カテゴリー「上尾市の財政物語」の47件の記事

2022年5月18日 (水)

4630万円騒動が伝えない日本の凋落ぶり

阿武町も男も、あぶはち取らず (>_<) 

 名前も顔写真も公開されており、全国の同姓同名の田口さんには大迷惑である。臨時特別給付金は住民税非課税世帯に十万円なので山口県阿武町(あぶちょう)では463世帯ということだ。

町長は残りの462世帯へ、『もう配れません。彼の口座にあるよ』と言えば、皆が彼の家へ押しかけて無事回収だったかも( ゚Д゚)。

つまり、伝えられる話は、「しょせんは税金だから」という緊張感のない三文芝居になっている。

本件は、お役所の入力ミスだけではなく、受取人が不埒な人間だった、と言う二つの低い発生確率が重なったことにより表ざたになったと思う。

そこで、思い出すのは、昔、みずほ証券のジェイコム株の誤発注事件

61万円を1」と入れた大損事件である。今回の役人もお粗末なのだが、株の誤発注事件では入力後の警告メッセージを無視して実行したらしいので、ヒューマンエラーは0にできない。と言って、いい歳した役人二人で読合せ入力なんてバカな仕事をする自治体が増えるのも恐ろしい(残業代が簡単に出ない自治体だとサービス残業かも)。

どうも、本件の核心は男の方にあると思う。

家族のあり様が衰弱している日本では、このような人が増えていると思う。想像になるが、若くて、一人暮らしで、ネット漬けだったりすると、社会規範が希薄化すると思う。独りでも便利に過ごしやすい当節の時代が、このような人の発生確率を高めているように思える。

結局、阿武町は人口増を狙う定住促進で男を招いた。その男は、ギャンブルで稼いで元金を返すつもりなのか知らないが、町も男も「あぶはち取らず」になっている。 

 で、ここまでが前置き・・・

この男は、町の空き家を活用し定住促進を図る制度で移住してきた。つまり、町民税を払えない人であっても公的負担をして招いている。それは、地方交付税の算出因子に人口が影響するので、「人口」という数字に拘る行政の姿である。でも、これって官製版の「○○ビジネス」みたいだ。

そして重要なのは、非課税世帯数の多さを見れば地方から確実に貧しくなっているという姿である。

実は阿武町サイトはずーつと閲覧できないので総世帯数を概算1500とした(人口は2952人)。また、生活保護世帯はH25年の古いデータで14世帯だった(地方は少ない)。つまり、全世帯の31%は住民税を納めていないという担税力の無い地方の姿である。

前にも書いたが、全国には 市の住民税<市役所の人件費 という市が60もある。町まで含めるともっと多い。自治体というけど、「自治」力はない。

上尾市の非課税は21200世帯、全体の20% 

現段階で、住民税非課税世帯数は約21200世帯ある。具体的には住民税の所得割が0、均等割りが0という世帯のことだ。なお、同世帯の中の一人でも納付していると該当しない。

住民税0円とは給与年収でみると、単身者96.5万円、妻と子供2人で233万円、年金だと65歳以上の単身者152万円以下のことである。(住民税のしおりP7より)

上記とは別に、くらし支援給付金という市独自の給付がある(良いことなのか否かは分からないが)。

これは均等割り5000円のみ納めた世帯に5万円給付するもので、対象は3300世帯。そもそも「均等割り」はみんな納めているものとばかり思っていたが、そうでは無かいことを本件で知った・・・

無税と言う点では他に、生活保護世帯が1829世帯・2344人(2020/3月末)いる。最近増えている。

総世帯数105,469(22/1/1)を使うと、住民税非課税世帯は20.1%、均等割り0世帯は3.1%生活保護世帯は1.7%となり、合計25%である。

この非課税世帯比率が全自治体別に開示されると良いと思うが、今のところ集約する機関はなさそうだ。ただし、この事業により今まで見えなかったものが明るみになったと言えよう。と言って、日本人に危機感が有るわけでは無い・・・国債刷ればいいだろう。日銀は子会社だし・・・

当面は、「自治体名 非課税世帯数」で検索する。

春日部市は22.7%だった。

 

 

 

2022年3月 7日 (月)

上平の複合施設計画はマッチポンプである-4

自分で立て、自分で取り消して公約実行だという。

予算関連 1 規模  2 市民税  3 特徴 4本稿 

前記事3のつづき 『アレ、予算ないね…』と最初に感じ、そりぁそうだなと思ったのが「上平の複合施設計画」だ。

去年11月の市長選では対立した深山元議員が「子育て交流プラザこども未来館」という世間受けするイメージ案を唐突に出していた。それは、とん挫していた本件の代替案だと思ったが、争点にはならなかった。本館移転と比べたら市民の関心はとても低いためだ。結果は予想外のダブルスコアーで畠山圧勝だった。

その選挙感想記で書いたように、四年間で上平出身の市長と議員が消えたことになるのだから、畠山さんは彼らに"義理建てする理由"は消えた、と思っていた。だから、終わった本件が、2/19の朝日新聞に載ったのは驚いた。ソースは議会用に発表されており、短いので簡単に読めるが、朝日とはニュアンスが違う。

まず、ソースには、「市長選の公約として本計画の見直しをする」とあるが、当時の選挙公報には何も書いてないことを指摘しておく。そして、三つの方針を決めたと発表した。


1 あの土地は当面、「上平広場」として継続する。

2 コロナ禍と財政を理由に、(苦渋の決断ですが…)複合施設建設は凍結する。

3 図書館分館機能を含むとした案は撤回する。

以上だ。これだと図書館を入れない案なら、いずれ解凍すると読めるから、素直に白紙撤回とは受け取れない。

二番で、コロナと財政を理由しているのはこじつけ。本件は逮捕市長からの負の遺産であり、畠山さんにはお荷物だったから、「清々しました」、「時間かかり過ぎました」、「ごめんなさい」と言えばよいものを、月並みな『苦渋の決断』と気取ってみせる。

なお朝日記事の終りに「再検討には市民の意見を伺う」と伝えるが、「市民」にも色々いるから、そこが問題だ。本件だって、(好都合な)市民の意見を聴いたことにして突き進んだじゃないか、愚かな施設課よ。

W逮捕後からを回顧してみた。

彼は島村案を見直し、途中でPAPAへ本館移転という寄り道を目論むも否決され、自ら進めた複合施設案も否決され、今回の「見直し」へたどり着いた。つまり、自分で立てて、自分で取り消したが、謝罪もないし、予算を無駄使いしただけなのに責任も負わない。極めつけが「見直しは公約実施だから」では、マッチポンプである!!

これなら誰でも「市長」が務まる(実際そうだから、無能でも成りたい人が現れる)。

こうなる最大の理由は、政策の合理性が無いためであり、そうなるのは彼が本気で問題に向き合わないためだ。人柄が良くてもそこが限界となり、それを良いことに、自信過剰に陥った幹部職員が政策の道を読み違えてしまう。これが畠山市政が迷走する実態である。

そして、W逮捕から四年、上尾は畠山稔市長と渡辺一議長と言うコンビになった。どんな意味かは書かない。

あの記事は朝日にしては薄っぺらだった。書いてほしかったのは、『買うべきではい土地をなぜ買ったのか』という出自についてである。歪んだ地域愛と権力者へすり寄る人々(職員と市民)が市政を堕落させて産まれた土地であることを、自治力の育たない郊外市の姿として描いてほしかった。

所で、深山さんは島村時代に「文化のバロメーター」と言って図書館建設に熱心だった(しかし、本館で姿を見かけたことはないとコアユーザーは言う)。島村逮捕後も、私はあきらめないとブログで一人気を吐いていた。たぶん、後継者を育てることもなく二年後には戻るだろう。

その頃までに、畠山さんは、さっさと負の遺産処理をやれば良い。先ずは上平広場の管理を畑違いな図書館部門から「みどり公園課」へ移せ。ゲートボールで老人優遇するだけじゃなく、若者にバスケットリンク位作ってやれよと言いたい。地域偏重案が出た時には若者が反対するようにね。

そろそろ、下り坂を歩く準備が必要だ。

所で、当然のように、(新たな)ハコモノにノーという市民がいる一方、既存施設を削るのはノーという人も現れる。例えば、利用者の集まらない公立幼稚園廃止を"許さない"という地域民とか、小中学校の統廃合への反対も一部である。

つまり、作るのもダメ、削るのもダメと言う現象だ。どちらも人口減少という背景で起きていることだが、そんな事にはお構いなしだ。しかし、上平計画が消え、今後の長期的テーマは学校施設更新問題であり続けるだろう。

それは人口増で一気に学校を増やした郊外自治体の共通の悩みである。膠着した綱引きみたいに問題解決できないでいると、両者が一緒に衰弱するだけだろう。

オシマイ

 

2022年3月 6日 (日)

目玉無くも静かに肥える上尾市予算-3

一カ月前なら考えなかったが、もうコロナどころじゃない。省エネ徹底政策へ!

前記事 1 規模は全国サイテー  2 市民税が近年サイコー

どんな予算なのかは「予算のポイント」という文書で分かる。初回記事を書くときに見た感想は、目玉が無いないなーと言うものだった。あっても衆寓的な事業だったりするので、無い方が良いかなとさえ思った。

たぶん、畠山氏の選挙公約が控えめだったためかもしれない。上平の複合施設計画が無かったことも気づいたが、「無いこと」が目玉と言うのもヘンな話だ。だから、金額で目についたのは、(災害が少ないと自覚しながら)不要不急な体育館エアコン導入費6.5億円子ども子育て支援複合施設の19億円などだ。それらは前からの継続事業である。

他に、民間保育園整備(6.4億円・定員70×2)で二つ作るらしいが、人気の流山市みたいな駅前保育という構想はない。

なおワクチン事業10.5億円は三回目用と小児用である。6波の統計に書いたように三回目の接種ペースが遅いのは、日本にはモデルナ嫌いという贅沢病があるためだ。上尾市は黙っているが、予約率は千葉市でファイザー90%、モデルナ20%だ。さいたま市の3月は、ファイザー88%、モデルナ17%である。

マスコミは二つのワクチンの発熱、痛みなどの副反応比較をしているが、肝心の三つ目が抜けている。それは、感染した時の症状だ。つまり、抗体を得る方法は、FとMそして自然感染の三つから選べるのだ。NHKより

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感染しても医療費タダで救われるのに、第6波では社会的な感染防止よりも個人のワクチン不安が優先され始めた。それは、感染指定の格下げをしてインフル並(医療費が自己負担)にしても良いという覚悟なのではないだろうか。そうすべきである。 

日本が世界的にダメだったIT予算で思うこと…

IT活用では小さい予算がちょこちょこついている。まずWi-Fi導入1290万円がある。前に反対した図書館への導入ではなく市庁舎への導入なので、市民サービスなのだろうか? 実際、あの本庁内では電波が入りにくいからMVNO系スマホにはありがたい。

しかし、現実は何かのシステムを導入したからと言って業務やサービスがレベルアップされるわけでは無い。例えば、学校に大量のタブレットを配賦して休校時には役立ったが、集合の授業ではあまり使わない方が良いという現場の声が出ているらしい。私的には全く同意であり、本と紙と鉛筆が一番役立ち、ICTは年齢や理解度に応じたサブ教材化が良い。

また、市議会ではコロナ交付金で iPadを50台ほど導入しているが、政策の質が高まるわけでは無いことは明らかだ。見かけのペーパーレスよりも議員レスの方が効果があるだろう。また、デジタルサイネージと洒落た言い方をしても、「うつむく市民」に素通りされる看板となって、「やってます感」のために使いこなせないモノを買っている。

ここに来る人なら、最近、市役所HPのトップ画面が小幅リニューアルされたことを知っているだろう。

今どき、PCから訪れる人は高齢者位で、多くはスマホである。今回の変更がなんのためなのか新旧比較で見てみよう

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前よりもバナー面積が減り、2行くらい情報面が増えたのは良いが、違和感アル・アル!

アッピーが5つもあるのは市民が幼稚に思われているらしいが、肝心のテキストは小さく、デザイン性も不統一な書体である。だから、アクセシビリティ向上で変更したのではなく畠山二期目のブチ整形とみた。職員がちょこっと直しただけだろう。もしカネ払っていたらバカだと思う。

上尾市サイトの最大の欠点は、階層が深すぎることにつきる(他にも一杯あるが)。そこを直すことが先決なのに、市民にムダなクリックをさせても何とも思わないのだから救いようがない。

こんな例もある。公開される公文書において、市の委託仕事でもしていない限りは市民の名前や住所は黒塗りになる。しかしムチな職員がやると、見た目は黒塗りでもデジタル世界ではGoogleに丸見えとなる。出した方も出された方もIT音痴なら知らぬが仏で済むものの、23万人の市役所にしてはお粗末だ。

さて、突然のプーチン戦争により世界は大混乱し、パンデミックの次はエネルギー危機やコンピュータウィルスのに備えなければならない。最恐コンピューターウイルスEmotet が再び で報じるように、脇の甘い市からのメールには要注意である。

埼玉・富士見の2学校 ウイルスはエモテット

他に、こども医療費助成制度・7億万円があり、そこには18歳までの入院医療費等が含まれるらしい。最近、18歳までの医療費タダを成果自慢にする議員や自治体がいるが、タダはモラルハザードを産むから問題だ。

既に、義務教育でもないし、学力にも関係なく、高校授業料は実質無償化で家計負担が軽くなっている。公立12万円、私立は年収590万円世帯で40万円も浮くらしい。もはや進学しない子の理由は「貧しいから」では無いだろう。だから、公的サービスとは他者だけではなく自分の負担の上に成り立つということを、高校生から体感させることは意味がある(同じ文脈で、去年、高齢者の1割負担の人が、夫婦二人で年収320万円以上なら二割負担になったことには賛成だ)。

払える人が払うという原則は社会保障の持続性として当たり前だ。ちなみに、上尾市の一般会計からは毎年6~10億円が法定外繰入金として独立であるべき国保会計を補てんしている。これはサラリーマンからの市税の一部が国保に使われているということだ。

UDトラックス上尾スタジアム

ネーミングライツ でカッコイイ名前になった。予算には野球場と上平公園テニスコートの照明LED化2億6千万円とあるが、これに合わせたのかは分からない。電球交換でも随分カネがかかるなと思うが、電気代の節約額で割ると何年で回収できるのか知りたいものだ。そして電力料金値上げになればグッドタイミングかも。

「いすゞ」の名が入らないのが不思議だが、年間300万円で三年契約だから900万円となる。低迷続きのUDトラックスが良くなっているのなら大歓迎だ。次は、「ベルーナ上尾文化センター」で売り込みに行くよね。

また外壁を黄色にして、『ドン・キホーテ上尾市役所』なら、立地の良さから年間1000万円は堅いだろう。ハヨ、市長、開拓へ・・・

 

長くなったので、消えた複合施設計画は次記事へ

 

 

2022年2月17日 (木)

上尾市の2022年度予算_市民税が過去14年で最高額へ

前記事 上尾市の予算

●コロナ前に戻れたのか? 市民税317億円の内訳 

  百万円 構成比
市民税(個人) 13,625 43%
市民税(法人) 1,874 6%
固定資産税 12,305 39%
その他 3,945 12%
市税 31,749 100%

近年、上尾市の市民税は299~315億円のレンジにいたが、 今年は317億円となり、前年比で+22億円、7.5%も増える。これは、-0.2%、-6.5%と二年間マイナスだったのでホッとする数字だ。なんと過去14年間でわずかとはいえ最高額になったのだが、前年が▲19億円の大幅減だったので、コロナ前に戻っただけかもしれない・・・。

●市民税が22億円も増えたのはアノ会社のおかげ?

前年との差異が下の表だ。

主な増加項目 前年比(百万円) 増加率
市民税(個人) 886 7.0%
市民税(法人) 667 55.3%
固定資産税 586 5.0%
その他 70 1.8%
 市 税  2,209 7.5%
地方交付税 896 34.1%
県支出金 231 4.5%
地方消費税交付金 128 2.9%

個人市民税が堅調なのは何よりだが、理由までは明らかにされない。一つには「人口増加」にもつながったマンション効果もあるだろう。そして市民の年齢変化もありそうだ。二年前比では50代が3000人増え、40代が2300人減っている。人口最多層である団塊ジュニアが50代へ入ると、一般に給与は50代半ばがピークなのでその効果もありそうだ。ただし、いずれは労働人口の減少と共に市民税は減る一方になる。

法人市民税は市税の6%と少ないのであまり当てにならないのだが、今年は55%も増えそうだ。こちらも前年が大きく落ち込んだ反動があり、コロナ前の水準に戻っただけかもしれない。そもそも市内企業の業績がそれほど良くなったとは思えない。

個人税と並び、景気の影響を受けない安定財源である固定資産税は6億円近く増えた。内訳で見ると土地は微増、建物は6%増だが、償却資産からが2割近く増えたのが目立つ。おそらく、イオンモール上尾やアマゾン上尾の竣工が寄与したと思う。

 

前記事で書いたように、上尾市は予算規模が人口比では少額なので、そのためもあってか本予算の歳入全体に占める市民税の割合は46%となる。これは県内他市と比べても比較的高い方である。歳入が交付税に依存するようになるとヤバい。


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図は2019年度の埼玉県・市町村財政のすがたより。20年度は参考にならない(コロナ決算事情)。

 

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つづく

 

2022年2月14日 (月)

上尾市の一人当たり予算規模は全国最下位

2022年度予算は前年比+1%の696億円へ

連日、コロナ感染者数や職員感染の報告ばかりが市政のトップニュース扱いだが、ようやく予算書が公開された。例年より遅いのは市長選により議会が変則的な開始になったためだろうか…。

2022年(R4)は696億3千万円、21年より6億8千万円多く、1%増である。詳細は略して、歳入別の前年差額の積上げグラフを示す。

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ちょつと驚くのは市税が22億円(+7%)の増収見積もりという景気の良いものだ。ついで、地方交付税も増えるが他は前年並み。そして、増収効果があったためか繰入や繰越は調整的に減らしたかも知れない。市債が大きく減っているが例年並みに戻っただけだ。市債の下端面が純増の6億8千万円を示している。

増えた分は何に使われたのかというのが次だ。

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部門別(目的別ともいう)では民生費が他を圧倒する(これは4施設統合の子育て支援複合施設の建設費を含む)。安易に公共事業ができないわけである。他に目につくのは総務費の削減だ、一体何だろう? ともかく、近年はコロナ対策と言う名の財政拡大で膨張したが、もうコロナは終わったようなものとなり、次に進まざるを得ないと思う。いよいよコロナから「インフレ」に替わるのだろう。

上尾市の人口一人当たりの予算規模は全国サイテー815位 

以前から、上尾市は人口の割には予算規模が小さいことが気になっていた。そして、とうとう全国の815市区で最下位になっていた。「ここがイチ押し!」シリーズを広報あげおで自慢話しするが、ビリだってなかなか取れるものではない(^-^?)

総務省の市町村別決算状況調の最新データである2019年度の財政データ(都市別815)がexcelで公開されている。そこから「歳入総額÷人口」で求めたランキングを示す(予算÷人口である)。

順位 市名 一人当たり歳入額(千円) 歳入額
809 四街道市 297 28,151,729
810 佐倉市 296 51,882,717
811 富谷市 293 15,388,101
812 我孫子市 293 38,668,029
813 白岡市 289 15,160,143
814 入間市 286 42,258,098
815 上尾市 286 65,361,033

 上尾市は一人当たり年28万円ボッチなので、給付を受けることのない市民には「行政サービス」を肌で感じないはずだ。ところで、これだと上尾は貧乏市でダメみたいに見えてしまうが、実はそういう意味ではない。また、上尾市をディスりたい人のために出しているわけでも無い。

 上表を見れば、首都圏の周縁部に位置する自治体が多い以外にどんな共通点があるかは分からないが、ベッドタウン型の郊外市だから大きな産業が無いかもしれない。次に、反対側となる「一人当りが多い」の自治体を見てみる。

    一人当たり歳入額 財政力指数
1 陸前高田市 4,412 0.33
2 釜石市 1,706 0.52
3 石巻市 1,704 0.54
4 気仙沼市 1,535 0.45
5 夕張市 1,457 0.21
6 三笠市 1,397 0.20
7 歌志内市 1,325 0.11
8 紋別市 1,201 0.32
9 室戸市 1,158 0.23

 巨額の復興予算が投じられたとか北海道の衰退自治体など、と言うのが分かる。これらの市では一人当りが上尾市の5倍以上になるが、財政が豊かな街でないことは、財政力指数で分かる。とても低い値である。上尾市は0.9だ。

 これらの自治体では住民税が少なく、交付金や国庫支出金という国からの仕送り、都道府県からの仕送り、また夕張市のように市債(借金)が大きいなどで、一人当りの歳入額が手厚く表示されているに過ぎない。しかしなんだか釈然とはしない。

 実は今の日本では、市民が負担する住民税<市役所の人件費 という市が60もある。もはや自治体とは言えないレベルであり、町村まで含めたら数えたくない数になるだろう。

 だから上尾市は全国サイテーだからダメ、という事ではない。

 ならイイじゃんと思うが、予算規模が653億円とデカイ街でありながら一人当りが低いのは他市と比べてちょっと心配になる。

 良く言えば、新規投資に抑制的な結果ということになる。公共事業を増やすと市債が増えて予算規模がグンと膨らむ。そうすると、経常収支比率などの値も改善して良く見えたりする。問題は、公共事業をすると元利返済だけでなく維持費が増えることだ。そっちの運転資金を長期的に払う見込みがないと、投資によって生活苦を招くことになる。そこが不安なのだろう。

 この点は、上尾以外の地場産業が弱い、少子高齢化が進むベッタウン自治体の共通点だと思う。

 そこを脱するには、法人誘致という産業政策しか無い。公共事業よりも(他人のカネである)民間投資を呼び込む方が賢いのだが、最近の日本GLP進出みたいにどうにも運任せである・・・。

 

 

 

 

 

 

2021年12月 3日 (金)

広報あげおが伝えないコロナバブル決算事情

これぞ上書き行政の見本。

 オミクロン株が登場し、失敗に懲りた政府は慎重になっている。今の感染数が0レベル状況で『いよいよ来年は』と期待してたのに、また三年目かよと思うと気が重い。一方、良いニュースもある。インフルエンザ先週で県内観測地点で1人のみという公衆衛生の勝利が今年も続いている。ただし、きれい過ぎは免疫力低下という副作用もあるので、要はバランスなんだろうね。

 

 さて、広報あげおの12月号が来た。p11から三ページにわたり20年度決算を伝えている。今回、取り上げたのは、タイトルに「財政事情の公表」とあるのに、去年の『特殊事情』を示さないからだ。

 2020年3月での当初予算は657億円だが、一年後に920億円へ四割も増えた。しかし文中にコロナの解説は無い。増えたのはコロナ関連で、収入の国庫支出金であり、十万円給付の223億円等は民生費として支出された(クリック拡大、図のピンク)。

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 そして重要なのはコロナが無ければ、多くの項目は前年(2019)とほぼ同水準となり、総額は660億円となるハズだった。そして市税は315億円と前年並みなのに、分母920億円で割るものだから34%になっている(例年だと48%)。”馬鹿の一つ覚え”、じゃなかった・・・、去年の資料に上書きをする前例踏襲だからこういうことを平気で広報する。

コロナ事情を含めて上尾の財政でどんな変化があったのかを報告するべきであり、素人に媚びる円グラフでちゃらちゃらするようでは成長できない。果たして当該部門は、上尾の金庫番という自覚があるのだろうか、心配だ (>_<)

私的に一部を書くと・・・


2020年はコロナで四割も膨らんだ920億円のバブル決算となった。表向きは過去との連続性が失われているが当市の体質は不変だ。膨らんだのは国庫支出金が266億円の増加である(十万円給付が主)。コロナが無ければ660億円となり前年微増の水準である。

国庫支出金以外の最大の収入増は、(左派が反対した税率10%に伴う)消費税の地方分8億円増である。肝心の市税では法人市民税が23%も減ったが、個人と固定資産税はコロナ禍にも拘わらず堅調だったので市税全体は微減で済んだ。

支出面での減少が大きく出たのは工事関係だ。コロナ禍で工事が減ったためかもしれない。借金返済額は去年に繰上したために今年が減ったことも寄与し、単年度収支は15億円も残った。過去10年に無い黒字幅はコロナ予算の一時効果と言えよう。等々

 二ページ目は、金額を人口で割った一人当りの値家計に喩えるグラフだ。ちなみに、民生費が一人24万円とあるが、10万円を引くと例年並みになる。この家計もどき説明を毎年やっているが、”一人当たり消防費”が12000円と教えられたところで、我々は何を学べるというのだろうか。

三ページ目には、建物と土地を一緒にした面積グラフがある。市有財産の多くは絶対に販売不可能なのだから、そんな面積(金額ではない)をわざわざ示すほどの意味はない。もっと他に伝えるべき材料が思い浮かばないのは問題意識の欠如だと思う。

なお、その下に健全化指標がでている。その無意味さについては、「畠山市長のイマイチな点」の5番目に書いてある。またその記事の末尾には上尾市の一人当たり税収額の県内順位の低さものせてある。

 

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2021年3月 4日 (木)

上尾市2021予算-3 上尾市長の減給案が勘違いされやすい

前記事 予算-2 衆寓予算への追記です

 

今回の市長給与減額は「ブロック塀不正支出」の監督責任の件だった(今頃!)

やらなきゃ、まだかと言われ、やったら今ごろと言われるお話し。畠山市長は4~6月の3か月、月給の15%を、池野教育長は4月のみ5%をカットするようだ(議案24号より)。総額は不明。

ブロック塀事件の責任を取るための減額案は過去二回、議会で否決されている。

全容解明が終わっていないから早すぎるという理由だが、法的には、二重処罰の禁止とか、一度処罰した後にもっと大きな被害が分かっても追加処罰できない「一事不再理(いちじふさいり)」によるものだろう。

そして、既に当時の副市長は無傷で退職しているから、市長と教育長のみになったわけだ(教育長を巻き添える理由は不明)。

※ 前の削減案は市長10%の3か月、副市長は同2カ月だったから今回の5%加算はその配慮なのかな?

注意すべきは、本案はコロナ不況にあえぐ市民と痛みを分かち合うとか、財政危機への覚悟みたいな潔いお話しではないのだが、世間は美談として伝わりやすい点だ。広報が「二年前のブロック塀事件の責任」ですよ、と書かないと世論操作になるだろう。

もっと大事なのは、それでは足りないという視点である。

①ブロック塀事件後に判明した不適切契約790件(特定業者に発注させる分割発注)という契約の常態化)。前任者から続くこの街の不正の温床であり、その監督責任の総括的な減給。


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②財政危機で、市長自ら覚悟を示すための減給。

市長選にでるなら、このくらいやらないとね。

参考 首長らの給与減額レース

 


元記事はここから 

2021年3月 2日 (火)

上尾市2021予算-2 危機感の安売りから選挙目当ての衆寓予算へ

市税は16年前の水準に落ちても、既得権益化した予算は肥大化へ

0自治体差 1労使交渉 関連_40位

昨年10月に畠山市長は「コロナ禍の臨時財政運営方針」を出したそこには数字の説明は無いが、各部門から上がってきたR3年の概算要求と歳入(収入)予想を比べたら、?十億円も足りないという事態だったらしい。(不確かだが50億とか60億円というレベル?)。で、それを踏まえた運営方針にこう書いている(一部要約)。

税収減には国の支援もあるのだが、『本市としては、不確実な支援を座して待つのではなく、この厳しい状況下においても持続可能な財政運営への改革を、積極的に推進する』とする。そのために、次の5視点で事業を見直し、“危機対応モード”の財政運営を行うこととする。

1人件費削減、2市独自事業の見直し、3イベントの休止見直し、4安全確保以外の工事や設備整備の先送り、5各種補助金総額の削減

しかし実際の予算は前年比+32億円、約5%増の690億円と過去最大に膨れた。一方、市税は▲16億円、-5.1%の295億円と見積る。これは2005年の294億円(決算値)に並ぶ16年前の水準である(16年間でも5%程度しか増えていないという別の面もあるが)。

 市税を-5.1%とした根拠は、リーマンショック後のー5%(2009年)と同じにしたのだろう。しかし、当時は翌年も-1.9%となっており、個人市民税は-7%と最大の落ち込みである。なお上尾の法人税は市税の5%と頼りにならない。そして、来年も財政不安は続くだろうという予測は、以下を読めば確信になるはずだ。

 予算案の中から少し気になったことを指摘しておく。

●労組の少数意見が人件費カットを拒む

 人件費削減は管理職のみ3千万円削減という、羊頭狗肉になった。総人件費は▲5800万円の削減になっていたが、130億円からたった-0.4%減ったに過ぎないそもそも、当初の「全員2%カットで1億6千万円削減」という提案ですら小さい感じがするのに、それすら拒んだのは二つの労組である。その組合員数は300人位と言う人も居て、それなら組織率は25%位となり実態は少数派である。

 幸い継続交渉なので給料表の改定による長期的な削減効果を期待するが、「賃下げは慎重に」と当局を牽制する議員がいる一方、当局を応援する議員は見当たらない。さらに市民の応援があっても良いはすだ。

●議会へのタブレット導入2,475万円…ペーパーレスより議員レス!

佐賀県が779万円で「誓いの鐘」、沖縄には600万円の萌えキャラというのもあった。コロナ交付金の無駄使い例である。で、本件は前から議会で懸案だったが、今回は猫に小判・豚に真珠と市民や新聞から書かれたように便乗予算である。

自治体のワクチン接種など、まだまだ予想外のカネがかかる事はあるのだから、そこへ回すのが議員の使命感なのに、そんな人がいない、と、他市首長の言葉を引用して読売は批判していた。なお記事では市職員が擁護発言をしているが、本件は議員らの便乗と考えるのが自然だろう。

所で、タブレットは小学生並み※45000円×30台で150万円で済む(※GIGAスクール並みの意)。Wi-Fiに二千万円はオーバーだ。庁内LANに繋ぐだけで十分であり、独自システムなんて分不相応である。見られて困るなら密室の密談になるのだからネットを使わない。情報セキュリティよりも議員のリスクを心配した方が良いだろう。

更に、ペーパーレス化なんてケチな話だ、議員レスの方が効果ある。端末を自腹購入し、紙代も自らに関係した分は政務活動費(25000円/月一人)で負担すればよい。結局、自分のカネならやらないだろう。

分かり易い例として、大室議員は2015/10/2にHPを新設しているが、次の更新は2019/11、つまり選挙の直前である。テキストが一文字もない図版を貼り付けただけのモノだから、自分では更新できないサイトになっていることが分かる。

かまちょ図書館に全議員リンク集がある。田島純、新道龍一、田中一崇、立憲/荒川昌佑、国民/矢口豊人、樋口敦、維新/津田賢伯、N国/佐藤恵理子らの議員に共通するのは、若くてもネットが出来ないということ。理由は、スキルの欠如やオリジナル・コンテンツを作れないというのもあるが、そもそも地場の有権者が求めていないのがペースにある。

●上平地区複合施設基本設計として2500万円…不要不急だから先送りすべき

当局が作った基本計画案が検討委員会で保留になっているのに、作る前提で予算計上されている。行政の中立性とか専門性が無いことが、平気で行われている。

行政部長や施設課は、市民の代表は市長、その市長の命令をきくのは当たり前、みたいな理屈かもしれない。しかし、公務員の大原則は市長への服従ではなく、市民への奉仕である。作りたくて仕方ない、作ることが手柄みたいな感じがヒシヒシと伝わるのは、あの私物化行政に突っ走った教育総務部図書館部門と同じだよ。同じ轍を踏んでいる。

●難病見舞金1600万円に反対しても、不寛容ではない。

上尾市ではH8年から2万円/人で始め、H27年から疾病対象を広げ(300種)、年一回の一万円になった。1600人を見込んでいる。高齢者や生活保護者を除き医療費は原則三割負担だが、難病のケースでは所得によりさらに軽減される。国の法律があるわけではない自治体独自のサービスであり県内では19市町しかやっていない。

身の回りに該当する方がいて、貰えるからもらっているだけ(こんな時期だから)廃止は仕方ないと言う人もいれば、とんでもないと怒る人もいる。しかし、不公平さや一万円だから生活補助ではないという目的の曖昧さがあるから、余裕の無い財政下では問題あるとの主張は当然である。

むしろ、他人のカネだとばかりに、財源無き予算の肥大化を放置する人こそ無責任であるが、本件も削られること無く廃止は先送りとなった。

こうして見ると、畠山市長の「危機対応」姿勢が口先だけなのは、論争を回避し、(市政を知ろうとしない)市民に良い顔をしたいだけなのだろうと思った。

早い話、選挙が近いからカットできない、という点で衆寓政治である。

つづく

 

 

2021年2月26日 (金)

上尾市の一人当り市税は埼玉県内40位と低下中

63市町村で、一人当たりの個人市民税は20位、法人市民税は32位、固定資産税は57(2017年度)

関連 予算-1労使交渉

2年前に人口一人当たりの市税ランキングを書いた。その時は40市の中で31位だったが、今回は全63市町村での順位にした。というのは、埼玉県庁サイトの「第3表 税目別負担額」(決算値)に自治体別の一人当たり税額が計算されているからだ。

今、最新の値は2017年分であり、2018年は三月半ばに公開される(それでも一年分くらい遅いと思う(>_<)。なお、本稿末尾に金額付きランキングをのせた。
市税全体=個人税+法人税+固定資産税+その他 である。

県内の順位 2017年度 金額(円
市税全体 40 134,805
個人市民税 20 58,879
法人市民税 32 8,294
固定資産税 57 51,168

●2011年から2017年へ、上尾市の凋落は続く…

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上尾市の人口は8位であり、東京へも近い方だが市税合計額ではずっと順位を下げており40位になっている。実は、グラフの6年間の税額は+1.6%増だが、もっと高い伸びの他市町がいるために33→40位へ後退している。
 (蛇足ながら、この様子は日本経済が前年比でプラスであれば満足していた内向きな平成時代に、世界はもっと拡大しており、一人当たりGDPが25位という下位になった姿に似ている)。

市税の中で一番大きい個人市民税は20位である(市だけでは19位)。これは東京都との距離とアクセス性の良さに反比例しやすい。また大企業等の立地の多い所も所得が高い。

上尾市の法人市民税は32位とかなり低い。人口が多い割りに法人数が少ないか、規模が小さいのか、赤字法人が多いのかは分からない。

固定資産税が57位とビリに近いのが上尾の弱点である。個人や法人の資本投入が少ない姿になってる。団地が多いから持ち家比率が低いかもしれないが、その公的な統計は見当たらない。物流道路による企業立地の多い町は、人口が少ない分一人当たりの「法人の固定資産税」が多くなり、税収全体の順位を押し上げる。

上尾市の一人当たりの個人市民税が少ない理由は分からないが、高齢化率とか退職リタイアが他市より早く増えたとか、従事する産業や企業の収益力が低いなどがあるだろう。総じて、税負担できない層が増えてきているのかもしれない。

無いものねだりになるが、市税合計が10位レベルになると、今よりも54億円の増収になる。

2017年(H29)の市税合計、個人市民税の多い順。

表の中の順位差は数百円とか千円程度と小さいが、これがそう簡単に詰められない差になっている。なお、市税合計と個人税の順位に違いがある自治体は固定資産税による影響である。

何気に高崎線の大宮以北は経済力が弱そうに見える。

  市町村名 市税合計   市町村名 個人市町村民税
1 戸田市 207,972 和光市 80,494
2 三芳町 202,944 さいたま市 74,190
3 八潮市 189,123 戸田市 72,854
4 さいたま市 181,098 朝霞市 71,733
5 和光市 178,179 志木市 69,478
6 滑川町 168,376 蕨市 66,892
7 川越市 162,207 所沢市 66,474
8 美里町 160,327 川口市 64,278
9 朝霞市 159,135 白岡市 62,153
10 川口市 158,690 草加市 62,123
11 川島町 157,307 富士見市 62,105
12 嵐山町 156,677 新座市 61,512
13 蕨市 156,376 ふじみ野市 61,059
14 三郷市 155,432 越谷市 61,043
15 所沢市 154,478 八潮市 60,467
16 熊谷市 153,042 蓮田市 60,083
17 飯能市 150,657 川越市 60,011
18 寄居町 149,078 三芳町 59,287
19 吉見町 148,905 鶴ヶ島市 59,132
20 草加市 147,883 上尾市 58,879
21 本庄市 147,216 吉川市 58,467
22 日高市 146,503 三郷市 58,283
23 久喜市 146,413 狭山市 57,658
24 東松山市 145,447 入間市 57,194
25 志木市 145,200 桶川市 56,917
26 新座市 144,082 北本市 56,651
27 狭山市 143,942 久喜市 56,218
28 鶴ヶ島市 143,132 熊谷市 56,181
29 入間市 142,559 鴻巣市 55,915
30 ふじみ野市 142,395 飯能市 55,746
31 越谷市 141,630 伊奈町 55,738
32 羽生市 140,531 坂戸市 54,115
33 横瀬町 138,671 滑川町 53,660
34 秩父市 138,661 東松山市 53,456
35 白岡市 138,377 春日部市 53,413
36 富士見市 137,285 日高市 51,956
37 加須市 136,397 本庄市 51,882
38 桶川市 135,275 宮代町 51,476
39 北本市 135,122 杉戸町 51,397
40 上尾市 134,805 深谷市 51,125
41 深谷市 134,406 鳩山町 50,999
42 蓮田市 133,334 行田市 50,365
43 坂戸市 132,755 小川町 49,320
44 吉川市 132,197 松伏町 49,213
45 行田市 128,998 加須市 48,934
46 伊奈町 128,463 吉見町 48,870
47 鳩山町 127,859 幸手市 48,735
48 上里町 126,538 羽生市 48,105
49 鴻巣市 126,042 川島町 47,768
50 神川町 125,557 毛呂山町 47,676
51 ときがわ町 123,530 嵐山町 47,517
52 幸手市 123,099 越生町 47,292
53 小川町 121,956 上里町 46,011
54 春日部市 120,641 ときがわ町 45,453
55 杉戸町 117,244 寄居町 44,404
56 越生町 113,952 横瀬町 44,000
57 長瀞町 112,624 長瀞町 43,468
58 小鹿野町 110,915 秩父市 43,344
59 宮代町 110,761 美里町 41,540
60 皆野町 107,861 神川町 40,753
61 毛呂山町 105,405 皆野町 39,249
62 松伏町 103,449 小鹿野町 38,785
63 東秩父村 86,732 東秩父村 33,786

 

 

2021年2月21日 (日)

上尾市2021予算-1 労使交渉という名の無観客芝居

全職員2%カットで1億6千万円の削減を求めたが、二労組の反対で管理職のみ3千万円削減へ

予算-0の続き 予算削減の第一波 上尾市年収は1788自治体中で446位(東洋経済へリンク付) 公務員年収のトップ100・ワースト100(プレジデント) 文末に追記。


 昨秋には新年度予算編成のための支出見直し方針が作られ、人件費の見直しもあった。しかし、結果は年末記事の予想通りだった。交渉結果を伝える1/28日の機関紙から以下に要約した。交渉は二労組の各代表者、総務部長、次長、職員課長である。文中の( )内は当方加筆。

削減額 対象1496人 管理職201人
給料 -111,730,296  
地域手当 -6,695,385  
期末勤勉手当 -47,252,189  
合計 -165,677,870 -30,000,000

27日夜、「コロナ禍を理由にした全国に例を見ない賃下げ」問題をめぐって、自治労連と自治労は合同で市当局と3回目の団体交渉を行い、当初の提案を見送って前回交渉で新たに出された「全職員(現業職を含み、会計年度任用職員は除く)、給料2%減額、1年間」を押し戻し、「対象を管理職のみ」とすることで最終的に決着し、労使合意としました

●労組の主張

1回目の交渉では「給料表の切替え、期末勤勉手当等」の提案があった。2回目では全職員2%案が出されたが、今3回目の冒頭で市から「管理職のみの案」がでた。なお一回目の提案は継続交渉とする。

人事院勧告と無関係に全国に例を見ない人件費削減の必要性がどの程度あるのか当局に説明を求めたが示されなかった。一切の削減を認めない立場であるが、新提案が過大な削減だとして縮小するよう求めた論拠は次の二つである。

1 リーマンショック後ですら人勧の基本給は(民間並みに)▲0.22%であった。つまりあの時ですら民間でも基本給減は小幅だった。業績悪化はボーナス削減でやるのが通常だろう(当時▲0.35月だった)。だから今度のコロナ禍でも▲2%の勧告は出ないだろうから、(市案は)下げ過ぎなのだ。(人事院勧告 2009年は▲863円 (▲0.22%)で賞与は▲0.35だった)

2 上尾市の2007年(リーマン前)と2011年の比較では、税収▲26.5億円でも歳入は+56億円である。地方交付税が+28.5億円、臨時財政対策債+13.1億円。災害により地方財政が落ち込んでも国が補てんする。来年度も交付税で補てんが予算化されているから、市財政への影響は抑えられるだろう。よって市案は下げ過ぎである。

●当局の言い分

「市民サービスをカットする以上、職員が何もしないわけにはいかない」。「この状況を打破するには人件費の削減をしないと予算が組めない」と主張し、何らかの人件費削減を4月から実施することは変えていない(何を意味するか不明)。

もし人勧が2%超カットになれば、新年度の給与改定は2%との差のみにするのかは、勧告後に交渉するとし、本案の議会提案期限が迫っているため、ここで労使合意とした。


 

冒頭囲み欄に自治労連の名前が先にあるので上尾市役所は共産系労組の支配が強いのだろうか。さて、組合の論拠1は、リーマン時ですら民間は簡単にカットしなかった(0.22%)じゃないか、だから2%はオーバーという理屈だ。

まず、人事院勧告とは民間の4月度の月給を調べて官民の給与差を国家公務員給与に反映させるもので、地方公務員にも影響する。しかし調査対象は50人以上の事業所なので規模的には上位5%以下になる。企業名は非公開だが大企業や優良企業がある程度含まれるため、『家庭の金融資産1,139万円』という統計みたいに高い方へ引き上げられる効果がある。だから、厚労省の「賃金構造基本統計調査」とか国税庁の「民間給与実態統計調査」とかけ離れた給与水準と言われる。

 参考【公務員給与】民間準拠の大ウソ

実は、上尾市職員の年収は市が公開しないのでこちらに示してある。再掲すると、2018/4時点の職員平均は40.1歳で617万円、うち一般行政職641人は平均40.4歳、630万円である。上尾に本社のある一部上場企業の平均年収はベルーナやスーパーバリューが515万円位、自動車部品のフコクは577万円、高い方ではアイチコーポレーションの653万円(41.7歳)がいる。つまり市役所は地場の一部上場企業として高い方なのだ。

なお、東日本大震災の復興財源のため、2012、13年度に国家公務員給与を特例で平均7.8%減額し、政府は自治体にも地方公務員給与の減額要請をした。しかし、都道府県は87%、政令市は60%の12市、市区町村は57%の985団体が応じただけで、下げても数%程度!。上尾市の態度はネットでは分からなかった…。

論拠2は災害による財政悪化は交付税をもらえるから今回も影響は抑えられるかも、というものだ。こんな呑気な話しは論拠とは言えない、というか親方日の丸である。わざわざリーマン前と震災年までの4年間の差額で説明していたので、コロナ禍には経済事変と災害の二面性があるという慧眼かと思ったが、そうでは無かった。

事実を確認しよう。2009年は市税総額が▲5%の16億減だ。翌年の個人市民税はもっと悪化して▲7%、法人税は少し回復したが市税総額は▲2%の5.7億円減と二年連続のマイナス。今度のコロナ禍はもっと中期的に続くだろう。人々が消費を再拡大することは慎重となり、中小サービス業者と雇用者には耐えがたいものだろう。

読んでいて、労組だから量出制入の考えが強いと思った。その支出優先の考えが、今の日本では支出が固定費化している。特に少子高齢化で増える一方であり、固定化が続くと既得権益化になってしまうから経常収支比率が95%の異常値がフツーになっている。量出制入の考えなら財源は赤字国債でイイじゃんだろう。だって労組は増税反対だから。そのうちMMTまで言い出すかもしれない…。

赤字国債により地方交付税を増やせば地方財政は健全に見えるが市民と国民は同一人物であることに変わりない。

●本気の交渉には見えない

まず当局は二回目に2%カットを提示しながら、三回目の冒頭で引っ込めたとある。なんじゃこれは!ですよね。それを労組は「押し戻した」と誇張する。しかも一切の削減を認めないと言いつつ、削減幅を縮小するよう求めるなど腰が引けている。両者が気がかりなのは、人勧がどんなマイナス幅を提示するかだろう。それまでは、

潰れて失業になるリスクは無いのだから、安心して交渉劇をすればいいのにね。

●ラスパイレス指数の100以下へ、道半ば

職員課はHPでラスパイレスについて二年前から書くようになった。他部門でもここまできちんと書く例はない。細かく分析的に書いている理由は、全国や県内での高さが目立ちすぎて風当たりが強まったためだ。遅ればせながらの言い訳である。

下げる対策と言えば、一般行政職55歳昇給停止(30/4/1実施)、一般行政職全職員の昇給延伸(31/4/1実施)だった。外から睨まれるまで当節当たり前のことをしなかった。今まで(今も)指数を高めているのは、高卒の50歳以上の存在であることは既知だったが、ようやく市も認めて上の対策になったわけだ(但し経過措置中)。

本市では高卒の職員であっても職務遂行能力が高い職員は課長職以上の管理職に登用しています。

昇進テストは無いらしいので「仲間うちの評判」で職務遂行能力を計ったら離れ業になる。ぜひ考課表を公開請求したいものだ。国家公務員と市職員の採用テストの難易度が違うだろうから、指数100以下を求めるのは市民としては自然だと思う。

つづく

過去記事 職員給与のラスパイレス指数など

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