うなぎの成瀬・上尾店と日経記事
高級食材をローコストオペレーションで提供する、コスパ鰻屋。
二月のオープンは地域ニュースで知ったが、本町の住宅街に鰻屋なんて、と関心は無かった。でも6月、日本経済新聞に記事がでて、鰻の成瀬_上尾店の名もあって驚いた。その刺激的なタイトルに釣られて食べに行った。

蒸し暑い日だったので丁度良かった。上尾市役所から歩2分、通りに面していないから目立たないが、上尾が二号店目だ。その後、岩槻店、大宮店もできたのでドミナント出店なのだろう。
松竹梅のうな重は、それぞれ鰻が一尾、3/4、1/2という区分。竹を注文し、3/4というサイズの意味が分かった。上半身と下半身の縦半分から成る。

ボリューム感を出すようなふっくらとした焼き上がりで柔らかい。一尾350gほどの大きめを扱っているとあり、白米が隠れるので大きさが分かる。後で、食べログをみたら皮が堅いと酷評があったがそれは無かった。
年齢的には量が多すぎたが、税込2200円。見た目は安い。日経がいう半値の1.5倍で換算すると、約4千円を50%増しで6千円となる。界隈で上等な恵比寿亭の国産品なら4千円から6千円位はする。
ネット記事には日本ウナギとあるが、本編を読むと稚魚のこと。養殖は台湾と中国、しかも現地で割きと下焼きをし、店内では特殊オープンで焼く。だから、煙も無ければ、かば焼きの臭いも無い(ちょっと寂しい)。そして櫛穴も無い。つまり職人不要を目指したのだ。(確かに職人に見えなかった)
また、住宅街に出店したのは、賃料という出店コストを抑えるため。以前は割烹屋だったというこの店は、居ぬき物件なのだろう。店内が全て座敷席だったのはそのためかも。だが、回転を高めるためや、イス席を好む高齢者も多いから、本来は不向きとなる。
メニューはうな重と酒しか無い。肝の入っていないお吸い物だった。いくらローコストオペレーションと言ってもやり過ぎではないか。大好きなウナ肝も無い。長居できないから、客の回転は速いわ(>_<)。鰻をコスパよく、腹いっぱい食べたい若い人向けと思ったが、入って来たのは老夫婦ばかりだった。
ついでに、それを言ったらお終いを書く。
高級食材を安く提供というコンセプトで、いきなりステーキを想い出した。で、鰻もステーキもスーパーやデパートで特上品を買えば対等に近づく。外食と内食を比べてはいけないが、やたらとコスパを目指すと、そういう比較も働きそう。
もう一つ思ったのは、ここと正反対の店のこと。
丸広の中仙道側の路面店であるステーキ屋が撤退し、春に大和という和風レストランが開店した。でも数か月で休店だ。内容を見直して再出発すると貼り紙していた。
どんなに立地が良くても、コンテンツが客層に合わないと見向きされない時代。特に飲食店は多数乱立だからそうなる。ハッキリ言って、(前店と同じく)入る気になれない店だった。弁当も売っていたが、その写真はガテン系向けの弁当屋並み。とても丸広の地下食品売場に勝てるわけが無い。店内は海鮮丼をPRするが、客が少ないためにかえって敬遠したくなる。
でも、一時閉店の決断の速さには感心する。傷の浅い内に出直すつもりなのだろう。
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