カテゴリー「上尾市の教育」の29件の記事

2022年12月 7日 (水)

上尾市の教育集いはVAR判定で失敗へ

場末の映画館に見る、やっています感。

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最近、2つのイベントに出席した。共通する根深い問題があるので書く。

●「新しい時代の学びにふさわしい学校を考える集い」

11/12土、文化センターで開かれた。長いタイトルだが、要するに学校統廃合問題の一貫だ。

 前段は建築系教授の最新式学校の事例、後段はパネルディスカッションで、学校長やPTAの人達が登壇して(なんとなく仲間内の)意見交換をする。(既に案内サイトは閉鎖しているが)二時間くらいだったと思う。午前と午後の二回やった。

 同じ内容を一日に二回やるとは信じがたいが、多くの市民や親たちに聞かせたいというなら、明かに過剰であり、実際失敗だった。

でも、その失敗ぶりを、市サイトの写真を見ても 絶対に分からない。わざわざ「集い」と名乗るなら、キモは『何人来たか』である!

市の写真は、見せたい部分のみを写しており、サッカーボールが線外にあるように見える効果と同じなのだ。ここは、VAR判定と行きたいが、下の写真で代用としよう。クリック拡大

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 午前は約30人と聞いた。午後は何かの授賞式を冒頭に入れたため(上)、それなりの親たちが来ていた(スマホで撮っている)。そして、現役の親子達には統廃合は無縁だから、式が終われば帰り、観客席には畠山市長らを含めても33人位だった。まさに場末の映画館並みだ。

 遠くには寝ている高齢者もいたが、何人か背広服姿の人が不釣り合いだった。次に控えたPTA関係者だろうか。というわけで、素の市民はおよそ20人?が、市内で一番でかいホールに来たわけだ。反対派の議員や党派的な人は見なかった…。

 長澤教授の話は退屈だった。既知の分もあるが、ようするに新築事例のオンパレードだ。そこに行く着くプロセスの泥臭さと自治体や住民の葛藤を語れないのだからキレイごとである。案の定、この先生ダメだなーと確信したのは、締めのフレーズだった。

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『学校は教育施設ではない、学校は学校である』

 禅問答みたいなまとめで、したり顔されても困るんですよね。

 当方なら、「学校も人口オーナスに向き合あわないと未来はない」かな・・・。

 結局、後半は見ないで一緒に来たSさんと帰った。

お茶しようとしたが、文化センター内も市役所横もやっていないので、ル・ソレイユという店に入った。店主らしき人に、コーヒーだけでは割高ですからパン買って、と言われ、困った。

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甘いの避けたら、腹持ちしてしまった。今まで素通りするだけだったが、パン屋喫茶みたいな初体験をした。この日の忘れられない二人の集いと想いで…。

●足りない姿勢

 イベントが終わると直ぐにサイトを消してしまう悪い癖がある。アウトプット(成果報告)が必要なのにそうしないこともある。講演会なら何人来たかは最重要指標であり、そんなイロハにも無関心だ。「無事終わる」や「やっている感」で満足してないか。上と次のデジタル講座ではアンケートもしたはずが、その集計報告すらない。きっと、少な過ぎて統計的有意では無いためかも ( ゚Д゚)

よって、お役所仕事とこき下ろして何が悪いだろうか。更に深刻なのは、彼らはそれに慣れきっている節があることだ。 

●デジタル配信サービスの講習会へ参加

 図書館本館で11/22に3つの講習会が連続的に開かれた。音楽配信のナクソス、日経テレコン21、朝日新聞クロスサーチを午前と午後に各二回やっていた。計6回である。

 日経の記事検索の回にでた。日経の講師はオンラインだった。ただ聞いているだけだが、最後に質問はできた。もっと質問したかったが時間が押していたのでやめた。他の講座がどうだったかは知らない。

講座ごとの参加者数 午前の回 午後の回 参考・去年度
ナクソス 3 1 17人
日経の記事検索 5 6 14人
朝日新聞の〃 3 4  ---

今年は述べ22人。なんだ、これっボッチ、とビックした。

集客案内が悪いのではなく、そもそもニーズが無いのだろう。ちなみに、去年の人数には図書館職員が(研修を兼ねて)含まれている。経費(講師料)はタダであるから被害はない。また、学習スペースを新増設したので、例年のような集会室で勉強したい人への悪影響は少ない。

担当者には、「来年は土日で勤め人相手が良いだろう」と勧めた。(休日だから)先方講師に依頼できなくても、システムの概要と初歩的な操作案内なので、その程度なら市職員で十分できるはず。テキストは借用すれば良い。

 こうした市の事業で欠けているのは、コスト情報の開示が無い事だ。

上の三つの月額は約75,000円、年90万円である、サブスクみたいな定額制だから利用しなくても請求書が来る。要するにサービスの対価をいろんな機会をとらえて告知すべきである。しかし、そうなっていないのは市政のコスト意識が希薄なためだろう。その成果が、官も民もそろって他人のカネを使うという意識になる。 

 これは出ていないが出演者は11人で市職員が3人という。と書くと、水増しイベントと誤解されやすいが、純粋な自由出演らしい。ただし、館長の出演はカウントに微妙だ(^-^?)。

 初のイベントなのに早々に案内ページを消し、結果報告も無い。例えば、この本は小学生女子だとか公務員男性とかのプロフィール位はあっても良いだろう。参加者の多様性が伝わらないと継続性が削がれる。なお、このビブリオバルは以前から企画されていたものであり、それ以上でも以下でもない。

 

 

2022年9月18日 (日)

紅花保育園-3 決算から見える経営の姿

関連 1 突然の閉園、2 世の理不尽

結論を先に書くと、一回目の感想が確信へ近づいた感じ。

社会福祉法人の決算書は企業会計とは異なり家計簿に近い。元は「収支」と表現しているが、以下ではあえて「損益」と言い換えた。 紅花保育園拠点区分 事業活動計算書より 電子開示システムより

単位 百万円 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
A サービス活動収益計 107 110 116 117 114 117 120
人件費 85 85 93 93 95 98 89
人件費比率 80% 77% 80% 79% 83% 83% 74%
B サービス活動増減差額 -3 0 -4 -2 -13 -9 5
C 次期繰越活動増減差額 -30 -32 -39 -42 -58 -64 -57

 7年間の損益報告から基本項目のみ拾った。売上Aは1億1千万円台で横ばい。人件費比率80±3%で推移する。企業の営業利益にあたるBは黒字が2回のみ。また、以前からの累損Cは膨らみ▲5720万円となった。

こうも冴えないのはBの水準が低いためだ。企業でも、この本業の赤字が続くと問題ありとなる。人件費総額(給料以外も含む)は増加傾向にあったが、去年の大幅削減が黒字化の要因だ。なお役員の報酬・退職金はゼロ(定款に無報酬とある)。また、決算書には人数情報はない。

・気になる 2019年に赤字が一千万円も増えたこと

非常勤と派遣や業務委託費などで790万円も増え、人事労務に大きな変化があったようだ。しかも、この年は初めからマイナス予算(資金繰り)を組んでいた。

後で書いているが、人件費比率の平均は76%なので、80%は高めだ。それは、入所数の減少によるものか、人件費が高いのかのどちらかだ。後者なら、職員数が多いか(評判は良くなる)、構成が硬直的(正規職のみ)か、年齢が高い等だが、その辺りは分からない。

・21年に黒字化(利益率4%)した人件費の変化

人件費が1割(900万円)減った効果だ。報じられた(年末?)大量解雇の内容は不明だが、正職員の給料・賞与が1割減(520万円)、派遣職員費で6割減(480万円)である。ただし非常勤職員費は増えた(350万円)。業務委託のカットもした。

この人件費削減は、固定費(=給料)の一部を変動費化したように見えるが、流通業のパートとは違い、有資格者の非正規化はシフトなどの労務管理を難しくする。また、資金繰り予算が空欄なのも意欲の低下を感じた。

想像するに、"方針変更"の結果が離職を招き、大きな人件費減になったものの、埋め合わせで派遣を使わざるを得なかっただけでは。つまり計画的ではなく混乱していたように思う。

 B/Sもみたけど 

取引型経営では無いから負債は少ない。有利子負債も無いから無借金経営なので負債による倒産リスクは無い。棚卸資産も売上債権も負債も無いから、B/Sの右側は純資産が96%と異様。

累損5700万円はやや資本欠損ぎみだが、それは出資者の継続意欲の有無次第だろう。なお、初めから無借金経営だったのかは分からない。また、施設建設等でもらう国庫補助金積立金も少なかった。

ちなみに赤字決算続きでも運営できるのは、赤字額が減価償却費よりも少ないためだ。月末の給料支払さえ回れば良いのだが、以前2千万円あった手元資金が今は半分である。ここで現金を積み増すには借入や出資が必要だが、それには、資金の出し手に将来展望を語れないとムリ。

なお、一般企業でも、賞与月には一時的に借入をすることがあるので、去年、遅配にした原因は気になる。

 他園はどうかと思い、一つだけ「さつき保育園」を見た。収益規模は似ていたが、薄利ながらも黒字の年が多かった。累積も黒だった。人件費比率は80%と似ていた。ただし設備用の借入をしていた。

 配置基準 保育士一人につき子供何人まで

0歳児 3人
1~2歳 6人
3歳児 20人
4歳児以上 30人

配置基準により、少ない職員で多く預かって儲けることはできない。子供の数×保育料(保護者負担+補助金)が収益の元になるが、今はほぼ公費負担となり、債権回収の心配もない。

無償化政策は施設の形態や年齢で複雑なので分からないが、たぶん人件費を賄えるようになっていると思う。だから、子供数と保育士数(コスト)のバランスを保てることが経営のコツだろう。それは、全国調査からも見えた。

 厚労省の全国調査を見ると  ※1

私立保育園の全体平均では収支差320万円と黒字である。下の定員区分別でも全て黒字であり、定員が140人あたりにスケールメリット感がありそう。紅花は定員90人。

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ここで、子供一人当りの年間収益(保育収益÷人数)を求めたら、90人弱だと一人140万円だった。なんと、私立高校よりも、文系の私立大学よりも高い。

参考 一人当たりでは小学生に88万円、中学生に105万円の税が使われる。

以前の親負担額(所得で異なる)は分からないが、無償化とは大きな分配政策なのだ。なお、送迎費、食材料費、行事費などは自己負担のままらしいが、年額としてはわずか。

 利益率は2%前後と低いため、定員を少し割ると赤字になりそう。表には省略したが、⑥の人数は定員よりも0~4人多いだけだ。 実は、十年前の古い2013年の調査が見られ、利益率は4%台と二倍も高いが、定員より1割位多めに抱えていた。つまり、近年は、定員を僅か上回る程度にしか集められず、それがギリギリの経営になっているのかもしれない。

 保育士の年収と保育士不足

「良い園」と言う評判を得るには多めの正職員が必要であり、ギリギリ(或いは若い人)で回すと利益は出やすいが、負荷の高い職場となり、評判や職員定着率にマイナスとなりやすい。

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表の月額を12倍すると、勤続十年の保育士の年収は355万円。これだと、一人減らしただけで黒字化したり、非常勤に置き換える動機にかられそうだ。

そして今は、少子化なのに保育士不足だという。重労働の割に給与が低いが理由らしい。辞める人が多くて、それを埋めるはずの資格学校を卒業した半数が就かないらしい。だからなのか、求人倍率は二倍と他職より高い。

小学校の先生で20代後半が年収452万円とすると保育士は79%レベル。年中、年長、一年生と連続することを考えると、待遇差が狭まっても良さそうだ。人手不足でも給料が低いままなのは原資が公費負担だからと思う。国が支援するか少しは受益者負担を追加するしか無いだろう。

今は、少子化だけど無償化で預ける子供が増えたり、国の後押しで保育所増加もある。そうすると需給が崩れたエリアも生まれる。そうなると、どの程度の定員割れに耐えられるかが問われる。それを一般に不況抵抗力と呼び、トントンとなる稼働水準が高い経営を腰高経営と呼ぶ。この業界では、入所数÷定員という充足率が指標になりそうだ。

今後、定員割れした園と定員増の園同士で余剰職員を融通できる仕組みがあれば地域的に安定するだろう。ドクターXならぬティーチャーXだ。派遣業者がやっているはずだが、そこを公が介在することはムリなのか…。

結局

新聞が伝えた理事長発言、「保育士不足によって子どもの安全を保証できなくなった」は決算書にも伺えた。そして、たてば友愛会は桃寿苑(50室)も持っている。保育園の三年後に始めており、こちらも赤字事業だった。では、どちらを撤退するかとなれば、少子化の先細り事業よりも、需要のある老人施設を選ぶかも。そちらの建物の償却もだいぶ進んでいたな。

 以上は個人の推測です。

おわり。

※1 令和元年度「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」 e-StatにはExcel表がある。これは無料化前の2018年度のものである。財政情報はない。

参考 民間の平均年収は441万円 2018年

2022年9月10日 (土)

紅花保育園-2 閉園騒動に見る世の理不尽

前記事   1 突然の閉園   3 決算から見える姿

1.万が一の連想

先日、幼稚園バスの置き去りで子供が亡くなった。痛ましい事件だが、思い出したのは、「上尾熱中症放置死」埼玉新聞 だった。

不注意の重なりが招いた事件だが、対策をハイテク技術でカバーしようとするのが何とも残念な日本だなと思う(基本動作は指差喚呼)。しかし現実は、毎年のようにダメ親が現れて我が子を車内放置死させたり、或いは、車庫周りで幼児が轢かれる事故死の方が多い。

さて、先月に紅花保育園の件を書いたが、理事長の閉園理由を要約してみた。

「今まで無事故で済んだのは良質な保育士が安定供給されたため。でも近年は、保育士不足や大量退職があり、確保できない。結果、園児の安全の前提が崩れる。そうならないうちに来年で閉園したい」

当節、安心安全を過剰に言う傾向があるが、このタイミングで上の報道に接すると、預ける方も預かる方も、不安の連想に陥るかもしれない。人ごとではないのだ。

2. いきさつ

 世間は8月末の埼玉新聞で事態を知ったが、実際は7/10に保護者会で閉園が伝えられた。記事はYahoo!へも配信されて市内外へ拡散し、コメントは240件付いた。

 さて、閉園8か月前の告知は、世間を騒がすトンデモ事例よりはマシであっても、二年間を予定していた家庭には計画が狂った。40年以上も続く所が閉園するなど予想外だから、戸惑いや怒りは当然だ。既に親たちが理事長へ要望書を出し、M&Aとか事業継承や閉園延期、決算書の開示を求めた。上尾市へも要望書を出し、上記以外に、仮設園舎の建設や転園優遇策などを提案した。

 しかし、法的に閉園を止めることは出来ないし、何日前に通告すべきというルールも無い。来春までに転園先が見つからないと、予定外の待機児童状態になる。上尾市の4月の同児童数は9人、これは過去最少である。

 市が間に入って調整中だが先行きは不透明。そのためか、一部とはいえ、興奮した”発言”もネットに漂う。「理事長をやめさせたい」というが、それを実現したら即、廃園だろう。問題解決には冷静さが必要である。

 市は近隣施設に臨時的な定員増と職員増の支援をすると予想するが、人数が多いために難しい。しかも何をした所で、常に他園や他保護者との公平感にも配慮しないといけないのが行政の立場である。恒久的な対策はその後だろう。

 そもそも、毎年のように保育施設が増えていないか? 一方、子どもは減っており、幼稚園と同じく保育園もいずれ廃業するところが現れる位は予想がつく。

 上尾市 保育施設一覧 

 まず、上は、参考程度でも良いから合計人数を入れて欲しいね。63カ所位あるが、最近の閉園例に、しらこばと保育所(定員80人)の他に、今年3月に小泉のたけうま保育所(定員19)がある。代表者が、高齢を理由に事業廃止を伝えたのは、丸二年以上前の令和元年という。廃業が問題化しなかったのは、早期告知と小規模だったためかもしれない。なお大石地区に私立保育園(75名)が令和5年に開設予定という。

 何が言いたいかと言うと、今、議員が急に張り切っているが、そもそも撤退問題への備えを議会で取り上げた節も無く、今頃閉園を知って、「どうなっているの?」と問う議員の姿が、題名のない会議録に見えたからだ。

3. 紅花保育園を巡るネット社会の落とし穴

 当ブログ以外で紅花を扱ったネット記事があった。福祉に詳しい人が最新決算を引用しつつブログで書いている。

 決算書は、全国の社会福祉法人の電子開示システム

 いきなり、B/Sからの考察だったので感心して読んだのだが・・・何度もびっくりした。

それは、法人単位の貸借対照表(三号第一)である。2021と20年のB/Sと二年間の差額が書いてあるが、その差額が全勘定科目オール0 だと指摘した!

「会計でこんなことはありえません」と嘆くように、トンデモ決算だ。

 『ほー、よくぞ発見したな。粉飾決算かよー』って思った。

更に他の決算書類を取り上げていたので、読み進めた。最後のまとめを要約した(※この部分訂正した)


 計画倒産を狙ったのでは?

 特別監査の必要がある

 上尾市は今まで何をやっていたのか?

 まず、彼が見つけた二年間の差額0という”大発見”。実はその原因はバカみたいなものだ。2020年の列に、21年の値がコピーされていた。だから差が0は当たり前! しかし、それを指摘せずに話を続けていた。

 二年間のB/Sが同じなんてあり得ないから、単なる、出力時の指定ミスだろう。また、20年用のフォルダを覗けば正しいB/Sがちゃんとある。他にも、累積と期間を混同するなど残念な内容が目立った。なんだか、最近見かけた、自分の勘違いに気が付かずに自画自賛するブログを思い出してしまった。

 とまあ、無報酬で40年も維持しながら、理事でも無い人から辞めろと言われる筋合いは無いし、出力間違えただけなのに計画倒産とかディスられたり、ネットは理不尽だよね。しかも匿名で!

 でも、『上尾市は何やってんだ?』は、言えてる (^-^?)。

 というわけで他市民に任せないために、決算書からみる紅花保育園の経営実態を書いてみた。

つづく

関連 10年前なので古いけど、幼稚園が消える~毎年100以上廃園に 

 

2022年8月 8日 (月)

どこから上尾市に転入し、どこへ転出したか

南からファミリー世帯が越してくる街!? 

去年、上尾市の人口が23万人へ到達したことを、「ここがイチ押し」と広報が自慢していた。首都圏での立地、住宅価格、宅地供給、さらに市政策も(?)奏功したのだろう。ありていに書けば、人口勝ち組の県南エリアに属したのだ。

人口動態を見ると、21年度は約千人の純増だ。理由は、大幅な自然減860人(出生-死亡)にも拘わらず、バブル期に迫るような転入超過1850人によるものだ。

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今後も少子高齢化により自然減は増えるが、景気の落ち込みや金利上昇が無ければ転入超過を維持できそうだ。なお、本稿は、学校統廃合の一環で書いているので、繰り返しとなるが児童生徒のピークは1980年である。

さて、一年間に1万人が上尾市に来て、8-9割が去っていく姿をみていると、一体どこから来て、何処へ行くのだろうかと興味がわく。

 5年間の地区別人口増減 

 次表は、住民基本台帳ベースの直近5年前比である(2017/1/1~22/同)

地区名 5年間の増減人数
大谷 2,092
上尾 1,649
原市 112
上平 -263
平方 -518
大石 -657
総計 2,415

更に、住居表示で増えた順を示してみたが、大谷北部では町名地番変更があったので、正しい比較はできなかった。特に1~4位が新住所エリアだ。比較可能な上町ニ丁目は、190世帯のマンション竣工が寄与したのだろう。減った住所地は省略した。

順位 地区 町丁字名 増加
1 大谷 壱丁目南 1074
2 大谷 壱丁目東 974
3 大谷 向山五丁目 837
4 大谷 壱丁目北 747
5 上尾 上町二丁目 637
6 大谷 西宮下一丁目 282
7 大谷 大字大谷本郷 257
8 大谷 壱丁目西 250
9 上尾 大字上尾村 249
10 大谷 今泉四丁目 236

 

新市民はどこから来るのか?

それを紐解くのが国勢調査データだが、市のサイトでは知らん顔、統計あげお でも分からない。国のe-Statへ行ってもそう簡単に抽出することはできない。しかし、埼玉県庁が去年公開したツールを使うと分かる。

23Mbの巨大なExcelファイルは、VBAを使わずデータ関数式のみで構築した優れモノだ。これは、2015年の国勢調査のため、2010年との変化を見ている。なお取説は無い。

●全国の市区町村別移動人口見える化ツール

 年齢別の純移動(転入-転出)

純移動
0-9歳 156 169 325
10歳~ 70 131 201
20歳~ 209 409 618
30歳~ 317 90 407
40歳~ 83 169 252
50歳~ -42 110 68
60歳~ -81 31 -50
70歳~ 44 46 90
80歳~ 11 -6 5
767 1,149 1,916

  元は5歳階級だが、10歳別にまとめた。20代、30代が最多世代となり、9歳以下も多いためファミリー世帯の純増と思われる。どの自治体にとっても一番来てほしい層である。

 なお、幼児が5年間で一校分(325人)増えたからと言って、学校統廃合の問題が解消されることはない。人口の偏在というエリアの問題であるからだ。

何気に、昔から若い世帯の転入が多いことで有名な伊奈町を見てみたら、80代以上が最多だった。高齢者施設が多く開所したとか・・・?

  上尾市への転入は、さいたま市・川口市など南から 

順位 市区町村名 純移動 転入者数 転出者数
  1,916 24,052 22,136
1 さいたま市 北区 265 1,426 1,161
2 川口市 170 669 499
3 さいたま市 桜区 142 296 154
4 さいたま市 見沼区 140 977 837
5 熊谷市 129 379 250
6 さいたま市 南区 112 404 292
7 下関市 109 115 6
8 練馬区 86 193 107
9 蕨市 84 172 88
10 深谷市 72 182 110
11 北区 67 244 177
12 足立区 59 184 125

 上尾市から転出する人は、より北へ?

順位 市区町村名 純移動 転入者数 転出者数
1223 蓮田市 -28 369 397
1224 豊島区 -28 101 129
1225 中央区 -31 10 41
1226 日野市 -32 13 45
1227 北本市 -38 569 607
1228 さいたま市 西区 -40 484 524
1229 加須市 -60 161 221
1230 白岡市 -61 111 172
1231 鴻巣市 -68 472 540
1232 久喜市 -70 293 363
1233 伊奈町 -338 607 945

伊奈町、恐るべし!。市民から町民になっても気にしない人が多い…

もうじき、2020年の国勢調査を組み込んだツールがでるので、改めて比較したい。

つづく

 

2021年2月 1日 (月)

上尾市役所の当事者意識の欠如三部作

前記事では人口増加への行政の当事者意識の無さを書いたけど、同じころ、傍聴するだけ時間の無駄だったな…という感想記事がありました。その気持ち、共有体験ありますね。

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以下、上尾オンブズマンの館(総合教育会議)より、部分引用

市長が盛んに興味を示したのが、こちらのデータです。(上のグラフのこと)
市長は「中学校の学力が下がっていますね」と何度も発言していました教育長や教育委員は答えません。仕方なく教委事務局の答えが「成績が下がっているように見えるのは…グラフのマジックと言いますか…」というものでした。傍聴していて「なんじゃ?それは?」と…

この棒グラフは悪い使い方です。変化を強調したいときに使うダマしグラフと呼ばれる手法です。教育委員会にはそんな悪意は無かったと思いますが、最初に作った人或いはその界隈の資料がこの形式だったためでしょうね。それを毎回、"何も考えず"上書き更新するからこうなっていると思います。

ちょうど、かまちょ図書館でもコロナ対策本部の報告文で、内形という表現について、内容の間違いなのに庁内誰も気が付かない。会議が終わってしまえば、内容なんてどうでもいいのではないか』と書いてます。(上尾の公文書バグは以前から、本が書けるくらいある)。

文書の上書き利用が悪いわけではないけど、役人の前例踏襲は成長を否定するだけでなく、大過なく過ごそうとする当事者意識の欠如に繋がります。

で、このグラフ分析は全国平均を50にした差分を気にするのだから「市値-50」とすればよいはず。

「差」に敏感な「」の先生ならそう作るはずですが、公務員にはその発想は無いのです。たくさんの税金予算を消化しているにもかかわらず、当事者意識が足りません。余計ですが、公教育への期待値が教育熱心な世帯から下がるのです。

例えば、です。上の棒グラフより分かり易いでしょう。

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本当は、埼玉県南部地域(全県ではダメ)の平均値も入れ、10年スパンにしたいものです。

この程度の変化では、学力増加と投入資源との因果関係は?ですよね。さかんに気にしていたのは、彼の頭の中は市長選用の実績探しの旅に出ているためでしょう。

アドバイス「大丈夫、小学生の親の方が人数多いですよ」

 

過去記事 全国学力テスト(埼玉県、上尾市、さいたま市等)の比較

 

2020年12月18日 (金)

細野教育長代理のドラえもん・いじめキャスト言説

上尾市教育界のドラえもん的舞台が将来の炎上になるかもというお話し。

上尾オンブズマンの館に、上尾市教育委員会の細野宏道氏の発言がのっており、厳しく批判された。

 学校での「いじめ防止」に逆行する、細野教育長職務代理者の<識見>とは

あまり市民の琴線には触れなかったようなので、コメントを書いた。こちらへどうぞ

最近に喩えると、菅首相が、目指す社会像として『自助・共助・公助』の順に語ったことへの違和感を想い出した。つまり、公的機関の要職にある人が、自分のやるべき仕事を理解できていないというものだ。下に細野発言を引用する。

ドラえもんの中には、ジャイアンがいてのび太がいますけれども、あれは何かというと、僕は子どもの社会だと思っています。すなわち言葉は不適切かもしれませんが、いじめるような子もいて、いじめられるような子もいてそれをどこか抑える子もいて傍観している子もいる。すなわちいろんな子どもたちがいるというのがやはり小学校幼稚園は重要だと思っています。

前後の話しは分からないが、二度も別な場面で語っているので、脳内では確信的なたとえ話しなのだろう。好意的に解釈すれば、いろんな子供達の間でもまれながら、たくましく育ってほしいというようなものになる。

しかし、要約すれば、子供社会のいじめを取り巻く登場人物をステレオタイプに羅列し、そういう舞台が子供の世界には重要だと言っている。現状追認的なのだ。これを「いじめキャスト」言説と呼んでみた。

現実だからそうだよねと同意しやすいが、或いは家庭内で父権的に言うならともかく、彼は上尾市教育委員会のナンバーツウだよ。この考え方は今の時代の教育行政に係る人としては不適格である。

オンブズ氏も指摘するように、上尾教育委員会の統一指針「いじめは見逃さない、いじめの未然防止」を市民の代表者が理解できていないという事になる。

「いじめは見逃さない」とは、シャイアンのような振舞の子がいたら、上手に直してあげないとイケないというのが今の教育だ、と私は理解する。ドラえもんとかサザエさんって、昭和の人が描いたんだよね。

細野氏と教育委員会ではダブルスタンダードになっている。

たぶん現場教員は「この人、現実を分かっていないな」と取り合わないだろう。しかし、「間違いですよ」と意見する公務員もいないのだ。そもそも、気づいたのは市民一人・・・

上尾市の教育委員会を巡っては、池野和己教育長の浪費的な仕事ぶり(新幹線で間に合う遠地出張を公用車で送り迎えさせたり、観光旅行もどきスケジュールにした等々)で辟易していたが、メンバーにも問題ありという指摘になった。

今の所、畠山市長と池野教育長はこの発言を容認した形だが、万が一に上尾市の学校現場で事案が発生した時、この発言はネット界隈で取り上げられて炎上するだろう。

関連

教育長に対する住民監査請求の結果-10、事例、上尾市、却下

上尾市教育委員会は追認機関?、委員は名誉職?

 

2020年9月 4日 (金)

三条市の40度超え熱さは隣の教育長炎上のせい?

偶然、どちらも馴染みのある市なので気になった。

9/3木、新潟県三条市では気温が40.4°という九月としては日本新記録を達成した。日本中に知れ渡り、市民にはありがた迷惑だったかな、それとも二位よりもマシだったかな。

埼玉県の熊谷市なんか、居直って喜んじゃうくらいだけどね。

本日の暑さの原因は、台風のフェーン現象らしいけど、近場でボヤがあった。

三条市の北に燕市(つばめ市)という小さい市があるが、9/1日に遠藤浩教育委員長が辞職に追い込まれたとニュースに出ていた。

全国紙ではよく分からないので地方紙を読みに行くと、中身は教育委員長の一人芝居に過ぎなかったが、やっぱりな―という感じのする事実があった。でもそっちの方は副次的な扱いだった。

新潟日報の記事より引用 (問題の文書の一部)

 今のコロナ禍を短時間で解消する方法は、どこかで大きな戦争が発生することではないだろうか。中国とアメリカが自国以外の地域で戦争を始めれば、お金は動く。

 コロナ騒動などそっちのけで、ミサイルの発射の瞬間が繰り返し放送されるだろう。きっと経済が上向くきっかけになるのではないか。クリミアでもいい。

 紛争とか戦争が始まれば武器という商品で経済は回復するだろう。罪のない人間の命との交換である。他に何かいい策があるのだろうか。愚かな人間であり続ける限り、注目の矛先を変えることでしか事態を乗り越えられないのかもしれない。

記事からは戦争容認としているわけでは無いから、ステレオタイプに反戦感情や左翼的な視野で批判するつもりはない。

というか、上を読んだ人は誰でも不思議に思うのは、「コロナ禍を短期間で解消する方法は」の答えに戦争を持ち出す人なんて滅多にいないはず。強いてトランプを連想するくらいだ。

フツーは、ノーベル賞級の特効薬、優れたワクチンとかって連想するだろう。戦争による経済回復という発想は今の時代では貧困すぎる。教員上がりの人なのだと思うけど、凡庸な人が教育長になったという事例かも知れない。

で、二番目に問題と思うのが、事務方職員が読んでいたのに(読んでいなかったかも)、反応しなかったということだ。

教育委員会事務局の知性が足りないのか、幹部の作文を添削するなんてムリムリという公務員の習性なのかは分からない。

記者-文章をこのまま載せると真意が伝わらないという指摘はなかったのか。

教育長-「事務方のスタッフからはなかった」

まさか、不注意をワザと見逃して失職させる陰謀だったりして・・・( ゚Д゚)

いずれにしても、今後は「教育長の原稿をチェックする」という"お仕事"をマニュアル化するんだろう。それも二人がかりで・・・。

そうなると味気無い文章になりそうだが、「仕事を作った」という点では、かの世界では成果になる。

ただし、わが街の公用車依存症教育長よりはコストがかからないかもしれない。

 

2020年1月26日 (日)

食事代よりも学力代

関連 1 無償化の是非 2 反対論 3 おかわり(本稿)

政治屋はコメ百俵より、百票か?

 前記事の、学校給食無償化問題コメントが寄せられていた。一般に、コメント欄は可読性が劣るため、短くキレがあるコメントが好まれ、長文は読まれにくい。特にスマホの人は殆ど見ないかも・・・

 書き込まれた「落首」という聞きなれない言葉にギョッとしながら調べたら、「江戸時代、人の集まりやすい辻や河原などに立て札を立て、世相を風刺した狂歌を匿名で公開する。」とある。昔のSNSみたいだが、当記事がそうだと言わんばかりに読めたので、ガクッと管理人の首が落ちた(笑)。

 その趣旨には二つ目のコメントが近いと思っていたら、教育行政に詳しいオンブズ氏もコメントを寄せた。内容は彼のブログに再掲なのでそちらの方が読みやすい。どうやら、もう少し書き添える必要があったようだ。

 まず、財源(2.9億円)は提案した人が説明すればよい。行政が提言したわけでは無いから『業務の見直し』からひねり出したり、『皆で納得するコスト削減』というのはムリ。削減を主導できるリーダーもいない。そして、前記事のように財政の数字を持ち出すのは、できない理由を数字で説くみたいに見えるので、文末に後回しにした。ざっくり言えば、上尾の資金繰りは赤字だ。

 ●実効性が不明な政策

 給食無償化とは子育て支援であり、転入促進にはなり得ないから混同してはいけない。
いきなり話はそれるが、上尾市には「子育て三世代同居」の転入促進策がある。新築や増改築と家族構成によって条件付きだが10~30万円もらえる。
しかし、転居や新築は大きな制約条件を突破して家族が決めること。この程度でインセンティブになるとは思えないが、固資税や住民税で5年もあれば回収できるのかもしれない。(他市並みに)やってます政策にみえるが、実績対応のコストなので害(損失)はないのが救いだ。元々同居を計画していた人にはラッキーだが、どれだけの実績があるのかは何も書いてない。インプットしたらアウトプットも書けよ、自慢できる数字は無い?(笑) 

「W逮捕やブロック塀問題」は市政に憂える人には重要ごとだが、一般市民には関心が薄い。まして市外の人には問題ではなく、転入の妨げにならない。だから、最近は転入超過である。

 ●支援に群がるより、自らコストを払ってでも住みたい街へ

 他市と似た支援策より、子供が通う学校の雰囲気や将来性(少子化エリアではないこと)、教育レベル(評判)を気にして、この街を選んでもらえか否かが重要だ。給料が上がらないと歎きながらも、私立高校への進学が増えるのは、ムリをしてでも”高い教育”や"その後の案心"を子供に得させたい親が多いためだろう。

無償化は10年で20~30億円かかるならば、『食事代よりも学力代』に投資すべき、というのが一番の反対理由だ。

では、「質の向上策は何?」と問われても専門ではないから答えようがないが、上尾の教育水準は高そうではないという認識では一致するだろう。そこから先は、問題意識を持つ人やまともな教員に学力向上策を出してもらえば良い。何期もやっている議員ならば、本当は提案できないとおかしいのだ。「指導主事事制度の縮小で管理部門から人とカネを現場に回す」とか「小中一貫校化」という玄人受けする提案を以前したように(蛇足ながら、上尾高校の中高一貫校化なんてのもイイと思う。駅近で人気ある進学校になれるはず)。

 というわけで、凡庸な市教育委員会が邪魔をしなければ、大宮の北にあるプチ文教都市という構想が欲しい。そして学力向上策が提案され、2.9億円をどちらに使うべきかと世間に問うたとき、給食費が選ばれるようでは衰退する。

●推進者は「義務教育はこれを無償とする」という憲法理念で迫るかもしれないが、やや矛盾を感じる。なぜなら、義務教育ではない高校授業料の無償化が、先に大々的に行われているから。今は年12万円を支援して公立高は実質無償、私立は年収制限付きで18~30万円、2020年度から私立の授業料平均値の40万円とかで、予算は約4200億円という。

●上尾市の決算収支の推移

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誰もが知りたい、決算の赤字・黒字を示す項目は四つもある。形式収支、実質収支、単年度収支、実質単年度収支と分析の深さが進む。これは累積値を区別しにくい単式簿記ならではの弊害と思うが、誰が見ても良く分からね(笑)。

それに乗じているわけでは無いだろうが、上尾市は実質収支までしか公開しない。実質収支は貯金の出し入れと言う決算操作で黒字化できる見かけの値であり、どの自治体も黒字である。その操作を除去して正味の一年間の差額を見るのが単年度収支である(グラフの赤)。H30年は▲1.5億円

所で、自治体は黒字(儲け)を出し続けることが目的ではないから、単年度収支は黒字と赤字を適当に繰り返すのが良い。しかし、上尾市は単年度収支が三年連続で赤字となり、さすがにこれは良くない。「給与と生活費のつり合いがとれない家計」である。
その不足に取り崩す貯金が財政調整基金なのだが、ここ三年、残高39億円のまま。手を付けていないのは、まだ
過去からの余剰金でやり繰りできる赤字幅だからかもしれない。

ここに手を出すようだと、高齢世帯が貯金を取り崩して生活するのと同じになるが、市長や議会の圧力が強いと、虎の子の財政調整基金を取り崩されやすい。

先ずは、そうなる前に身を切る改革を。

分かり易く言うと、濡れたタオルを絞れ。

 

2020年1月19日 (日)

上尾市の給食費無償化に反対-2

フリーランチは無い。

前記事-1では、給食費のコスト、無償化(無料化)の実施自治体や就学援助などの事例を示した。ここからは反対意見を展開しよう。

1 上尾市の財政力指数0.91は大都市圏のベットタウン市としては一般的なのだが、収支の余裕のなさを示す経常収支比率97%は県下4位と高い。内訳の義務的経費比率59%(歳出に占める、人件費・扶助費・借金返済等)に至ってはダントツ一位である。特に職員人件費(歳入の18%)と扶助費30%が高い。しかも扶助費は年々対象者が増える。(2018年度県資料)Photo_20200118232301

 しかし、このような比率では理解しがたい人もいるので、世間との比較で示すと、市民一人当たりに使う
実質歳入額(27万6千円)は全国で下から6位である(814市区、2017年度)。

 隣のさいたま市民より約14万円も少ない。以前に書いたが、上尾市だけの値をのせる広報記事からは街の姿を見誤る。(なお、一人歳入額が単に多ければよいというものではないが、当市の歳入構造は弱すぎ。その辺りは別の機会に)

 だから中学校に限定しても三億円の支出は重い。このような大型で経常支出(毎年支出)する独自政策を掲げるならば、他の予算を減らすなどの財源提案をしないと、素人政策である。つまり、何かを減らして、何かを増やせという「配分論争を避けていては」政治にならない。

2 中学生一人で年5万円の支給となる(私立や他市へ通う世帯にも同額を払う)。同じ「義務教育」なのに隣市に住む人からは不公平に感じないだろうか。つまり義務教育における給付とは全国公平であるべきだから、これは国政テーマなのだ。国が小中学校の給食無償化をするには5,100億円位と言われる。

前記事に上げた全国実施率4.4%のうち、人口一万人以下が7割もあり、最多でも7万人市なのだ(小学校だけなら11万市がある)。また生徒数は200人以下が大半という。著しい少子化に追い込まれた町村が国の交付税を原資にしてタダにしても、不公平だと思う人はいないだろう。人口の多い市は躊躇するようにみえる。なお、未納率の高さと無償化の関係は分からない。

3 最大の反対理由は、『この街の教育に欠けていることは"給食費負担"では無い』ということ。毎年3億円の給食費より、『もっと教育の質を高めて欲しい親の方が多いはず』と思う。やるべきことは他にあるだろう、という意見だ。

 ところが、やれ英語教育だ、ロボットプログラミングだ、IT教育だと国からはダボハゼ的なメニューが押し付けられており、子供や先生は給食よりも"未消化"だろう。だからメシ代よりも、教員強化に重点を置くことで質の向上を狙う方が好まれる。
その街の教育水準の高さ」は給付型の子育て支援策よりも教育熱心層や高所得層にはプラスの転入動機となり、市税増収にもつながるという構想力が欠けている。Kyusyokuhi_harawanai_20200115170401

4 強いて検討すべきは(保護者が学校に直納する)私会計を改め、行政システムに組込む公会計化だろう。導入と維持
コストが必要だが、当節、先生の働き方改革の面で望まれている。幸い上尾市の未納率は0.3%ほどと全国値0.9%より低いから督促は比較的楽かも(つまり今のまま)。 

5 政治家は選挙になると負担の減るバラマキ政策を連呼しやすい。負担を負わない人はバラマキをフリーランチと誤解しやすいが、第三者または未出生の次世代へのツケ回しなのだ。食べた子供が大人になって市民税を納めれば"後払い"として帳尻は合うが、他市へ引っ越したら食い逃げだよ (ジョークね)。

中学の給食費 合計 納付生徒 準要保護 要保護(生活保護)
人数 約6000   656 ※1  
食材費 29,600万円   支援 支援
構成比 100% 約85%? % %

※1 h31.3/6文教経済委員会

 議会はデータで議論しないから上表を埋められないが、前記事のように"学習支援制度"がある。しかも、全体で十数億円の給食コストのうち、材料費負担のみで済むものを"文字通り"のフリーランチ政策にするわけだから選挙目当てに見えてしまう。

「そんな言い方は無いだろう」と怒る人は国政レベルで主張すればよい。

これは、限られた資金に対する価値観の問題でもある。

 例えば

   米百俵の精神みたいな。

追記の記事 食事代より学力代

 

2020年1月12日 (日)

学校給食の無償化の是非-1

上尾市の学校給食はハウマッチ?

次記事 反対する理由

市議選時に政策テーマについてリクエストされていたので漸く書く(当時は敢えてアップしなかった)。

共産党は前から小中学校の給食無償化を主張していたが(公明党も同じかもしれないが詳細不明)、昨秋「市民の声」がチラシで取り上げていた。不正な無駄使い(新図書館関係で4億円)したことへの反論の一つに中学校の給食無償化2.9億円をPRしていた。ちなみに一回の無駄使いに対して、毎年支出する政策を充てるのは可笑しい。

さて、「わぁラッキー」と当該世帯は喜ぶべきなのだろうか。一般世帯には、「そこまで必要?」と思いつつも、非寛容的な人と思われたくないからスルーしがちだ。しかし大衆受けしやすい政策は、何かのはずみで政治的多数派になって実現する可能性もある。だが、その前にデータで紹介しよう。上尾市の給食費のデータである。

上尾市 年間(万円 材料単価(円 月額 推定市価 人数
小学校 49,000 250 4,300 625円 11000
中学校 29,600 310 5,200 775円 6000
合計 78,600       17000人

今は年間総額を11カ月で割り、日割り等で加減している。そもそも、(学校給食法11条)学校給食は、施設整備運営費は自治体が負担し、食材費は保護者の負担というように、前から労務費と設備や水光熱費は税金で負担している。上尾市は各家庭が各学校口座に振り込み、各校がそのカネで材料費に充てる仕組みをとる(私会計と呼ぶ)。

一般に飲食店の材料費比率は30%なので、学校給食だから利益分は無しとして(仮定の)利益10%をのせて40%で逆算すると、一食775円のランチである。その6割が補助されているわけだ。街の定食屋と比べてこの価格が高すぎるのかは給食の実態を知らないので分からない…(50%なら500~600円だ)。

ようするに無償化と言うと食材費の無償化という意味になる。埼玉県では次の三町のみ。滑川町0.92、小鹿野町0.34、神川町0.52 参考:上尾市0.92

値は自力でカネを集められているかを示す財政力指数だ。滑川町の指数0.92は町としては県下トップクラスである。東武東上線駅前の宅地開発が盛んで出生率も県下一位と好循環であるが、非常に稀な例である。こちらのグラフ小鹿野町は2015年より完全無料化。16年度決算では生徒数866人分で約4100万。神川町は2019年度からで、4小学校の630人と1中学校の320人で約4000万円。

2017年度の文科省調査でも全1740市区町村のうち小中学校無償化は76で4.4%しかない。多くが人口一万人以下の町村という。つまり少子化対策・定住促進の面が強いのだが、財政力指数が低い場合は自前の町村税ではなく、地方交付税が原資と言えるかもしれない。

上の3町は人口二万人以下であるが、上尾市の児童生徒数は17,000人いる。仮に、困窮対策が目的ならば、既に就学援助制度で保護されている。古いデータだが、下は要保護(生活保護)児童と準要保護児童数と給食費支給額だ。就学援助対象は1600人、7000万円近くである。

H25年度の人数(2013) 要保護と準保護人数、比率 給食費支給額
小学校 12,238 985 8.0% 3900万円
中学校 6382 656 10.3% 2900万円
18,620 1,641 8.8% 6800万円

国の「生活保護法」以外に、学校教育法第25条は経済的に就学困難である者に、市町村が必要な援助をしなければならないとあり、準保護制度が自治体ごとにあり、学用品や旅行代、給食費などを支えている。上のデータ、就学援助対象人数の比率8.8%だけでは、上尾市は多いのか少ないのか分からないが、実は全国の小中学生の16%が対象であり、6人に一人は給食費無償と言われる(2012年度)。

それでも冒頭の政策は、所得に関係なく対象全員を無償にするのだから、選別主義から普遍主義(誰でも給付される)へというわけである。中学校に限れば、10人中9人もタダにしますということだ。

次記事 反対する理由へ

 

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