4% -46% -46% -26% 2% 1.1
49 行田市 -36.2% -53% -51% -24% 37% 1.0
50 寄居町 -37.5% -55% -52% -30% 33% 1.0
51 毛呂山町 -40.2% -61% -55% -29% 40% 1.0
52 横瀬町 -41.8% -59% -55% -39% 15% 1.0
53 川島町 -42.3% -65% -59% -37% 47% 0.8
54 小川町 -42.7% -60% -59% -42% 33% 0.8
55 神川町 -43.3% -66% -59% -28% 31% 0.9
56 長瀞町 -46.0% -70% -61% -41% 8% 0.7
57 越生町 -46.5% -70% -64% -37% 33% 0.7
58 吉見町 -47.0% -68% -66% -38% 53% 0.8
59 皆野町 -47.5% -61% -59% -37% -12% 0.9
60 鳩山町 -48.0% -74% -70% -53% 48% 0.5
61 ときがわ町 -49.5% -68% -68% -44% 26% 0.6
62 小鹿野町 -54.7% -75% -70% -39% -9% 0.6
63 東秩父村 -56.1% -78% -73% -52% 1% 0.6

男女・年齢(5歳)階級別データ--『日本の地域別将来推計人口』(平成30(2018)年推計)

 

雑感。

コロナ禍を経てExcelのスキルが落ちた。64枚のシートからのデータ抽出にてこずった(>_<)。マクロを組もうとしたらかなり忘れていた。式でやったら、シート名文字列に問題があるらしくて参照エラー。ネットで解決を探すハメに。

=INDIRECT("'"&B14&"'!i5") こんな式になった。'' が小さくて読めね( ゚Д゚)

まさかチャットGPTで聞けばよかったか?

次のマイクロソフトOffice製品にはチャットGPT機能へ接続する。Excelはデータ表を指定して分析レポートや最適なグラフを描かせるだろう。新バージョン発表まではPCの更新はまつ。

 

 

2023年6月18日 (日)

社人研の人口推計と人口オーナスへの覚悟

日本人よ、生産年齢人口の減少(人口オーナス)を、外国人に依存する覚悟があるのか?

前記事 厚労省 人口動態統計  次、市町村ランキング

4月に発表された社人研の新推計は、日本の凋落みたいな話しなので、一日でスルーされた。その将来推計人口(令和5年推計)は、20年度の国勢調査の確定値を出発点として2070年まで推計している。プレスリリースはここ

そもそも、WW2後の人口急増が平和の配当と言うように特異現象なのだから、今、多死社会に入ることは分かっていた。一方、先進国の少子化は今の共通現象であるが、70年代は「人口爆発」が問題視されていたので、真逆の感がある。

しかし、増加国は部分的なものとなり、世界は少子高齢化が進み、デフレからインフレに切り替わるという予測もある。子供や老人が増えて労働人口が減ると、生産よりも消費が増えて物価上昇になると言うロジックだ。世界の人口構成の大逆転が、近い将来に金利上昇を引き起こすという。

まぁ、それはともかく、推計では、出生と死亡のそれぞれを低位・中位・高位の3つから9のシナリオを作っている。「未来予測では人口統計ほど信頼できるものはない』と言われるが、本邦2070年の姿を実現性の高い中位推計からまとめた。

 総人口は3割減って8700万人、出生は50万人(外国人含む)であり、去年の80万人割れで驚くレベルではない。平均年齢は今の48歳が54歳へと老け、高齢化率は約4割(38.7%)となる。出生率は1.36。平均寿命は、男 85.89年、女 91.94年と想定される。

ところが前回推計(H29)よりも総人口が増えているのは、外国人を940万人(9人に1人)と推計したためだ。そこで日本人のみをみると、7760万人、出生45万人、高齢化率41%となる。

実は 2120 年までの参考推計も付属している。人口5千万人を割って大正時代より前になり、その時期は令和102年とあった。間違いなく、年標記は外れている。

ネガティブ数字のオンパレードだが、実は今年の1-3月の出生数の速報がでている。前年比▲5.1%は、新推計の23年値をも下回った。
理由は、コロナ禍の婚姻数激減による。一般に婚姻から二年半のタイムラグがあるため、さらなる少子化が続くだろう。それでも、票目当てに子育世代にバラ撒き、負債を将来世代に残すのだから救いようが無い。

不確実性の高い外国人を多くした甘いシナリオ? 

外国人940万人とは社会増減のことだ。国内の自治体でも、引越して来る人と引越す人の数を長期予想するなんて難しいことだ。しかも国際移動となると更に不確実性が高いが、前提は、入国超過数を前推計の7万人から年間16万人へ引き上げて長期に続くとした。

だから、下図のように、生産年齢人口は前回よりもやや上を行く。しかし、国際政治はもとより、円安が進めば外国人材は他へ流れ(例えば、他のアジア成長国へ)、来ても質は低下する。日本人だって自国通貨を売りたくなるのだ(家計の円売り)。

  • 人口オーナスの問題
51412

 人口問題の一番は、生産年齢人口(15-64歳)の相対的な減少であり、人口オーナス(重荷)と呼ぶ。平たくと言うと、福祉のお世話になりたい人ばかりが増え、それを担う余裕のある人が減ることだ。その反対が人口ボーナス。

 その結果、人手不足、社会保障制度の持続不全(例、年金不足や介護の人手不足)、インフラの維持不全になる。人手不足は、民間だけでなく教員や地方公務員、さらには警察や自衛官にも及ぶが賃金インフレももたらす。それらをお金で解決しようとしても、既に日本は財政赤字が巨額なので難しい(通貨安になる)。

扶養負担の度合いとして最も分かりやすいのは、一人の老人を何人の現役が支えるかという値、潜在扶養指数という。生産年齢人口÷老年人口で求める(別式もあるが社人研はこれを使う)。

それだと、2020年で 2.1人、70 年に1.3 人となる。大勢で担ぐお神輿型から三人の騎馬戦を経て、今は二人であることに驚くが、50年後はほぼ「おんぶ」、ロボットスーツの出番になりそうだ。この指標は次記事で市町村別に出した。

さて、70年の総人口は9人に1人が外国人との推計だが、外国人のみの数表は無かった。そこで、Excelで公開されていた表から逆算したら、(当然だが)外国人は若い人が多く、生産年齢の15%になる。つまり6人に1人、多い街なら3人に1人かもしれないし、通勤電車の風景がそうなるのかもしれない。

しかし、本当にそんな光景に、この国が染まるのだろうか?

本当に、人手不足を外国人に依存する覚悟が日本人にあるだろうか?

※ 人口大逆転 チャールズ・グッドハート (著) 日経BP

つづく

 

2023年6月12日 (月)

出生数と死亡数、母年齢、第何子、初婚年齢、死亡率ワースト県

人口減少は予約済みなのに、子育て予算爆増で赤字が増えても赤子は増えず 

 6月になると厚労省から人口自然増減が発表される。最新の2022年版概要の2ページ分をチャットGPTに要約させた。令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況

出生数は減少傾向であり前年比で約4万千人減少し77万人と初の80万人割れになった。特に、母の年齢別では45歳以上の出生数が増え、他の年齢層では減っている。また、合計特殊出生率も1.26と低下した。
一方、死亡数は前年比で約13万人増え157万人となり、およそ100人に1.2人が死ぬ。死亡率も上昇し、死因はガン、心疾患、老衰の順だった。
自然増減数(出生-死亡)は全国で減少中である。死産数は減少し死産率も低下している。婚姻件数は増加しており、平均初婚年齢が上昇する一方、離婚件数は減少している。

 400字内の指定だったが260字ほどでGPTの要約はまずまずだ。しかし物足りないため当方が加筆修正をした。というのは、お役所の統計資料の能書きは、増えた・減ったという上っ面ばかりで、コトの良否や背景には触れない。それは公平性の立場からと思うが、そうした建前が問題解決に向き合わない体質を生みやすい、と今回も想った。

 結局、人口減少まっしぐらであり、出生-死亡の自然増減がブラスの県などあるわけはない。毎年、女性人口が減っているのだから、この先25年間の人口減少・少子化は御予約済み、と厚労省は書くべきだ

少し違う視点で書くと、日本国の赤ん坊の8人に一人は東京産であり、埼玉・神奈川・千葉を含めると全国の30%、人口集積度(シェア)よりも高いのだ。
それは、なにも東京の出生率が高いわけでは無い。むしろ1.04と全国最低であり、周辺三県も1.17と最下位グループである。それでいて赤ん坊が多いのは、出産可能な女性人口が相対的に多いからだろう。

 つまり、東京に人口が集まるほど日本の少子化は進むのがニッポンの定説である。

別の観点からも、防災や国防面からも狭い所に人(つまりは社会資本)が集まるのはヤバイ。人が住んではいけない低地や堆積土の上に(タワマンで)人を集める住宅政策は、江戸時代なら禁止されたと専門家は嘆く(プリンの上だと喩えた)。それでも集中するのは集団自殺行為に他ならない、とは決して書かない (>_<)

 データはExcelでも公開され、比較的扱いやすい形式になっているので、いくつかグラフにして眺めた。

 第1表 人口動態総覧の年次推移

4_20230611215101

このようなグラフの姿を「ワニの口」という比喩があるが、政治の無策の結果なので、「開いた口が塞がらない」が相応しい。または、顎が外れたとか・・・

第3表 出生数の年次推移,母の年齢(5歳階級)

Photo_20230611215301

 母親の年齢構成である。昔は25~29歳が最多だったが20年くらい前から5歳上になっている。高齢出産とは「35歳以上の初産婦」のことだが、折れ線は「単に35歳以上の母親」の割合である。00年代初頭に急増した理由はなんだろう?

 第4表 出生数の年次推移,出生順位別

2_20230611215701

 グラフ右端は22年の77万人の内訳である。37年前と比べると、第一子は4割減、第二子以上は丁度半減だ。なお何度も書いているが2015年でも完結出生児数は1.94なので、今低くても1.8レベルでは無いか。カネがかかるから子供を産まね、などというのは実態に合わず、造られた理由だろう。

 少子化の真因は未婚率の上昇や晩婚化であり、既に子持ちの家庭にカネをバラ撒いても子供は増えない。塾産業や私学に吸われるのがオチだ。結婚までたどり着けない人をどうするかという問題と生産性の問題である。それを無視して大規模な子育て予算をやっても、赤子は増えず、赤字が増えるだけ。選挙目当ての衆寓政治を繰り返している。

図9 婚姻件数及び婚姻率の推移

20230611-231710

婚姻は 50万4878組で微増。平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.7歳でともに上昇した。同年齢の最若は夫妻とも山口県、最も高いのは夫妻とも東京都で夫32.3歳、妻30.7歳である。概況のp14より引用。

第7表 死亡率の年齢・死因順位

悪性新生物〈腫瘍〉をガンと略した。死亡率は整数に丸め、色はこちらで付与した。但し書きが多いため詳しくは原表参照へ。

Photo_20230611235001

なお、死亡率は男女で異なり、中高年の男は同世代の女性の2倍も死にやすいのだと…。※シニアガイドより

参考表 糖尿病・自殺・コロナによる死亡率のワースト10県

10_20230611225201

高齢化が進むと病死は増えるが、宮崎県が上位にくる理由は分からない。秋田県は自殺率の高さを深刻に受け止めている。それらとは別に出生率の高さも併記してみた。これは家族観の在り方に依存するが、のきなみ九州がランクインした。

温暖化が進むと子供が増えるってか (^-^?)

 

2022年12月23日 (金)

上尾市の人口増加が止まり減少へ転じた年と死亡者数

市民課からの回答に当惑と深謝。

関連 人口問題のメニュー  23.3/25: 最新値として下記グラフを追加。本文は過去記事のままです。

Photo_20230325120101

出生数の減少ニュースは耳タコだが、朝日新聞が推定記事を出した

今年は初の80万人割れで、77万3000人らしい。国の想定より11年も早い減少ペースという。そもそも前年比-4.8%とは減り方が恐ろしい。

そこで、上尾市はどうかと尋ねたが(詳細は後述)、本当に知りたかったのは死亡者数の方である。実は、町会内で亡くなった方への弔慰金の件で、役員と話したとき、今年は例年になく多いと言っていたからだ。

下記の回答は11月までの人数である。

1月~11 出生 死亡
2021 1,385 2,125
2022 1,334 2,310
前年比 -51人 185人

高齢化が進むから死亡数が増えるのは当たり前だが、今年は前年比で9%増えそう。もうじき前年比一割増というペースに入っても不思議はないが、その辺りは、つつじ苑が計算済みだろう。

赤ちゃんの数は一日4人で、近年は1480±5人ほどだから、今年の減り方は目立つ。(12月分は先行指標となる妊娠届数で推定できるが、担当が異なるので求めなかった)

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さて、市人口はと言うと、10年ほど前は持ちこたえていた感があり微増を続けていた。が、ここ数年は目に見えて増え、23万人達成を市政が自慢したばかりだ。

 それが、つかの間の自慢話になりそうな気配だ。

なお、ここでの人口とは住民基本台帳の数のこと。都市周辺部では住民票を移さずに転居する人(若者)がいて、実態はこれより数千人は少ない(正確なのは国勢調査)。何を隠そう、我が家も都内に上尾市民がいる。住民税を上尾市に払い、ヨソに住んでいる「市民」は貴重であり、人口の一割位がそうなると楽だ (^-^?)。

で、久しぶりに人口推移表を見たら、いよいよ人口減少の兆しが見えていた。12/1日の値。

12/1 総数 対前年比
2015 227,964  
2016 228,088 124
2017 228,504 416
2018 228,547 43
2019 228,804 257
2020 229,502 698
2021 230,483 981
2022 230,301 -182
  累計= 2,337

コロナ禍における市人口増加の理由は以前書いたが、旺盛な住宅需要による転入増だ。今年は開発物件が減ったのだろうか。来年からは、(異常な)低金利時代の終わりによる下押しもあるだろう。

ともかく、2022/12月は前年比▲182人と(初の?)人口減少となった。

ただでさえ少ない赤ん坊がじわじわ減り、高齢化社会で死亡数が一割位増えて行ったら、年間千人超の自然減となる。それを補う転入超過がないと23万人はコロナバブルだった、となる。

さて、表は2015年からの7年間で、この間に2337人増えた。内訳の自然増減と社会増減(転入-転出)は省略して、外国人の要因を上げたい。

この間、外国人が1836人増えた(12/1で4428人)。つまり純増分の8割は外国人増による(主に転入だ)。今は、ざっくり人口の50人に一人は外国人であり、コロナ解禁のために秋からの増え方が目立つ。

●市民課からの回答に当惑と深謝。

 毎月の出生数と死亡数はホームページには無いので問い合わせた。情報公開ではない。

 しかし即答できなかったので、驚いた。

 てっきり、毎月締めているとか、データベースからちょちょっと抽出集計できるだろう、位に思っていた。理由は分からないが、こんな単純なデータが即答できないことに驚いた。

 なので、メールアドレスを連絡した。

 そしたら、夜9時半に回答(先頭表) が来て、目を疑った。数日後に来ればマシと思っていたからだ。市政開闢以来の出来事かと思う位、感動した。

 同時に、当惑もした。

そもそも、残業までやって回答して欲しいとは思わなかった。管理職がやっていたら残業代はつかないが、それでも少し辛い目に合わせてしまったという気になった。ありていに書けば、たんなる知的要求のために、公金を数千円とか数万円(税金支出)も費したらイヤだろう。

 混迷した図書館問題の頃に見聞きしたことがある。

 度の過ぎた負荷をかけて回答を迫る人がいたが、その成果物に公益性があったかは不明だった。行政に負荷をかけることはイコール公的資源の消費である。独りの狭隘な自己満足のためだとしたら釣り合わないどころか私物化になる。

公益性というアウトプットを熟慮することも市民には求められる。権利意識も過ぎれば独りよがりなのだが、当人は「どんなもんじゃ位」の気だったと見えた。

 そんな意味で、残業までしてもらう質問では無かったが、感謝の意味で取り上げた。もし、上の出生死亡のデータに価値があれば幸いである。

 

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赤飯炊くような人口増加と当事者意識の無い上尾行政

 

2022年10月18日 (火)

上尾市の限界集落

最近、限界集落※に関するニュース記事を二本見た。※65歳以上人口が全体の5割を超えた地域のこと

地方なら珍しくは無いが、朝日の記事は都内に9カ所あると言う指摘だった。最高は大田区東糀谷6丁目の64%、共通点は都営住宅の存在らしい。

 東京23区にも「限界集落」高齢化する地域、誰が支える?

で、思い出したのが、7年前に上尾市の団地の高齢化率を調べたことだ。じゃあ、今はと探った。まず上尾市全体の高齢化率は27.6%(63,623人)で、これは全国平均(28.7%)よりやや低い。R4年 9月30日 町丁字別年齢別人口統計表より


団地等 高齢化率 高齢人数
上尾東団地 56.1% 240
シラコバト団地 55.2% 459
尾山台団地 49.5% 1,290
西上尾第一団地 49.1% 2,459
西上尾第二団地 48.5% 2,179
戸崎団地 46.8% 104
ソフィア上尾 46.1% 460
根貝戸団地 46.1% 213
上尾第一団地 43.0% 165
原市団地 42.6% 1,035
富士見団地 37.0% 647

本当は町別で高齢化率がでると良いのだが、残念なことにExcel公開データはトイレットペーパー風の垂れ流し形式なので、算出できない。なので、団地となったわけ。団地は二世帯住宅にできないし、立地は高度成長期に交通利便性よりも供給重視だったから、立地が悪いと人気もない。

ところで団地を集落と呼ぶのは違和感あるだろう。しかし、名付け親の大野教授は批判を覚悟で限界集落という表現を用いている。それは91年のことなのに、日本人には少子化(人口減少)への危機感は相変わらず低いと思う。

あらゆることが、今まで通りにはできなくなる(持続不能)のに、既に慢性疾患のまま適応できない日本人のぬるさ(無責任)みたいなものを感じる。

身近な例で言えば、学校統廃合の反対にみられる保守的な姿であり、まさに限界思想である。

もう一つの記事は、噂の現場みたいなものだが、別に珍しくはない。

「限界ニュータウン」のいま 新築時2600万円→100万円台に“大暴落” 

過去記事 上尾市の地区別(地域別)と団地の高齢化率や平均年齢
 
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2022年8月15日 (月)

家をつくるなら♪上尾市。年少人口の転入超過は県内2位

都合の良い真実。マイホーム取得の穴場、あげお。

関連 こたつ記事を使う礼賛広報の危うさ

広報広聴課が伝えない「都合の良い真実」というべきか、ここがイチ押し上尾!を書いてみる。なお、広報では「異動人口」と書いていたので、その職員を人事イドーしよう (^^♪

既に、上尾市の転入超過が増えていることは書いてきた。去年は全国で21位(推定)だが、それは新規陽性者数みたいにあまり意味のない値だ。大事なのは、その年齢内訳にある。総務省の人口移動統計で、5歳等級別の転入超過数が分かる。なお、その値は統計あげおとはやや異なる。

住民基本台帳人口移動報告 2021年結果 総務省

 少子化の中にあって、子連れ世帯をどれだけ呼び込めるかが自治体間競争のキモであり、勝者は「子育て世代に支持された街」と誉めそやされる。その指標の一つ、年少人口(0~14歳)の転入超過数について、県内での上尾のポジションをみた。なお、人口126万人のさいたま市は”区”に分割して比較対象とする。

19年、上尾市は126人で県内11位だった。転入超過なのだから、そもそも良い方である。

20年はコロナ禍だが、元の超過総数が1372人へ増えた。うち、年少人口は316人で一気に4位へ躍進した。

21年、総数は1936人へグンと増えた。前年二位の川口市は1964人で大幅に失速していた(若者は増えても、中高年層は転出超過である)。そして、上尾の年少人口は299人で3位となった(市順では2位)。

2019年 2020 2021年
緑区 緑区 緑区 507
浦和区 浦和区 浦和区 334
西区 岩槻区 上尾市 299
見沼区 上尾市 見沼区 295
越谷市 見沼区 大宮区 268
加須市 西区 岩槻区 207
 前後を、さいたま市のに囲まれ、合併はできなかったが転入者からは類似エリアとして見なされ、"さいたま市上尾区"と言わんばかりだ。ちなみに、緑区の輪郭が上尾市の蝶の形とそっくりという大発見をした。 (追記 21年、65歳以上の転入超が全国18位というのは気になる)
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 反対の、ワーストをみると、川口市(▲328人)、和光市(▲266)、戸田市(▲243)という人気市が並ぶ、意外な顔ぶれだった。南から北へのシフト現象かもしれない。

 国内では、子育てするなら「東の流山市、西の明石市」と呼ばれるほど二つの市は有名だ。そこへ割って入るのはおこがましいが、子育て自慢には転入増だけでなく出生率の高さが必要だ。「母になるなら流山市(出生率1.55/2020)」や明石市(1.7/2018)と比べると、1.22の上尾市はムリだった。

その明石市というと将棋倒しの大惨事を思い出すが、近年は良い面で有名だ。泉市長の発信力と政策によるものだが、位置的には、人口29万で隣に神戸市、その先に大坂(梅田)というロケーションだった。つまり、時間距離では、さいたま市とその先に東京・新宿がある上尾市と似たベットタウン市である。

そして、令和の三年間に限れば、上尾の方が転入超過数は多い。つまり、出生率が低くても、子供持参で次々に来てくれれば、カネのかかる支援をせずに済んで楽である。つまり、ファミリー人口獲得のコスパは上尾市が日本一かも。そこを広報は、もっと自慢すべきだ (^^♪

市政を褒めているのか、貶しているのか分からなくなったが、ムリな差別化やバラマキ的な子育て支援策をとったわけでも無いのに、成果を得たのは凄い。しかも、増えた理由(文末)を行政自身が地の利と認め、自らの政策を手柄としていないのは正直である。

でも、昔からの宅地開発(供給策)の種が官民でタイミングよく実ったということは挙げても良い。多分、緑区も似たようなものでは無いだろうか。緑区は上尾の半分の人口で年500人とは、それはそれで別次元の心配をしていた。緑区美園エリアは教室不足を解消し、小学校と中学校が相次いで完成した

 ♬ 家をつくる~なら ♪ 安くつくる~なら ♪ あげおし~♬

 でも、来年から転入が減ると、

コロナのおかげ、と言われる (>_<)

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参考(クリック拡大)

Photo_20220814113101

 

 

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