カテゴリー「上尾市の教育」の37件の記事

2022年9月18日 (日)

紅花保育園-3 決算から見える経営の姿

関連 1 突然の閉園、2 世の理不尽

結論を先に書くと、一回目の感想が確信へ近づいた感じ。

社会福祉法人の決算書は企業会計とは異なり家計簿に近い。元は「収支」と表現しているが、以下ではあえて「損益」と言い換えた。 紅花保育園拠点区分 事業活動計算書より 電子開示システムより

単位 百万円 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
A サービス活動収益計 107 110 116 117 114 117 120
人件費 85 85 93 93 95 98 89
人件費比率 80% 77% 80% 79% 83% 83% 74%
B サービス活動増減差額 -3 0 -4 -2 -13 -9 5
C 次期繰越活動増減差額 -30 -32 -39 -42 -58 -64 -57

 7年間の損益報告から基本項目のみ拾った。売上Aは1億1千万円台で横ばい。人件費比率80±3%で推移する。企業の営業利益にあたるBは黒字が2回のみ。また、以前からの累損Cは膨らみ▲5720万円となった。

こうも冴えないのはBの水準が低いためだ。企業でも、この本業の赤字が続くと問題ありとなる。人件費総額(給料以外も含む)は増加傾向にあったが、去年の大幅削減が黒字化の要因だ。なお役員の報酬・退職金はゼロ(定款に無報酬とある)。また、決算書には人数情報はない。

・気になる 2019年に赤字が一千万円も増えたこと

非常勤と派遣や業務委託費などで790万円も増え、人事労務に大きな変化があったようだ。しかも、この年は初めからマイナス予算(資金繰り)を組んでいた。

後で書いているが、人件費比率の平均は76%なので、80%は高めだ。それは、入所数の減少によるものか、人件費が高いのかのどちらかだ。後者なら、職員数が多いか(評判は良くなる)、構成が硬直的(正規職のみ)か、年齢が高い等だが、その辺りは分からない。

・21年に黒字化(利益率4%)した人件費の変化

人件費が1割(900万円)減った効果だ。報じられた(年末?)大量解雇の内容は不明だが、正職員の給料・賞与が1割減(520万円)、派遣職員費で6割減(480万円)である。ただし非常勤職員費は増えた(350万円)。業務委託のカットもした。

この人件費削減は、固定費(=給料)の一部を変動費化したように見えるが、流通業のパートとは違い、有資格者の非正規化はシフトなどの労務管理を難しくする。また、資金繰り予算が空欄なのも意欲の低下を感じた。

想像するに、"方針変更"の結果が離職を招き、大きな人件費減になったものの、埋め合わせで派遣を使わざるを得なかっただけでは。つまり計画的ではなく混乱していたように思う。

 B/Sもみたけど 

取引型経営では無いから負債は少ない。有利子負債も無いから無借金経営なので負債による倒産リスクは無い。棚卸資産も売上債権も負債も無いから、B/Sの右側は純資産が96%と異様。

累損5700万円はやや資本欠損ぎみだが、それは出資者の継続意欲の有無次第だろう。なお、初めから無借金経営だったのかは分からない。また、施設建設等でもらう国庫補助金積立金も少なかった。

ちなみに赤字決算続きでも運営できるのは、赤字額が減価償却費よりも少ないためだ。月末の給料支払さえ回れば良いのだが、以前2千万円あった手元資金が今は半分である。ここで現金を積み増すには借入や出資が必要だが、それには、資金の出し手に将来展望を語れないとムリ。

なお、一般企業でも、賞与月には一時的に借入をすることがあるので、去年、遅配にした原因は気になる。

 他園はどうかと思い、一つだけ「さつき保育園」を見た。収益規模は似ていたが、薄利ながらも黒字の年が多かった。累積も黒だった。人件費比率は80%と似ていた。ただし設備用の借入をしていた。

 配置基準 保育士一人につき子供何人まで

0歳児 3人
1~2歳 6人
3歳児 20人
4歳児以上 30人

配置基準により、少ない職員で多く預かって儲けることはできない。子供の数×保育料(保護者負担+補助金)が収益の元になるが、今はほぼ公費負担となり、債権回収の心配もない。

無償化政策は施設の形態や年齢で複雑なので分からないが、たぶん人件費を賄えるようになっていると思う。だから、子供数と保育士数(コスト)のバランスを保てることが経営のコツだろう。それは、全国調査からも見えた。

 厚労省の全国調査を見ると  ※1

私立保育園の全体平均では収支差320万円と黒字である。下の定員区分別でも全て黒字であり、定員が140人あたりにスケールメリット感がありそう。紅花は定員90人。

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ここで、子供一人当りの年間収益(保育収益÷人数)を求めたら、90人弱だと一人140万円だった。なんと、私立高校よりも、文系の私立大学よりも高い。

参考 一人当たりでは小学生に88万円、中学生に105万円の税が使われる。

以前の親負担額(所得で異なる)は分からないが、無償化とは大きな分配政策なのだ。なお、送迎費、食材料費、行事費などは自己負担のままらしいが、年額としてはわずか。

 利益率は2%前後と低いため、定員を少し割ると赤字になりそう。表には省略したが、⑥の人数は定員よりも0~4人多いだけだ。 実は、十年前の古い2013年の調査が見られ、利益率は4%台と二倍も高いが、定員より1割位多めに抱えていた。つまり、近年は、定員を僅か上回る程度にしか集められず、それがギリギリの経営になっているのかもしれない。

 保育士の年収と保育士不足

「良い園」と言う評判を得るには多めの正職員が必要であり、ギリギリ(或いは若い人)で回すと利益は出やすいが、負荷の高い職場となり、評判や職員定着率にマイナスとなりやすい。

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表の月額を12倍すると、勤続十年の保育士の年収は355万円。これだと、一人減らしただけで黒字化したり、非常勤に置き換える動機にかられそうだ。

そして今は、少子化なのに保育士不足だという。重労働の割に給与が低いが理由らしい。辞める人が多くて、それを埋めるはずの資格学校を卒業した半数が就かないらしい。だからなのか、求人倍率は二倍と他職より高い。

小学校の先生で20代後半が年収452万円とすると保育士は79%レベル。年中、年長、一年生と連続することを考えると、待遇差が狭まっても良さそうだ。人手不足でも給料が低いままなのは原資が公費負担だからと思う。国が支援するか少しは受益者負担を追加するしか無いだろう。

今は、少子化だけど無償化で預ける子供が増えたり、国の後押しで保育所増加もある。そうすると需給が崩れたエリアも生まれる。そうなると、どの程度の定員割れに耐えられるかが問われる。それを一般に不況抵抗力と呼び、トントンとなる稼働水準が高い経営を腰高経営と呼ぶ。この業界では、入所数÷定員という充足率が指標になりそうだ。

今後、定員割れした園と定員増の園同士で余剰職員を融通できる仕組みがあれば地域的に安定するだろう。ドクターXならぬティーチャーXだ。派遣業者がやっているはずだが、そこを公が介在することはムリなのか…。

結局

新聞が伝えた理事長発言、「保育士不足によって子どもの安全を保証できなくなった」は決算書にも伺えた。そして、たてば友愛会は桃寿苑(50室)も持っている。保育園の三年後に始めており、こちらも赤字事業だった。では、どちらを撤退するかとなれば、少子化の先細り事業よりも、需要のある老人施設を選ぶかも。そちらの建物の償却もだいぶ進んでいたな。

 以上は個人の推測です。

おわり。

※1 令和元年度「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」 e-StatにはExcel表がある。これは無料化前の2018年度のものである。財政情報はない。

参考 民間の平均年収は441万円 2018年

2022年9月10日 (土)

紅花保育園-2 閉園騒動に見る世の理不尽

前記事   1 突然の閉園   3 決算から見える姿

1.万が一の連想

先日、幼稚園バスの置き去りで子供が亡くなった。痛ましい事件だが、思い出したのは、「上尾熱中症放置死」埼玉新聞 だった。

不注意の重なりが招いた事件だが、対策をハイテク技術でカバーしようとするのが何とも残念な日本だなと思う(基本動作は指差喚呼)。しかし現実は、毎年のようにダメ親が現れて我が子を車内放置死させたり、或いは、車庫周りで幼児が轢かれる事故死の方が多い。

さて、先月に紅花保育園の件を書いたが、理事長の閉園理由を要約してみた。

「今まで無事故で済んだのは良質な保育士が安定供給されたため。でも近年は、保育士不足や大量退職があり、確保できない。結果、園児の安全の前提が崩れる。そうならないうちに来年で閉園したい」

当節、安心安全を過剰に言う傾向があるが、このタイミングで上の報道に接すると、預ける方も預かる方も、不安の連想に陥るかもしれない。人ごとではないのだ。

2. いきさつ

 世間は8月末の埼玉新聞で事態を知ったが、実際は7/10に保護者会で閉園が伝えられた。記事はYahoo!へも配信されて市内外へ拡散し、コメントは240件付いた。

 さて、閉園8か月前の告知は、世間を騒がすトンデモ事例よりはマシであっても、二年間を予定していた家庭には計画が狂ってしまった。40年以上も続いた保育園が閉園するなど予想外だから、戸惑いと怒りを覚えるのは当然だ。既に親たちが理事長へ要望書を出し、M&Aとか事業継承や閉園延期、決算書の開示を求めた。上尾市へも要望書を出し、上記以外に、仮設園舎の建設や転園優遇策などを提案した。

 しかし、法的に閉園を止めることは出来ないし、何日前に通告すべきというルールも無いようだ。来春までに転園先が見つからないと、予定外の待機児童状態になる。上尾市の4月の同児童数は9人、これは過去最少である。

 市が間に入って調整中だが先行きは不透明。そのためか、一部とはいえ、興奮した”発言”もネットに漂う。「理事長をやめさせたい」というが、それを実現したら即、廃園だろう。問題解決には冷静さが必要である。

 市は近隣施設に臨時的な定員増と職員増の支援をすると予想するが、人数が多いために難しい。しかも何をした所で、常に他園や他保護者との公平感にも配慮しないといけないのが行政の立場である。恒久的な対策はその後だろう。

 そもそも、毎年のように保育施設が増えていないか? 一方、子どもは減っており、幼稚園と同じく保育園もいずれ廃業するところが現れる位は予想がつく。

 上尾市 保育施設一覧 

 まず、上は、参考程度でも良いから合計人数を入れて欲しいね。63カ所位あるが、最近の閉園例に、しらこばと保育所(定員80人)の他に、今年3月に小泉のたけうま保育所(定員19)がある。代表者が、高齢を理由に事業廃止を伝えたのは、丸二年以上前の令和元年という。廃業が問題化しなかったのは、早期告知と小規模だったためかもしれない。なお大石地区に私立保育園(75名)が令和5年に開設予定という。

 何が言いたいかと言うと、今、議員が急に張り切っているが、そもそも撤退問題への備えを議会で取り上げた節も無く、今頃閉園を知って、「どうなっているの?」と問う議員の姿が、題名のない会議録に見えたからだ。開かないときはこちらへ

3. 紅花保育園を巡るネット社会の落とし穴

 当ブログ以外で紅花を扱ったネット記事があった。福祉に詳しい人が最新決算を引用しつつブログで書いている。

 決算書は、全国の社会福祉法人の電子開示システム

 いきなり、B/Sからの考察だったので感心して読んだのだが・・・何度もびっくりした。

それは、法人単位の貸借対照表(三号第一)である。2021と20年のB/Sと二年間の差額が書いてあるが、その差額が全勘定科目オール0 だと指摘した!

「会計でこんなことはありえません」と嘆くように、トンデモ決算だ。

 『ほー、よくぞ発見したな。粉飾決算かよー』って思った。

更に他の決算書類を取り上げていたので、読み進めた。が、最後のまとめを要約した(※この部分訂正した)


 計画倒産を狙ったのでは?

 特別監査の必要がある

 上尾市は今まで何をやっていたのか?

 まず、彼が見つけた二年間の差額0という”大発見”。実はその原因はバカみたいなものだ。2020年の列に、21年の値がコピーされていた。だから差が0は当たり前! しかし、それを指摘せずに話を続けていた。

 二年間のB/Sが同じなんてあり得ないから、単なる、出力時の指定ミスだろう。また、20年用のフォルダを覗けば正しいB/Sがちゃんとある。他にも、累積と期間を混同するなど残念な内容が目立った。なんだか、最近見かけた、自分の勘違いに気が付かずに自画自賛するブログを思い出してしまった。

 とまあ、無報酬で40年も維持しながら、理事でも無い人から辞めろと言われる筋合いは無いし、出力間違えただけなのに計画倒産とかディスられたり、ネットは理不尽だよね。しかも匿名で!

 でも、『上尾市は何やってんだ?』は、言えてる (^-^?)。

 というわけで他市民に任せないためにも、決算書からみえる紅花保育園の経営実態を書いてみた。

つづく

関連 10年前なので古いけど、幼稚園が消える~毎年100以上廃園に 

 

2022年9月 5日 (月)

アピマップで見る学校統廃合のリアル

 目次メニューへ  基本計画の市サイトはここ

前記事では、結論に至るロジックに問題ありと書いたが、いよいよ基本計画(21/5月版)の最終話へ入る。

 p55の『学校ごとの再編案』では、存続校と廃校という姿が明確である。もちろん廃校などという表現は避けている。その表を加工して下に転載した。

1 上尾市の統廃合のお勧め案

 右端の「学校の方向性」が空白なのは、継続する学校である。クリック拡大  (なお55年推計人数が、前よりも20人も少ないのは行方不明かも ※1)

215

 しかし、この表では自分のエリア以外に関心が向かず、また地理的な距離感がないと理解やインパクトに欠ける。2km圏内を説明する地図も付いていたが、全校を一枚に盛り込み、お世辞にも分かりやすいとは言えない。

2 地区別の学校再編地図

 そこで、市のアピマップ(こちら)で再編図を描いてみた。

 図には存続校を中心とした距離円があり、赤円は小学校、青円は中学校を示す。通学距離の指針は、小学校4km、中学校6km以内。徒歩通学の目安は1・5~2km以内(小中共通)。急いだので図が間違っていたら乞う連絡。

 平方 

 大石 

 原市 ・・多段階でった労作

 上平   

 大谷 

  市内施設を表示する地図だから立地関係が分かりやすく、距離も測れる。こんな簡単で便利な市ツールがあるのに、使わないフシギ市役所だった。

 ※1 2055年の人数推計値は本文p13の再掲載のはずが、本表では20人も減った。だいたい各校から一人が、行方不明なのに、教育委員会や市議らが気に留めた節は無い。恐ろしいことだ。

 こんな街では勉強できないと逃げたかも  (>_<)

 

つづく

 

2022年9月 1日 (木)

学校施設更新の基本計画はドラフトだった

結論をオブラートで隠しながら、結論を付録に公開。

 目次メニューへ     地区別・統廃合の地図はこちら

 児童生徒数の減少の記事で、「学校の適正規模の検討」を除いていたので、基本計画から要約を引用する。

  • 学校の適正規模 小学校も中学校も12~16クラス、更に、下限値として、小学校12、中学校9クラスと定義する。
  • 通学距離  小学校 4km、中学校6km以内。徒歩通学の目安を1・5~2km以内(小中共通)。再編により目安を超すと、自転車(中学生)、スクールバス等を検討とする。

 国の指針があっても一律に決められるはずも無く、自治体の事情が優先されているらしい。

 参考 日本教育新聞 少子化によって進む学校の統廃合

●いよいよコストシミュレーション

 基本計画では、子供減少、校舎老朽化(寿命)、最後に財政問題へと深めており、このカネの話しが一番ややこしい。と言うのは、ロジック的に分かりにくく、ハッキリ言うと、結論に至る前に結論をチラ見せしているのだ。決して、反対派の文切り型な『建設アリキ~』と言うつもりはないが、感心しない。

 ここでは学校別の見積額を示すのではなく、二つのケース(枠組み)で見積もっていた(対象期間は2055年まで)。


ケース 1 全校が、耐用年数が来たら同じ施設をまた建てるという現状維持の例。更新費は899億円

ケース 2 各校の耐用年数到来時の人数見込みと「その時の整備面積(p34)」にダウンサイズして更新する例。725億円となり、174億円安い。

 なお、施工単価のような値は検証不能である。さて、安い方で話が進むのかと思ったが、何故かケース2はその後、無視されていた。

 そして、上位計画である公共施設マネジメントの目標である35%削減方針を持ち出す。更に、2030年代に建替が集中するため、一年で100億円の年もあると忠告する。こうした、コストダウンや負荷の平準化をすることは、世の中では常識である。では、どうするのか。(35%削減がケシカランという政党もいる)

 次は、3つのパターンという設定でシミュレーションする。つまり、2つのケースの次は3パターンと続くから、話が複雑になっていく。特に、このパターン設定とその内容が分かりにくい。その原文を引用しながら書くと、理解する前に退屈になりそうなので、要点を中心に書く。

 まず、ケース1の「全校維持」とは馬鹿げた案であり、899億円かかるとしても、それを35%も減らしたらそもそも出来るわけがない。マッチポンプみたいな陽動話である。

 また、上尾中など3校が建替済みだが、残り工事が17億円あるとして、899×65%-17=567億円でやるべきという(上限コストと呼ぶ)。しかし、その額を残り30校で分けたら1校19億円、これじゃあロクな学校にならない、と着地していた。

 もうお分かりだろう。

 結局、上限コストに収めるには「校数」を減らすしかないのだ。それこそが再編成であり、編成の組合せをパターン BとかCとして試算している。だが、そこには、小学校11、中学5、一貫校2という校数があるだけだ。結局、カネが間に合いそうですという、B1、B2、C1、C2の4案を示すが、その中身が分からないまま、一校当たり、小学校は32億円、中学は38億円、一貫校なら54億円でできそうです、と長い説明を終える。

  • 本文ではフワッとした結論、付属資料で生々しい結論。

 一体、この計画はどう着地するのか不安になって来たが、隣のページp43、「整備方針」と称して、地区別・学校別にサラッと書いてある。これが、本書の長い長い能書きがたどり着いた結論のようである。下は大石地区の例。

大石中学校 地区内の生徒数の減少から、近隣中学校と連携して新しい学校づくりの検討を行う
大石南中学校
大石小学校 地区内の児童数の減少から、近隣小学校と連携して新しい学校づくりの検討を行う
大石南小学校
大石北小学校 人数が継続して維持されるため、既存施設を最大限に活用しながら建物の更新を効率的に実施する

 この例では4校が再編対象となるが、「近隣」という曖昧さや存否(存続か閉校)については不明、逃げている感がある。だから、これではマズというわけか、校名や納期を入れた生々しい再編案(ケースC2)が巻末資料にある。【それは次記事へ

 実は、彼らは、コスト試算の時に、既に頭の中に、存続と廃校の組み合わせ例を浮かべていたと思う。それを表に示さず、あたかも抽象化した一般論にしてから、生の答えへと誘導している。そんな回りくどいことをせず、適正規模のための再編案を作り(たくさんの組み合わせが有るわけでは無い)、その更新コストを試算し、これなら実現可能だと提示すればよいだろう。

 良く言えば、「新しい学校づくり」というように刺激的にならない配慮だが、「コスト計算でうちは廃校か」と思われかねない(ゼニの話は大事だが、受益と負担を考えない人もいるから)。

 結局、この基本計画はドラフト(下書き)になっていた。実際、理由はともかく議会からは拒否された。

 労作なのにドラフトレベルになる理由は市政の体質だと思うが、それは別の機会へ・・・。

最後に、一つ、ゼニよりも致命的に足りないのは、これほどの大事業は市政始まって以来なのに、行政すらオール上尾になっていない。

 情けない話だ、

 子供に知られないように。

 

 

 

 

 

つづく

 

2022年8月24日 (水)

上尾の小中学校の建物評価と人数規模を散布図で俯瞰

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 前記事では、学校ごとの建物の残耐用年数を取り上げた。その基本計画(p22)では、学校建物の評価を行っている。

そこでは、建物の性能をハード面と称して残耐用年数、劣化度、耐久性の3項目を計算している。そして、3つを一つに総合して1~5点で学校別に評価していた。※

 通知表みたいだが、算出方法の説明が欠けるから考え方の妥当性は検証不可、つまり瑕疵がある。

 次に、建物の利用状況をソフト面と称し、これも3つの視点から値を求め、1つの値(1~5)に総合している。更に続けて、ハードとソフトの二値を一つの値(得点と称する)にして、得点の低い学校から優先的に検討すると結ぶ。※

 ここでも、二値を一つにする方法説明がない。多分、足して二で割ったと見えるが、それでは健康診断の結果と算数の点数から平均を出すようなもの。独立する異次元の値から平均値を求めるなんて上尾の中学生でもやらないだろう。これも瑕疵である。

 なので、合成した「得点」を使わず、建物性能というハードの値を横軸に、児童生徒数の現人数規模(20年)を円サイズとし、35年後の児童数増減率を縦軸にした散布図で、全学校を俯瞰した。

  • 小学校22校・・・重なって見にくいワ (>_<)。富士見小の5は上限値!
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[解説] 円が人数つまり学校規模を示し、2055年には▲%減るという縮小予想(円が小さくなる)とその学校建物の新しさを示している。
ほぼ安泰は中央小のみ、富士見小は建物は最新で今は大きいが将来の縮小スピードは激しいため通学区の再編が必要と見る。ユニークな位置の平方東小は建物更新で生き延びられるが、同時に他校を吸収して規模適正化を果たせば市内小学校の中でも良いポジションに立てそう。
 前記事のように建物の残耐用年数だけを見ていると特定エリアに問題集中するが、人数規模と将来縮小を重ねると、殆ど再編の俎上に載ってしまう。後は相互の通学距離を加えて考えるべきだが、土地勘が無いのでここまで・・・('ω')
  • 中学校11校

 学校名の横は2020年の生徒数である。市の子供人口が減るから、全中学校が2055年には減少予想となる。

Photo_20220823225202

 何が見えるかは各自おまかせ。

元文を引用して書くと長文になるから、ブログの長さはこの位が丁度いいネ…

参考 基本計画p23より

順位 学校名  得点  ハード面  ソフト面 
1 大石南中学校  1.2 1.3 1
2 平方小学校  1.5 1.3 1.7
3 大石南小学校  1.7 1.7 1.7
4 太平中学校  1.8 1.7 2
5 尾山台小学校  1.8 1.7 2
6 平方東小学校  1.8 1.7 2

 

つづく

 

2022年8月23日 (火)

小中学校が年250校廃校する日本。埼玉県廃校リスト

平成のラスト十年間は毎年330校も廃校 

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 平成11~22年は「平成の大合併」があったから学校の廃校が多かった。結果、自治体の数は1502も減ったが、実はそれを上回る小学校で2,231校も減った。児童数も52万人減っていた。そして、ここ十年間は合併がないにもかかわらず、同じペースで減少していると文科省は報告する。※1

 下は、最新 R3学校基本調査 から。

R3/5/1 公立小学校 中学校
学校数
 前年比
19,028
-189
9,230
-61
在学者数 6,223,394 3,229,698
教員数 422,864 248,253

上の前年比では250校の減少になるが、平成のラスト十年間でみると年約330校も廃校していた。そして少子化は想定以上に進んでいる。既に、一つの小学校、一つの中学校しかない自治体が13%もあるらしいが、もはやその程度では済まないだろう。

●小中高別の生徒人数の推移 (同学校基本調査より引用)。

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●埼玉県の廃校リスト

小学校の廃校一覧

中学校の廃校一覧

高等学校の廃校一覧

※1 文科省 小中高等学校の統廃合の現状と課題

つづく

 

2022年8月22日 (月)

上尾市の小中学校校舎の余命リスト

 残耐用年数、すなわち余命リスト。

 ソースは上尾市の市内小中学校校舎耐用年数一覧【R4/4月】(本日8/22にExcel表が公開された!。あのー、メールで望んだのはそれじゃあないんだけどな・・・)

 既に、児童・生徒数の減少地域別学校別に示したので、今回は学校別の施設老朽化を扱う。

 3.11以後、巨大地震から子供を守るために学校の耐震補強工事が各地で行われた。上尾市もホッとしたばかりだが、実は少子化と言う長周期振動に耐えられずに学校取壊しが各地で増えている。既に、その人災を経過した地方もあるが、首都圏近郊も例外ではない。

 例えば、鉄筋コンクリだと建物の耐用年数60年と決めてある。その期限が近づく5年前(?)くらいに構造体の調査をする。その結果で延命可となれば、構造物にもよりMax+15年の最長年になる。もちろん延命不可もある。また、延命できても、維持費が以前と同じとは限らないし、延命が問題の先送りに都合よく解釈されるようでは地域の衰退は止まらない。

 所で、ソースの表は単なる一覧のために分かりにくい。なので、「あと何年使える」かという残存年数に焦点を当てた。耐用年数の列のピンクバーが余命の長短を示す。また、下図はソースの一部のみ掲載だ。コンクリート強度はソース参照のこと

Photo_20220820224101

延命可否※5の意味は下にコピーしたが、検査日は20年前のものもあり、現データではそのまま判断はできないだろう。

※5 延命の可否は、耐⽤年が近づいた段階で躯体の健全性調査を実施し再度判断する。

構造種別「RC」の×は、中性化予測深度が30mmを超えるため。
構造種別「S」の×は、上尾市として延命利⽤しない⽅針。
構造種別「RC+S」の×は、複合構造のため耐⽤年が近づいた段階で詳細調査により延命の判断を⾏う。

●耐用年数が2029年までに到来する物件リスト

 29年までに耐用年数が来るのはプールを除く169件中、30件(18%)もあった。また、最長年数で並び替えると延命不可物件の体育館が殆どだが、校舎では上平中、上尾中、太平中の三件がある。
 調査・設計・解体・建設の工程を考えると、どの位の時間的余裕があるのかは分からない。

    耐⽤年数
基準  最長
構造種別※1 延命可否※5 延床⾯積㎡ 普通教室数 建築年
上平中 体育館 2023 2023 SRC+S × 765   1968
上平中 北校舎⻄ 2024 2039 RC 687 3 1964
上尾⼩ 体育館 2025 2025 RC+S × 788   1970
太平中 体育館 2025 2025 RC+S × 762   1970
上平⼩ 北校舎 2025 2040 RC 3,266 22 1965
上尾中 北校舎⻄ 2026 2026 RC × 1,846 12 1966
中央⼩ 北校舎 2026 2041 RC 1,141 2 1966
原市中 中央校舎東 2026 2041 RC 1,269 7 1966
原市中 体育館 2026 2026 RC+S × 770   1971
尾⼭台⼩ 管理・北校舎 2026 2041 RC 2,821 12 1966
尾⼭台⼩ 給⾷室 2026 2041 RC 178   1966
⼤⽯中 体育館 2026 2026 RC+S × 770   1971
⻄中 ⾦⼯⽊⼯特別教室 2026 2026 S × 243   1971
⻄中 体育館 2027 2027 RC+S × 770   1972
上尾⼩ 北校舎 2028 2043 RC 1,632 11 1968
原市中 ⾦⼯⽊⼯特別教室 2028 2028 S × 246   1973
⼤⽯中 管理・中央校舎東 2028 2043 RC 3,112 11 1968
⼤⽯南⼩ 管理・特別教室・体育館 2028 2028 RC+S × 2,115   1973
中央⼩ 体育館 2029 2029 RC+S × 524   1974
東⼩ 管理・南校舎 2029 2044 RC 3,525 18 1969
東⼩ 給⾷室 2029 2044 RC 299   1969
太平中 管理・南校舎東 2029 2029 RC × 2,131 10 1969
平⽅東⼩ 特別教室・体育館 2029 2029 RC+S × 1,482   1974
平⽅⼩ 管理・南校舎 2029 2029 RC × 3,149 17 1969
平⽅⼩ 給⾷室 2029 2029 RC × 394   1969
尾⼭台⼩ 南校舎 2029 2044 RC 1,204 5 1969
尾⼭台⼩ 体育館 2029 2029 RC+S × 672   1974
原市南⼩ 管理・体育館 2029 2029 RC+S × 1,469 0 1974
⼤⽯⼩ 管理・南校舎 2029 2044 RC 3,154 16 1969
鴨川⼩ 管理・体育館 2029 2029 RC+S × 1,287 0 1974

 

つづく

 

2022年8月 8日 (月)

どこから上尾市に転入し、どこへ転出したか

南からファミリー世帯が越してくる街!? 

去年、上尾市の人口が23万人へ到達したことを、「ここがイチ押し」と広報が自慢していた。首都圏での立地、住宅価格、宅地供給、さらに市政策も(?)奏功したのだろう。ありていに書けば、人口勝ち組の県南エリアに属したのだ。

人口動態を見ると、21年度は約千人の純増だ。理由は、大幅な自然減860人(出生-死亡)にも拘わらず、バブル期に迫るような転入超過1850人によるものだ。

4_20220807154601

今後も少子高齢化により自然減は増えるが、景気の落ち込みや金利上昇が無ければ転入超過を維持できそうだ。なお、本稿は、学校統廃合の一環で書いているので、繰り返しとなるが児童生徒のピークは1980年である。

さて、一年間に1万人が上尾市に来て、8-9割が去っていく姿をみていると、一体どこから来て、何処へ行くのだろうかと興味がわく。

 5年間の地区別人口増減 

 次表は、住民基本台帳ベースの直近5年前比である(2017/1/1~22/同)

地区名 5年間の増減人数
大谷 2,092
上尾 1,649
原市 112
上平 -263
平方 -518
大石 -657
総計 2,415

更に、住居表示で増えた順を示してみたが、大谷北部では町名地番変更があったので、正しい比較はできなかった。特に1~4位が新住所エリアだ。比較可能な上町ニ丁目は、190世帯のマンション竣工が寄与したのだろう。減った住所地は省略した。

順位 地区 町丁字名 増加
1 大谷 壱丁目南 1074
2 大谷 壱丁目東 974
3 大谷 向山五丁目 837
4 大谷 壱丁目北 747
5 上尾 上町二丁目 637
6 大谷 西宮下一丁目 282
7 大谷 大字大谷本郷 257
8 大谷 壱丁目西 250
9 上尾 大字上尾村 249
10 大谷 今泉四丁目 236

 

新市民はどこから来るのか?

それを紐解くのが国勢調査データだが、市のサイトでは知らん顔、統計あげお でも分からない。国のe-Statへ行ってもそう簡単に抽出することはできない。しかし、埼玉県庁が去年公開したツールを使うと分かる。

23Mbの巨大なExcelファイルは、VBAを使わずデータ関数式のみで構築した優れモノだ。これは、2015年の国勢調査のため、2010年との変化を見ている。なお取説は無い。

●全国の市区町村別移動人口見える化ツール

 年齢別の純移動(転入-転出)

純移動
0-9歳 156 169 325
10歳~ 70 131 201
20歳~ 209 409 618
30歳~ 317 90 407
40歳~ 83 169 252
50歳~ -42 110 68
60歳~ -81 31 -50
70歳~ 44 46 90
80歳~ 11 -6 5
767 1,149 1,916

  元は5歳階級だが、10歳別にまとめた。20代、30代が最多世代となり、9歳以下も多いためファミリー世帯の純増と思われる。どの自治体にとっても一番来てほしい層である。

 なお、幼児が5年間で一校分(325人)増えたからと言って、学校統廃合の問題が解消されることはない。人口の偏在というエリアの問題であるからだ。

何気に、昔から若い世帯の転入が多いことで有名な伊奈町を見てみたら、80代以上が最多だった。高齢者施設が多く開所したとか・・・?

  上尾市への転入は、さいたま市・川口市など南から 

順位 市区町村名 純移動 転入者数 転出者数
  1,916 24,052 22,136
1 さいたま市 北区 265 1,426 1,161
2 川口市 170 669 499
3 さいたま市 桜区 142 296 154
4 さいたま市 見沼区 140 977 837
5 熊谷市 129 379 250
6 さいたま市 南区 112 404 292
7 下関市 109 115 6
8 練馬区 86 193 107
9 蕨市 84 172 88
10 深谷市 72 182 110
11 北区 67 244 177
12 足立区 59 184 125

 上尾市から転出する人は、より北へ?

順位 市区町村名 純移動 転入者数 転出者数
1223 蓮田市 -28 369 397
1224 豊島区 -28 101 129
1225 中央区 -31 10 41
1226 日野市 -32 13 45
1227 北本市 -38 569 607
1228 さいたま市 西区 -40 484 524
1229 加須市 -60 161 221
1230 白岡市 -61 111 172
1231 鴻巣市 -68 472 540
1232 久喜市 -70 293 363
1233 伊奈町 -338 607 945

伊奈町、恐るべし!。市民から町民になっても気にしない人が多い…

もうじき、2020年の国勢調査を組み込んだツールがでるので、改めて比較したい。

つづく

 

2022年8月 3日 (水)

上尾市の小中学校別_児童生徒数は?

「上尾市学校施設更新計画の基本計画」から、小学校・中学校の人数を見る。

 今回は、学校と人口の三つめの記事です。一回目は、人口推計図をみつつ「こんなに減るわけない」という市民と「こんなに産むよ」というノー天気市政を取り上げました。二回目は、地区別に、全年齢人口と0~15歳の増減、そして人口再生産の元となる女性人口を見ました。

で、気付いたのは、市の人口維持に寄与する「大谷」と減少著しい「平方」は隣り合せ地区ということ。この差はどうして生まれたかを文末に書きました。

今回はもっと進めて、学校別の子供の減少を示しますが、その前に、先日のおおげさな見出しのニュースについて…。

小中生、10年で100万人減少 346自治体は30%減少

これは2010~20年の比較です。上尾は▲13%とマシですが、このニュースは片手落ちだなと思いました。学校基本調査によると、同十年間で公立小中学校は▲10%の3187校が消えました。年間320校の廃校です。たぶん、そのような自治体は学校統廃合なんか終え、今は水道施設の維持が悩みだと思います。誰でも、水は飲むでしょうから。 

さて、基本計画のp13では2055年までの児童生徒数の推計をしています。そこから現在(2020年)と55年の二点をグラフにしました。

1 小学校の22校、平方東小と中央小

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減少が当たり前の中にあって、平方東小のみ増加です。平方の名前を冠していますが、(太平中と同敷地で)平方の端にあるため、通学区の殆ど大谷地区です。通学区はアピマップで見られますが、下はネットからの拾い物。


Photo_20220803182802

 開校時は千人弱もいた平方東小は、2000年に入って200人を割りました。5年ほど前から増加へ転じていますが、それでも十年後の400人弱が回復限界のようです。他では、中央小が横ばい予想です。

 図にある下限値246人とは、本計画に先立つ「基本方針」にあります。最低でも、クラス替えできる2学級を確保すると『12 学級』、それには最低でも学年41人と定義しています(2クラスだと20人)。これを【許容できる最低規模の基準】と呼んでいますが、それほど厳格な値ではないと思います。

2.中学校の11校  

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 全ての中学校が減少予想です。中学校の246人の根拠も同方針にあります。

3 大谷地区の人口が増えた理由 

 首都圏のマンション価格は高値圏です。上尾は戸建て需要の方が多いですが、今の若い人たちは低金利しか知らないので、本格的に金利が上がりだすと耐えられるでしょうか。

 所で、上尾市の地域別の人口変化をもたらす理由の一つを、この学校計画書の中で発見しました。それは、地域別の宅地開発の面積推移です。平成時代に一番広がったのが大谷地区です(下の緑色)。上尾道路の交通利便性やアリオ開業も生活利便性を高めたと思われます。

Photo_20220803184601
結局、人々の選択の結果です。
つづく
 

2022年6月22日 (水)

上尾市_地区別・年齢別の子供人口と平方地区

市人口は微増でも、子供の数は半分という時代。

前の 学校施設のアンケートと人口 のつづき

 上尾の人口がピークアウトしていなくても、少子化は進んでいます。小中学校の人数ピークって、はるかかなたの42年前です(1980年の31500人)。今はその半分ですよ。

 参考 1980年の市平均年齢は29歳。高齢化の程度を示す老年化指数(老年÷年少)の14%は2020年に200%へ(国勢調査より)

 人口増加(団塊世代)のために昔は学校を増やしたけど、この先も少子化だから、過少クラスの回避や施設老朽化対策のために再編成等々をしましょう、と言うわけです。こう書くと、反射的に怒り出す人も現れますが、狭く見れば特定エリアの少子化問題であり、広く見れば学校施設維持費(税)の公平さと持続可能性の問題です。

 この前段が平方幼稚園の廃園問題なのですが、「嫌われたくない議員」は先送りで逃げます(本6月議会に閉園議案が提出済み)。では、もっと人口問題を細分化してみます。

1.上尾市・地区別の年齢別人口  市の人口サイト2022/1/1

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人口が多いのは団塊世代とそのジュニア。そして団塊の孫がいないのが先進国で共通と言われます。グラフの0歳児を20歳へずらせば、社会の担い手の先細りが分かります。

グラフからは平方地区の絶対数の少なさが目立ちます。市誕生の3町3村合併時では上尾町、平方町、原市町、大石村、上平村、大谷村の順であるように、平方のポテンシャルは高かったはずです。古くは水運業も栄えたようですが、高崎線や道路の開通が進んで陸運にとって代わられたかもです。無堤防区間はその名残でしょうか?

開平橋の完成は当地をたんなる通過点にしただけでしょうか? 最近、上尾道路の開通で物流倉庫や企業立地が増えましたが、人口には寄与していません。大きな道路は生活圏を分断しやすいので、反対側エリアに利をもたらしたかもしれません。また、浸水リスクの見える化も影響します。平均年齢は52歳と最長。

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最近の上尾の人口維持には大谷地区が貢献してます。平均44.6歳と一番若いのは転入増によります。人口は上平地区を抜きました。区画整理事業を終えて住宅開発が盛んなのだと思いますが、上平は区画整理への反対が根強かったから宅地開発が遅れた、と地元の方から聞いたことがあります。

2. 15歳(中学3)までの人口増減をみる 

 地域別の年齢別人口を2017年からexcelで公開しています。なので、2022年までの5年間の地域別の年齢人口の変化率をヒートマップで示します。 増減0%が白、減少が赤、増加を青のグラデーションにしています。

Photo_20220619124901

たった5年間なのに市全体の子供数(右下)は▲6.1%、1900人減です。子供はずーっと減り続け、全体がほぼ赤系に染まっています。そして大谷地区だけが独り勝ち。でも年少さんは頭打ちかな・・・。

減少では平方地区が際立ちます。0歳児の▲50%は極端ですが全体でも▲22%と大幅です。実は10年前比なら▲33%です。他には、上平と大石地区の入学前人口の減少が気になります。

次は、地域からさらに通学範囲に絞り、つまりは学校別の少子化の行方を見ます

つづく

 

補足 重要な母親候補人口の動態

人口再生産の中心になるのが「20~39歳の女性人口」です。東北地方では男性の1.6倍の規模で女性が転出しているそうです。地域別の転入出データは不明のため、5年間の増減人数のみ示します。

年齢区分 上尾 大石 原市 大谷 上平 平方 総計
0-9 -60 -255 -194 145 -147 -85 -596
10-19 -210 -223 -111 20 -158 -71 -753
20-29 159 -5 166 103 123 -27 519
30-39 67 -353 -235 134 -239 -92 -718
40-49 -655 -741 -376 -79 -239 -172 -2,262

 

 

 

 

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