カテゴリー「給与など」の4件の記事

2020年7月16日 (木)

自宅から通って住居手当をもらう公務員

 初めて知った時には呆れたもんだ。

「自宅に係る住居手当」という既得権益を手離さない地方自治体の破廉恥さ。しかも廃止する時は一気にではなく、渋々と。

 民間企業には住宅手当と呼ぶ制度があり、内容は会社によって異なる。厚労省の「平成27年就労条件総合調査」では、住宅手当は企業の46%で支給され、平均月額は17,000円だ(年20万円)。一般に、貸家への家賃補助が多いと思うが、中には住宅ローンの補助とする企業もあるらしい。この手当は所得税の課税対象になるが、制度すら無い会社も半分くらいあるわけだ。

 なんと持ち家の職員にも支給されていた。と言っても、国家公務員は平成21年に「自宅に係る住居手当」を廃止し、自治体にも廃止を基本とした見直しを助言していた。で、十年たった平成31年でも廃止しないのは202団体(全体の12%)ある(総務省データ)。都道府県庁は廃止済み。

 1.上尾市は今年からゼロになったが、過去には年間9万円も。

  月額(円) 支給対象者 総額
H30 2018 2,000 600人 1440万円
H26 2014 6,000 679人 4889万円

上尾市は平成26年に廃止を決め、翌年から千円ずつ減らし今年でゼロになっている。一気にカットしない理由は、労組の抵抗が強かったのか、既得権益を守るためだったのかは分からない。しかし、この少しずつ減らす手口のことを経過措置と呼んで彼らは正当ぶる。

例えば、2014年では総額が五千万円近くも税金から支出した。最近でも対象者が600人位いた。まさか親の家から通う職員にも払っていたとか、夫婦職員で二人分とかも無いよね ('ω')

 古い資料では、H17年で持家居住者6,000円、(新築・購入後は5年間7,500円)とあった。これだと年9万円になる。公務員はローンを組みやすいのだから、市内の中小企業従事者の皆さんはこの厚遇ぶりをどう思うだろうか。  

 この悪習が温存されてきた背景は、(資料では公開されるが)住民は知る由もなく、行政職員に媚びる市長や議員、労組寄り議員が多いと知らん顔をするためだろう。ちなみに上尾市役所には自治労と自治労連の二つがあり、二労組と合意しないと出来ないのはネックだ。 

2.埼玉県には甘い体質の自治体が多い。

特定地に多い 制度ある自治体 市区町村数
北海道 109 178 61%
埼玉県  27 62 44%
千葉県 0 53 0%
東京都 0 62 0%
神奈川県 19 30 63%
全体 202 1721 12%

 首都圏では千葉県が廃止済みなのに、埼玉県と神奈川県に多い理由が分からない。下はH31/4の県内の実態だが、減額中の上尾市はカウントされていない。いずれにしても、特典を得るときは国に準じてを正当化の理由にし、廃止するときは独自、ということなら単なるエゴである。市民に向かって、「国は廃止しても、うち貰ってます」とはとても言えないはずだが、どこの街の市民も実態を知らないだろう。

参考 埼玉県の27団体
川越市、熊谷市、飯能市、加須市、本庄市、羽生市、深谷市 草加市、越谷市、蕨市、戸田市、和光市、新座市、桶川市、北本市 八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市、坂戸市、吉川市、ふじみ野市 越生町、美里町、神川町、杉戸町、松伏町

なお、国家公務員の家賃補助は月額最大28,000円埼玉県(平成31年4月1日現在)は、借家等居住者に、家賃に応じて月額最高27,000円(年額32.4万円)。持ち家への住居手当はない。

 

つづく 別な歪んだ待遇へ

 

 

2020年6月 6日 (土)

上尾市長の減給幅は民度比例か

首長らの給与減額レース

●6/4 読売新聞によると
朝霞市の富岡市長は三割削減を来年三月まで、12月賞与も削減する。市長は30%、副市長と教育長は20%削減。総額676万円の効果という。なお、朝霞市長の給与は 903,000円、副市長は766,000円。

●6/2 読売新聞によると
上尾市は下記の減給を三か月(7月~9月)とする。期末手当(賞与)は対象外。総額は150万円とか。

 畠山 市長 30% (給与90万円)
 石川副市長 20% (〃 75万円)
 池野教育長 10% (〃約70万円)

上尾市では昨年のブロック塀公金不正支出の監督責任として、9月議会に市長と副市長は給与10%カットの提案を出している。

1 市長の給料 の 減 額
  3 か月 (令 和 2年 4 月分 ~6 月 分)、 100分の 1 0
2 副市長の給料 の減額
  2 か月 (令 和 2年 4 月分 ~5 月 分)、 100分の 1 0

 昨年9月時点では不正の全容が不明だから、まだ決められないという理由で否決されたハズが、12月議会でも同じらしい。ただし今の議員は誰一人ネット発信できない人ばかりだから詳しくは分からない。

 松澤前副市長は結局払うことなく退任したため(氏の責任ではない)、市民に対する責任分は議員全員が背負うべきだ。その位の議員のプライドはあるだろう。そうでないと、責任も規律もない下尾市のままとなる。(ブロック塀で庁内一の不正部長に責任を問えず満額退職金のままであったように逃げ得社会である)

 さて、新型コロナウィルス問題による激しい経済情勢という条件はどの市も同じだからこそ、カット幅や期間の長さに差があることに注目すべきだ。曖昧な選挙公約よりもずっと比較しやすい。 

畠山市長の給与カット案がなぜ軽く見えるのか?

 世間の苦境が減給期間の三か月で終わるものではない、という理解も無いようだから、お決まりの「市民に寄り添って」一年にすると良いだろう。また、ブロック塀のカット10%分が30%の中に含まれているのだろうか、気になる。で、軽く見える理由を、昨日の今日で、麻生さんのセリフを使うとこんな感じかな。

 ・・・上尾の給与カットが他市と比べて少ないことを挙げ、『おたくとは、うちの市とは“市民の民度のレベルが違うんだ”』と。ソースはTBS

 ようするに、「カンシンとカンシ」のレベルと言うことだ。

 

 なお、市長退職金は四年任期ごとに支払われ、90万円×19.32=1738万円(手取り、推定1300万円弱)となる(こちら)。現職の首長は退職金が再選用資金になるわけだ。

つくば市長、退職金22円に 制度上の最少額

2020年6月 3日 (水)

都道府県公務員の年収と退職金

参考 民間給与 公務員給与ランキング

地方公務員給与実態調査から47都道府県職員の給与、賞与、年収、定年退職金をみる。

総務省の上記調査(2019、H31/4/1) から県庁職員について、平均給与月額×12+賞与=年収としたランキングを公開する。職員区分は一般行政職、金額は千円単位に丸めた。退職金とは「60歳定年退職者への平均支給額」のこと。

平均は、年齢42.9歳、月給41万円、賞与164万円※、年収660万円、定年退職金は2180万円※。 ※賞与と退職金は全体の加重平均が非公表のため47自治体の単純平均を使った。どれも男女別の無い全体値である。

1.都道府県職員の年収と年齢による散布図 (クリック拡大)

 大都市圏の自治体ほど若くて収入が高い。また年齢が高くて年収が低い右下ゾーンは地方圏に多い。平均年齢は42~44歳に集中する。年収は概ね600~700万円の範囲だが意外とバラつく。

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 年収が最高の東京都721万円と最安の沖縄県589万円とでは二割近い132万円の差がある。埼玉県は13位、673万円である(千葉県より高い)。なお、同じ年収比較でもこちらで書いた民間正社員の504万円は沖縄を85万円も下回り比べようがない。退職金は2100~2300万円の範囲である。
 
2.都道府県の年収ランキング(一般行政職)
順位 都道府県名 平均年齢 給与月額 賞与 年収(千円 定年退職金
  平均= 42.9 413 1,639※ 6,595 21,814※
1 東京都 41.7 449 1,825 7,210 22,363
2 大阪府 42.3 432 1,777 6,960 22,275
3 愛知県 41.7 435 1,734 6,952 22,822
4 神奈川県 43.3 432 1,749 6,938 22,619
5 三重県 44.6 430 1,760 6,923 22,066
6 静岡県 42.5 431 1,735 6,903 23,525
7 兵庫県 44.3 429 1,749 6,900 21,545
8 徳島県 44.3 430 1,706 6,863 21,954
9 滋賀県 42.3 425 1,684 6,781 22,580
10 広島県 44.1 418 1,765 6,779 21,650
11 茨城県 42.7 417 1,746 6,748 23,159
12 岡山県 43.5 419 1,712 6,734 21,427
13 埼玉県 42.4 419 1,698 6,728 22,014
14 愛媛県 43.8 423 1,645 6,722 21,981
15 香川県 43.7 420 1,677 6,716 21,150
16 山梨県 43.4 414 1,719 6,692 22,251
17 山形県 44.0 420 1,625 6,669 23,023
18 新潟県 43.8 414 1,689 6,656 22,361
19 京都府 42.8 414 1,690 6,656 23,203
20 和歌山県 43.6 411 1,662 6,600 21,537
21 岐阜県 42.4 411 1,649 6,583 21,094
22 栃木県 43.0 407 1,696 6,583 23,030
23 群馬県 43.5 408 1,688 6,581 22,801
24 奈良県 42.8 413 1,614 6,570 20,764
25 千葉県 41.0 408 1,650 6,551 21,635
26 福岡県 42.8 407 1,663 6,548 22,427
27 宮城県 42.2 407 1,629 6,510 21,390
28 福島県 42.8 408 1,603 6,502 21,967
29 熊本県 43.3 405 1,626 6,485 22,967
30 長野県 45.4 401 1,666 6,483 21,772
31 富山県 43.9 403 1,642 6,474 20,322
32 山口県 43.8 401 1,624 6,439 21,732
33 大分県 42.8 398 1,606 6,380 22,487
34 石川県 41.9 399 1,587 6,378 21,638
35 長崎県 43.6 396 1,587 6,341 21,325
36 福井県 42.5 392 1,632 6,338 22,027
37 佐賀県 42.1 395 1,574 6,309 22,032
38 秋田県 43.0 398 1,529 6,308 21,954
39 北海道 43.7 392 1,590 6,298 20,989
40 島根県 43.3 399 1,473 6,264 21,147
41 岩手県 43.0 391 1,565 6,256 22,175
42 鹿児島県 44.4 391 1,533 6,224 20,975
43 宮崎県 43.2 384 1,540 6,146 21,533
44 鳥取県 44.2 390 1,395 6,078 14,419
45 高知県 42.9 386 1,444 6,077 21,041
46 青森県 42.9 380 1,448 6,007 21,731
47 沖縄県 41.1 369 1,460 5,891 22,386

・元になる総理府データは、給与と賞与、退職金が別々のExcelファイルになっており、実は簡単に年収を推定できない。前述したように加重平均値もない。

・年齢別も非開示である。地方公務員の給与は民間よりも年功給依存が強いと思うが、もはや高年齢=高能力という根拠はなく、実態は加齢給というべきだ。つまり年収カーブの開示も必要だろう。

・都道府県職員のデータは一般職員、一般職員のうち一般行政職、教育公務員、警察職の4つと全職種の5つが公開されている。月給ベースでは警察職が平均年齢が若いにも拘わらず高い(38歳、44万円)のは、諸手当が12万円/月と他職種の二倍以上もあるためだ。勤務形態による加算かもしれない。次いで教員職(44歳、42万円)となる。一般行政職とは特に専門職の薄い数年でコロコロ短期異動するフツーの事務職のことであるが、公務員の代表として取り上げられる。

参考までに下記に全職種のデータを載せた。一般行政職よりも20~40万円くらい高くなる。

つづく

参考 全職種分のデータ: 全都道府県、月給、賞与、年収、退職金

順位 都道府県 平均年齢 月給 賞与 年収(千円 定年退職金
  単純平均= 42.8 425 1,708 6,813 22,136
1 東京都 40.5 462 1,858 7,403 22,050
2 大阪府 39.9 447 1,746 7,108 22,376
3 愛知県 40.5 439 1,794 7,066 22,374
4 静岡県 41.8 440 1,776 7,050 22,982
5 神奈川県 41.2 443 1,728 7,043 22,869
6 兵庫県 41.8 439 1,743 7,014 22,418
7 埼玉県 40.8 434 1,758 6,971 22,104
8 三重県 42.8 434 1,761 6,965 22,840
9 岩手県 43.7 439 1,689 6,961 21,988
10 新潟県 43.5 434 1,756 6,961 21,937
11 福島県 44.4 432 1,766 6,956 22,514
12 徳島県 43.4 434 1,742 6,955 22,092
13 茨城県 42.6 428 1,800 6,942 22,499
14 千葉県 40.9 432 1,755 6,939 21,947
15 滋賀県 41.5 431 1,758 6,932 22,227
16 山形県 44.4 433 1,708 6,901 22,495
17 京都府 41.7 429 1,746 6,890 22,779
18 宮城県 43.2 428 1,751 6,888 22,006
19 香川県 42.5 428 1,725 6,862 22,032
20 愛媛県 43.8 429 1,694 6,844 22,155
21 鹿児島県 44.5 429 1,690 6,842 21,929
22 福岡県 42.6 424 1,738 6,827 22,347
23 群馬県 43.0 422 1,746 6,809 22,500
24 広島県 42.3 421 1,743 6,793 22,217
25 長崎県 44.4 424 1,699 6,784 21,709
26 岡山県 42.5 419 1,748 6,774 22,548
27 大分県 44.2 420 1,729 6,769 22,362
28 秋田県 45.3 422 1,699 6,762 21,770
29 山口県 44.1 420 1,708 6,751 22,249
30 長野県 44.6 418 1,729 6,746 22,221
31 栃木県 42.8 416 1,745 6,742 22,265
32 山梨県 42.3 420 1,694 6,735 22,428
33 福井県 42.4 416 1,732 6,729 22,300
34 熊本県 43.4 418 1,700 6,716 22,248
35 北海道 43.2 419 1,687 6,715 21,614
36 岐阜県 42.0 415 1,715 6,690 21,342
37 宮崎県 43.6 416 1,644 6,642 21,968
38 富山県 42.8 414 1,669 6,633 21,911
39 島根県 43.3 423 1,555 6,632 21,937
40 和歌山県 42.1 412 1,688 6,631 21,853
41 沖縄県 42.3 418 1,605 6,624 21,263
42 奈良県 41.6 412 1,657 6,596 21,692
43 佐賀県 43.3 409 1,679 6,591 22,193
44 石川県 42.3 407 1,664 6,548 22,107
45 青森県 44.4 414 1,561 6,527 21,459
46 高知県 43.4 414 1,561 6,527 21,531
47 鳥取県 43.0 413 1,461 6,416 21,767

 

2020年5月31日 (日)

業種別年収とアベノミクス6年効果

前記事の続き

国税庁・民間給与実態統計調査(平成30年分)より

この調査については利用上の注意(国税庁)として、「標本調査のため、標本事業所及び標本給与所得者から得た標本値に、それぞれの標本抽出率及び調査票の回収率の逆数を乗じて全体の給与所得者数、給与額及び源泉徴収税額を推計している・・・」とある。また2018年の各データの標準誤差率は0.5~5%内にある(概ね1-2%)。  

1.アベノミクス前後の年収比較

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 グラフの青棒は2018年の業種別年収である。ピンク棒は、アベノミクスの前年(民主党政権2012年)との6年間の差額、折れ線は伸び率を示す。

 全体の増額は33万円(8%)であるが、突出するのは建設業71万円(16%)と不動産賃貸業72万円(19%)である。東日本大震災からの復興需要と東京オリンピックの特需、都市部でのマンション需要などを背景に建設業は人手不足のため人件費の高騰はたびたび伝えられていた。製造業が47万円(10%)と伸びているのは円安効果かも知れない。

2.散布図で業種別の実態を示す

 この調査では日本標準産業分類により14業種にわけている(業種内容はこちら
)。以下は業種別の実態を見るための散布図である。
縦軸は年収、横軸は給与所得者人数、円サイズは人数のシェアを示す。


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 平均年収が759万円と最高額である「電気・ガス・熱供給…」の人数は17万人で全体の1%にも満たない。人数最多の製造業は520万円と平均を80万円上回る。しかし、内需に依存して雇用の受け皿となっている「卸・小売業」、「サービス業」、「医療福祉」の3業種は400万円以下である。

 3.高給業種と薄給業種の比較

前記事の5番でも扱った、トップと最下位の業種について 年収区分ごとの給与所得者数の構成比である。なお、電気ガス系の人数は17万人、宿泊飲食サービス業は216万人である。

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「宿泊業飲食系」で一番多いのは100万円以下の人で27%もいる。「電気ガス系」では1000~1500万円の人たちが一番多くて19%もいる。全体として見ても、「宿泊業飲食系」 は200万円以下の人が半分以上、「電気ガス系」 は800万円以上の年収をもらえる人が4割以上もいる。

 実は、上とは別に「勤務が一年未満の人」は宿泊飲食系で113万人もおり、その短期労働者への依存度は34%と全業種で一番高い。つまりアベノミクスで雇用が増えたと言っても、主に年収水準の最下層で増えていると言えそうだ。

追記 5/21日経によれば

大手企業の定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率は2.17%。平均引き上げ額は19年比1013円減の7297円だった。7年連続で2%台を維持したものの、伸びは2年連続の鈍化。・・・3月上旬に妥結した企業が多く、コロナの影響は限定的・・・

 

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