カテゴリー「上尾市の財政物語」の41件の記事

2021年3月 4日 (木)

上尾市2021予算-3 上尾市長の減給案が勘違いされやすい

前記事 予算-2 衆寓予算への追記です

 

今回の市長給与減額は「ブロック塀不正支出」の監督責任の件だった(今頃!)

やらなきゃ、まだかと言われ、やったら今ごろと言われるお話し。畠山市長は4~6月の3か月、月給の15%を、池野教育長は4月のみ5%をカットするようだ(議案24号より)。総額は不明。

ブロック塀事件の責任を取るための減額案は過去二回、議会で否決されている。

全容解明が終わっていないから早すぎるという理由だが、法的には、二重処罰の禁止とか、一度処罰した後にもっと大きな被害が分かっても追加処罰できない「一事不再理(いちじふさいり)」によるものだろう。

そして、既に当時の副市長は無傷で退職しているから、市長と教育長のみになったわけだ(教育長を巻き添える理由は不明)。

※ 前の削減案は市長10%の3か月、副市長は同2カ月だったから今回の5%加算はその配慮なのかな?

注意すべきは、本案はコロナ不況にあえぐ市民と痛みを分かち合うとか、財政危機への覚悟みたいな潔いお話しではないのだが、世間は美談として伝わりやすい点だ。広報が「二年前のブロック塀事件の責任」ですよ、と書かないと世論操作になるだろう。

もっと大事なのは、それでは足りないという視点である。

①ブロック塀事件後に判明した不適切契約790件(特定業者に発注させる分割発注)という契約の常態化)。前任者から続くこの街の不正の温床であり、その監督責任の総括的な減給。


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②財政危機で、市長自ら覚悟を示すための減給。

市長選にでるなら、このくらいやらないとね。

参考 首長らの給与減額レース

 


元記事はここから 

2021年3月 2日 (火)

上尾市2021予算-2 危機感の安売りから選挙目当ての衆寓予算へ

市税は16年前の水準に落ちても、既得権益化した予算は肥大化へ

0自治体差 1労使交渉 関連_40位

昨年10月に畠山市長は「コロナ禍の臨時財政運営方針」を出したそこには数字の説明は無いが、各部門から上がってきたR3年の概算要求と歳入(収入)予想を比べたら、?十億円も足りないという事態だったらしい。(不確かだが50億とか60億円というレベル?)。で、それを踏まえた運営方針にこう書いている(一部要約)。

税収減には国の支援もあるのだが、『本市としては、不確実な支援を座して待つのではなく、この厳しい状況下においても持続可能な財政運営への改革を、積極的に推進する』とする。そのために、次の5視点で事業を見直し、“危機対応モード”の財政運営を行うこととする。

1人件費削減、2市独自事業の見直し、3イベントの休止見直し、4安全確保以外の工事や設備整備の先送り、5各種補助金総額の削減

しかし実際の予算は前年比+32億円、約5%増の690億円と過去最大に膨れた。一方、市税は▲16億円、-5.1%の295億円と見積る。これは2005年の294億円(決算値)に並ぶ16年前の水準である(16年間でも5%程度しか増えていないという別の面もあるが)。

 市税を-5.1%とした根拠は、リーマンショック後のー5%(2009年)と同じにしたのだろう。しかし、当時は翌年も-1.9%となっており、個人市民税は-7%と最大の落ち込みである。なお上尾の法人税は市税の5%と頼りにならない。そして、来年も財政不安は続くだろうという予測は、以下を読めば確信になるはずだ。

 予算案の中から少し気になったことを指摘しておく。

●労組の少数意見が人件費カットを拒む

 人件費削減は管理職のみ3千万円削減という、羊頭狗肉になった。総人件費は▲5800万円の削減になっていたが、130億円からたった-0.4%減ったに過ぎないそもそも、当初の「全員2%カットで1億6千万円削減」という提案ですら小さい感じがするのに、それすら拒んだのは二つの労組である。その組合員数は300人位と言う人も居て、それなら組織率は25%位となり実態は少数派である。

 幸い継続交渉なので給料表の改定による長期的な削減効果を期待するが、「賃下げは慎重に」と当局を牽制する議員がいる一方、当局を応援する議員は見当たらない。さらに市民の応援があっても良いはすだ。

●議会へのタブレット導入2,475万円…ペーパーレスより議員レス!

佐賀県が779万円で「誓いの鐘」、沖縄には600万円の萌えキャラというのもあった。コロナ交付金の無駄使い例である。で、本件は前から議会で懸案だったが、今回は猫に小判・豚に真珠と市民や新聞から書かれたように便乗予算である。

自治体のワクチン接種など、まだまだ予想外のカネがかかる事はあるのだから、そこへ回すのが議員の使命感なのに、そんな人がいない、と、他市首長の言葉を引用して読売は批判していた。なお記事では市職員が擁護発言をしているが、本件は議員らの便乗と考えるのが自然だろう。

所で、タブレットは小学生並み※45000円×30台で150万円で済む(※GIGAスクール並みの意)。Wi-Fiに二千万円はオーバーだ。庁内LANに繋ぐだけで十分であり、独自システムなんて分不相応である。見られて困るなら密室の密談になるのだからネットを使わない。情報セキュリティよりも議員のリスクを心配した方が良いだろう。

更に、ペーパーレス化なんてケチな話だ、議員レスの方が効果ある。端末を自腹購入し、紙代も自らに関係した分は政務活動費(25000円/月一人)で負担すればよい。結局、自分のカネならやらないだろう。

分かり易い例として、大室議員は2015/10/2にHPを新設しているが、次の更新は2019/11、つまり選挙の直前である。テキストが一文字もない図版を貼り付けただけのモノだから、自分では更新できないサイトになっていることが分かる。

かまちょ図書館に全議員リンク集がある。田島純、新道龍一、田中一崇、立憲/荒川昌佑、国民/矢口豊人、樋口敦、維新/津田賢伯、N国/佐藤恵理子らの議員に共通するのは、若くてもネットが出来ないということ。理由は、スキルの欠如やオリジナル・コンテンツを作れないというのもあるが、そもそも地場の有権者が求めていないのがペースにある。

●上平地区複合施設基本設計として2500万円…不要不急だから先送りすべき

当局が作った基本計画案が検討委員会で保留になっているのに、作る前提で予算計上されている。行政の中立性とか専門性が無いことが、平気で行われている。

行政部長や施設課は、市民の代表は市長、その市長の命令をきくのは当たり前、みたいな理屈かもしれない。しかし、公務員の大原則は市長への服従ではなく、市民への奉仕である。作りたくて仕方ない、作ることが手柄みたいな感じがヒシヒシと伝わるのは、あの私物化行政に突っ走った教育総務部図書館部門と同じだよ。同じ轍を踏んでいる。

●難病見舞金1600万円に反対しても、不寛容ではない。

上尾市ではH8年から2万円/人で始め、H27年から疾病対象を広げ(300種)、年一回の一万円になった。1600人を見込んでいる。高齢者や生活保護者を除き医療費は原則三割負担だが、難病のケースでは所得によりさらに軽減される。国の法律があるわけではない自治体独自のサービスであり県内では19市町しかやっていない。

身の回りに該当する方がいて、貰えるからもらっているだけ(こんな時期だから)廃止は仕方ないと言う人もいれば、とんでもないと怒る人もいる。しかし、不公平さや一万円だから生活補助ではないという目的の曖昧さがあるから、余裕の無い財政下では問題あるとの主張は当然である。

むしろ、他人のカネだとばかりに、財源無き予算の肥大化を放置する人こそ無責任であるが、本件も削られること無く廃止は先送りとなった。

こうして見ると、畠山市長の「危機対応」姿勢が口先だけなのは、論争を回避し、(市政を知ろうとしない)市民に良い顔をしたいだけなのだろうと思った。

早い話、選挙が近いからカットできない、という点で衆寓政治である。

つづく

 

 

2021年2月26日 (金)

上尾市の一人当り市税は埼玉県内40位と低下中

63市町村で、一人当たりの個人市民税は20位、法人市民税は32位、固定資産税は57(2017年度)

関連 予算-1労使交渉

2年前に人口一人当たりの市税ランキングを書いた。その時は40市の中で31位だったが、今回は全63市町村での順位にした。というのは、埼玉県庁サイトの「第3表 税目別負担額」(決算値)に自治体別の一人当たり税額が計算されているからだ。

今、最新の値は2017年分であり、2018年は三月半ばに公開される(それでも一年分くらい遅いと思う(>_<)。なお、本稿末尾に金額付きランキングをのせた。
市税全体=個人税+法人税+固定資産税+その他 である。

県内の順位 2017年度 金額(円
市税全体 40 134,805
個人市民税 20 58,879
法人市民税 32 8,294
固定資産税 57 51,168

●2011年から2017年へ、上尾市の凋落は続く…

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上尾市の人口は8位であり、東京へも近い方だが市税合計額ではずっと順位を下げており40位になっている。実は、グラフの6年間の税額は+1.6%増だが、もっと高い伸びの他市町がいるために33→40位へ後退している。
 (蛇足ながら、この様子は日本経済が前年比でプラスであれば満足していた内向きな平成時代に、世界はもっと拡大しており、一人当たりGDPが25位という下位になった姿に似ている)。

市税の中で一番大きい個人市民税は20位である(市だけでは19位)。これは東京都との距離とアクセス性の良さに反比例しやすい。また大企業等の立地の多い所も所得が高い。

上尾市の法人市民税は32位とかなり低い。人口が多い割りに法人数が少ないか、規模が小さいのか、赤字法人が多いのかは分からない。

固定資産税が57位とビリに近いのが上尾の弱点である。個人や法人の資本投入が少ない姿になってる。団地が多いから持ち家比率が低いかもしれないが、その公的な統計は見当たらない。物流道路による企業立地の多い町は、人口が少ない分一人当たりの「法人の固定資産税」が多くなり、税収全体の順位を押し上げる。

上尾市の一人当たりの個人市民税が少ない理由は分からないが、高齢化率とか退職リタイアが他市より早く増えたとか、従事する産業や企業の収益力が低いなどがあるだろう。総じて、税負担できない層が増えてきているのかもしれない。

無いものねだりになるが、市税合計が10位レベルになると、今よりも54億円の増収になる。

2017年(H29)の市税合計、個人市民税の多い順。

表の中の順位差は数百円とか千円程度と小さいが、これがそう簡単に詰められない差になっている。なお、市税合計と個人税の順位に違いがある自治体は固定資産税による影響である。

何気に高崎線の大宮以北は経済力が弱そうに見える。

  市町村名 市税合計   市町村名 個人市町村民税
1 戸田市 207,972 和光市 80,494
2 三芳町 202,944 さいたま市 74,190
3 八潮市 189,123 戸田市 72,854
4 さいたま市 181,098 朝霞市 71,733
5 和光市 178,179 志木市 69,478
6 滑川町 168,376 蕨市 66,892
7 川越市 162,207 所沢市 66,474
8 美里町 160,327 川口市 64,278
9 朝霞市 159,135 白岡市 62,153
10 川口市 158,690 草加市 62,123
11 川島町 157,307 富士見市 62,105
12 嵐山町 156,677 新座市 61,512
13 蕨市 156,376 ふじみ野市 61,059
14 三郷市 155,432 越谷市 61,043
15 所沢市 154,478 八潮市 60,467
16 熊谷市 153,042 蓮田市 60,083
17 飯能市 150,657 川越市 60,011
18 寄居町 149,078 三芳町 59,287
19 吉見町 148,905 鶴ヶ島市 59,132
20 草加市 147,883 上尾市 58,879
21 本庄市 147,216 吉川市 58,467
22 日高市 146,503 三郷市 58,283
23 久喜市 146,413 狭山市 57,658
24 東松山市 145,447 入間市 57,194
25 志木市 145,200 桶川市 56,917
26 新座市 144,082 北本市 56,651
27 狭山市 143,942 久喜市 56,218
28 鶴ヶ島市 143,132 熊谷市 56,181
29 入間市 142,559 鴻巣市 55,915
30 ふじみ野市 142,395 飯能市 55,746
31 越谷市 141,630 伊奈町 55,738
32 羽生市 140,531 坂戸市 54,115
33 横瀬町 138,671 滑川町 53,660
34 秩父市 138,661 東松山市 53,456
35 白岡市 138,377 春日部市 53,413
36 富士見市 137,285 日高市 51,956
37 加須市 136,397 本庄市 51,882
38 桶川市 135,275 宮代町 51,476
39 北本市 135,122 杉戸町 51,397
40 上尾市 134,805 深谷市 51,125
41 深谷市 134,406 鳩山町 50,999
42 蓮田市 133,334 行田市 50,365
43 坂戸市 132,755 小川町 49,320
44 吉川市 132,197 松伏町 49,213
45 行田市 128,998 加須市 48,934
46 伊奈町 128,463 吉見町 48,870
47 鳩山町 127,859 幸手市 48,735
48 上里町 126,538 羽生市 48,105
49 鴻巣市 126,042 川島町 47,768
50 神川町 125,557 毛呂山町 47,676
51 ときがわ町 123,530 嵐山町 47,517
52 幸手市 123,099 越生町 47,292
53 小川町 121,956 上里町 46,011
54 春日部市 120,641 ときがわ町 45,453
55 杉戸町 117,244 寄居町 44,404
56 越生町 113,952 横瀬町 44,000
57 長瀞町 112,624 長瀞町 43,468
58 小鹿野町 110,915 秩父市 43,344
59 宮代町 110,761 美里町 41,540
60 皆野町 107,861 神川町 40,753
61 毛呂山町 105,405 皆野町 39,249
62 松伏町 103,449 小鹿野町 38,785
63 東秩父村 86,732 東秩父村 33,786

 

 

2021年2月21日 (日)

上尾市2021予算-1 労使交渉という名の無観客芝居

全職員2%カットで1億6千万円の削減を求めたが、二労組の反対で管理職のみ3千万円削減へ

予算-0の続き 予算削減の第一波 上尾市年収は1788自治体中で446位(東洋経済へリンク付) 公務員年収のトップ100・ワースト100(プレジデント) 文末に追記。


 昨秋には新年度予算編成のための支出見直し方針が作られ、人件費の見直しもあった。しかし、結果は年末記事の予想通りだった。交渉結果を伝える1/28日の機関紙から以下に要約した。交渉は二労組の各代表者、総務部長、次長、職員課長である。文中の( )内は当方加筆。

削減額 対象1496人 管理職201人
給料 -111,730,296  
地域手当 -6,695,385  
期末勤勉手当 -47,252,189  
合計 -165,677,870 -30,000,000

27日夜、「コロナ禍を理由にした全国に例を見ない賃下げ」問題をめぐって、自治労連と自治労は合同で市当局と3回目の団体交渉を行い、当初の提案を見送って前回交渉で新たに出された「全職員(現業職を含み、会計年度任用職員は除く)、給料2%減額、1年間」を押し戻し、「対象を管理職のみ」とすることで最終的に決着し、労使合意としました

●労組の主張

1回目の交渉では「給料表の切替え、期末勤勉手当等」の提案があった。2回目では全職員2%案が出されたが、今3回目の冒頭で市から「管理職のみの案」がでた。なお一回目の提案は継続交渉とする。

人事院勧告と無関係に全国に例を見ない人件費削減の必要性がどの程度あるのか当局に説明を求めたが示されなかった。一切の削減を認めない立場であるが、新提案が過大な削減だとして縮小するよう求めた論拠は次の二つである。

1 リーマンショック後ですら人勧の基本給は(民間並みに)▲0.22%であった。つまりあの時ですら民間でも基本給減は小幅だった。業績悪化はボーナス削減でやるのが通常だろう(当時▲0.35月だった)。だから今度のコロナ禍でも▲2%の勧告は出ないだろうから、(市案は)下げ過ぎなのだ。(人事院勧告 2009年は▲863円 (▲0.22%)で賞与は▲0.35だった)

2 上尾市の2007年(リーマン前)と2011年の比較では、税収▲26.5億円でも歳入は+56億円である。地方交付税が+28.5億円、臨時財政対策債+13.1億円。災害により地方財政が落ち込んでも国が補てんする。来年度も交付税で補てんが予算化されているから、市財政への影響は抑えられるだろう。よって市案は下げ過ぎである。

●当局の言い分

「市民サービスをカットする以上、職員が何もしないわけにはいかない」。「この状況を打破するには人件費の削減をしないと予算が組めない」と主張し、何らかの人件費削減を4月から実施することは変えていない(何を意味するか不明)。

もし人勧が2%超カットになれば、新年度の給与改定は2%との差のみにするのかは、勧告後に交渉するとし、本案の議会提案期限が迫っているため、ここで労使合意とした。


 

冒頭囲み欄に自治労連の名前が先にあるので上尾市役所は共産系労組の支配が強いのだろうか。さて、組合の論拠1は、リーマン時ですら民間は簡単にカットしなかった(0.22%)じゃないか、だから2%はオーバーという理屈だ。

まず、人事院勧告とは民間の4月度の月給を調べて官民の給与差を国家公務員給与に反映させるもので、地方公務員にも影響する。しかし調査対象は50人以上の事業所なので規模的には上位5%以下になる。企業名は非公開だが大企業や優良企業がある程度含まれるため、『家庭の金融資産1,139万円』という統計みたいに高い方へ引き上げられる効果がある。だから、厚労省の「賃金構造基本統計調査」とか国税庁の「民間給与実態統計調査」とかけ離れた給与水準と言われる。

 参考【公務員給与】民間準拠の大ウソ

実は、上尾市職員の年収は市が公開しないのでこちらに示してある。再掲すると、2018/4時点の職員平均は40.1歳で617万円、うち一般行政職641人は平均40.4歳、630万円である。上尾に本社のある一部上場企業の平均年収はベルーナやスーパーバリューが515万円位、自動車部品のフコクは577万円、高い方ではアイチコーポレーションの653万円(41.7歳)がいる。つまり市役所は地場の一部上場企業として高い方なのだ。

なお、東日本大震災の復興財源のため、2012、13年度に国家公務員給与を特例で平均7.8%減額し、政府は自治体にも地方公務員給与の減額要請をした。しかし、都道府県は87%、政令市は60%の12市、市区町村は57%の985団体が応じただけで、下げても数%程度!。上尾市の態度はネットでは分からなかった…。

論拠2は災害による財政悪化は交付税をもらえるから今回も影響は抑えられるかも、というものだ。こんな呑気な話しは論拠とは言えない、というか親方日の丸である。わざわざリーマン前と震災年までの4年間の差額で説明していたので、コロナ禍には経済事変と災害の二面性があるという慧眼かと思ったが、そうでは無かった。

事実を確認しよう。2009年は市税総額が▲5%の16億減だ。翌年の個人市民税はもっと悪化して▲7%、法人税は少し回復したが市税総額は▲2%の5.7億円減と二年連続のマイナス。今度のコロナ禍はもっと中期的に続くだろう。人々が消費を再拡大することは慎重となり、中小サービス業者と雇用者には耐えがたいものだろう。

読んでいて、労組だから量出制入の考えが強いと思った。その支出優先の考えが、今の日本では支出が固定費化している。特に少子高齢化で増える一方であり、固定化が続くと既得権益化になってしまうから経常収支比率が95%の異常値がフツーになっている。量出制入の考えなら財源は赤字国債でイイじゃんだろう。だって労組は増税反対だから。そのうちMMTまで言い出すかもしれない…。

赤字国債により地方交付税を増やせば地方財政は健全に見えるが市民と国民は同一人物であることに変わりない。

●本気の交渉には見えない

まず当局は二回目に2%カットを提示しながら、三回目の冒頭で引っ込めたとある。なんじゃこれは!ですよね。それを労組は「押し戻した」と誇張する。しかも一切の削減を認めないと言いつつ、削減幅を縮小するよう求めるなど腰が引けている。両者が気がかりなのは、人勧がどんなマイナス幅を提示するかだろう。それまでは、

潰れて失業になるリスクは無いのだから、安心して交渉劇をすればいいのにね。

●ラスパイレス指数の100以下へ、道半ば

職員課はHPでラスパイレスについて二年前から書くようになった。他部門でもここまできちんと書く例はない。細かく分析的に書いている理由は、全国や県内での高さが目立ちすぎて風当たりが強まったためだ。遅ればせながらの言い訳である。

下げる対策と言えば、一般行政職55歳昇給停止(30/4/1実施)、一般行政職全職員の昇給延伸(31/4/1実施)だった。外から睨まれるまで当節当たり前のことをしなかった。今まで(今も)指数を高めているのは、高卒の50歳以上の存在であることは既知だったが、ようやく市も認めて上の対策になったわけだ(但し経過措置中)。

本市では高卒の職員であっても職務遂行能力が高い職員は課長職以上の管理職に登用しています。

昇進テストは無いらしいので「仲間うちの評判」で職務遂行能力を計ったら離れ業になる。ぜひ考課表を公開請求したいものだ。国家公務員と市職員の採用テストの難易度が違うだろうから、指数100以下を求めるのは市民としては自然だと思う。

つづく

過去記事 職員給与のラスパイレス指数など

2021年2月17日 (水)

上尾市2021年予算-0 自分で治せない体の話し

自治とは名ばかり、ホンネは他力と国依存で自治体格差時代へ

封建的な思想を持つ森さんが辞任に追い込まれたのは、国内世論からグローバル世論への外圧のおかけだ。これも、コロナであぶり出された日本病の一つと思うが、森辞任-川淵人事-密室委員会と混乱続きを見せられると体育会系ってこうだよね、と思われてしまうだろう。

ところで、今、新年度の自治体予算がすったもんだしている。

これはグローバルな影響を受けないけど、自ら問題に向き合わないと立て直せない。プチ手術くらいの覚悟が問われるのに、痛みを嫌う人が多いと慢性疾患のままズルズル悪化して将来世代まで巻き添えするだろう。その結果は自治体間の格差社会へというわけだ。

待望の2021年度の上尾市予算案が公開された。

その前に他市事例を書こうと思っていたので、先ずはそちらから。なお、市長・副市長・教育長の三役は10%減給、職員人件費のカットは管理職のみ2%と聞く。

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職員が無傷なのは自治労と自治労連の抵抗だ。畠山市長は自治労依存だから本気度は低いのだろう。

財政の緊急事態」という市は多いが、いくつかの自治体の予算が報道されている。京都市の財政危機で書いたように、カネ使いが分不相応という自治体からコロナで行き詰まる。なお、20年は補正予算が何度も組まれて膨らんだため、下記の比較数字は20年度の当初予算額に対してである。

 新座、川崎、さいたま市、相模原市のニュース例だが、最後の相模原市がお勧めだ。相模原市よりはスケールは小さいが上尾市と似ているため。

新座市は予算を4.6%減。採用見送りなど170の事業を見直し、21.8億円削減へ

 採用中止がニュース見出しだが、新座市は予算496億6千万円で前年比24億円、4.6%減らした。職員の超過勤務手当を50%に抑える、赤ちゃんから高校3年生までの医療費の助成について高校生の通院分を対象外とするなど、170の事業を見直し、21億8千万円を削減するという。全体で職員を15人減らすほか再来年の採用をゼロにする。

川崎市は前年比4%増加で過去最高へ

 昔のイメージと違い、今の川崎市は人気エリアである。国から地方交付税をもらわなくても生活できる水準だったが新年度はそうはいかない。

 一般会計は8208億円、前年比4%増で7年連続で過去最大へ。コロナ対策に217億円(半分は中小企業の資金繰り融資)や待機児童対策791億円(同2%増)などに重点とあるが、待機児童の額にビックリする、一体何なのだろう・・・。

 市税全体は5%減で2年連続。減少額180億円は過去最大、減少率はリーマン・ショック時の5・6%に次ぐ。個別は、個人市民税が5%減、法人市民税は33%減、固定資産税は3%減と見込む。税収減を、将来の借金返済に備える減債基金から286億円を借入れて埋め合わせる。

 財源不足に充てる臨時財政対策債36億円やコロナ対策の金融対策債75億円を発行するため、733億円(同12.1%増)を計上。残高では市民1人56万円の借金となる。ふるさと納税による市税流出は69億円と見込んでいる。

さいたま市は491億円(8.7%)増え、過去最大6118億円

税収減を借金や国庫からの支出で補う一方、歳出ではコロナ対策関連と待機児童解消策の保育園への補助金などが占める。市税全体は101億円、3.7%の減少で、個人市民税が28%、法人市民税は3割減を見込む。

市債発行額(借金)は34.7%も増えて687億円となり残高は増える一方だ。財政調整基金(貯金)の取崩しも126億円と過去最大へ。結局、人件費や借金返済などの義務的経費の比率は53・6%に上がり、財政の硬直性を示す経常収支比率も悪化するという。


相模原市の本気度(人口72万人)…相模原町田経済新聞より

1月14日に公表した「行財政構造改革プラン案」で2027年度までに累計816億円の歳出超過を生じ、「いずれは真に必要な行政サービスの提供すら困難」となる可能性を示した。

このため来年から2027年度末までの9年間を2期に分けて、持続可能な行財政構造の構築に取り組む。
具体的には、銀河アリーナ(スケート場)の廃止、相模大野駅・北里病院・女子美術大学・相模原ギオンスタジアム・原当麻駅を結ぶBRT※(幹線快速バスシステム)導入計画、図書館相武台分館、1小学校区に複数ある児童館9館などを廃止、美術館整備事業や総合体育施設整備事業を含む淵野辺公園拡張区域等整備事業の中断などの歳出削減策に努める。 ※連節バス

一方、経済効果を見込む橋本駅や相模原駅、相模原インターチェンジの周辺整備は推進する。
既存の公共施設などの見直し効果額は60億円。「事務事業の選択と集中」=47.7億円、「地方交付税等の確保」=56億円などを含めて245.9億円の収支改善を見込む

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新規・大規模事業を一時凍結する。公共施設の改修費が重荷という

昨年、相模原市の預金が4億円になったと話題になったらしい。ピークの2008年度には143億円あった。上尾市も9月末に696円となり、もう少しで悪魔の数字になる所だったが、ピークは2014年度の41億円である。人口比の3倍差を考えると上尾の方が恥ずかしい。

相模原市は前から財政が懸念だった。2016年度には経常収支比率が100%を超えてしまい102.5。指定市としては超恥ずかしレベルだ。去年1月には再建策へ動き出し、全事業を見直す「行財政構造改革プラン(仮称)」を策定した

20年から27年までは60億〜134億円の歳出超過が見込まれるため、新規・拡充事業を原則凍結するなど構造改革に取り組む。そうしないと、真に必要な行政サービスの提供すら困難になるという。扶助費を中心とした義務費の増加、会計年度任用職員制度への移行、公共施設の長寿命化事業などによる増額が財政硬直化の原因とみている。

 

2020年12月31日 (木)

上尾市を襲う予算削減の第一波はしょぼかった

来年の財源不足は32億円、第一波は2億7千万円?

前記事のつづき

首都圏では、二年前に銚子市が赤字転落という財政不安の話題があったが、今度の京都市の危機は全国ニュースになった。その話題で「米びつの底が見える」と書いたが、よく考えたら「お米のビニール袋って横からでも見えるから」と若い人に突っ込まれそうだった。今風に「貯水池の底が見える」と水不足に喩えれば、学校プールの中止や全家庭の節水など分かり易かったかもしれない。

しかし、水よりカネ不足が上尾市。この先も変わりそうにないことは覚悟すべきだ。

来年(2021)の財源不足は32億円である。これは5/29時点の粗い予想である。同じく、今年(2020)~24年の5年間、毎年の財源不足は20~40億円、総額170億円である。なお、最新見積はいずれ出てくるだろう。

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市は12/22日に「臨時財政運営方針等に基づく主な見直し事業(案)」をHPの奥深くに公開した。来年予算の見直しをしようとする事例はたった6件、2億7千万円だ。年明け後にドンドン追加されるだろう。で、この案を眺めると、見直すと減らすは同義語なのに、行政は決して「減らす」とは書けない。先ずは彼らの脳内こそ見直すべきだろうと思った。

以下にまとめた。もちろん議会前なので『検討案』である。かっこ内は今年の予算額のこと。

1.重度心身障害者福祉手当(144,935千円)を、対象者を県補助制度に合わせる。

2.難病者見舞金(16,000千円)を、h27年に公費助成が拡充され、よそでは廃止されているから本市も廃止へ(県内44/63で未実施)

3.敬老事業交付金(65,194千円)を、一人当り2千円から1千円へ。

4.国保被保険者の保養施設利用補助(6,120千円)を、国民皆保険下における公平性の観点から廃止へ。

5.後期高齢者への宿泊施設利用補助(17,094千円)は、健康保持・増進の効果が不明瞭であり、H30年度から県後期高齢者医療広域連合補助の対象外となっており廃止へ。

6.英語教育推進事業(20,836千円)は、英語力4技能測定がよそではやっていないので廃止へ(55/63 市町村で未実施)。R3年度より、学力向上支援事業に中学2年生の英語検査を追加。

他に、あげお花火大会、あげお産業祭、市民体育祭、市民駅伝競走大会等のイベントについて見送り検討。(その他のイベントも検討中)


まず、国や県を共通水準としてそこに各自治体が給付を加算した付加部分があり、その付加が負荷になっている。それは理解するが、読んでいて、奇異に感ずることも多い。

「他ではやっていない」を廃止理由にするのは横並びなのだが、他でやっていない事(支出)を始めた時は、県内初とか二番目とかみたいに宣伝してただろう。減らすときは他はやっていないと言い、付加する時は手厚いでしょうと自慢したわけだ。二枚舌である。

驚いたのは、公平性の観点、効果が不明と明記したことだ。これこそ一番感動した理由だ。

給付することは良いことをしているという錯覚にとらわれる議員や公務員がいるが、他人から集めたカネを、それ以外の他者に配分する時にその合理的説明が出来なければ詐欺や買収に近いと思う。この理由こそが削減第一波の大義になれば良い。

3番が気になった。

財政事情を知れば、「千円だっていりません」と上尾の老人会は遠慮しないだろうか。社会保障の構造的な背景を理解することも無く、「ハタケヤマ!たった千円か。子供の小遣いか」なんてサモシイ老人はやがて切れる老人になるだろう。

人件費削減では給料表から見直す

上は、17日付の「上尾市臨時財政改革会議」を受けてのものだ。そこでは「来年以降、コロナ禍が収束するまでの間、市税収入の大幅減が想定されることを踏まえとの認識で、「人件費の削減: 給料表及び各種手当を見直す」、「各種補助金には一律、前年比10%削減」とある。

ようやく給料テーブルに手を付けるのは評価するが、市民サービスのカットをするから我々も身を切りますと言う当たり前のお話しである。市役所には国民系と共産系の二つの労組がおり、畠山市長の後援は労組でもあるから、管理職層からのカットを優先するのだろう。また、自分達で自分の給料を決めるから、減額効果は限定的だ。ちなみに人件費は130億円と扶助費の次に大きい。5%カットなら7億円弱になる。ただ国家公務員が下げる前に下げることは無いだろう。写真はツイッターより

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市民サービス、職員給与のカットは議員報酬カットへ進むはずだ。議員が率先して身を切る提案をすべきだが、結局は最後に追い込まれるとしたら選挙戦のセリフは嘘だったことになる。彼らは兼業可なので報酬を2-3割カットしても、議員になれる能力があるから幾らでも他で働けて、心配がない

先日も、場外で活躍するヒトがいた。議員報酬は私生活にも払っているから、常に問われてしまうのだ。

この認識は間違いだ。コロナが収束しても市税は増えないと財政課が発表しているのに、それを理解できない人が改革会議にいる。まずは効果の無いメンバー削除から始めよう。

 

つづく

 

2020年12月29日 (火)

京都市が財政破綻で第二の夕張?は衝撃ではない

人口減少よりも先に襲う危機。財政規律を守らなかった自治体の行方

追記 21.5/26 「将来負担の重さ」ワースト1位 (読売新聞)


外国人が99%も減ったけど、秋に、京都市が「世界で最も魅力的な都市」に選ばれた。しかし二か月後には華々しい姿に似つかないニュースがでた。

秋口から、あちこちから来年度予算の財源不足が伝えられている。埼玉県は1475億円の財源不足で過去15年で最大とか。神奈川県は1100億円、横浜市は970億円、川崎市は今年度の税収不足200億円…キリがない。

京都市は500億円の不足と言うが、財政不安は十年前から指摘されていた。基礎疾患の人がコロナで危ないように、自治体も同じになっている。このままだと、どうやら1400億円ある基金(各種貯金)も底をつき、2028年には企業の倒産に例えられる財政再生団体に転落する。そうなると予算編成権は総務省になり、市独自の政策は止められるだろう。


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かの夕張市は職員260人を100人へ、議員は18人を9人へ減らし報酬は40%カットしたという。水道代も値上げ。軽自動車税は1.5倍になるなど、税は法的な上限値まで高く設定されるらしい。それでも先行きは分からない。最近、マルハニチロの工場閉鎖が伝えられた。

京都の件で驚いたのは、トンデモナイ資金繰りだった。

どの自治体も不測に備えるための貯金として財政調整基金を持っている。京都市は去年、全額取り崩していた。それは39億円と市の規模にしては少ないので、毎年のように取り崩してきたのだろうと思う。ちなみに、5月頃に各地で休業補償が支払われたが、京都市はカネが無いから協力金はゼロで、京都府の分しか出なかったらしい。
話は東京都になるが、一兆円もあったものを小池都知事は後先考えずに大盤振る舞いして残りは一千億円もないらしい。これでは首都直下地震の時はムリだわ。

でも、驚いたのはそれじゃない。米櫃の底が見えるように財調基金が少ない例は他にもあるからだ。京都市は、それでも足りないとして「公債償還基金」まで取り崩していた。それは借金返済用の貯金である。つまり、住宅ローンの返済資金を生活費に回していた。新聞では「禁じ手」と書くが、麻薬みたいにやっていたのだ

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●京都市が財政悪化となった原因とは

夕張市は産業衰退で財政が弱いにもかかわらずテーマパークを造るという放漫行政と粉飾決算をした。そんな田舎の行政レベルと比べて、京都は文化芸術と伝統、大学も集積して市民の知的水準も高い。国際的な優良企業が多いことでも有名だから、どうしてこうなったのか不思議だ(ロームや京セラは各50億円でネーミングライツを得ている)。

左派が強いためラスパイレス指数103という高さから職員人件費や扶助費拡大が原因かと思ったが、それだけでは無いようだ。総工費600億円の中央市場、350億円の市役所建て替え、100億円の美術館、250億円の芸術大学移転などが指摘されていた。もっと前から市営地下鉄事業もある。

その結果、借金が標準収入の2倍もあり夕張市を先頭にしたワースト常連だった(将来負担比率)。行政の投資事業は収益を生むわけでは無いから、いくら現市民に喜ばれても、返済が出来なければ後世市民にしわ寄せがいく。

前からあった問題なのに一部の人しか関心を寄せなかったが、コロナが世間に認知を迫ったようなものだ。京都市も、「収入の不足を負担の先送りで穴埋めし、歳入を上回る歳出を維持(社会福祉の充実,防災減災対策の推進等)」と認める。そうした歳出の成果は、民間の「日本の都市特性評価」や「SDGs先進度調査」で首位になるなど,まちづくりは高く評価されたとも書いているが、SDGs推進で財政破綻じゃ矛盾する。SDGsが理念的すぎることが伝わる。

しかし、文書タイトルに「本市の財政状況が非常に厳しい状況に至った要因」と書くように、行政が決して「悪化」と認めない姿は、コロナ対策の政府にも通じると思う。どこか、責任逃れ感があるのだ。

4期目の京都市長は改革として、▽国の水準を上回る事業の見直し▽若い世代への財源の再配分▽公共施設の最適な管理▽投資的経費の計画的な執行▽人件費削減▽繰り出し金の見直しを挙げている。

たしか、ネットでは「神社仏閣から税をとれ」が支持を集めていた(笑)。固定資産はタダ同然かな?

●コロナ禍による一時的か、慢性的なものかで違う。

財政再建には収入を増やすか支出を減らすかの二つしか無い。収入増の近道は増税、支出減とは行政サービスカットである。

各自治体が直面する財源不足が一時的な原因なら、大型事業の一時凍結や時限的な議員報酬や職員給与のカット、市民サービスでは付加部分をカットなどだろう。慢性的な不足なら本格的な自治体リストラが必要だ。市資産の売却、人件費は給与テーブルから見直す、公共事業も削減、受益者負担の徹底など市民サービスも聖域扱いしない、ハズだ?

当然、役に立たなかった議員達は報酬大幅減だ。

つづく 上尾の資金繰り財政

 

2020年12月 9日 (水)

上尾家の貯金残高は696円。息子よこれが我が家なの

元々、稼ぐ力以上に寄ってたかった結果なので、見ないふりをしてきた通帳を見る羽目になったに過ぎません。それでも見たくない人が多いのは、誰かが何とかしてくれると当てにするからです。

やや長文です。

個人の預金残高が696円しか無かったら生活保護を求めるレベル。企業なら資金ショートです。取引先は納入を止め、商品を引き上げ、我先に再建回収にやって来ます。その前に、一番先に気が付く経理屋が逃げますが・・・。

広報12月号には昨年の決算があります(p12-14)。広報があまり読まれないのに、更に財政データまで見る市民は少ないでしょう。今年からカネを掛けてカラー版ですが、財政の弱い姿が良くなるわけではないので、ある意味「粉飾」です(笑)。

そこでは部門別の支出を伝えても、職員人件費や扶助費を伝えません。また、一人当たり平均額とか家計にたとえた円グラフは素人受けしますが、形式的に過ぎません。なぜなら今の時代、負担する人と給付を受ける人が乖離していますから、平均値的な市民は少ないのです。

今年の657億円の支出のうち、一番は扶助費200億円、次いで職員人件費130億円(パート除く)、借金返済65億円です。この三つを『義務的経費』とよびます。支出が義務付けられ任意に減らせないという意味です。これは公会計の考え方で人件費は減らせないという意思が込められていますが、民間ではあり得ません。

支出に占める義務費の割合は県内平均で52%ですが、上尾市は60%と堂々一位。比率が高いほど財政が硬直化していると難しく言いますが、ようは、高血圧みたいな生活習慣病ですからヤバいのです。基礎疾患ものです。


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6日の読売新聞で県内自治体の来年度予算がタイヘンだと報じました。その事例に、わが上尾市が堂々と二番手で取り上げられました。下記の通りです。一番手はさいたま市

政令市として保健所を持つためにコロナ検査費の公費負担が重い。来年は減収が見込まれる市税135億円を含め210億円の財源不足が予想される。財政調整基金(自治体の預金)は前年の31%水準(72億円)まで減った、という。

 二番手が上尾市役所です。

市内の中小零細業者への一律5万円支給や学校等への消毒液などに使ったため財調を取り崩しし9月末残高は696になった。

国の臨時交付金11億円で乗り切る予定だが、市税の減少は避けられず、来年度予算は前年比10%削減するように各課に求め、独自事業の見直しや市民の安全確保以外の工事の先送りなどを掲げた。園児の減少などで財政が悪化した平方幼稚園について、募集停止も決めた。

同市は、2008年のリーマンショック後に約3年で歳入が26億円減少したといい、「コロナ過では単年度で同程度の影響が出るかもしれない」と危機感を募らせる。

続いて所沢市。何度もクラスターが発生し、13回も補正を組んだ。交付金を充てても財調は12億円を取崩し、イベント縮小や老朽化した給食センター建替え先送りは必至とある。新座市は「財政非常事態宣言」を出した。財調を全て取崩して交付金をあてても25億円が不足。既存事業の廃止や縮小、人件費削減、各種補助金の削減などあらゆる事業の見直しを急ぐ。

記事は、市側は県に財政支援を求めると伝え、「この財政難はあと何年続くのか分からない」と熊谷市長の言葉で結びます。

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他市と比べ、上尾市が10%カットと生々しく報道されたのは意味があります。前から財調(預金)に手を付けた資金繰り慢性病患者だった所に、コロナに罹ったようなものです。その処方箋として、報道の「10%削減」というのは誤解を招きます。市の予算編成にはこう書いてあります。

予算要求額については、義務的経費(人件費、扶助費、公債費)や継続実施している事業(施設の建設など)に係る経費など除き、原則として、令和2年度当初予算額を10%削減した額を上限とすること。

一律減では無いのです。本年支出予算657-義務費394=263億円なので、26億円減らせかもしれません。地方公務員の人件費は国家公務員が下げない限り追従しません。下げてはいけない決まりも無いのですが・・・。では義務費以外でそんなに減らせるのかが問われます。支出と票田を同義語にする議員からは「美しい言葉」で反対されます。例えば、子供達が可哀想、老人の憩いを奪うのか、地域の衰退を加速させるとか。 

話しは変わりますが、10月に環境センターで火事がおきて損害が数億円と伝えます。以前も故障しましたが、財政が火の車の時に火事で休止です。原因は市民が捨てた充電式電池と言いますが、それなら日本中で起きそうな話です。なぜボヤで鎮火できなかったのかの説明もなく、市民の性善説に依存した仕事です。三密さえ守らない今の世の中で、ゴミ捨てに100%求めるってヘンでしょう。汚職の舞台となったこの施設は上尾のアキレス腱です。

議会もそうかもしれません・・・

上尾市の財政調整基金の少なさは過去にも何度か書きました。扶助費が増えることは対象者の増加に比例しますから、市独自サービスの縮小との綱引きを遠慮なく提案すべきです。あるいは各種補助金の減額です。それができない背景は、保守系にはタカリ業者や狭い地域根性が後押しし、リベラル系には扶助費拡大が多いからだと思います。行政は腹が痛むわけでないから、両者に良い顔をすればよく、無責任になりがちです。たぶん今後の日本は、税を巡っての分断というのがあるかもしれません。

先日、ゴミ処理汚職のW逮捕事件後の対策案を作った吉沢俊一弁護士らが、市の取り組みを検証し、読売新聞は「(順法)意識の欠如が甚だしい」と最低評価を下したと埼玉県中にPRしたことを、かまちょ図書館は上尾市中にPRしました。早い話、上尾市役所の公務員はモラルが低いという烙印です(今年から弁護士を次長級で雇いましたが、外の先生からこんなこと言われて平気なのかな)。

弁護士からこんな評価をうけたのですから、自ら減給を言い出しても良いはずです。でないと、吉澤先生の言葉を借りれば、モラルなき人に650億円を任せるのはヤバイということです。組織と私益を優先し、残りを市民に配分する姿を連想します。

●もはや国政も無責任が大手をふるう日本。

今年の国家予算は60兆円が積み増しされ、リーマンでも東日本大震災でも無かったトンデモ規模です。財源は国債の増発ですが、それを誰が、いつまでに、どうやって負担するかという議論は避けています。安倍さんが繰り返した悪夢の民主党政権よりも怖いことです。

前記事でパブコメ応募を伝えました。 その一つ、行政改革プランには今後5年の改革案がp10-16にあります。とてもアバウトな内容ですが、減らす項目にはコロナ財政危機は追い風となりました。ただ、そこにある提案は今の財政危機を十分には反映していないだろうと思います。その程度では済まないだろうと言う意味です。

その中に、人件費について「職員給与は継続的な見直しにより、削減を行っているものの、一部が国の水準を上回っている。」とあります。高卒者の上級職の待遇が高すぎることかも知れませんが、よそと平均的だとしても上尾の財政余力とのつり合いはとれません。給与減が嫌なら、人員減に力を注ぐべきです。濡れタオルに見えることが多いです。

なお、行政から議会には干渉できませんが、市民から議会へコストカットを要求できます。

今後、市政の無駄使いや財政記事が出ますのでパブコメの参考にどうぞ。


関連 カテゴリ「上尾の財政物語」より

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補正で36%も膨れたコロナ太り予算-1

コロナ太り上尾市補正予算の解説-2

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上尾市の凋落-埼玉県の1人当たり市町村税額ランキング

上尾市の地方税収の長期推移と天井現象

 

2020年10月28日 (水)

横並びの人件費カットごっこは、給付金や補助金バラマキ競争より緩やか

悪しき前例踏襲である。賞与2万円減で手を打ち、給与減額なしで一体感を保つ巨大勢力。

 ●人事院、国家公務員ボーナス 10年ぶり引き下げ勧告

 人事院は2020年度の国家公務員一般職のボーナス(期末・勤勉手当)を0.05か月減らすよう勧告した(19年は4.5か月分)。リーマン・ショック以来10年ぶりだ。0.05ではピンとこないが、行政職平均で月数のカット幅1%、21,000円減るだけだ。一般職の国家公務員27.8万人を対象にして総額200億円減という。

 肝心の月給与は別途勧告だったが、結局変わらずになった。平均年収は673万4000円(平均43.2歳)となる。

 地方公務員の給与も原則これに沿うから、多くの自治体職員はホッとしたことだろう。

埼玉県職員ボーナスも0.05カ月分下げて4.45カ月分になった。行政職(平均42.1歳)の平均は162万4000円となり約19,000円減る。平均年収619万円。対象54,000人で総額11億円減るという。なお県議会議員の年1600万円についての減額の話はない。

 各自治体は、このように国に倣った横並びが殆どなのだ。コロナで傷んだ医療や市民生活に、あれやこれやと(原資は国債だから)気前の良い給付競争をしていた自治体も、自らのコストカットには微減という横並びを決め込む。

さいたま市はましである。給与減額を市長30%、副市長20%、教育長10%で、来年3月まで、減額総額は2150万円。議員報酬は議長20%~議員10%で来年3月まで、総額約5千万円。いずれも新型コロナウイルスの対策費に充てる。

 だが、さいたま市職員の賞与も0.05カ月カットで収まる。平均175.5万円から2万円減り、行政職の平均年収は636.8万円(平均39.3歳)となる。その人件費削減効果を朝日新聞は1.1億円、毎日と埼玉新聞は職員14306人で2.9億円と書いていた。後者が正しそうだ。

上尾市の三役この程度であり、職員賞与は横並びとし給与は減らさないだろう。議員がそれに言及しないのはブーメランとして跳ね返ることを恐れるからだ。一年前、熱心にチラシを配ったり、毎朝夕に駅頭で”何か”を叫んだ人々も、その後は無言で他市選挙応援に熱心である。

 さらに、上尾市議会は視察旅行をやめて654万円減らしたと大袈裟に報告する姿にも現れている。当時は旅行どころではなく、全国的に議員旅行を避けている。薄っぺらな報告書と慰安旅行まがいのイベントを中止したくらいで、身を切ったつもりで済むのはそういう風土だからだ。

●財政問題がコロナで顕在化して、再建へ進まざるを得なくなる

コロナ前の一月、新潟県は最大640億円の収支改善を目標に掲げ、人件費削減を打ち出した四年間、削減率を1.5%~2.5%、ボーナスは一律3%減。これはコロナ以前からある財政再建問題への対応例であるが、コロナで更に悪化したはずだから早晩、練り直しになると思う。

コロナが落ち着けばどの自治体も財政問題を無視できないが、問題に向き合うか否かは自治体の政治体質次第だろう。

 

2020年7月16日 (木)

自宅から通って住居手当をもらう公務員

 初めて知った時には呆れたもんだ。

「自宅に係る住居手当」という既得権益を手離さない地方自治体の破廉恥さ。しかも廃止する時は一気にではなく、渋々と。

 民間企業には住宅手当と呼ぶ制度があり、内容は会社によって異なる。厚労省の「平成27年就労条件総合調査」では、住宅手当は企業の46%で支給され、平均月額は17,000円だ(年20万円)。一般に、貸家への家賃補助が多いと思うが、中には住宅ローンの補助とする企業もあるらしい。この手当は所得税の課税対象になるが、制度すら無い会社も半分くらいあるわけだ。

 なんと持ち家の職員にも支給されていた。と言っても、国家公務員は平成21年に「自宅に係る住居手当」を廃止し、自治体にも廃止を基本とした見直しを助言していた。で、十年たった平成31年でも廃止しないのは202団体(全体の12%)ある(総務省データ)。都道府県庁は廃止済み。

 1.上尾市は今年からゼロになったが、過去には年間9万円も。

  月額(円) 支給対象者 総額
H30 2018 2,000 600人 1440万円
H26 2014 6,000 679人 4889万円

上尾市は平成26年に廃止を決め、翌年から千円ずつ減らし今年でゼロになっている。一気にカットしない理由は、労組の抵抗が強かったのか、既得権益を守るためだったのかは分からない。しかし、この少しずつ減らす手口のことを経過措置と呼んで彼らは正当ぶる。

例えば、2014年では総額が五千万円近くも税金から支出した。最近でも対象者が600人位いた。まさか親の家から通う職員にも払っていたとか、夫婦職員で二人分とかも無いよね ('ω')

 古い資料では、H17年で持家居住者6,000円、(新築・購入後は5年間7,500円)とあった。これだと年9万円になる。公務員はローンを組みやすいのだから、市内の中小企業従事者の皆さんはこの厚遇ぶりをどう思うだろうか。  

 この悪習が温存されてきた背景は、(資料では公開されるが)住民は知る由もなく、行政職員に媚びる市長や議員、労組寄り議員が多いと知らん顔をするためだろう。ちなみに上尾市役所には自治労と自治労連の二つがあり、二労組と合意しないと出来ないのはネックだ。 

2.埼玉県には甘い体質の自治体が多い。

特定地に多い 制度ある自治体 市区町村数
北海道 109 178 61%
埼玉県  27 62 44%
千葉県 0 53 0%
東京都 0 62 0%
神奈川県 19 30 63%
全体 202 1721 12%

 首都圏では千葉県が廃止済みなのに、埼玉県と神奈川県に多い理由が分からない。下はH31/4の県内の実態だが、減額中の上尾市はカウントされていない。いずれにしても、特典を得るときは国に準じてを正当化の理由にし、廃止するときは独自、ということなら単なるエゴである。市民に向かって、「国は廃止しても、うち貰ってます」とはとても言えないはずだが、どこの街の市民も実態を知らないだろう。

参考 埼玉県の27団体
川越市、熊谷市、飯能市、加須市、本庄市、羽生市、深谷市 草加市、越谷市、蕨市、戸田市、和光市、新座市、桶川市、北本市 八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市、坂戸市、吉川市、ふじみ野市 越生町、美里町、神川町、杉戸町、松伏町

なお、国家公務員の家賃補助は月額最大28,000円埼玉県(平成31年4月1日現在)は、借家等居住者に、家賃に応じて月額最高27,000円(年額32.4万円)。持ち家への住居手当はない。

 

つづく 別な歪んだ待遇へ

 

 

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