カテゴリー「上尾_議員定数」の4件の記事

2019年7月28日 (日)

議員定数削減に反対した共産・池田議員の寄稿

1指定席 2投票率 3ピンキリ 4新人今昔 5NHK 6請願1 7反対論(本稿)

請願の目的は予定通り達成しました。

 定数削減請願(こちら)に反対した日本共産党の池田達生議員より、委員会での発言趣旨が届きました。もう、終りにしたかったのですが、意見を異にするものであっても論理性のある内容なので掲載します。こちらの寄稿は二頁、文字修飾は当方が付与。スマホでは見にくいので主な反対理由を略記します。 

①市民の多様な意見、声を反映しずらくなる。別紙一覧表のように、・・・現状の上尾市の議員一人当たり7620人は、維持すべきです。益々、議員が身近ではなくなる。(資料は省略、二年前に書いたこれに近い)

②議会のチェック機能を低下させる。・・・

③一昨年の市長、議長同時逮捕に際し・・・・その反省から、議員を削減し、自戒の意味を市民に示すためと述べていますが、それは、違うでしょう。定数を減らしてもこのような不祥事は起こらないとは言えません。市民は、そうは受け取らないでしょう。前回32の定数から30に減らしました。しかし、減らしても事件は起こっているんです。

④定数削減による自戒というよりは、市長、議長同時逮捕、そして、今議会で明らかになった新たな事件を防ぐ仕組み作りこそが求められています。現在、職員倫理条例が上程され・・・議会政治倫理条例も検討されています。・・・・定数を削減したからといって、再発を防ぐ仕組みを作らなかったら、市民は納得しないでしょう。

⑤・・・ご指摘の4番は、その通りです。・・・


先日はツイッターにもよい反論があり返信をしましたが、今回は池田さんの意見へ重ねて書きます。

請願には何人減らせと要求はありませんが、腹案はマイルドな28人(4常任委員会×7人)から一割減の27人程度です(他の請願者にはハードな25人説もあります)。 

①の議員一人当たり人口7620人の件ですが、そもそも議員定数の合理的な根拠はありません。たぶん、議員活動の成果物が測定不能だからでしょう。従って削減反対者は「30人がなぜ最適なのか」、或いは市民参加を強く求めるならば「定数増を提言し」それらの根拠を示すべきです。

昔は人口基準がありましたが、今は地方議会で自由に決めてよい時代、だから「お隣さんと同じ」という根拠は既得権益思想となり、理由としては弱いのです。定数をもっと柔軟にとらえ、減らして問題が多ければ次回は戻すとか、或いは増やせばよいのです。

なお、27人の場合は8400人へ11%増にすぎず、その希薄化を実感するのは有権者ではなく、落選者三人でしょう。逆に増員した場合は、各種補助金団体で会員の多い代表者のポストになりかねません。

そもそも定数を議員が決めること自体が利益相反であり、有権者で今が丁度いいと言う人は少ないでしょう。

③の一連の事件のペナルティとして減らせというのは本末転倒だとの趣旨ですが、どんな世界でも「役に立たなかったら身を切れ」というのはアリです。定数は議員が決めるから、厳しい自律性が求められ、世間の反感を買うのです。27~28人程度は大衆迎合ではなくテクニカルな許容範囲です。「減らしても事件は起きたじゃないか」には、定数を減らせば発生確率は減るとしか言いようがありません。まさか「そして誰もいなくなった」となるのでしょうか上尾は。

④は対策なので別次元、反対理由になりません。定数削減したら対策不要と言う人はいません。

⑤質問回数の少ない議員のことですが、実は質的評価をすれば毎回やっていても良しとは言えません。

 1割程度の削減は1年もやれば慣れると思います。必ず習熟効果が働くはずです。減らしたところで、上尾市で地方議員が過労で倒れたというニュースは出ません。名物の徹夜議会はリスク因子ですから禁止しましょう。

ちなみに、先日の参院選の埼玉県区は定数1増により共産党議員が4位当選しました。

おわり

他の削減理由は前記事: 定数削減の請願-2

 

2019年7月24日 (水)

定数削減の請願-2 議員定数の合理性とは

安かろう悪かろうはダメ、しかし高かろう悪かろうはもっとダメ。

前記事の続き  ↑ は報酬と質のこと

(1) 委員会の議論

発言はよく分からないが概ねこんな感じ。詳しくは議事録を見て欲しい。

・共産、池田議員は反対理由として全国議長会の統計資料を加工して提示した(過去記事のこれと似る )。

 7/28記事に池田議員の寄稿あり

・新政クラブ議員らは事務局に下記の資料提出を求めてそれを利用していた。全国議長会HPに行けばだれでも手に入るのに、自分で用意できないのか?

・公明、前島議員は重く受け止めるが 、今は信頼回復について応えるべき、いま定数削減なのかは疑問、と体裁のよい反対。

●上尾市議会の定数推移

昭和31年の初の町議選は30人。
昭和47年から36人へ。人口12万人。
平成8年から32人へ。人口20万人突破。
平成20年から30人へ。

昔は人口段階別の法定数(上限定数)があったが、H23年に撤廃され今は議会で自由に決める。なお平成3年12月の選挙では候補者36人の無投票状態になり、減らすべきの意見が出て、四人減らしたという。

●全国統計(h29)

全国に814市区があり「20~30万人未満の市区」は46、平均定数は31.3人だ。また県内比較はここに書いた。つまり人口比較で7600人に議員一人であり、平均的であることが反対論のよりどころ。しかし定数は議会で決められるように、お隣と比較して30人で良いという理由にはならない。

しかも、こともあろうことか議員報酬が上尾は低いという話へ発展した。事務局が議員報酬の全国統計まで提出したのは、彼らの意向だろう。反対議員は、上尾は安いから若い人にはチャレンジできないと嘆いた。たんなる口実かもしれないが、世間知らずもほどがある。本社のある上場企業、ベルーナは37歳で年収513万円、スーパーバリューは42歳で515万円だ。上尾の中小企業で働く人から議員報酬は安くは見えない。まして30歳前後の議員には就職難関の一流企業並みである。

参考 市長、議員、職員等の報酬給与賞与の推定年収とラスパイレス指数

(2)請願者の考え方

 最初の起案は「議員定数の削減または定数増加を求める」というものだった。増やすことで、今より市民の参加チャンスを高めよう、という両論併記だった。地方議会で定数増の例はあまりないと思うが、4/24つまり統一地方選後の天声人語にこうある。

一つは、プロとしての責任を重くして報酬を上げる。もう一つは、首長を監視するアマチュアだと割り切り、兼業を大いに認め、報酬も日当程度にする。アマチュア議会を想像してみる。学校の先生が授業を終えて議場に駆けつける。Tシャツ姿の人が質問に立つ。託児施設がもうけられ・・・

それは、良識とボランティア精神の高い市民が多ければ可能だが、無関心が蔓延する街には絵空事である。

議員を削減したら報酬増を検討しても良いとも書いたが、本来は下げるべき。理由は単純明快。報酬とは活動行為に対して支払うもの、生活保障的な給料ではない。例えば、議会棟以外での働きぶりは(たぶん)少なく、その証明は不可能だ。

給料安ければ成り手がいないという理屈が出るが、今でも兼業可能だ。議員に成るくらいの能力があれば二毛作はできるだろう。今のレベルで報酬を上げたら、就活組が増えるだけと批判する人もいる。町村議会の成り手不足には給料上げ、相当額の他予算を削ればよいのに、それができないからダメなんだろう。

参考 市長は年300日稼働、議員は100日と仮定すると、市長年収1458万円÷3=議員486万円となる。副市長・教育長の三役平均を使うと422万円だ。この考え方は現実にある。そこへ責任の差まで加味したら更に低くなるだろう…

報酬を1割以上減らす代わりに定数を36人に増やした場合、悪貨は良貨を駆逐するかもしれない。この低投票率の街、市民運動もそこそこあるが、調べることを面倒くさがり、狭い知識で情緒的なことばかり述べるシニアが多い(一般人だから当然だが、そういう方ほど政治談議が好き)。そこから成りたい人が出るのか分からないが、「みらい創造市民会議」にみるように多数会員を擁する補助金団体からの代表市民を見れば、定数増は彼らの指定席と化し財政膨張をもたらすことを懸念する。

 結局、少数精鋭は人を鍛えるという考えをとる。

 ネットのおかげでポピュリズムが台頭しやすい時代、成りたい人やヘンな組織から守るためにも定数削減は良い。常任委員会は7~8人が良いとされ、4つだから定員28人となる。たった二名じゃインパクトが無い!もっと減らせと言われても1割減の27が適正限界だろう。5人も減らすと最低当選ラインが上がり過ぎ、政党支配が強まる、議員の固定化というデメリットがある。
 既成政党が
定数削減に反対するのは、ホンネは政党議員が政党活動を固定給でやれるためではないのかと思う。また誰かが、請願書の理由(2と4?)は議会への批判であり削減理由ではないようなことを述べたと思う。繰り返すが、定数は各自治体で決められ、自治体(かれらは風土と呼ぶかも)にあったもので良いのだから、「議員の質の低さ」は定数削減理由として合理的である。

(3)議員サポーター制度、もしくは入れ替え制度

 正規議員を減らし、減らした人件費分で議員サポーター制度を作る。十数名規模で、夜間や休日に議員を支える仕事をする。いわば、二軍あるいは議員養成機関である。当然、そこから次の選挙に出てきて現役を脅かす。この点は飯綱町議会(下記記事)に導入例がある。

 或いはサッカーのJ1・J2リーグ制と同じく、なんらかの勤務評価制度を設け、任期途中でも毎年、最下位議員を入れ替える形も緊張感があってよい。

 

つづく 共産党・池田議員の反対論とそれへの反論

 

2019年7月21日 (日)

上尾市議会の定数削減の請願-1理由

1指定席 2投票率 3ピンキリ 4新人今昔 5NHK 6請願1(本稿) 7反対論

警察が警官に甘いように、議会は議員に甘い。

「一人、少数を持って不採択」。

定数削減という市民からの請願が否決されたことはすでに書いた。請願書はこちら、謝意を込めて小川、池野、海老原、井上の4人が紹介議員として名を連ねたことを記す。なお浦和三郎議員は当該委員会メンバーのため紹介議員に加われない(この議会ルールはヘン)。

賛成 浦和
反対 大室、星野、新井、深山、前島、橋北、池田、平田。

議会事務局はちょっぴり他市よりも先進的な委員会録画を6月よりスタートしたが、皮肉にも本委員会は録画対象外となり議員発言の詳細は8月末の議事録校了までわからない。昔ながらの上尾だった。

本会議で賛成したのは政策フォーラム4人のみ。小川氏は紹介議員になりながら本会議では反対に転じた。真意不明だが、その後は新政クラブ→彩の会→無所属と距離を置いたのになぜだろう。「男を上げる」チャンスを逃したと思う。

否決は想定内だが、タイムリーで価値のある請願だったと思う。否決されるから出さないというのは戦術的に間違いである。なお、定数削減等を選挙公報に書いた例を添付したが、読みにくいので転記した。

小川明仁議員 2007/12

上尾市議会政治倫理条例の制定 議員及び家族が関連している会社が、市発注業務の請負、納入等を行うことを禁じる条例制定を目指します。
議員定数をさらに削減します。さらなる定数削減を行い、少数精鋭の市議会を目指します。これにより、費用削減にもつながります。

小川明仁議員 2011/12

議員定数の更なる削減

小林守利議員 2011/12

市議会議員の報酬の削減 議員みずから痛みを受けて市民の負担を和らげて行かなくてはなりません。
公費による行政視察の廃止 今、上尾市が置かれている経済状況をみると、公費の無駄を見直さなければなりません。

町田皇介議員 2011/12

議員定数の削減 (30名から23名へ 市民一万人あたり1議員の計算)
費用弁償の廃止 (第二の報酬と呼ばれている約10万円の費用弁償を廃止)

新井金作議員 2015/12

政務活動費の廃止・議員定数の大幅削減・議会改革

鈴木茂議員 2015/12

議会改革と行財政改革 身を切る改革で議員定数の削減を目指します。

1.選挙公約を見て思うこと

 町田氏の1万人に1議席の23人(7人削減)はお粗末案である。これでは常任委員会4つが6人構成(一つは5人)となり実務的に少なすぎる。そして当落ラインの得票数(現状1400票)は候補者数にもよるが2000票くらいまでハネ上がり、もはや特定組織・地盤票を持たない人が選挙に出ることは不可能となる。一万人に一人は大都市級である。
このとき彼は31歳位、若い候補者ほどカッコつけて大言壮語となりやすいのは、真に受ける無垢な有権者がいるからだろう。

2.定数削減の5つの理由

 こちらの登壇回数評価を見て分かるように、近年の上尾市議会の知的水準では30人いなくても市民は困らない。もはや悪い事さえしなければマシという期待値の低さにある。じっさい先の6月議会は26人だった。ところで理由の4番の元原稿はこうだった。

(旧) 4.前当選から2018年末までの三年間において、一般質問の登壇機会が12回ありながら、2回以下の議員が複数いるなど、議員活動の緊張感が欠けるため。

 これに注文が入り、直したのが下(削除が良いかと打診したら、下記で良いとのこと)。

(新) 4.議会の一般質問等において、議員活動の緊張感が足りないのではと思えるから。

登壇回数の評価はかまちょ図書館と幾度となく定量的指標として報告してきたことだが、上の文章は誰かの琴線に触れた。しかし地域代表議員には「選挙の時だけ熱心になる」地元支持者さえいれば良いのだから、この評価は無力である。参考として三年間で、渡辺0、新井1、斎藤2、嶋田2、野本2である。

3.書かれない六番目の理由

前回選挙では下から6人が新政クラブ。

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定数を25にしていたら、新政クラブは8人、公明5、政策フォーラム5、共産4、無所属3である。定数を減らすと選挙の様相が異なるため、そうなるとは限らないが、たぶんAKB事件は起きなかった(笑)。
もちろん5人減 とはあり得ない提案だ。定数の深い意味については次回へ。

殆どの新政クラブ候補者にとっては会派名を替えたところで、次の選挙は逆風となり票を減らすだろう。そこに望みをかける、今まで活動実態のない成りたがり屋さんも現れる。それが本当の新人なのか代用品なのかは分からない。

寄り道ついでに書いてみよう。

つづく 定数の合理性とは

追記 本日の参院選、上尾市でアレが1%(1900票)行くか要注目。

結果は2215票、得票率2.47%でした。この影響を受けるのは浮動票依存の新人。

 

2019年6月25日 (火)

議員定数の削減を求める請願と委員会審査

議員定数削減を求める請願は委員会にて拒否されました

紹介議員 小川明仁、池野耕司、海老原直矢、井上茂

令和元年5月31日提出

上尾市議会 小林守利議長殿

議員定数削減を求める有権者の会6名

要旨

議会の質的向上と効率的な議会活動に資するために、議員定数の削減を求めます。具体的な削減幅等については、賢明な皆様の熟慮に委ねます。

理由

  1. 膨れ上がる扶助費や公共施設維持費などで市財政のひっ迫と見直しが迫られる中、『市民に優しく・自らに厳しい』改革姿勢を求めるため。
  2. 一昨年の市長と議長同時逮捕に鑑み、彼らの不正行為を監視役としての議会がチェックできなかった責任と自戒の意味を市民に示すため。
  3. 過去の選挙公約でも有力議員が定数削減やそれに近いことを公約化しており、ご理解が得られると考えるため。 別紙参照
  4. 議会の一般質問等において、議員活動の緊張感が足りないのではと思えるから。
  5. 定員削減により、選挙や日々の議員活動の切磋琢磨が求められ、少数精鋭化やプロフェッショナル化を期待できるため。

なお、定員削減幅によっては議員報酬増額の検討も構わないと考えます。二十三万人弱の上尾市民の代表としての皆様に、理知的なご審議をお願い致します。


議会運営委員会にて審査した結果。

賛成 浦和議員一人

反対 新政議員、公明党議員、共産党議員ら多数

反対意見は夫々ですが、特に建前では賛成、各論反対になりやすいです。本会議で改めて賛否を問いますが、請願は何人減らせとは書いていないものの、上尾市議会は『一人も減らすもんか』となります。

愚かな議員を減らしたり、ヘンな新人が現れないようにする定数削減は難しいものです。警官が警官に甘いように・・・

参考 こちらの選挙公報は、選挙口約束に定数削減などを書いた方々です。本件については改めて議会終了後に書く予定です。

参考 

埼玉県の市議会議員定数と議員報酬のランキング

 

 

 

 

 

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